JPH0536366U - 血液容器の分配装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 血液試料が収容されてなる容器を、全く人手
を介することなく、検査別に、かつ、各検査別の中で
も、優先的に処理すべきものを自動的に仕分ける。 【構成】 血液容器を搬送する搬送ライン１，１′の始
端部に配設された容器投入ストッカー３と、この容器投
入ストッカー３の下流側に配設された検体仕分け部８
と、を有して構成され、上記搬送ライン１，１′上を移
送される血液容器は、該血液容器に貼着された情報体の
情報を読み取り分配作動する移載手段を介して特殊検査
用のもの・生化学検査用のもの・免疫学検査用のもの等
の検査別に上記検体仕分け部８の各ストッカーに分配さ
れると共に、該検体仕分け部８に分配された各検査別の
血液容器は、再び上記移載手段の位置まで返送されて、
各検査別内における検査時間のかかる順に或は／及び遠
心処理の要否別の順等の予め設定された優先順位毎に仕
分ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、血液試料を各検査機器まで移送する前に、該血液試料が収容され た各血液容器を検査項目毎に、かつ、優先順位毎に自動的に仕分けする血液容器 の分配装置に関する。

【０００２】

【従来技術とその課題】

周知のように、血液検査は、病（医）院で所定の事務処理を済ませた後に、採 血担当者によって血液が採取され、この採取された血液は、容器等に収容された 後に、検査依頼書とともに各検査装置まで移送され、所定の血液検査が行われて いるのが一般的である。

【０００３】 ところで、近年の血液検査においては、一日に処理する血液件数が飛躍的に増 加し、一病（医）院で処理するのには人件費やコスト面からおのずとから限界が あることから、近年では、採血された血液を専門の血液検査センターに依頼して 処理しているのが現状である。

【０００４】 しかしながら、このように専門血液検査センターにおいても、依頼試料の検査 別仕分け作業は、この仕分け作業が終了しない限り血液検査ができない重要な作 業であるにも拘らず、依然として多くの人手により行なわれているのが現状であ り、かかる作業が非常に煩雑であり、血液容器の自動移送化を妨げる大きな要因 となっている、という問題を有していた。

【０００５】 この考案は、かかる現状に鑑み創案されたものであって、その目的とするとこ ろは、血液試料が収容されてなる容器を、全く人手を介することなく検査別に、 かつ、各検査別の中でも、検査時間のかかるものや遠心分離が必要なもの或は不 要なもの等、優先的に処理すべきものを自動的に仕分けることができる血液容器 の分配装置を提供しようとするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため、この考案にあっては、血液容器の分配装置を、血液 容器を搬送する搬送ラインの始端部に配設された容器投入ストッカーと、この容 器投入ストッカーの下流側に配設された検体仕分け部と、を有して構成し、上記 搬送ライン上を移送される血液容器は、該血液容器に貼着された情報体の情報を 読み取り分配作動する移載手段を介して特殊検査用のもの・生化学検査用のもの ・免疫学検査用のもの等の検査別に上記検体仕分け部の各ストッカーに分配され ると共に、該検体仕分け部に分配された各検査別の血液容器は、再び上記移載手 段の位置まで返送されて、各検査別内における検査時間のかかる順に或は／及び 遠心処理の要否別の順等の予め設定された優先順位毎に仕分けられるように構成 したことを特徴とするものである。

【０００７】

【実施例】

以下、添付図面に示す一実施例に基きこの考案を詳細に説明する。

【０００８】 図１は、この実施例に係る血液容器（図示せず）の分配装置Ａを示しており、 該分配装置Ａは、２本の搬送ライン１，１’と、これら搬送ライン１，１’間に 配設された戻しライン２と、上記搬送ライン１，１’と戻しライン２とを接続す るバイパスラインＢと、で構成されてなる搬送ラインを有して構成されている。 尚、この搬送ライン１，１’のバイパスラインＢより下流側は、遠心分離器或は 各種検査機器まで血液容器を移送することができるように延設されている。

【０００９】 この搬送ライン１，１’及び戻しライン２は、例えば、無端ベルトコンベアで 構成されており、この各ライン１，２には弱い磁力が付与されている。

【００１０】 このように、各ライン１，２に弱い磁力を付与し、血液容器を立設保持するラ ックを吸着性金属で構成することにより、搬送を円滑に行なうことができる。勿 論、血液容器を停止させて作業を行なう部位にはストッパーを配設する。

