JPH0536911U - アンテナ支持具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 小型軽量な構造で、しかも方位角の調整が極
めて容易なアンテナ支持具を実現する。 【構成】 嵌合部２１ｇと内接管２１ｆとが一体成形さ
れたフレーム２１は、管状の支柱１の先端に装着され
る。ここで、内接管２１ｆが支柱管内に内接した状態で
固定ボルト２３を回動させると、クサビ形状の固定具２
２がこの内接管２１ｆ下端から奥側へ可動する。これに
より、内接管２１ｆの外径が広がって支柱管内と押圧
し、フレーム２１が固定される。

Description

【考案の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

【０００１】 この考案は、例えば、衛星放送受信に用いられる平面アンテナ等を支持するア ンテナ支持具に関する。

【０００２】

【従来の技術】

近年、衛星放送の開始に伴い、各種の平面アンテナが実用化されている。この 種の平面アンテナは、放送衛星側の送信電力の向上や、受信側のアンテナに具備 されるＢＳコンバータの雑音指数（ＮＦ）の改善に伴い、小型化／高性能化が進 められている。

【０００３】 ところで、このような平面アンテナは、その方位角および仰角を放送衛星に指 向させた状態でアンテナマスト等の支持柱に固定される。例えば、放送衛星「ゆ り」は、東経１１０゜の赤道上空の静止軌道上にあり、従ってこの放送波を受信 する場合には、日本各地からの方位角がほぼ南西方向となり、その仰角は受信点 の緯度に応じて変化する。また、各受信家庭の家屋の向きは千差万別であり、こ のような条件下で、平面アンテナを支持柱等に装着する支持具には、任意の方位 角および仰角に調整できる構造であって、しかも、風圧等に耐えて該アンテナを 固定する構造であることが要求されている。

【０００４】 図３は、こうしたアンテナ支持具の一例を示す斜視図である。この図に示すア ンテナ支持具は、支柱取付け部２とアンテナ取付け部３とから構成されている。 支柱取付け部２は、管部４とこれの両側に形成される側板５，６とからなる。管 部４には、支柱１が介挿され、ボルト７，７の締結によりこの支柱取付け部２が 支柱１に固定される。側板５，６には、それぞれアンテナ取付け部３を形成する 板材３ａ，３ｂがボルト９，１０によって固定される。

【０００５】 ここで、側板５，６には、各々ボルト１０の締結位置が可動自在となる切り欠 き８が穿設されている。このような構成によるアンテナ支持具にあっては、まず 、ベース３ｃの取付け面にアンテナが装着される。そして、ベース３ｃに装着さ れたアンテナの仰角は、上記ボルト１０の締結位置に対応して調整される。一方 、アンテナの方位角は、支柱１に取付けられる支柱取付け部２の方位によって調 整される。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、上述した従来のアンテナ支持具は、サイズが大きく重量の重い大型 のアンテナを装着するための構造を有しており、必然的に支持具自体の構造も大 型化している。このように、アンテナ支持具自体が大型化した場合、重量の増大 もあいまってアンテナ調整、特に、方位角が調整し難いという欠点がある。また 、多くの場合、アンテナ支持具はアンテナの附属品として扱われており、このた め支持具の大型化が結果的に製品価格上昇を招致しているという弊害もある。 この考案は上述した事情に鑑みてなされたもので、近年のアンテナ小型化に対 応して小型軽量な構造とし、かつ、方位角調整が極めて容易なアンテナ支持具を 提供することを目的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

この考案は、管状の支柱先端に装着され、アンテナを所定の方向に固定するア ンテナ支持具において、前記支柱先端と嵌合する嵌合部と、この支柱の管内に内 接すると共に、前記支柱先端側が閉塞された内接管とを一体成形してなるフレー ムと、前記内接管の閉塞部分を貫通し、該内接管に介挿される固定ボルトと、こ の固定ボルトに嵌着されるクサビ形状の部材であって、該固定ボルトの回動に応 じて前記内接管の下端から上端側へ可動する固定具とを具備することを特徴とし ている。

【０００８】

【作用】

上記構造によれば、嵌合部と内接管とが一体成形されたフレームは、管状の支 柱先端に装着される。ここで、内接管が支柱管内に内接した状態で固定ボルトを 回動させると、クサビ形状の固定具がこの内接管下端から奥側へ可動する。これ により、内接管の外径が広がって支柱管内と押圧し、該フレームが固定される。 これにより、小型軽量な構造で、しかもアンテナの方位角調整が極めて容易にな る。

【０００９】

【実施例】

以下、図面を参照してこの考案の実施例について説明する。図１はこの考案の 一実施例によるアンテナ支持具の構造を示す斜視図である。この図に示すアンテ ナ支持具は、アンテナ支持部１０と支柱固定部２０とから構成されている。この アンテナ支持部１０は、円弧状に湾曲した板材で形成されたスライド板１１と、 このスライド板１１に沿って長手方向側面が当接する連結材１２と、この連結材 １２を介してスライド板１１に対向配設されるアンテナ取付け板１３とから構成 されている。ここで、アンテナ取付け板１３は、取付け孔１３ａを介してアンテ ナ背面の所定位置に固定される。一方、アンテナ取付け板１３に対向するスライ ド板１１は、後述するスライドレール２１ａに沿って挿入されると共に、該レー ル２１ａによって挟持される。

