JPH0536654B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は一般に、衝突する車及びその類似物の
エネルギを吸収して分散させるための装置と材料
に関する。より詳しく言えば、本発明は、現存す
る器具で処理することが困難な住宅地域の低速主
要道に沿つて普通に設けられている電話線用の電
柱、照明装置支持体又は他の障害に衝突する車の
エネルギを吸収して分散するためのエネルギ吸収
構造体に関する。

車が、例えばセメント迫台及び柱のような固定
された構造体と衝突することを防ぐ目的のため
に、高速道路のような車の通行道路に沿つて剛性
あるガードレール及び類似の保護装置を使用しう
ることが知られている。これらの装置は高速道路
及び類似の道路上で通常用いられるけれども、車
が電柱、照明器具支持体及び他の狭い障害物に衝
突することを防ぐために、住宅地域において又は
低速主要道路に沿つてかかる装置を利用すること
は経済的でなく、典型的には可能でない。

車が変速可能な構造体又は材料に衝突してこれ
を押しつぶすとき、移動している車の衝撃エネル
ギを分散させうることも知られている。従つて、
衝突する車のエネルギを吸収するために、軽量セ
メント、プラスチツク発泡体及び種々の繊維材料
を使用しうることが技術分野において知られてい
る。

衝突する車のエネルギを圧縮により吸収するた
めに、他の種々の構造体も利用されてきた。従つ
て、衝突時に圧縮するエネルギ吸収緩衝器要素が
開発された。これらの装置の典型的なものは、圧
縮性材料で満されたバレルである。車が固定され
た物体に衝突するのを防ぐために、これらの複数
のバレルを順序づけられた整列をなして配向する
のが普通である。これらの装置のコストと寸法の
故に、これらの装置は通常、処理するのが困難な
電柱、照明機器具支持体及び障害物の周りに用い
るのは実際的でない。更に、これらの装置は通
常、美的に快いものではなく、それ故たとえそれ
らがコスト的に正当化しうるものであつても、こ
のような装置を住宅地域で用いることをしり込み
する傾向がある。

従つて、障害物と衝突する車の衝撃エネルギが
少くとも部分的に吸収されて分散されるように、
住宅地域又は低速主要道に沿つて普通に設けられ
る電柱、照明器具支持体又は他の障害物の周りに
容易に取付け又は固定されうる、取付けの容易な
低コストの衝突クツシヨンの必要がある。

本発明のエネルギ吸収装置は、複数の膨張セル
を有するエネルギ吸収シートを含んでいる。エネ
ルギ吸収シートは、障害物の周りに少くとも部分
的に巻き付けられるように設定されている。エネ
ルギ吸収シートが障害物に固定されるとき、各セ
ルは、障害物に最も近い所ではより小さく且つ障
害物から離れた所ではより大きい断面直径を有す
る縦空間を形成する。エネルギ吸収装置は、衝突
する車のエネルギの少くとも若干を吸収して分散
させるように機能する。

エネルギ吸収装置は、エネルギ吸収シートを円
形でない障害物に固定すること可能とするアダプ
タを有することができる。

好ましい実施態様において、膨張セルが充填材
料で満され、装置にカバーを設けるのがよい。

もう１つの好ましい実施態様において、エネル
ギ吸収装置は、剪断平面を与えるべく積重ね関係
で用いられるように設計された複数のエネルギ吸
収シートを有する。

従つて、本発明の利点は、現存する器具で処理
するのが困難な、住宅地域と低速主要道に沿つて
普通に設けられた電話線用電柱、照明器具支持
体、及び他の障害物の周りに容易に取付けうる低
コストの衝突クツシヨンを提供することである。