【００１１】 また、血液容器を立設保持するラックは、検査或は検体分注が終了した空のラ ックが戻しライン２を経て搬送ライン１，１’へと供給されるもので、各種サイ ズの血液容器を保持することができるようにフリーサイズ構造になっている。勿 論、このラックに立設保持される血液容器の開口部には、収容された血液の漏出 を防止するためのゴム栓が装着されている。

【００１２】 さらに、上記分配装置Ａは、図１に示すように、搬送ライン１，１’の始端部 に振り分けられて配設された血液容器投入ストッカー３及び空ラックストッカー ４と、上記搬送ライン１，１’の下流側に順に配列されたバーコードリーダ５、 移載ロボット６、シーケンスナンバープリンター７及び検体仕分けライン８と、 を有して構成されている。

【００１３】 血液容器投入ストッカー３には、試験管立てラックのような複数本の血液容器 を立設したラック（図示せず）がセットされ、該ラックに立設された血液容器（ 図示せず）は、移載ロボットなどのラック移載手段（図示せず）を介して搬送ラ イン１，１’の始端に供給された空のラックへと順次立設された後、該搬送ライ ン１，１’によって移載ロボット６方向へと移送される。勿論、この各血液容器 の表面には、検体主に関する患者情報や検査種別などがバーコード化されて貼着 されている。

【００１４】 一方、全ての血液容器が抜き出された上記ラックは、上記ラック移載手段によ って空ラックストッカー４へと移送される。

【００１５】 バーコードリーダ５は、各搬送ライン１，１’によって移送される血液容器の 患者情報や検査種別などを移載ロボット６の手前の位置で読み取った後、該情報 をホストコンピュータ（図示せず）へと入力し、ホストコンピュータは、この読 み取られた患者情報に対応するシーケンスナンバーをシーケンスナンバーコント ローラ９を介して該血液容器に付与する。尚、上記シーケンスナンバーとは、当 該検査施設において当日処理される検体に付される毎日の通し番号であり、該ナ ンバーは、公知のインクジェッタープリンターにより自動的に書き込まれる。

【００１６】 この後、上記血液容器は、搬送ライン１，１’によって移載ロボット６ヘと移 送される。

【００１７】 移載ロボット６は、検査依頼情報や患者情報及びシーケンシャル番号等が入力 された制御装置（ＣＰＵ）とオンライン接続されて制御されるもので、移送され てきた血液容器の中から、特殊検査用のものや読み取り不能のもの或は血液量が 不足するもの及び依頼項目なしのものをピックアップし、これらを特殊検査スト ッカー１０、読取不能ストッカー１１及び依頼なしストッカー１２へと夫々移送 するもので、搬送ライン１，１’の上を昇降・横断可能な公知の機構からなるピ ックアップロボットで構成されている。

【００１８】 このようにして、上記各事由に該当し、各ストッカー１０，１１’１２へと移 載された後に空となったラックは、該移載ロボット６のすぐ下流に形成されたバ イパスラインＢへと送られた後、上記戻しライン２へと返送される。

【００１９】 勿論、上記各事由に該当しない血液容器は、移載ロボット６によってピックア ップされることなくシーケンスナンバープリンター７及び検体仕分けライン８へ と移送される。

【００２０】 シーケンスナンバープリンター７は、移載ロボット６によってピックアップ されずに移送されてきた各血液容器の表面に貼着されたバーコードラベル等の情 報体に、前記シーケンスナンバーコントローラ９によって付与されたシーケンス ナンバーを数字態様で印刷するもので、公知のインクジェッタープリンターで構 成されている。勿論、このプリンター機構は、他の公知のプリンター機構を採用 することもでき、さらには、予め数字化されたシーケンスナンバーが印刷された 紙を、血液容器の表面に貼着するように構成してもよい。

【００２１】 このようにしてシーケンスナンバーが付与された血液容器は、この後、検体仕 分けライン８へと移送される。これは、時間のかかる検査やまとめて分析する検 査の対象となるものを先に処理することで、検査効率を向上させるために行われ る。

【００２２】 この検体仕分けライン８は、上記各搬送ライン１，１’の左右に振り分けられ て配設されており、上流側から順に、その他の検査用血液容器ストック部１３， １３’、生化学・免疫検査用血液容器ストック部１４，１４’、蛋白分画検査用 血液容器ストック部１５，１５’および用手法検査用血液容器ストック部１６， １６’から構成されており、これら各ストック部の入口から搬入された血液容器 は、これら各ストック部の入口より下流に形成された出口から順に上記各搬送ラ イン１，１’へと搬出されるように形成されている。

