JPH0537185Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の目的］ （産業上の利用分野） 本考案はダンパ装置の配設構造を改良した冷蔵
庫に関する。

（従来の技術） 従来より、この種冷蔵庫に於いては、冷却器を
配設した冷却器室など冷気発生部で発生した冷気
を、ダクトを通して仕様切換室や冷蔵室など複数
ある貯蔵室の夫々に供給するようにしたものが供
されている。而してこのものに於いては、上記各
貯蔵室に対しての冷気の供給の断続をダンパ装置
により制御するようにしており、そのダンパ装置
はその各貯蔵室内に於いて夫々ダクトの出口部分
に対し設けられている。

（考案が解決しようとする問題点） このため、上記従来のものでは、冷気の供給の
断続がダンパ装置により制御される貯蔵室の全部
について、夫々その内容積がダンパ装置により狭
められるという問題点があり、特にそのダンパ装
置を設けるに当たつては、そのダンパ装置がダン
パ本体以外にそれを駆動するベローやモータ等の
機構を付随して構成され、更にそれらを支持して
囲う囲い部材等も付随して構成されるため、それ
により上記各貯蔵室は夫々かなり大きなスペース
で実質的な内容積の減少がみられるという問題点
があつた。又、この場合、上記ダンパ装置の組込
みを、ダンパ装置を設ける貯蔵室の全部について
夫々行なわなければならないため、作業に多くの
時間がかかり、生産性が悪いという問題点をも有
していた。このほか、ダンパ装置自体について
は、上記囲い部材を貯蔵室の夫々について種類別
に要することから、部品の面でコスト高となる問
題点をも有していた。

本考案は上述の事情に鑑みてなされたものであ
り、従つてその目的は、ダンパ装置を配設するこ
とによる貯蔵室の内容積の減少を極力少なく留め
得、同時に組立て作業時間の短縮化を図り得ると
共に、使用部品の種類を少なくできてコストの低
廉化を図り得る優れた冷蔵庫を提供するにある。

［考案の構成］ （問題点を解決するための手段） 本考案の冷蔵庫は、冷気発生部で発生した冷気
をダクトを通して複数ある貯蔵室の夫々に供給す
るようにしたものにあつて、その各貯蔵室に対し
ての冷気の供給の断続制御をするダンパ装置を、
前記複数ある貯蔵室の中の一つの貯蔵室に集中配
設し、他の貯蔵室へはその一つの貯蔵室に配設し
たダンパ装置部分から貯蔵室間の断熱仕切壁に形
成したダクトを通して冷気を供給するようにした
ところに特徴を有する。

（作用） 上記手段によれば、内容積が減少するのはダン
パ装置を集中配設した一つの貯蔵室に留めること
ができる。又、ダンパ装置の組込みの作業もその
一つの貯蔵室に対してのみ行なうだけで良く、更
に囲い部材もその一つの貯蔵室に配設する一種類
を使用するだけで良い。そして、他の貯蔵室への
冷気の供給については、冷蔵庫キヤビネツトの背
部壁など側壁部にダクトを形成する必要がなく、
その分、冷蔵庫キヤビネツトの側壁部の厚みを増
す必要がなくて、該他の貯蔵室の広さを一段と増
すことができる。

（実施例） 以下本考案の一実施例につき図面を参照して説
明する。

先ず第１図に於いて、１は冷蔵庫全体のキヤビ
ネツトであり、内部を断熱仕切壁２，３によつて
上方から冷凍室４、仕様切換室５及び冷蔵室６の
三つの貯蔵室に分けており、更に冷蔵室６にあつ
てはその内部に仕切板７を設けることにより、下
部を野菜室８としている。９は冷凍室扉、１０は
仕様切換室扉、１１は冷蔵室扉、１２は野菜室扉
で、１３は野菜室扉１２に一体化した野菜容器で
ある。

