JPH0536351A - Crtアルミバツク用アンダーコート被膜の形成方法 - Google Patents

Crtアルミバツク用アンダーコート被膜の形成方法

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JPH0536351A
JPH0536351A JP19001591A JP19001591A JPH0536351A JP H0536351 A JPH0536351 A JP H0536351A JP 19001591 A JP19001591 A JP 19001591A JP 19001591 A JP19001591 A JP 19001591A JP H0536351 A JPH0536351 A JP H0536351A
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JP
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film
coating
pretreatment agent
treatment agent
undercoat
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JP19001591A
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Inventor
Yoshihisa Osaka
宣久 大坂
Yukihiro Ikegami
幸弘 池上
Kiichiro Ishiguro
喜一郎 石黒
修一郎 ▲徳▼田
Shuichiro Tokuda
Masanori Itakura
正則 板倉
Tomihide Endo
富秀 遠藤
Kotoji Fujiwara
琴二 藤原
Seihachiro Hayashi
清八郎 林
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Mitsubishi Electric Corp
Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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  • Formation Of Various Coating Films On Cathode Ray Tubes And Lamps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】均一、平滑で、且つ輝度の低下をきたさないア
ルミニウム金属から成るメタルバック層を有するCRT
蛍光面を得る。 【構成】スピンコーターを用い、複数回、初めに高速、
次いで低速にて、前処理剤を塗布し、次いで振り切りを
行うことにより、改善されたCRTアルミバック用アン
ダーコート膜の薄膜を作成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、CRT(陰極線管)蛍
光面に、例えばアルミニウム金属を用いたメタルバック
層を形成するための、アンダーコート剤を施す前処理剤
の塗布方法に関する。
【0002】
【従来の技術】CRTは、ディスプレイとしていろいろ
な用途に用いられているが、近年の情報の多様化、高密
度化にともない、更に高性能な、特に、高精細な表示が
要求されている。しかしながら、高精細にすればするほ
ど、輝度が低下することになり、実用性には自ずから限
界が生ずることとなっていた。
【0003】そこで、従来は高精細化しつつ、併せ輝度
を低下させないようにするために、蛍光体層を形成した
後、アルミニウムのような金属を用いたメタルバック層
を形成させ、その反射を利用する方法が取られていた。
この方法では、一般に、水の中に樹脂を乳化せしめたエ
マルジョンを用い、これを蛍光体層上に塗布して膜を形
成し、この膜の上にメタルバック層を形成するか、ある
いは、蛍光体層の上に、水の膜をはらせ、ついで溶剤に
溶かした樹脂を水膜上に張り、この樹脂膜上にメタルバ
ック層を形成する、ことが行なわれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来行なわれてきた前
述の2方法のうち、エマルジョンを用いるメタルバック