【００２３】 従って、搬送されてきた血液容器に対する依頼項目に、用手法検査の依頼があ る血液容器は、一番下流側にある用手法用血液容器ストック部１６，１６’へと 搬入される。勿論、本システムの始動時には、上記用手法用血液容器ストック部 １６，１６’内には血液容器が搬入されていないため、全項目が対象の血液容器 のうちの数本は、自動遠心部（図示せず）へとストレートに搬送され、残りの血 液容器は、例えば、自動遠心部における遠心分離作業が終了するまでの間、待機 しなければならないため、用手法用血液容器ストック部１６，１６’へと搬入さ れる。

【００２４】 また、搬送されてきた血液容器に対する依頼項目に用手法検査の依頼がなく、 かつ、蛋白分画の依頼がある血液容器は、上記その他の検査用血液容器ストック 部１３，１３’及び生化学・免疫検査用血液容器ストック部１４，１４’の前を 素通りして蛋白分画検査用血液容器ストック部１５，１５’へと搬入される。

【００２５】 さらに、搬送されてきた血液容器に対する依頼項目に、用手法検査・蛋白分画 検査の依頼がなく、かつ、生化学検査の依頼がある血液容器は、その他の検査用 血液容器ストック部１３，１３’の前を素通りして生化学・免疫検査用血液容器 ストック部１４，１４’へと搬入される。

【００２６】 勿論、搬送されてきた血液容器に対する依頼項目に、生化学検査、蛋白分画検 査或は用手法検査の依頼がないものは、上記その他の検査用血液容器ストック部 １３，１３’へと搬入される。

【００２７】 このようにして、１回目の検査別の仕分け作業が終了すると、２回目の優先順 位付け仕分け作業が行われる。

【００２８】 この優先順位付け仕分け作業は、例えば、血糖を測定する場合には、第１順位 として、検体読み取り不能のもの或は血液量が不足するもの及び依頼項目なしの ものが指定され、第２順位としてＨｂＡＩＣ検査のものが指定され、第３順位と して血糖検査のものが指定され、という具合に行われる。また、末血検査の場合 には、例えば、第１順位として、検体読み取り不能のもの或は血液量が不足する もの及び依頼項目なしのものが指定され、第２順位として特殊染色や赤血球抵抗 試験などの特殊検体が指定され、第３順位としてＨｂＡＩＣ検査のものが指定さ れ、第４順位として血液像検査のものが指定され、第５順位として血球計算の対 象となるものが指定され、第６順位としてレニンやケトン等の検査対象のものが 指定され、という具合に行われる。

【００２９】 このように制御装置に各検査別毎の優先順位付け情報を予め入力しておくと、 上記第１回目の検査別仕分け作業が終了した後、例えば、左右の生化学・免疫検 査用血液容器ストック部１４，１４’に収納された各血液容器は、上記各搬送ラ イン１，１’からバイパスラインＢを経て戻しライン２へと移送され、該戻しラ イン２の終端部に配設されたバーコードリーダ５’によって検査種別、即ち、優 先順位が読み取られた後、第１順位のものが、例えば、一方の搬送ライン１によ り生化学・免疫検査用血液容器ストック部１４へと移送され、その他のものは他 方の搬送ライン１’により他方の生化学・免疫検査用血液容器ストック部１４’ へと移送される。

【００３０】 このようにして第１優先順位のものが生化学・免疫検査用血液容器ストック部 １４に収納されると、次に、上記他方の生化学・免疫検査用血液容器ストック部 １４’に収納された優先順位が第２番目以下の血液容器が搬送ライン１’へと押 し出された後、上記バイパスラインＢを経て戻しライン２へと移送され、該戻し ライン２に配設された上記バーコードリーダ５’によって第２優先順位のものが 一方の搬送ライン１により生化学・免疫検査用血液容器ストック部１４へと移送 され、その他のものは他方の搬送ライン１’により他方の生化学・免疫検査用血 液容器ストック部１４’へと再び移送される。以後、上記手順により、第３優先 順位の血液容器から第４優先順位の血液容器という具合に優先順位の早い血液容 器の順に各血液容器が生化学・免疫検査用血液容器ストック部１４へと収納され るため、該生化学・免疫検査用血液容器ストック部１４には、優先順位の早い順 に各血液容器が整然と並べられる。勿論、この優先順位順の仕分けは、奇数順位 のものを一方の生化学・免疫検査用血液容器ストック部１４に収納させ、偶数順 位のものを他方の生化学・免疫検査用血液容器ストック部１４’へと振り分けて 収納させるように構成することもできる。

【００３１】 勿論、かかる優先順位毎の振り分け作業は、必要に応じてその他の検査用血液 容器ストック部１３，１３’や蛋白分画検査用血液容器ストック部１５，１５’ および用手法検査用血液容器ストック部１６，１６’に収容された血液容器に対 しても同様に行われる。このときの優先順位付け仕分け作業は、検査時間がかか るものや他の処理が検査に先立って必要なものが優先して行われる。

