JPH0536144B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、多数の枠無し生砂鋳型を上下方向に
積み重ねるいわゆるスタツクモールドあるいは横
方向に積層させる縦割積層鋳型を造型するのに好
適な装置に関する。

（従来技術） 従来より枠無し生砂鋳型を造型し、積層する装
置としては、鋳型と２枚のパターンプレートによ
り画成されたキヤビテイー内に生砂をブロー充填
した後、前記２枚のパターンプレートにより生砂
を圧縮して両面に鋳造キヤビテイー面を形成した
生砂鋳型を造型し、これを鋳枠から抜き出し、積
層するようにしたものが使用されている。

（発明が解決しようとしている問題点） しかしこのような造型装置で造型された生砂鋳
型はブローイングキヤビテイーを画成するパター
ンプレートと圧縮に使用するパターンプレートが
同じパターンプレートであることから、 １ 鋳型の厚肉部と、薄肉部とで硬度及び強度が
異なる。

２ 鋳型の厚肉部を所定の硬度、強度にすると薄
肉部の硬度、強度が必要以上に高くなる。

３ 鋳型の厚さを相当に厚くしないと圧縮代が少
なくなつて圧縮による厚肉部の硬度、強度が不
十分となる。

これらのことから鋳込み時、鋳型の各部分で湯
圧による変動（歪み）量が異なり、精度のよい鋳
物が得られないことがあり、また必要以上に密度
が上昇した部分ではガス等による鋳物欠陥が現わ
れるという問題がある。さらに鋳型の厚さを必要
以上に厚くしなければならないことから多量の混
練砂を必要としていた。

（発明の目的） 本発明は、上記のような事情に鑑みてなされた
ものであり、均一な強度を備えた積層枠無し生砂
鋳型を得るのに好適な造型装置を提供せんとする
ものである。

（構成） 以下本発明の構成を第１図の実施例に基づいて
詳細に説明すると、１は固定されたフレームに上
向きに取付けられた上向きシリンダでそのピスト
ンロツド先端には、取付板２を介して下型３が取
付けられている。該下型３は、所望鋳型Ｍの下面
部形状に対応する模型部３ａを底面に取付けた凹
部４を形成すると共に底面中央部にシリンダ５に
より昇降する湯口棒６を取付けた構成になつてい
る。

尚該凹部４は後述する吹込み型あるいは圧縮型
を嵌入させることによつて予備成形キヤビテイあ
るいは所望鋳型Ｍに対応するキヤビテイを画成す
るようになつている。また前記下型３には図示さ
れない鋳型押出し機構が付設されている。

前記下型３の上方にはブロータンク７が適当な
間隔をおいて配設されており、該ブロータンク７
の下面には下面側に所望鋳型Ｍの上面部形状より
も拡大された凹部８′を有する模型部８および前
記湯口棒６を嵌入可能にした湯口カツプ模型部９
を形成した吹込み型１０が前記下型３の凹部４に
摺動嵌入可能な外形を成して固着されている。ま
たブロータンク７の底板と吹込み型１０を貫通し
て吹込み孔１１が穿設されている。

前記ブロータンク７の下面外周部にはストツパ
１２が吹込み型１０を包囲して固着されており、
該ストツパ１２の下面は前記下型３の上面外周部
に当接可能にされている。

更に前記上向シリンダ１の外側には鋳型積み上
げ用の途中停止可能なシリンダ１３が適当な間隔
をおいて上向きに配設されており、該シリンダ１
３のピストンロツド先端にはテーブル１４が固着
されている。

該シリンダ１３の縮引作動終端時の前記テーブ
ル１４の若干上方には鋳型搬出用の中抜ローラコ
ンベヤ１５が設けられていて、該テーブル１４は
中抜ローラコンベヤ１５の空間部を上下に貫通移
動し得る大きさに形成されている。

また該中抜ローラコンベヤ１５のローラ上には
定盤１６が載置されている。

更に前記下型３と吹込み型１０との間位置と、
前記テーブル１４に対応する中抜ローラコンベヤ
１５より上方位置間には圧縮型移送用の中抜ロー
ラコンベヤ１７が配設されていて、該中抜ローラ
コンベヤ１７上には図示されないシリンダにより
往復移動をする枠状の走行フレーム１８が載置さ
れている。該走行フレーム１８にはその上端外周
部にフランジ１９を備えた圧縮型２０が該フラン
ジ１９を介して切離し可能に吊り下げられてお
り、該圧縮型２０の下面には所望鋳型の上面部形
状に対応する模型部２１が形成されていると共に
前記下型３の凹部４に嵌入可能な外形を成してい
る。

また圧縮型２０には図示されない鋳型押出し機
構が付設されていて、テーブル１４に対応する中
抜ローラコンベヤ１７の上方位置に配設された図
示されない押下げ板の作動により圧縮型２０に付
着されている鋳型Ｍを押し出すようになつてい
る。