の形成方法では、焼成時の揮発するガス量が多く、この
揮発ガスによりメタルバック層が蛍光体面より持ち上が
る(いわゆる「火ぶくれ」)現象が起こるため、メタル
バック層を平滑にするにはおのずと限界があった。ま
た、溶剤に溶かした樹脂を用いるメタルバックの形成方
法では、エマルジョン法よりも、焼成時のガスの発生が
少ないため上記のような欠点はないものの、蛍光体層が
溌水性のために水膜が形成しづらく、水膜の平滑性が保
持できない等の欠点があることに加え、水膜上に溶剤系
樹脂の均一な層が形成しづらく、膜面にムラが出来た
り、ピンホール、クラック等が発生するなど実用上の問
題が多い。
【0005】特に、前処理剤により形成された水膜の表
面の乱れが、その上に形成される溶剤系樹脂の平滑性に
大きな影響を及ぼす為、水膜の表面をいかに平滑にかつ
均一に形成させるかがCRTの輝度向上の技術的課題で
あった。更に、このようなアンダーコート被膜の形成を
難しくしている要因の一つとして、薄膜の形成を水膜上
で作る、即ちウェット−オン−ウェットで行うこと自体
が問題となる。水膜上で、溶剤系の樹脂薄膜を形成する
ことは、両者の溶液粘度が低いため、例えば、塗布時、
界面の乱れが起き易いこと、塗布中も、水膜を蛍光体面
に対して、一定の高さに保持する必要があること、両者
の乾燥速度、それにともなう粘度変化に対応しつつ成膜
させる必要があること等の、多くの技術的に困難な問題
があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
について鋭意検討した結果、高輝度、高精細なCRTに
好適な、且つ平滑なアルミバック面を得るためのアンダ
ーコート被膜の形成方法として、特定の条件下のもとで
塗工することにより、蛍光体面上に、平滑でしかも、ピ
ンホールやクラックの発生の無い、アルミバック被膜が
形成できることを見いだし、本発明に到達した。
【0007】即ち本発明は、蛍光体ストライプもしくは
蛍光体ドットが積層された硝子パネルに、前処理剤を塗
布し、ついで、前処理剤層の上に、ウェット−オン−ウ
ェットで、溶剤型CRTアルミバック用アンダーコート
剤を塗布した後、乾燥して、アルミバックアンダーコー
ト被膜を形成することを特徴とするCRTアルミバック
用アンダーコート被膜の形成方法において、前処理剤を
スピンコーターにより塗布し、且つ、前処理剤の塗布、
及び、振り切り時のスピンコーターの回転速度を高速と
し、ついで低速で保持することを特徴とするアルミバッ
ク用アンダーコート被膜の形成方法に関する。
【0008】本発明のアンダーコート被膜形成方法にお
いては、前処理剤の薄膜を形成するため、まず、CRT
前面パネルに前処理剤を塗布し、ついで、スピンナー等
による振り切りで、前処理剤を均一な膜厚となるように
蛍光体層上にひろげることが必要である。この工程中に
おいて、重要なことは、振り切り中の回転による前処理
剤の中心からの拡散と、周辺部での乾燥がバランスよく
行なわれ、これにもとづいて中心部と、周辺部との膜厚
が同等になることである。
【0009】前処理剤の振り切り時には、スピンコータ
ーの回転数は早い方が好ましい。回転数が遅いと、前処
理剤は溶剤の蒸発のため、粘度が高くなり、広がりが悪
くなる上に、周辺部と中心部の膜厚も異なってしまい、
均一なアンダーコート被膜形成が出来なくなる。また、
振り切りが終了し、蛍光面全面に前処理剤が広がった後
には、回転速度が早すぎると、周辺部が乾燥してしまっ
たり、前処理剤表面が波立ったりする等の不都合が起こ
る。更に、回転を停止した場合には、換気等により生起
される空気の流れにより、前処理剤の不均一な乾燥が起
こり好ましくない。即ち、塗布、振り切りを高速で行な
うことにより、膜厚の制御を行ない、続く低速の工程で
は、膜厚の微調整とレベリングを行なうことにより、初
めて、均一でしかも平滑な前処理剤膜を、蛍光体面全面
に渡って形成することが出来るのである。
【0010】最適な回転速度については、CRTパネル
の大きさ、前処理剤の塗布量は勿論のこと、スピンナー
内の換気回数、湿度、温度等を勘案しつつ決定する必要
があるが、一つの好ましい例を示せば、塗布、振り切り
時の高速は、通常の湿度及び温度で1分間に80回転以
上であることが好ましく、振り切り後の低速回転には、
20回転以下とするのが良い。
【0011】また、塗工時の相対湿度については、一般