本発明のもう１つの利点は、障害物の周りに容
易に固定され、衝突する車のエネルギの少くとも
若干を吸収して分散させるエネルギ吸収装置を提
供することである。

更に、本発明の利点は、エネルギ吸収シートを
円形でない障害物に固定することを可能とするた
めのアダプタを提供することである。

本発明のもう１つ利点は、押しつぶされる面積
一平方インチ当りのセルの数を増加又は減少させ
ることにより押しつぶし力を変えることのできる
エネルギ吸収シートを提供することである。

本発明の追加の利点は、変形可能な発泡体材料
で満されたセルを有するエネルギ吸収シートを含
むエネルギ吸収装置を提供することである。

本発明のもう１つの利点は、エネルギ吸収シー
トのセルの直径を変えることにより、剪断される
交差壁の数を変えうるエネルギ吸収装置を提供す
ることである。

本発明の追加の利点は、積み重ねうるエネルギ
吸収シートを有し、それによつて良い応答を与え
る可変剪断平面力を与えるエネルギ吸収装置を提
供することである。

他の特徴と利点は、現在好ましい実施態様につ
いての以下の詳細な説明と添付図面から明らかに
なるであろう。

第１図は、本発明の膨張セル衝突クツシヨン１
１の斜視図を示す。第１図に示されているよう
に、膨張セル衝突クツシヨン１１は、柱、照明装
置支持体、セメント迫台又はの障害物（以下“障
害物１３”という）の周りに少くとも部分的に巻
き付けられるように設計されている。膨張セル衝
突クツシヨン１１は、障害物１３に衝突する乗物
の衝撃エネルギの少くとも若干を吸収して分散
し、他方それと同時に障害物を保護するように機
能する。

第２図に示すように、好ましい実施態様におい
て、膨張セル衝突クツシヨン１１は、端部材１５
と複数の交差壁部材１７とを含む実質的に長方形
のシートを包含する。交差壁部材１７は、セル領
域１９を形成する。セル領域１９は、それによつ
て縦空間２１を形成する。

セル領域１９は、任意の幾何学的断面形状例え
ば円形、正方形、長方形等の何れの形状をもつこ
ともできる。セル領域１９の現在好ましい幾何学
的断面形状は六角形である。第１図に示すよう
に、六角形の断面形状をもつセル領域１９は、ハ
チの巣形を有する縦空間２１を形成する。

端部材１５は、障害物１３の周りに少くとも部
分的に巻き付けられ、障害物１３とアダプタ１４
に固定されるか又は相互に固定されるように設計
されている。膨張セル衝突クツシヨン１１は、地
面又は舗道又は障害物１３に取付けられた段（図
示せず）の何れかの上に載るように設計されてい
る。

第３図に示すように、膨張セル衝突クツシヨン
１１が障害物１３の周りに固定されるとき、障害
物１３に最も近いセル領域１９の断面寸法２３
は、障害物１３から最も遠いセル領域１９の断面
寸法２５より小さい。この設計は、障害物１３と
衝突する乗物の衝撃エネルギの少くとも若干を吸
収して分散させるように設計された、増大した押
しつぶし力をもつ装置を提供する。

運転中、衝突する乗物のエネルギが膨張セル衝
突クツシヨンを圧縮させ、それによつてセル領域
１９が圧縮される。膨張セル衝突クツシヨン１１
の設計特に縦空間２１のため、衝突する乗物は、
乗物が障害物１３に近づく程より大きい抵抗に遭
遇する。その理由は、セル直径が小さい程、膨張
セル衝突クツシヨン１１を押しつぶすために必要
とされる力が大きいという事実のためである。単
位面積当りのセル領域１９の数を変えることによ
り、それに応じて、膨張セル衝突クツシヨンの押
しつぶし力を増大又は減少させることができる。
このことは、価格に敏感でなく且つ比較的に小さ
い空間内に閉じ込められる衝突クツシヨンに対し
て望ましい特性である。

