JPH0537209Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、測定管内を流れる被測定流体の流量
を電気的に測定する電磁流量計に関する。

〔従来の技術〕

一般に、電磁流量計はフアラデーの電磁誘導現
象を利用して測定管内を流れる被測定流体の流量
を電気信号に変換して測定を行うものとして知ら
れている。

従来、この種の電磁流量計は第２図に示すよう
に構成されている。これを同図、第３図および第
４図に基づいて説明すると、同図において、符号
１で示すものは両開口端部にフランジ１ａを有す
る測定管で、内壁に例えばテフロン，ネオプレン
等の絶縁ライニング２が設けられている。また、
この測定管１の外側には、管内の被測定流体の流
れ方向と直角に磁界を形成する一対の励磁コイル
（図示せず）が設けられている。３は上下２つの
ケース３ａ，３ｂからなる分割状の円筒ケース
で、前記測定管１の周囲に設けられており、軸線
方向中央部には径方向に開口するボス取付孔４が
設けられている。５は円筒状の電極取付用ボス
で、前記円筒ケース３に溶着されており、外周面
には前記ボス取付孔４の開口周縁に対接する円形
状のフランジ６が設けられている。７は前記励磁
コイル（図示せず）の磁界を介して互いに対向す
る一対の電極（一方のみ図示）で、一部が前記電
極取付用ボス５の内部に臨み前記測定管１の管壁
に設けられており、被測定流体の各点に発生した
起電力を検出するように構成されている。８はそ
の内部に端子盤（図示せず）を有する変換器で、
前記円筒ケース３の外側に取り付けられ、かつ前
記電極７および前記励磁コイル（図示せず）にリ
ード線９によつて半田接続されている。なお、こ
のリード線９は、前記電極取付用ボス５および前
記円筒ケース３にパツキン１０を介して挿通され
ている。１１は前記電極取付用ボス５を開閉する
カバー、１２は前記リード線９の先端部に取り付
けられた圧着端子、１３は前記カバー１１と前記
電極取付用ボス５との間に介装されたＯリングで
ある。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところで、従来の電磁流量計おいては、電極取
付用ボス５のフランジ６が円形状に形成され、か
つボス取付孔４が丸孔によつて構成されているた
め、円筒ケース３の電極取付用ボス５への溶着時
に被溶接物を送る方向が複雑になり、計器製作に
おける自動溶接のネツクになつていた。すなわ
ち、円筒ケース３の電極取付用ボス５への取り付
けは、被溶接物を測定管１の軸線方向あるいは外
周方向に自動送りして行うことができないからで
ある。また、溶接時にスパツタ等の円筒ケース３
への侵入を阻止することから、電極取付用ボス５
とケース３ａ，３ｂとの組付後にフランジ６の端
面が円筒ケース３の内周面に嵌合する構造としな
ければならず、このため組付時にはボス取付孔４
の内周面がフランジ６の外周面に当接して組付作
業を煩雑にするという問題もあつた。すなわち、
フランジ６の外径とボス取付孔４の口径とは大き
く異なる寸法に設定されていないため、ボス取付
孔４の内周面とフランジ６の外周面とは互いに干
渉する部分が多くなるからである。

本考案はこのような事情に鑑みなされたもの
で、電極取付用ボスと円筒ケースとの組付作業お
よび計器の製作を簡単に行うことができる電磁流
量計を提供するものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案に係る電磁流量計は、電極取付用ボスの
フランジを角形状に形成すると共に、ボス取付孔
を２つの切欠きからなる角孔によつて構成したも
のである。

〔作用〕

本考案においては、円筒ケースと電極取付用ボ
スとの組立時にボス取付孔の内周面とフランジの
外周面とが互いに干渉する部分が少なくなり、溶
接時に被溶接物の送り方向が測定管の軸線方向と
周方向の２方向で済む。

〔実施例〕

第１図は本考案に係る電磁流量計の円筒ケース
と電極取付用ボスの組付状態を示す正面図で、同
図において第２図〜第４図と同一の部材について
は同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。同
図において、符号２１で示すものは角形状のフラ
ンジで、前記電極取付用ボス５の外周面に溶着さ
れている。このフランジ２１は、前記フランジ６
と同様にボス溶接時に電極取付用ボス６（特にボ
ス上の絶縁ライニング２）への熱抵抗となるよう
に構成されている。２２はその開口周縁に前記フ
ランジ２１の一部が対接するボス取付孔で、前記
円筒ケース３の軸線方向中央部に径方向に開口し
て設けられており、全体が２つの切欠き２２ａ，
２２ｂからなる角孔によつて構成されている。

このように構成された電磁流量計における電極
取付用ボス５とケース３ａ，３ｂの組み付けは、
ケース３ａ，３ｂの半周方向の先端部をフランジ
２１の外周縁の嵌合させた後、フランジ２１の端
面上を摺動させることにより行うことができる。
このとき、円筒ケース３の切欠き２２ａ，２２ｂ
が平面矩形状であるため、ボス取付孔２２の内側
面（各切欠き２２ａ，２２ｂの切欠き面）とフラ
ンジ２１の外端面とは互いに干渉する部分が少な
くなる。

また、電極取付用ボス５と円筒ケース３の取り
付けは、その被溶接物の送り方向が測定管１の軸
線方向と周方向の２方向になり、自動溶接で行う
ことができる。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案によれば、電極取付
用ボスのフランジを角形状に形成すると共に、ボ
ス取付孔を２つの切欠きからなる角孔によつて構
成したので、円筒ケースと電極取付用ボスとの組
立時にボス取付孔の内側面とフランジの外端面と
が互いに干渉する部分が少なくなり、円筒ケース
の電極取付用ボスへの組付作業を簡単に行うこと
ができる。また、溶接時に被溶接物の送り方向が
測定管の軸線方向と周方向の２方向で済ませるこ
とができるから、円筒ケースの電極取付用ボスへ
の取り付けを自動溶接で行うことができ、計器製
作の簡素化を図ることもできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る電磁流量計の円筒ケース
と電極取付用ボスの組付状態を示す正面図、第２
図は従来の電磁流量計を示す側面図、第３図は電
極の取付部分を示す断面図、第４図は円筒ケース
と電極取付用ボスの組付状態を示す正面図であ
る。 １……測定管、３……円筒ケース、５……電極
取付用ボス、２１……フランジ、２２……ボス取
付孔、２２ａ，２２ｂ……切欠き。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 測定管の周囲に設けられ軸線方向中央部に径方
   向に開口するボス取付孔を有する分割状の円筒ケ
   ースと、この円筒ケースに溶着され前記ボス取付
   孔の開口周縁に対接するフランジを有する筒状の
   電極取付用ボスとを備え、この電極取付用ボスの
   フランジを角形状に形成すると共に、前記ボス取
   付孔を２つの切欠きからなる角孔によつて構成し
   たことを特徴とする電磁流量計。