【００３２】 このようにして、各ストック部への優先順位付けに基く仕分け作業が終了する と、先ず、用手法検査用血液容器ストック部１６，１６’にストックされた第１ 優先順位の血液容器が、自動遠心部における遠心分離作業が終了する毎に所要本 数毎に順次搬出されて自動遠心部へと供給され、続いて、第２優先順位以降の血 液容器が上記手順に従って順に自動遠心部へと移送される。

【００３３】 このようにして用手法検査用血液容器ストック部１６，１６’に収容された全 ての血液容器が移送されると、次に、蛋白分画検査用血液容器ストック部１５， １５’、生化学・免疫検査用血液容器ストック部１４，１４’、その他の検査用 血液容器ストック部１３，１３’の順に、各ストック部に収容された血液容器が 優先順に順次搬出されて自動遠心部へと搬送される。

【００３４】 勿論、この血液容器の搬出順序および優先順位付けは、上記実施例に限定され るものではなく、本装置を採用する施設のニーズに対応させて適宜選択すること ができる。

【００３５】 それ故、この実施例に係る血液容器の分配装置にあっては、全く人手を介する ことなく、検査依頼情報や患者情報及びシーケンシャル番号等が入力された制御 装置（ＣＰＵ）に基き、血液容器の中から、特殊検査用のものや読み取り不能の もの或は血液量が不足するもの及び依頼項目なしのものをピックアップし、これ らを特殊検査ストッカー１０、読取不能ストッカー１１及び依頼なしストッカー １２へと夫々分配すると共に、これらの各事由に該当しない血液容器は、そのま ま検体仕分けライン８へと送られた後、依頼数の多い検査のもの或は急ぐものの や時間のかかるもの等、予め設定された優先順位に従って再仕分けするように構 成したので、このような仕分け作業を、極めて効率的に、かつ、正確・迅速に行 うことができ、しかも、人件費を大幅に削減することができる。

【００３６】 尚、上記実施例では、特殊事由に該当する血液容器の仕分け作業と、優先順位 の仕分け作業とを別々に行う場合を例にとり説明したが、この考案にあってはこ れに限定されるものではなく、特殊事由に該当する血液容器の仕分け作業と、優 先順位の仕分け作業とを同時に行ってもよいこと勿論である。

【００３７】 また、上記実施例では、搬送ライン１，１’をエンドレスベルト状に構成した 場合を例にとり説明したが、ループ状或は蛇行状に形成することもでき、或は、 搬送ラインを１本或いは２本以上とすることもできる。

【００３８】

【考案の効果】

この考案に係る血液容器の分配装置は、以上説明したように、血液試料が収容 されてなる容器を、先ず検査別に仕分けした後、この仕分けされた血液容器を、 さらに、検査時間のかかるものや遠心分離が必要なもの或は不要なもの等、優先 的に処理すべきものに仕分けるように構成したので、この種の仕分け作業を全く 人手を介することなく行うことができ、その結果、この種の仕分け作業に要する 人件費を大幅に削減することができると共に、このような仕分け作業を、高効率 で正確かつ迅速に行うことができる等、幾多の優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施例に係る血液容器の分配装置
の構成を概略的に示す平面説明図である。

【符号の説明】

Ａ 血液容器の分配装置 Ｂ バイパスライン １，１’ 搬送ライン ２ 戻しライン ５，５’ バーコードリーダ ８ 検体仕分部 １３，１３’ その他の検査用血液容器ストック部 １４，１４’ 生化学・免疫検査用血液容器ストック部 １５，１５’ 蛋白分画検査用血液容器ストック部 １６，１６’ 用手法検査用血液容器ストック部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 血液容器を搬送する搬送ラインの始端部
   に配設された容器投入ストッカーと、該容器投入ストッ
   カーの下流側に配設された検体仕分け部と、を有して構
   成され、上記搬送ライン上を移送される血液容器は、該
   血液容器に貼着された情報体の情報を読み取り分配作動
   する移載手段を介して特殊検査用のもの・生化学検査用
   のもの・免疫学検査用のもの等の検査別に上記検体仕分
   け部の各ストッカーに分配されると共に、該検体仕分け
   部に分配された各検査別の血液容器は、再び上記移載手
   段の位置まで返送されて、各検査別内における検査時間
   のかかる順に或は／及び遠心処理の要否別の順等の予め
   設定された優先順位毎に仕分けられることを特徴とする
   血液容器の分配装置。