而して１４は冷凍室４の奥方部に隔壁１５によ
り隔てて形成した冷気発生部で、冷却器１６を内
設しており、又、その上方には冷気吹出用のフア
ン１７を配設し、下方に冷却器除霜用の例えばガ
ラス管ヒータ１８を配設している。１９は冷気発
生部１４なかでもフアン１７の存する部分から前
記キヤビネツト１の背部断熱壁中を通つてこの場
合仕様切換室５に通ずるように設けたダクトで、
このダクト１９の先方に位置して仕様切換室５の
奥方部に第１のダンパ装置２０及び第２のダンパ
装置２１を配設している。

ここで、両タンパ装置２０，２１は詳細には第
２図乃至第４図に示す如く構成したもので、即
ち、前記ダクト１９の先端部に連なる第１のダン
パ室２２及び第２のダンパ室２３を並設して有す
ると共にその第１のダンパ室２２から仕様切換室
５に通ずる例えば複数の第１の冷気吹出通路２４
及び第２のダンパ室２３から前記断熱仕切壁３に
形成したダクト２５に通じ従つてそのダクト２５
から更に冷蔵室６に通ずる第２の冷気吹出通路２
６を有する囲い部材２７を共通に具え、その第１
のダンパ室２２には開閉口２８を、又、第２のダ
ンパ室２３には開閉口２９を共通の枠部材３０に
より設けていて、更にその第１のダンパ室２２の
開閉口２８に対向させて第１のダンパ装置２０に
於けるダンパ本体３１を設け、第２のダンパ室２
３の開閉口２９に対向させて第２のダンパ装置２
１に於けるダンパ本体３２を設けている。而して
３３はダンパ本体３１を駆動するこの場合モータ
であり、３４はダンパ本体３２を駆動する同じく
モータである。加えて、３５は囲い部材２７のダ
クト１９先端部との連通部分の周囲に設けたシー
ルで、３６は囲い部材２７のダクト２５との連通
部分の周囲に設けたシールであり、更に３７は霜
解水排出用の排水路である。

さて、上述の如く構成したものの場合、冷気発
生部１４で発生した冷気は、フアン１７により、
該フアン１７との対向位置からずらして隔壁１５
に形成した冷気吹出口（図示せず）より冷凍室４
に供給される一方、ダクト１９を通じて、第１の
ダンパ装置２０に於けるダンパ本体３１が開放さ
れていることを条件に、第１のダンパ室２２から
第１の冷気吹出通路２４を通じて仕様切換室５に
供給され、又、第２のダンパ装置２１に於けるダ
ンパ本体３２が開放されていることを条件に、第
２のダンパ室２３から第２の冷気吹出通路２６及
びダクト２５を通じて冷蔵室６に供給される。

而して第１のダンパ装置２０に於けるダンパ３
１は、仕様切換室５の例えば冷凍室や冷蔵室或い
はその中間の温度の室のいずれかの仕様設定に基
づく設定温度に対する実際の温度の高低に応じ、
「高」のときに開放され、「低」のときに閉鎖され
るというようにモータ３３により開閉されるもの
で、その閉鎖時に前述の仕様切換室５に対する冷
気の供給を断つ。一方、第２のダンパ装置２１に
於けるダンパ本体３２は、冷蔵室６の設定温度に
対する実際の温度の高低に応じ、やはり「高」の
ときに開放され、「低」のときに閉鎖されるとい
うようにモータ３４により開閉されるもので、そ
の閉鎖時には前述の冷蔵室６に対する冷気の供給
を断つ。尚、前記冷凍室４及び仕様切換室５並び
に冷蔵室６に夫々上述の如く供給されてその各室
の貯蔵品（図示せず）を冷却した後の冷気は、そ
の後図示しない帰還ダクトを通つて冷気発生部１
４に戻り、新たな冷気となつて再び前述の経路で
その各室に供給される。