勿論、膨張セル衝突クツシヨン１１の厚さを増
大させることにより、吸収されうるエネルギ量を
増加させることもできる。従つて、人が停車させ
ることを望む車又は場所の交通量に左右される
が、所望の応答を達成するために、膨張セル衝突
クツシヨン１１の厚さ及び／又は単位面積当りの
セル領域１９の数を変えることができる。

膨張セル衝突クツシヨン１１は、カバー２４に
より包囲されるのが好ましい。カバー２４は、環
境による劣化及び／又はいたずらによる破壊から
膨張セル衝突クツシヨン１１を保護するように機
能する何れかの耐候性材から構成されるのがよ
い。

本発明の第２の好ましい実施態様において、第
５図と第６図に示されているように、膨張セル衝
突クツシヨン１１１は、複数のシート１１２と１
１４を有する。シート１１２と１１４は、障害物
１３の周りに積み重ね関係に相互他方の上に巻付
けうるように設計されている。

各シート１１２と１１４は、複数の交差壁１１
７と２１７を夫々有する。交差壁１１７と２１７
は、複数のセル領域１１９と２１９を夫々形成し
ている。第６図に示されているように、シートが
障害物の周りに巻き付けれるとき、障害物１３に
最も近い第１シートのセル領域１１９の断面の直
径１２３は、障害物から最も遠く離れたセル領域
１１９の断面の直径１２５より小さい。第１シー
ト１１２に最も近い第２シート１１４のセル領域
２１９の断面直径２２３は、第１シート１１２か
ら最も遠く離れたセル領域２１９の断面直径より
小さい。

膨張セルシート１１２と１１４の交差壁１１７
と２１７は、互にずらされるように配向されてい
る。それ故、衝突時に、膨張セル衝突クツシヨン
１１１の押しつぶれがあるのみでなく、第２シー
ト１１４の壁２１７が第１シート１１２の壁１１
７の中へ突つ切る。従つて、シート１１２と１１
４の交差壁１１７と２１７の当接する縁が、押し
やられて、その接触点で互に他方の中へ切り込み
即ち突つ切る。シート１１２と１１４の交差壁１
１７と２１７の剪断作用は、衝突する乗物のエネ
ルギに対する制御された抵抗を与え、それによつ
て衝撃エネルギの少くとも若干を分散又は吸収す
る。

更に、シート１１２と１１４の交差壁１１７と
２１７が互に他の中へ突つ切るとき、膨張セル衝
突クツシヨン１１１が圧縮され、それによつて衝
突する乗物のエネルギの若干を更に分散させる追
加の抵抗力を発生する。従つて、衝撃エネルギ
は、交差壁１１７と２１７の切断とシート１１２
と１１４の圧縮により相当に減少される。

更に好ましい実施態様において、セル領域１
９，１１９と２１９を充填材料（図示せず）を満
すことかできる。充填材料は、変形可能な発泡プ
ラスチツクのような変形可能なエネルギ吸収発泡
体材料からなるのがよい。変形可能な発泡体材料
は、交差壁１７，１１７と２１７の強度と剛性を
増大させる。ポリウレタンが、良い応答をもつ変
形可能な発泡体材料を与えることが判明した。

変形可能な発泡体材料は、交差壁１７，１１７
と２１７の強度と剛性とを増大させる横支持を与
える。それ故、交差壁１７，１１７と２１７は、
相互は一層密着して他方の中へ突つ切ることがで
きる。その上、発泡体材料が圧縮されるとき、衝
撃エネルギを更に分散される追加の抵抗力が発生
される。更に、交差壁１７，１１７と２１７が発
泡体材料の中へ突つ切り、衝撃エネルギを更に分
散させる追加の抵抗力を生じさせる。

第５図と第６図には２つのシート１１２と１１
４のみを示してあるけれども、増大又は減少され
るエネルギの吸収と段階を与えるために、追加の
シートを指示された積重ねられた位置づけで配置
することができる。更に、変形可能なエネルギ吸
収発泡体材料としてポリウレタン発泡体を提案し
たけれども、いかなる発泡体材料も、指示された
方法で用いることができることが理解されるべき
である。