に60%以上であることが望ましい。60%以下では、
周辺部の乾燥が速く、前処理剤の膜厚の不均一化が起こ
り、フィルミング剤の塗布、アルミ蒸着を施した後の輝
度ムラにつながる。従って、前処理剤の塗工時の相対湿
度は、60%以上、更に好ましくは、70%以上であ
り、その場合、塗工時の作業条件幅が広くなる。
【0012】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明を詳細に説明す
る。なお、実施例中の%、部は、それぞれ重量%、重量
部を示す。 実施例1 イオン交換水94.5%、ポリビニールアルコール(鹸
化度88%、重合度2400)0.5%、イソプロピル
アルコール5.0%の溶液からなる前処理剤を用いて、
29インチCRT前面パネルに水膜を形成した。塗布時
のスピンナーの内温は25℃、相対湿度は80%であっ
た。塗布、振り切りを120回転にて1分間行ない、つ
いで10回転にて5分間レベリングを行なった。つづい
て、トルエンを溶剤として、溶剤100部に対し、4部
のアクリル樹脂を溶解したアンダーコート剤液を噴霧塗
装した。溶剤と水を乾燥した後、得られた、アンダーコ
ート剤被膜を電子顕微鏡で観察すると、被膜は均一であ
り、ピンホールはなかった。周辺部と中心部との膜厚ム
ラも見いだせなかった。同様な条件で塗布処理したパネ
ルに、アルミニウムを蒸着し、焼成等の工程を経て、カ
ラーブラウン管を得た。このブラウン管の輝度ムラは認
められなかった。
【0013】実施例2 塗布、振り切りを110回転で1分間行い、ついで15
回転にて4分間レベリングを行った点を除き、実施例1
と同様に行い、輝度むらのないカラーブラウン管が得ら
れた。 実施例3 塗布、振り切りを150回転で15秒間行い、ついで7
回転にて3分間レベリングを行った点を除き、実施例1
と同様に行い、輝度むらのないカラーブラウン管が得ら
れた。
【0014】実施例4 塗布、振り切りを120回転で15秒間行い、更に、8
0回転で15秒間振り切りを行った、ついで12回転に
て3分間レベリングを行った点を除き、実施例1と同様
に行い、輝度むらのないカラーブラウン管が得られた。 実施例5 塗布、振り切りを120回転で30秒間行い、ついで、
10回転で30秒間、更に、7回転にて3分間レベリン
グを行った点を除き、実施例1と同様に行い、輝度むら
のないカラーブラウン管が得られた。
【0015】比較例1 前処理剤の塗布、振り切り、及び、レベリング工程をす
べて120回転で行なう以外は実施例1と同様にして、
カラーブラウン管を得た。周辺部は前処理剤の乾燥によ
る、輝度低下が認められた。 比較例2 前処理剤の塗布、振り切り、及び、レベリング工程をす
べて10回転で行なう以外は実施例1と同様にして、カ
ラーブラウン管を得た。中心部には、前処理剤の広がり
不足、ムラが認められた。
【0016】比較例3 アンダーコート剤として、エマルジョン(日本アクリル
化学(株)製、プライマルB−74)を用いて蛍光体面上
に被膜を形成し、ついで乾燥し、アルミ蒸着を行なっ
た。カラーブラウン管とした後、輝度を測定した。但
し、実施例1と同様な条件では、焼成時に、火ぶくれを
生じたため、焼成は、実施例1の5倍の時間を要した。
【0017】
【表1】
【0018】この結果から明らかなように、本発明は、
高輝度、高精細という、CRTへの技術的要求を、満た
すものであり、本発明の形成方法を用いることにより、
従来用いられてきたエマルジョンよりも、高輝度のCR
Tを得ることができる。
【0019】
【発明の効果】本発明は、溶剤型アルミバックアンダー
コート剤の塗工時に特定の工程を採用することにより、
輝度の向上を可能にした。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年10月6日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 CRTアルミバック用アンダーコート
被膜の形成方法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、CRT(陰極線管)蛍
光面に、光反射性金属薄膜、例えばアルミニウムを蒸着
したメタルバック層を形成するために用いられるアンダ
ーコート剤を施す前処理剤の塗布方法に関する。
【0002】
【従来の技術】CRTは、ディスプレイとしていろいろ