このように本実施例によれば、冷気発生部１４
からダクト１９を通じての仕様切換室５に対する
冷気の供給を第１のダンパ装置２０により断続制
御し、冷蔵室６に対する冷気の供給を第２のダン
パ装置２１により断続制御するもので、そしてそ
れら第１及び第２の両ダンパ装置２０，２１はと
もに仕様切換室５の奥方部に配設しており、冷蔵
室６にはそれを設けることを避けるようにしてい
るため、それらのダンパ装置２０，２１によつて
内容積が減少されるのは仕様切換室５のみとなし
得、冷蔵室６はその内部を容積一杯に活用できる
ようになる。又、このことから、ダンパ装置２
０，２１の組込み作業も仕様切換室５に対しての
み行なえば良くなり、冷蔵室６に対してはそれを
行なう必要がなくなるから、斯かるダンパ装置２
０，２１の組込みについての組立て作業時間を従
来より短縮化できる。そして更に囲い部材２７に
ついては、前述の如く上記両ダンパ装置２０，２
１に共通の形状をもつた一種類のものを使用する
に留め得、よつて従来のような各貯蔵室毎の異な
つた種類の囲い部材を必要とすることもなくな
り、その分、コストの低廉化を達成し得る。

加えて、特に上記実施例のものにあつては、冷
蔵室６には断熱仕切壁３に形成したダクト２５を
通して冷気を供給するようにしているので、キヤ
ビネツト１の冷蔵室６に於ける背部壁など側壁部
にはダクトを形成する必要がなくなり、その分、
キヤビネツト１の同部分の側壁部の厚みを増す必
要がなくなつて薄くでき、冷蔵室６の広さを一段
と増すことができるという一層の効果を奏する。

尚、本考案は上記し且つ図面に示した実施例に
のみ限定されるものではなく、例えば、ダンパ装
置２０，２１はいずれもモータ３３，３４で駆動
されるものに限られず、例えば電磁石や或いは貯
蔵室の温度の変化に応じて変化するガス圧により
伸縮されるベロー等によつて駆動されるものであ
つても良い。更に、貯蔵室も冷蔵室や仕様切換室
以外であつても良い。

［考案の効果］ 以上の記述にて明らかなように本考案の冷蔵庫
は、冷気発生部で発生した冷気をダクトを通して
複数ある貯蔵室の夫々に供給するようにしたもの
にあつて、その各貯蔵室に対しての冷気の供給の
断続制御をするダンパ装置を、前記複数ある貯蔵
室の中の一つの貯蔵室に集中配設し、他の貯蔵室
へはその一つの貯蔵室に配設したダンパ装置部分
から貯蔵室間の断熱仕切壁に形成したダクトを通
して冷気を供給するようにしたものであるから、
それにより、ダンパ装置を配設することによる貯
蔵室の内容積の減少を極力少なく留め得、それば
かりか、ダンパを配設した以外の貯蔵室について
はその内容積を増すことができ、同時に組立て作
業時間の短縮化を達成できると共に、使用部品の
種類を少なくできてコストの低廉化をも達成でき
るという優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示したものにて、第
１図は全体の縦断側面図、第２図は第１図の−
線に沿う主要部分の拡大横断平面図、第３図は
第２図の−線に沿う第１のダンパ装置部分の
縦断側面図、第４図は第２図の−線に沿う第
２のダンパ装置部分の縦断側面図である。 図面中、５は仕様切換室（貯蔵室）、６は冷蔵
室（貯蔵室）、１４は冷気発生部、１９はダクト、
２０は第１のダンパ装置、２１は第２のダンパ装
置、２５はダクト、２７は囲い部材、３１は第１
のダンパ装置に於けるダンパ本体、３２は第２の
ダンパ装置に於けるダンパ本体を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 冷気発生部で発生した冷気をダクトを通して複
   数ある貯蔵室の夫々に供給するようにしたもので
   あつて、その各貯蔵室に対しての冷気の供給の断
   続制御をするダンパ装置を、前記複数ある貯蔵室
   の中の一つの貯蔵室に集中配設し、他の貯蔵室へ
   はその一つの貯蔵室に配設したダンパ装置部分か
   ら貯蔵室間の断熱仕切壁に形成したダクトを通し
   て冷気を供給するようにしたことを特徴とする冷
   蔵庫。