第７図〜第９図に示されている好ましい実施態
様において、膨張セル衝突クツシヨン２１１の端
部材に１１５を障害物１３に固定するために、ブ
ラケツト１８を用いることができる。第７図に示
されているように、ブラケツト１８は、衝突クツ
シヨン２１１の端部材１１５に取付けられる。膨
張セル衝突クツシヨ２１１が障害物１３の周りに
巻きつけられ、ブラケツト１８にボルト１２を通
し、膨張セル衝突クツシヨンを障害物り周りに固
定する。好ましくは、ブラケツト１８とボルト１
２は、障害物１３に対抗して膨張セル衝突クツシ
ヨン１１を保持するために十分に強力であるが、
それ自体は障害物とならない。従つて、ブラケツ
ト１８とボルト１２は、衝撃と同時に分離するよ
うに設計されている。また、シート１１２と１１
４は、膨張セル衝突クツシヨン１１１に類似の方
法でシートを障害物に固定することを可能とする
ブラケツト１８を有するのもよい。また、シート
１１２と１１４は、ピン（図示せず）により相互
に固定されてもよい。

第１０図と第１１図に示されているように、丸
くない障害物２６に衝突する車の衝撃エネルギを
吸収して弱めるためにも、膨張セル衝突クツシヨ
ン１１を用いることができる。この目的ために、
アダプタ１４が利用される。アダプタ１４は、半
円形部分２７と端部材２９とを有する。アダプタ
１４の端部２９が障害物２６に固定され、膨張セ
ル衝突クツシヨン１１がアダプタの上に固定され
る。第１１図に示すように、アダプタ１４に最も
近いセル領域の断面寸法２３は、アダプタから最
も遠く離れたセル領域の断面寸法より小さい。

交差壁１７，１１７と２１７及び膨張セル衝突
クツシヨン１１と２１１は、例えば厚紙、プラス
チツク、プラスチツク被覆紙、樹脂含浸リンネ
ル、紙、ガラス繊維布、アルミニウム、又は他の
金属又は材料等のかなり剛性のあるいかなる材料
から作られてもよい。材料の選択は、セル領域１
９の断面形状に影響するかも知れないことに留意
されるべきである。

