JPH0536709Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 技術分野 この考案は孔版印刷機における排版ボツクスに
関する。

従来技術 従来この種の孔版印刷機において、印刷ドラム
に巻き付けられたマスタは、印刷終了時に分離爪
等によつて剥離されたうえ、排版ローラによつて
排版ボツクスまで搬送され、この排版ボツクス内
にその側部の入口部から収納されている。しかし
ながら、マスタは単に自然落下した状態で排版ボ
ツクス内に積み重ねられるため、マスタが多数枚
になると排版ボツクス内で嵩ばつてしまい、排版
ボツクスの入口部を塞ぎ、その結果後から送られ
てくるマスタの収納を阻害したり、排版ボツクス
を印刷機内部から取り出したとき、マスタがはみ
出てしまうというような欠点があつた。

目 的 この考案は上記のような従来のもののもつ欠点
を排除し、使用済みのマスタを効率よく収納する
ことができる排版ボツクスを提供することを目的
とする。

構 成 上記目的を達成するためこの考案は、印刷機の
排版機構に隣接して設置され、マスタの入口部を
有するボツクス本体と、このボツクス本体内に昇
降可能に収納された下降性を有する圧縮板と、こ
の圧縮板を支持して入口部より上方まで上昇させ
た後、その支持を解除することによつて圧縮板を
下降させて、ボツクス本体内に収容されたマスタ
を圧縮させる圧縮板昇降手段とを具え、ボツクス
本体はその設置位置から排除可能となつているこ
とを特徴とする孔版印刷機における排版ボツクス
にある。

以下、図面に示す一実施例について説明する。

第１図に示すように、印刷ドラム１に隣接して
上下１対の複数の排版ローラ２，３が配置され、
下部の排版ローラ軸５に分離爪６が揺動可能に取
付けられている。排版ローラ２，３の排版方向前
方に上下１対の支持軸７，８が配置され、上部排
版ローラ軸４と上部支持軸７との間および下部排
版ローラ軸５と下部支持軸８との間に複数のガイ
ド板９，１０が縦向きに支持されており、このガ
イド板９，１０に隣接してボツクス本体１１を有
する排版ボツクスが配置されている。排版ローラ
２，３等からなる排版機構は図示の構成に限定さ
れるものではなく、種々の態様をとることができ
る。

ボツクス本体１１はその側部にマスタ１８の入
口部１２が設けられ、内部に横向きの圧縮板１３
が配設されている。圧縮板１３の上部には軸１４
が横向きに固着され、この軸１４は入口部１２を
はさむ側板に設けられた縦向きのガイド溝１５に
沿つて昇降可能となつている。第３図に示すよう
に、軸１４の両端部はアーム１６の端部に支承さ
れ、このアーム１６の他端部は図示しない駆動装
置によつて正逆回転する回転軸１７に固着されて
いる。これらのアーム１６、回転軸１７および駆
動装置等は圧縮板昇降手段を構成している。この
ような構成により回転軸１７の正逆回転によつて
アーム１６が上下方向に揺動し、それに伴いアー
ム１６の下降時には圧縮板１３がその自重により
ボツクス本体１１内を下降し、アーム１７の昇降
時には駆動力により圧縮板１３がボツクス本体１
１内を上昇するようになつている。

次に上記のものの作用を説明する。

印刷が終了すると、マスタ１８は分離爪６によ
つて印刷ドラム１から剥離され、このマスタ１８
は排版ローラ２，３によつて排版ボツクスに向け
て送られる。その際マスタ１８はガイド部材９，
１０によつて排版ローラ２，３に巻き付くことな
く誘導される。マスタ１８は入口部１２を経てボ
ツクス本体１１内に入り、マスタ１８がその全長
に亘つてボツクス本体１１内に収納されると、ア
ーム１６の下降回動に伴つて圧縮板１３が自重に
より下降し、マスタ１８を圧縮する（第２図参
照）。圧縮板１３はその下降位置に達するとアー
ム１６の上昇回動によつて上昇し、次のマスタが
送られるまで上昇位置に待機する。このような圧
縮板１３の作動はマスタが一枚排版されるごとに
行われるようにしてもよいが、複数枚排板される
ごとに行われるようにしてもよい。

圧縮板１３の下面が平坦であると、その上昇時
にマスタ１８がインキの付着力により圧縮板１３
に付着し、マスタ１圧着が圧縮前の形状に復元し
てしまうおそれがある。そのためこの考案では第
４図に示すように、圧縮板１３の内面に多数の突
条１９が設けられており、それによりマスタ１８
と圧縮板１３との接触面積が小さくなり、マスタ
１８が圧縮板に付着しにくくなつている。

ボツクス本体１１は厚紙程度の強度があれば十
分であり、ある程度の枚数のマスタを収納した
ら、ボツクス本体１１ごとにその設置位置から印
刷機外部へ排除し、捨てるようにすることによ
り、従来面倒であつた排版作業も、手を汚すこと
なく行うことができ、作業能率も向上する。

圧縮板１３の駆動装置としては種々の態様が考
えられ、例えば駆動モータ、作動シリンダ等を採
用することができる。

効 果 この考案は前記のようであつて、印刷機の排版
機構に隣接して設置され、マスタの入口部を有す
るボツクス本体内に昇降可能に収納された下降性
を有する圧縮板と、この圧縮板を支持して入口部
より上方まで上昇させた後、その支持を解除する
ことによつて圧縮板を下降させて、ボツクス本体
内に収容されたマスタを圧縮させる圧縮板昇降手
段とを具え、ボツクス本体はその設置位置から排
除可能となつていて、圧縮板と圧縮板昇降手段と
は、圧縮板を上昇させる際にのみ圧縮板昇降手段
が圧縮板を支持した連結状態となり、マスタを圧
縮する際はその支持を解除した非連結状態となつ
て、その圧縮は圧縮板の下降性のみによつて行わ
れて、圧縮板昇降手段はなにも関与することがな
いので、ボツクス本体内の上下方向にわたつて圧
縮板によるマスタに対する圧縮力は常にほぼ一定
となつて各マスタは一様に圧縮され、またこの圧
縮力は圧縮板の下降性を変更することによつて容
易に変更することができ、また圧縮の際圧縮板昇
降手段になにも負荷がかからず、さらに圧縮され
たマスタを収納したボツクス本体を設置位置から
排除することにより、その廃棄処理を容易に行う
ことができるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す側面図、第
２図は圧縮板の下降状態を示す側面図、第３図は
排版ボツクスの全体斜視図、第４図は圧縮板の斜
視図。 １１……ボツクス本体、１２……入口部、１３
……圧縮板、１５……ガイド溝、１６……アー
ム、１７……回転軸、１９……突条。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 印刷機の排版機構に隣接して設置され、マスタ
   の入口部を有するボツクス本体と、このボツクス
   本体内に昇降可能に収納された下降性を有する圧
   縮板と、この圧縮板を支持して入口部より上方ま
   で上昇させた後、その支持を解除することによつ
   て圧縮板を下降させて、ボツクス本体内に収容さ
   れたマスタを圧縮させる圧縮板昇降手段とを具
   え、ボツクス本体はその設置位置から排除可能と
   なつていることを特徴とする孔版印刷機における
   排版ボツクス。