【００１０】 次に、図２を参照し、支柱固定部２０の構造について説明する。同図（イ）は 、支柱固定部２０の構造を示す断面図である。この図に示すように、この支柱固 定部２０は、支持柱１の先端に装着されるものであり、該支持柱１に嵌合する嵌 合部２１ｇが形成されたフレーム２１から構成される。このフレーム２１には、 支持柱１内に挿入され、支持柱内側に内接する円筒部２１ｆに所定長の孔２１ｄ が形成されている。この円筒部２１ｆには、切目２１ｈが形成され、固定具２１ の引上げにより径が増大するように構成されている。また、該フレーム２１の頂 部２１ｅには、所定径のザグリが形成されると共に、固定用ボルト２３を孔２１ ｄへ通す貫通孔が設けられている。この固定用ボルト２３のネジ部には、断面略 クサビ形状の固定具２２が嵌着されている。

【００１１】 このような構造において、支持柱１の先端に嵌合させたフレーム２１を固定す る場合には、上述した固定用ボルト２３を締め付ける。これにより、ボルト２３ の回動に応じて固定具２２がネジに沿って孔２１ｄの奥側へ移動し、これに伴っ て円筒部２１ｆの外径を広げて支持柱１の内面を押圧する。この結果、支持柱１ 内面と円筒部２１ｆとの接触摩擦が増大し、このフレーム２１が支持柱１に固定 される。一方、こうして固定されるフレーム２１を支持柱１から取外す場合には 、上記とは逆に固定用ボルト２３を緩めれば良い。

【００１２】 次に、同図（ロ）はアンテナ支持部１０をフレーム２１に装着させる締結機構 の構造を示す断面図である。この図に示す締結機構は、フレーム２１の両側面に 、スライド板１１の形状に合せて形成されたスライドレール２１ａと、該フレー ム２１中央部に形成されたスリット２１ｃと、ネジ孔２１ｂとから成る。こうし た構造において、スライド板１１は、スライドレール２１ａに沿って摺動自在に 可動する。そして、ネジ孔２１ｂに介挿されるボルト２４を締め付けると、上記 スリット２１ｃの幅分だけスライドレール２１ａの間隔が狭まり、スライド板１ １が挟持されるようになっている。

【００１３】 上記構造によるアンテナ支持具でアンテナの方位角を調整する際には、ボルト ２３を緩めた状態で支持具全体を回動させ、アンテナ指向面を所望の方位角に向 ける。そして、目的の方位角に固定する場合には、支持柱１の内面と円筒部２１ ｆとの間に少し摩擦が加わった状態で微調整を行う。このようにすることで、従 来のように、大型の支持具を手で支えながら方位角を調整しつつ複数のボルト締 めを行うといった作業がいらず、極めて容易な微調整が可能になる。すなわち、 上述したフレーム２１はプラスチック等の合成樹脂、例えば、ガラス繊維強化ポ リカーボネート樹脂にて容易に作成でき、重量も軽く、しかも１本のボルトで調 整できるので、良好な作業性が得られる。また、支持柱１内面と円筒部２１ｆと の接触面積が広くとれるので、小型軽量化しても確実な固定が実現できる。

【００１４】 次に、アンテナの仰角は、スライドレール２１ａに挟持されるアンテナ支持部 １０の挿入位置に応じて変化する。例えば、フレーム２１の上面側からアンテナ 支持部１０の一端Ａ（図１参照）を挿入した時点では、アンテナが高仰角状態と なり、この状態から下方へアンテナ支持部１０を挿入するに連れて、低仰角にな る。そこで、アンテナの指向面を所望の仰角に調整する場合には、ボルト２４を 若干締め付けておき、スライドレール２１ａとスライド板１１との間に少し摩擦 が加わった状態で仰角を調整する。

【００１５】 このように、円弧状のスライド板１１は、両側のスライドレール２１ａによっ て緩く挟持されつつ、該レール２１ａを摺動するので、この摺動位置に応じて仰 角を微調整することができる。この場合、従来のものに比べ、作業性に富み極め て容易な調整となる。また、スライド板１１は両側から挟持されるため、接触面 積が広くとれ、この結果、確実な固定が実現されることになる。

【００１６】 なお、前述したアンテナ支持部１０は、アンテナ背面中央の上側あるいは下側 のいずれかに取付け可能である。すなわち、このアンテナ支持部１０は、アンテ ナの設置環境に応じて取付け位置が選択でき、どちらを選択しても支柱固定部２ ０に固定されるようになっている。

【００１７】

【考案の効果】

以上説明したように、この考案によれば、嵌合部と内接管とが一体成形された フレームは、管状の支柱先端に装着される。ここで、内接管が支柱管内に内接し た状態で固定ボルトを回動させると、クサビ形状の固定具がこの内接管下端から 奥側へ可動する。これにより、内接管の外径が広がって支柱管内と押圧し、該フ レームが固定されるので、小型軽量な構造となる上、方位角の調整が極めて容易 に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案による一実施例の構造を示す斜視図。

【図２】同実施例の構造を説明するための断面図。

【図３】従来のアンテナ支持具の一例を示す斜視図。

【符号の説明】

２０…支柱固定部、 ２１…フレーム、 ２１ｆ…円筒部（内接管）、 ２１ｇ…嵌合部 ２２…固定具、 ２３…固定用ボルト。

フロントページの続き (72)考案者 岡崎 康弘 東京都台東区台東一丁目５番１号 凸版印 刷株式会社内

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 管状の支柱先端に装着され、アンテナを
   所定の方向に固定するアンテナ支持具において、 前記支柱先端と嵌合する嵌合部と、この支柱の管内に内
   接すると共に、前記支柱先端側が閉塞された内接管とを
   一体成形してなるフレームと、 前記内接管の閉塞部分を貫通し、該内接管に介挿される
   固定ボルトと、 この固定ボルトに嵌着されるクサビ形状の部材であっ
   て、該固定ボルトの回動に応じて前記内接管の下端から
   上端側へ可動する固定具とを具備することを特徴とする
   アンテナ支持具。