JPH0536304U - リミツトスコヤー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 使い勝手が良く被測定角度が目標角の許容値
内に入っているか否かを一発でチェックできるリミット
スコヤーを提供する。 【構成】 略９０度に形成された被測定物の一辺と接触
される一辺と、この一辺に対し直交する他辺とを有し、
直交する両辺間に形成される直角部分に前記被測定物を
当接することにより前記被測定物の直角度を測定するス
コヤーにおいて、前記スコヤーの他辺を前記スコヤーの
一辺に対し、予め定めた許容値範囲で揺動自在に構成し
たことを特徴とするリミットスコヤー。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は限界ゲージ的機能を備えたリミットスコヤーに関する。

【０００２】

【従来の技術】

スコヤーとは直角定規のことで、刃形直角定規、Ｉ形直角定規、平形直角定規 、台付直角定規の４種があり、加工された部品の直角度及び組み立てられた部品 の直角度を測定するために広く利用されている。

【０００３】 具体例を示すと、例えば制限バルブ付のプレスブレーキにおいては、試し曲げ を何回か繰り返すことによりワーク曲げ各が９０度となるよう制限バルブの位置 を調整するのであるが、各試し曲げ毎にワークをスコヤーに当て、ワーク曲げ角 を評価している。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記の如き従来のスコヤーによる角度測定では、スコヤーが９ ０度に固定されているため、被測定物の角度がどの位９０度から外れているかが 勘でないと解らず、被測定物の９０度からのずれが許容値内に入っているか否か を正確に判断できないという問題点があった。

【０００５】 また、許容値内に入っているかどうかを調べるため、被測定物をスコヤーに何 回も押し当てて確認することとなるので、測定に時間がかかるという問題点もあ った。

【０００６】 これらの難点を解消するため、スコヤーに代え角度を直接測定できるプロトラ クタを使用すれば良いとも考えれるが、例えば前述の曲げ作業の角度出しではワ ーク曲げ角が目標地（９０度）に対し、ある範囲に入っていれば良いのであり、 プロトラタクは使用勝手が悪いのである。また、このため目標値に対しプラス及 びマイナス方向の限界値を定めた一対の限界ゲージを使用することもあるが、こ れは器具数が多いのみならず、限界内であることを２度調べなければならないの で、やはり使用勝手が悪い。

【０００７】 そこで本考案は、使用勝手が良く、被測定物の角度が目標角の許容値内に入っ ていることを一発で知ることができるリミットスコヤーを提供することを目的と する。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するため本考案は、実用新案登録請求の範囲に記載の通りのリ ミットスコヤーを構成した。

【０００９】

【作用】

本考案のリミットスコヤーでは、角度測定用の２辺につき、一辺に対し他辺を 予め定めた許容値範囲で揺動自在に構成するので、被測定物をスコヤーに押し付 けると、一辺に対し他辺が揺動し、被測定角度が許容値内なら揺動角の余裕が減 少し、この状態は測定者にとって一見して理解できるものである。

【００１０】 従って、本考案のリミットスコヤーは、一対の限界ゲージを用いて測定するの と同様の結果を一つのリミットスコヤーにて得ることができ、使用勝手が良く、 被測定物の角度が目標角（９０度）の公差内に入っているか否かを一発で知るこ とができる。

【００１１】 なお、他辺をバネで鋭角方向に引き付けておくと、測定時に他辺が開く方にの み作用し、使い勝手がより良くなる。

【００１２】

【実施例】

以下、添付図面を参照して本考案の実施例を説明する。

【００１３】 図１は本考案の一実施例に係るリミットスコヤーの正面図、図２は図１のII− II矢視断面図である。

【００１４】 図１及び図２において、本例のリミットスコヤー１は、直線部に対し曲り部を ２枚構造としたＬ字形部材２と直線状平板部材３とを組合せて成る。前記Ｌ字形 部材２のＬ字部には平板部材３の一端が挾み込まれ、Ｌ字形部材の直線部を一辺 ４とし、平板部材３の挾み込み部から突出した部分を他辺５として両辺４，５が ９０度付近で揺動できるよう、ピン６Ａで相互に回転自在に結合されている。

【００１５】 前記平板部材３の前記ピン６Ａより外方には別の小さなピン６Ｂが固定され、 このピン６ＢはＬ字形部材２に穿設した長孔７内で移動可能とされ、前記他辺５ が一辺４に対し許容値、例えば１０分（９０度±１０分）内で揺動自在に構成さ れている。

【００１６】 上記構成のリミットスコヤー１において、図３に示すように、例えば９０度付 近に曲げ加工されたワークＷの曲げ部をスコヤー１の両辺４，５に押し当てるこ とにより、ワークＷの直角度を評価することができる。ここに、本例では、他辺 ５が一辺４に対し許容値（公差）内でピン６Ａの回りに揺動自在とされているの で、ワークＷを辺４に接触させ、軽く辺５に押し当てた状態で他辺５をワークＷ の方向に軽い力Ｆを与えたとき、ワークＷの辺５に対応する辺８が他辺５と接触 していれば、曲げ角αは許容値内にあると言える。曲げ角αが許容値より鋭角で あれば辺８の先端と他辺５との間にすきまが生ずる。許容値より鋭角であれば他 辺３が開がる方向に力を受けてピン６Ｂと長孔７との間の余裕が無く、かつ辺８ の先端が他辺５に対し点接触した状態となる。従って、ワークＷをスコヤー１に 押し当てれば曲げ角αが許容値９０度±１０分内に有るか否かが一目で解る。

【００１７】 図４は、バネ９を用い、平板部材３を鋭角方向に力ｆで常時引き付けるように した一例である。本例のリミットスコヤー１０によれば、平板部材３が常時力ｆ で鋭角方向に引きつけられているので、図３に示すワークＷを測定するに当り、 平板部材３に図３に示すような力Ｆを与える必要がなく、ワークＷをスコヤー１ ０に対して押し当てるのみで曲げ角αを一発で評価でき、より効率的である。従 来、製品の精度を得るためには、作業者はピッタリ０を狙い、つい時間をかけて しまう。このリミットスコヤーを使えば、予め定めた許容値の範囲に入ればＯＫ となり、試し曲げの時間も短くなる。

【００１８】 本考案は上記実施例に限定されるものではなく、適宜設計的変更を行うことに より、適宜態様で実施し得るものである。例えば、上述したバネ９は図示のもの に限定されるものでもなく、他の装着方式であっても良い。また板ばね等も利用 できる。

【００１９】

【考案の効果】

以上の通り、本考案は実用新案登録請求の範囲に記載の通りのリミットスコヤ ーであるので、使用勝手が良く、被測定物の角度が目標角の許容値内に入ってい るか否かを一発で見極めることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例に係るリミットスコヤーの平
面図。

【図２】図１のII−II矢視側面図。

【図３】図１及び図２に示すリミットスコヤーの利用方
式を示す説明図。

【図４】他の実施例を示す平面図。

【符号の説明】

１，１０ リミットスコヤー ２ Ｌ字形部材 ３ 平板部材 ４ 一辺 ５ 他辺 ６Ａ，６Ｂ ピン ７ 長孔 ９ バネ Ｗ 曲げ加工されたワーク

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 略９０度に形成された被測定物の一辺と
   接触される一辺と、この一辺に対し直交する他辺とを有
   し、直交する両辺間に形成される直角部分に前記被測定
   物を当接することにより前記被測定物の直角度を測定す
   るスコヤーにおいて、 前記スコヤーの他辺を前記スコヤーの一辺に対し、予め
   定めた許容値範囲で揺動自在に構成したことを特徴とす
   るリミットスコヤー。