上述の好ましい実施態様に対する種々の変更と
修正が当業者にとり明らかであることが理解され
るべきである。このような変更と修正は、本発明
の精神と範囲から離脱することなく且つその付随
した利点を減少させることなく実行することがで
きる。それ故、このような修正と変更が特許請求
の範囲によりカバーされることが意図されてい
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は、柱の周りに巻き付けられた膨張セル
衝突クツシヨンの好ましい実施態様の側面図で、
一部破断して示してある。第２図は、膨張セル衝
突クツシヨンの好ましい実施態様の側面図であ
る。第３図は、第１図の膨張セル衝突クツシヨン
の一部の平面図である。第４図は、第１図の膨張
セル衝突クツシヨンの上面図で、一部破断して示
してある。第５図は、柱の周りに巻き付けられて
膨張セル衝突クツシヨンのもう１つの好ましい実
施態様の上面図で、一部を破断して示してある。
第６図は、第５図の膨張セル衝突クツシヨンの一
部の平面図である。第７図は、膨張セル衝突クツ
シヨンのもう１つの好ましい実施態様の側面図で
ある。第８図は、柱の周りに巻き付けられた第７
図の膨張セル衝突クツシヨンの上面図で、一部を
破断して示してある。第９図は、柱の周りに巻き
付けられた第７図の膨張セル衝突クツシヨンの側
面図である。第１０図は、アダプタに固定された
膨張セル衝突クツシヨの好ましい実施態様の側面
図である。第１１図は、第１０図の線１１−１１
に沿つて矢印の方向に見た膨張セル衝突クツシヨ
ンとアダプタの断面図である。 １１，１１１，２１１……膨張セル衝突クツシ
ヨン、１１２，１１４……エネルギ吸収シート、
１３……障害物、１７……交差壁、２６……障害
物、１４……アダプタ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 交差壁１７，１１７，２１７の配列からなる
   少なくとも１つの衝突クツシヨン１１，１１１，
   ２１１を備え、前記交差壁はその間に細長いセル
   １９，１１９，２１９を構成し、該細長いセル１
   ９，１１９，２１９が交差壁１７，１１７，２１
   ７の内側と外側の間に延び、前記衝突クツシヨン
   １１，１１１，２１１が、衝突する乗物を沿道の
   障害物１３から保護するために沿道の障害物１３
   に固定される形式のエネルギー吸収装置１１，１
   １１，２１１において、 細長いセル１９，１１９，２１９がこれに隣接
   した地面にほぼ平行に向けられ、かつ交差壁１
   ７，１１７，２１７の内側が沿道の障害物１３と
   交差壁１７，１１７，２１７の外側との間に位置
   決めされるように、衝突クツシヨン１１，１１
   １，２１１を非平面形の沿道の障害物１３に取付
   けるための手段１２，１４，１８を備え、 前記衝突クツシヨン１１，１１１，２１１は、
   少なくとも大部分のセル１９，１１９，２１９を
   テーパさせ、かつ衝突する乗物が障害物１３に近
   づくほど、より大きい抵抗に遭遇するように、セ
   ルが沿道の障害物１３に近いほど小さい断面寸法
   を、又沿道の障害物１３から遠いほど大きい断面
   寸法を構成するように位置決めされている、こと
   を特徴とするエネルギー吸収装置。 ２ 各々のセル１９，１１９，２１９は断面が六
   角形である、ことを特徴とする特許請求の範囲第
   １項に記載の装置。 ３ セル１９，１１９，２１９を満たす充填材料
   を更に備え、該充填材料は衝突する乗物の運動エ
   ネルギーを吸収するように変形するようになつて
   いる、ことを特徴とする特許請求の範囲第１項に
   記載の装置。 ４ 充填材料は発泡体からなる、ことを特徴とす
   る特許請求の範囲第３項に記載の装置。 ５ 沿道の障害物１３は円筒形であり、衝突クツ
   シヨン１１，１１１，２１１は少なくとも部分的
   に沿道の障害物に巻かれる、ことを特徴とする特
   許請求の範囲第４項に記載の装置。 ６ 沿道の障害物１３は表面を有し、取付け手段
   １４は、前記表面の曲率半径よりも小さい曲率半
   径を有する凸状カーブの衝突クツシヨンを形成す
   る、ことを特徴とする特許請求の範囲第１項に記
   載の装置。 ７ 少なくとも１つの衝突クツシヨン１１１は、
   衝突する乗物の運動エネルギーを散逸させるよう
   に、互いに圧入し切り込む積重ね関係に配列され
   た複数の衝突クツシヨン１１２，１１４からな
   る、ことを特徴とする特許請求の範囲第１項に記
   載の装置。 ８ セル１１９，２１９を満たす充填材料を更に
   備え、該充填材料は衝突する乗物の運動エネルギ
   ーを吸収するように変形するようになつている、
   ことを特徴とする特許請求の範囲第７項に記載の
   装置。 ９ エレメント１１２，１１４の交差壁１１７，
   ２１７は互いにずれている、ことを特徴とする特
   許請求の範囲第８項に記載の装置。 １０ 衝突クツシヨン１１，１１１は形状が円筒
   形である外面を構成する、ことを特徴とする特許
   請求の範囲第１項に記載の装置。 １１ 衝突クツシヨン１１，１１１は隣接する地
   面に垂直に向けられた外面を構成する、ことを特
   徴とする特許請求の範囲第１項に記載の装置。