な用途に用いられているが、近年の情報の多様化、高密
度化にともない、更に高性能な、特に、高精細な表示が
要求されている。しかしながら、高精細にすればするほ
ど、その発光面積の比率の減少、あるいは、フォーカス
性能より電流を増やし難くなるなど蛍光面の明るさ(以
下、単に輝度を称する)は制約され、実用性には自ずか
ら限界が生ずることとなっていた。
【0003】来は高精細化しつつ、併せ輝度を低下さ
せないようにするために、蛍光体層を形成した後、アル
ミニウムのような金属を用いたメタルバック層を形成さ
せ、更に、メタルバック層の平滑性を向上させることに
より、反射率を上げ、輝度を向上させる方法が取られて
いた。この方法では、一般に、水の中に樹脂を乳化せし
めたエマルジョンを用い、これを蛍光体層上に塗布して
膜を形成し、この膜の上にメタルバック層を形成する
か、あるいは、蛍光体層の上に、水の膜をはらせ、つい
で溶剤に溶かした樹脂を水膜上に張り、この樹脂膜上に
メタルバック層を形成する、ことが行なわれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来行なわれてきた前
述の2方法のうち、エマルジョンを用いるメタルバック
の形成方法では、焼成時の揮発するガス量が多く、この
揮発ガスによりメタルバック層が蛍光体面より持ち上が
る(いわゆる「火ぶくれ」)現象が起こるため、メタル
バック層を平滑にするにはおのずと限界があった。ま
た、溶剤に溶かした樹脂を用いるメタルバックの形成方
法では、エマルジョン法よりも、焼成時のガスの発生が
少ないため上記のような欠点はないものの、蛍光体層が
溌水性のために水膜が形成しにくく、あるいは水膜の平
滑性が保持できない等の欠点があることに加え、水膜上
に溶剤系樹脂の均一な層が形成しにくく、膜面にムラが
出来たり、ピンホール、クラック等が発生するなど実用
上の問題が多い。
【0005】特に、前処理剤により形成された水膜の表
面の乱れが、その上に形成される溶剤系樹脂の平滑性に
大きな影響を及ぼす為、水膜の表面をいかに平滑にかつ
均一に形成させるかがCRTの輝度向上の技術的課題で
あった。更に、このようなアンダーコート被膜の形成を
難しくしている要因の一つとして、薄膜の形成を水膜上
で作る、即ちウェット−オン−ウェットで行うことが挙
げられる。水膜上で、溶剤系の樹脂薄膜を形成すること
は、両者の溶液粘度が低いため、例えば、塗布時、界面
の乱れが起き易いこと、塗布中も、水膜を蛍光体面に対
して、一定の高さに保持する必要があること、両者の乾
燥速度、それにともなう粘度変化に対応しつつ成膜させ
る必要があること等の、多くの技術的に困難な問題があ
った。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
について鋭意検討した結果、高輝度、高精細なCRTに
好適な、且つ平滑なアルミバック面を得るためのアンダ
ーコート被膜の形成方法として、特定の条件下で塗工す
ることにより、蛍光体面上に、平滑でしかも、ピンホー
ルやクラックの発生の無い、アルミバック被膜が形成で
きることを見いだし、本発明に到達した。
【0007】即ち本発明は、蛍光体ストライプもしくは
蛍光体ドットが形成された硝子パネルに、水溶性前処理
剤を塗布し、ついで、その前処理剤層の上に、溶剤型C
RTアルミバック用アンダーコート剤を塗布、乾燥し
て、アルミバックアンダーコート被膜を形成するCRT
アルミバック用アンダーコート被膜の形成方法におい
て、前処理剤をスピンコーターにより塗布し、且つ、
ピンコーター内の相対湿度を60〜95%とし、前処理
剤の塗布、及び、振り切り時のスピンコーターの回転速
度を最初80rpm 以上の高速とし、ついで20rpm 以下
低速で保持し、塗膜をレベリングすることを特徴とす
CRTアルミバック用アンダーコート被膜の形成方法
に関する。
【0008】本発明のアンダーコート被膜形成方法にお
いては、水を主成分とする前処理剤の膜を形成するた
め、まず、CRT前面パネルに前処理剤を塗布し、つい
で、スピンナー等による振り切りで、前処理剤を均一な
膜厚となるように蛍光体層上にひろげることが必要であ
る。この工程中において、重要なことは、振り切り中の
回転による前処理剤の中心からの拡散と、周辺部での乾
燥がバランスよく行なわれ、これにもとづいて中心部
