JPS588449B2 - 電磁流量計 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は空間磁路長について改良した電磁流量計に関す
る。

電磁流量計において、励磁コイルのコイル電流Ｉと空間
磁路長δ（空間距離）との間には、の関係が成立する。

ここで、Ｋは定数、Ｂは磁束−密度、Ｔは励磁コイルの
巻数である。

従って、コイル電流を小さくして所望の電流密度を得る
ためには、又はコイル素線を細くして機器を小形にする
ためには、空間磁路長δを短かくすることが１つの方法
である。

従来、この種の電磁流量計として第１図および第２図に
示すものがある。

第１図に示す電磁流量計は、内部に流体を通す導管１を
形成した断面ほぼ■型の合成樹脂部２を有し、この■型
合成樹脂部２を直径としてこの樹脂部２に連結して保護
管３を設けたものである。

この保護管３は対向する凹部によって磁極を形成し、こ
の磁極が合成樹脂部２の外側に近接して配置可能にして
いる。

従って、相対向する一対の磁極の距離、つまり空間磁路
長δは合成樹脂部２の厚みによって決定される。

４ａ，４ｂは電極部、５ａ，５ｂはリード線である。

また、第２図に示す電磁流量計は、流体を通す非磁性導
管６に一対の電極７ａ．７ｂを絶縁して対向設置し、さ
らに一対の電極７ａ，７ｂを結ぶ線上に対し垂直に位置
する側の非磁性導管６外側に磁界を発生する励磁コイル
８ａ．８ｂを設けている。

９は鉄心、１０ａ，１０ｂはリード線である。

而して、上記何れの電磁流量計にあっても、その空間磁
路長δは導管１，６の外径によって決まるため、空間磁
路長δをその導管外径より小さくすることはできない。

仮に、導管１（合成樹脂部２を含む），６を切り欠く等
して導管肉厚を薄くした場合、流体圧によって流体漏れ
を生じ、さらに機械的な強度の低下によって寿命を半減
させ、用途上の制限も伴なう欠点がある。

本発明は以上のような実情にかんがみてなされたもので
、導管の肉厚を変えることなしに実質的に導管の肉厚を
小さくしたと同様の構造にし、これにより機械的強度を
落とすことなくコイル電流を小さくし、小形で効率のよ
い電磁流量計を提供するものである。

以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。

第３図は電磁流量計における導管本体２０の断面図であ
って、これは所定肉厚の環状体をなし、流体流通口径Ｄ
より小さい幅の電気絶縁性非磁性体部２１と、この非磁
性体部２１の外側平坦部分に接合してなるフエライト（
セラミックの一種）の電気絶縁性強磁性体部２２とから
なっている。

つまり、非磁性体部２１はこれを強磁性体部２２でサン
ドイツチにして流体流通口径Ｄよりも小さくする。

即ち、導管本体２０の肉厚はｔであるが、これを強磁性
体部２２で置き換えることで、ｔキ０と同様の機能を持
たせるものである。

なお、非磁性体部２１としては例えばセラミックスや合
成樹脂等を使用し、また強磁性体部２２はフエライトで
あるため非磁性体部２１のセラミックと同属物質である
ので、単に焼き上げて一体化することができる。

また、非磁性体部２１が合成樹脂で、強磁性体部２２が
フエライトである場合には接着剤等で液密に確実に接合
することが可能である。

また、非磁性体部２１がガラスで、強磁性体部２２がフ
エライトである場合には溶着して接合する。

２４ａ，２４ｂは非磁性体部２１のほぼ中央部２３内側
に露出して設けた一対の電極、２５ａ，２５ｂはリード
線である。

なお、図示していないが強磁性体部２２の外周部に励磁
コイルが配置される。

即ち、励磁コイルは流体並びに一対の電極２４ａ，２４
ｂの対向方向の双方に対して垂直に磁界を発生するよう
に配置する。

第３図に示す電磁流量計では導管本体２０の内側にライ
ニングを施していないが、流体が例えばアルカリ性化学
薬品や弗酸の流量測定のように非磁性体部２１と強磁性
体部２２の接合部を腐食させる性質の流体の場合にはラ
イニングを施こすこともある。

次に、第４図は導管本体２０の外形を方形状にしたもの
であり、第７Ａ図はそれにライニング２８を施したもの
である。

第５図は導管本体２０の外形および内形を方形状にし、
その強磁性体部２２の外側に励磁コイル２６ａ，２６ｂ
を設け、これを覆うように鉄心２７を設けたものである
。

第７Ｂ図は同図Ａの導管本体に励磁コイルおよび鉄心を
付加した構成を示す。

なお、本発明は上記実施例に限定されないことは言うま
でもない。

例えば第３図ないし第５図の非磁性体部２１に非金属材
料を用いたが、金属材料そのもので形成しても問題はな
い。

例えば第６図のように非磁性体部２１としてオーステナ
イト系ステンレススチ−ル、チタン或いはジルコニウム
等を使用してもよい。

この場合、非磁性体部２１は導電性であるので、電極２
４ａ，２４ｂは絶縁して取り付け、またライニング２８
を施して腐蝕等の影響のないようにする。

非磁性体部２１と強磁性体部２２は溶接などして接合す
る。

また、非磁性体部２２は等幅に形成しているが、導管本
体２０の内側より外側に向って幅広に形成するようにし
て磁界の集中を防ぐようにしてもよい。

その他本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の変形
実施が可能であることは勿論である。

以上詳記したように本発明によれば、一対の電極を取着
してなる非磁性体部をはさむようにその外側にフエライ
トの磁性体部を接合して導管本体を形成し、この磁性体
部の外側に磁界を発生する励磁コイルを配置したので、
両磁性体部は磁気抵抗が小さく、磁極としての役割を持
っているので、実質的な空間磁路長は非磁性体部の幅と
なり、従って、導管外径に左右されずに従来に比し空間
磁路長を大幅に小さくできる。

また、非磁性体部をはさむ強磁性体部としてフエライト
を用いたため、これら両磁性体部を容易に液密に接合で
きるとともに導管それ自体をも形成できる利点がある。

また、以上のように空間磁路長を大幅に小さくできるの
で、コイル電流が大幅に小さくでき、このためコイル素
線を細くできて機器全体を小形化できる。

特に小口径の電磁流量計の大きさは励磁コイルの占める
部分で決定され、導管本体の一部をそのまま磁極として
使用して導管本体の機械的強度を落とすことなく、コイ
ル素線を細くして小形にできることから、工業上非常に
有効なものである。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は従来の電磁流量計における空間磁
路長を説明する断面図、第３図は本発明に係る電磁流量
計に用いる導管本体の断面図、第４図ないし第７図は本
発明の他の実施例を説明する断面図で、特に第７図Ａは
導管本体の断面図、同図Ｂは同図Ａの導管本体に励磁コ
イルおよび鉄心を付加した場合の図である。 ２１…非磁性体部、２２…フエライトよりなる強磁性体
部、２４ａ，２４ｂ五電極、２６ａ，２６ｂ…励磁コイ
ル、２７…鉄心。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 一対の電極を結ぶ線上と同一方向に非磁性体部を配
   置し、この非磁性体部をはさむようにフエライトの磁性
   体部を配置するとともに、これらの非磁性体部と磁性体
   部とを液密に接続して流体を流通する導管本体を形成し
   、かつ前記磁性体部の外側に励磁コイルを配置してなる
   ことを特徴とする電磁流量計。 ２ 導管本体はその外形を方形状に形成したことを特徴
   とする特許請求の範囲第１項記載の電磁流量計。