と、周辺部との膜厚が同等になることである。
【0009】前処理剤の振り切り時には、スピンコータ
ーの回転は速い方が好ましい。回転が遅いと、前処理剤
は溶剤の蒸発のため、粘度が高くなり、広がりが悪くな
る上に、周辺部と中心部の膜厚も異なってしまい、均一
なアンダーコート被膜形成が出来なくなる。また、振り
切りが終了し、蛍光面全面に前処理剤が広がった後に
は、回転速度が早すぎると、周辺部が乾燥してしまった
り、前処理剤表面が波立ったりする等の不都合が起こ
る。更に、回転を停止した場合には、換気等により生起
される空気の流れにより、前処理剤の不均一な乾燥が起
こり好ましくない。即ち、塗布、振り切りを高速で行な
うことにより、膜厚の制御を行ない、続く低速の工程で
は、膜厚の微調整とレベリングを行なうことにより、初
めて、均一でしかも平滑な前処理剤膜を、蛍光体面全面
に渡って形成することが出来るのである。
【0010】最適な回転速度については、CRTパネル
の大きさ、前処理剤の塗布量は勿論のこと、スピンナー
内の換気回数、湿度、温度等を勘案しつつ決定する必要
があるが、一つの好ましい例を示せば、塗布、振り切り
時の高速は、通常の湿度及び温度で1分間に80回転以
上であることが好ましく、振り切り後の低速回転には、
20回転以下とするのが良い。
【0011】また、塗工時の相対湿度については、一般
50%以上95%以下であることが望ましい。50%
未満では、周辺部の乾燥が速く、前処理剤の膜厚の不均
一化が起こり、アンダーコート剤の塗布、アルミ蒸着を
施した後の輝度ムラにつながる。95%を超えると前処
理剤の乾燥が遅くなり、一定膜厚になるための時間がよ
り長くかかり生産性が低下する。前処理剤の塗工時の相
対湿度は、更に好ましくは、60%以上95%以下であ
り、その場合、塗工時の作業条件幅が広くなる。
【0012】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明を詳細に説明す
る。なお、実施例中の%、部は、それぞれ重量%、重量
部を示す。 実施例1 イオン交換水94.5%、ポリビニールアルコール(鹸
化度88%、重合度2400)0.5%、イソプロピル
アルコール5.0%の溶液からなる前処理剤を用いて、
29インチカラーブラウン管前面パネルに水膜を形成し
た。塗布時のスピンナーの内温は25℃、相対湿度は8
0%であった。塗布、振り切りを120回転にて1分間
行ない、ついで10回転にて5分間レベリングを行なっ
た。つづいて、トルエンを溶剤として、溶剤100部に
対し、4部のアクリル樹脂を溶解したアンダーコート剤
液を噴霧塗装した。溶剤と水を乾燥した後、得られた、
アンダーコート剤被膜を電子顕微鏡で観察すると、被膜
は均一であり、ピンホールはなかった。周辺部と中心部
との膜厚ムラも見いだせなかった。図1に実施例におけ
るカラーブラウン管前面パネル1への塗工工程の概要を
示す。また、図2にスピンコーター回転数と塗工時間に
関する前処理剤の塗工条件を示す。同様の条件で塗布し
たパネルに、アルミニウムを蒸着し、焼成等の工程を経
て、カラーブラウン管を得た。このブラウン管の輝度ム
ラは認められず、その輝度は従来のエマルジョンタイプ
アンダーコート剤を用いた場合に比べて115%向上し
ていた。
【0013】実施例2 塗布、振り切りを110回転で1分間行い、ついで15
回転にて4分間レベリングを行った点を除き、実施例1
と同様に行い、輝度むらのないカラーブラウン管が得ら
れた。 実施例3 塗布、振り切りを150回転で15秒間行い、ついで7
回転にて3分間レベリングを行った点を除き、実施例1
と同様に行い、輝度むらのないカラーブラウン管が得ら
れた。
【0014】実施例4 塗布、振り切りを120回転で15秒間行い、更に、8
0回転で15秒間振り切りを行った、ついで12回転に
て3分間レベリングを行った点を除き、実施例1と同様
に行い、輝度むらのないカラーブラウン管が得られた。 実施例5 塗布、振り切りを120回転で30秒間行い、ついで、
10回転で30秒間、更に、7回転にて3分間レベリン
グを行った点を除き、実施例1と同様に行い、輝度むら
のないカラーブラウン管が得られた。
【0015】比較例1 前処理剤の塗布、振り切り、及び、レベリング工程をす
べて120回転で行なう以外は実施例1と同様にして、
カラーブラウン管を得た。周辺部は前処理剤の乾燥によ
る、輝度低下が認められた。 比較例2 前処理剤の塗布、振り切り、及び、レベリング工程をす
べて10回転で行なう以外は実施例1と同様にして、カ
ラーブラウン管を得た。中心部には、前処理剤の広がり
不足、ムラが認められた。比較例3 前処理剤の塗布、振り切り、及び、レベリング工程すべ
て相対湿度40%で行う以外は実施例1と同様にして、
カラーブラウン管を得た。前処理剤の乾燥が早く、全体
に輝度低下が見られ更に、周辺部は前処理剤の乾燥によ
る輝度低下が著しかった。 比較例4 前処理剤の塗布、振り切り、及び、レベリング工程すべ
て相対湿度98%で行う以外は実施例1と同様にして、
カラーブラウン管を得た。前処理剤の乾燥が遅く、水膜
の膜厚が厚すぎたため、蛍光体前面にわたって「火ぶく
れ」を起こし、輝度測定が不可能となった。
【0016】比較例 アンダーコート剤として、エマルジョン(日本アクリル
化学(株)製、プライマルB−74)を用いて蛍光体面
上に被膜を形成し、ついで乾燥し、アルミ蒸着を行なっ
た。カラーブラウン管とした後、輝度を測定した。但
し、実施例1と同様な条件では、焼成時に、「火ぶく
れ」を生じた。「火ぶくれ」を生じないように、焼成時
間に達するまでの時間を長くして、焼成時の単位時間あ
たりの揮発ガス量を少なくしてカラーブラウン管を得
た。従って、焼成は、実施例1の5倍の時間を要した。
【0017】
【表1】
【0018】この結果から明らかなように、本発明は、
高輝度、高精細という、CRTへの技術的要求を、満た
すものであり、本発明の形成方法を用いることにより、
従来用いられてきたエマルジョンよりも、高輝度のCR
Tを得るとこができる。
【0019】
【発明の効果】本発明は、溶剤型アルミバックアンダー
コート剤の塗工時に特定の工程を採用することにより、
輝度の向上を可能にした。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例におけるカラーブラウン管前面
パネルへの塗工工程の概要を示す概要図である。
【図2】図2は、スピンコーター回転数と塗工時間との
前処理剤の塗工条件を示す線図である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石黒 喜一郎 愛知県名古屋市東区砂田橋四丁目1番60号 三菱レイヨン株式会社商品開発研究所内 (72)発明者 ▲徳▼田 修一郎 愛知県名古屋市東区砂田橋四丁目1番60号 三菱レイヨン株式会社商品開発研究所内 (72)発明者 板倉 正則 愛知県名古屋市東区砂田橋四丁目1番60号 三菱レイヨン株式会社商品開発研究所内 (72)発明者 遠藤 富秀 京都府長岡京市馬場図所1番地 三菱電機 株式会社京都製作所内 (72)発明者 藤原 琴二 京都府長岡京市馬場図所1番地 三菱電機 株式会社京都製作所内 (72)発明者 林 清八郎 京都府長岡京市馬場図所1番地 三菱電機 株式会社京都製作所内

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 蛍光体ストライプもしくは蛍光体ドット
    が積層された硝子パネルに、前処理剤を塗布し、つい
    で、前処理剤層の上に、ウェット−オン−ウェットで、
    溶剤型CRTアルミバック用アンダーコート剤を塗布し
    た後、乾燥して、アルミバックアンダーコート被膜を形
    成することを特徴とするCRTアルミバック用アンダー
    コート被膜の形成方法において、 前処理剤をスピンコーターにより塗布し、且つ、前処理
    剤の塗布、及び、振り切り時のスピンコーターの回転速
    度を高速とし、ついで低速で保持することを特徴とする
    アルミバック用アンダーコート被膜の形成方法。
JP19001591A 1991-07-30 1991-07-30 Crtアルミバツク用アンダーコート被膜の形成方法 Pending JPH0536351A (ja)

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JP19001591A Pending JPH0536351A (ja) 1991-07-30 1991-07-30 Crtアルミバツク用アンダーコート被膜の形成方法

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