尚図中２２は、前記フランジ１９の上部に取付
けられたストツパであつて前記吹込み型１０の外
周に設けられたストツパ１２に対応して設けられ
ている。また図中２３はフランジ１９面に取付け
られたストツパであつて、圧縮型２０を包囲して
配設されていて前記下型３の上面外周部に当接可
能にされている。

（作用） このように構成されたものは、第１図において
圧縮型２０を走行フレーム１８と共にシリンダ１
３の上方位置（鎖線図の位置）に移動させた状態
において、定盤１６上の最下段の所望鋳型Ｍを造
型する場合はシリンダ５を縮引作動させて湯口棒
６を最も短縮した状態にすると共に湯口カツプ模
型部９の下面に蓋をする。一方、他の所望鋳型Ｍ
を造型する場合はシリンダ５を伸長作動させて湯
口棒６を最も伸長させた状態にする。

次に上向きシリンダ１を伸長させて下型３を上
昇させ、該下型３の凹部４に吹込み型１０を相対
的に嵌入すると共に下型３の上面がストツパ１２
に当接されて上昇が停止する。この際伸長されて
いる湯口棒６は湯口カツプ模型部９の空洞部に嵌
入されるが湯口棒６が短縮されている場合は湯口
カツプ模型部９から離れた状態になる。これによ
り下型３の凹部４と吹込み型１０とにより所望鋳
型Ｍの形状よりも上面部形状が上方に拡大された
予備成形キヤビテイが画成される。

次にブロータンク７内へ圧縮空気を供給し、内
部に収容されている生砂を吹込み孔１１を介して
前記予備成形キヤビテイに吹込み充填し予備成形
体M′を造型する。

次に上向きシリンダ１を縮引作動させて前記下
型３の凹部４に予備成形体M′を保持させた状態
で下型３を下降させ、吹込み型１０との分離を行
うと共に走行フレーム１８を図示されないシリン
ダの作動により下型３と吹込み型１０との間位置
に移動させた後再び上向きシリンダ１を伸長作動
させて下型３を上昇させる。

この作動により下型３の凹部４内に保持された
予備成形体M′の上面が圧縮型２０の下面に当接
し、なおも下型３の上昇が続けられて圧縮型２０
は走行フレーム２４から切離されて持ち上がり、
更に上昇が続けられて圧縮型２０のストツパ２２
が吹込み型１０のストツパ１２に当接して圧縮型
２０の上昇が停止され下型３のみが上昇を続ける
ことにより圧縮型２０の下型３の凹部４内にさら
に嵌入されて予備成形体M′を圧縮してゆき、下
型３の上面が圧縮型２０のストツパ２３に当接し
て下型３の上昇も停止され、予備成形体M′を所
望鋳型Ｍの形状まで圧縮するのである。

すなわち第３図でわかるように下型３と吹込み
型１０により所望鋳型Ｍよりも上方に拡大されて
充填成形された予備成形体M′を下型３と圧縮型
２０により所望鋳型Ｍになるまで圧縮するのであ
る。

次に下型３の図示されない鋳型押出し機構を作
動させながら上向きシリンダ１を縮引作動する。
この作動により圧縮型２０と下型３が下降し圧縮
型２０が走行フレーム１８に当接してその下降が
停止され前記下型３の鋳型押出し機構の作動と下
型３の下降により所望鋳型Ｍは、圧縮型２０に付
着された状態にして下型３から抜型される。

次に走行フレーム１８の図示されないシリンダ
を作動させて、所望鋳型Ｍを付着させた圧縮型２
０を走行フレーム１８と共にテーブル１４の上方
位置（鎖線図の位置）まで移動させる。この際テ
ーブル１４は定盤１６上に所望鋳型Ｍが載置され
ていない場合はシリンダ１３の伸長ストローク端
まで上昇されていて圧縮型２０に付着されている
所望鋳型Ｍを定盤１６上に受け渡しできる状態に
されており、圧縮型２０の図示されない鋳型押出
し機構を図示されない押下げ板の作動により作動
させて、所望鋳型Ｍを圧縮型２０から抜型し定盤
１６上に落下させる。

次にシリンダ１３が逆作動してテーブル１４を
所望鋳型Ｍの１個分の高さ寸法だけ下降させ次の
所望鋳型の受け渡しに備える。

この間に前述と同様にして下型３と吹込み型１
０とにより予備成形体M′が成形されるのである。

以上の作動をくりかえし行い、定盤１６上に所
定数の所望鋳型Ｍが図のようにして積み重ねられ
ると、シリンダ１３が縮引作動してテーブル１４
を中抜ローラコンベヤ１５の下方まで下降させ
る。これにより定盤１６及び積み重ねられた所望
鋳型Ｍが中抜ローラコンベヤ１５上に移し替えら
れる。次に定盤１６と共に鋳型群が注湯位置まで
移動されてそのままスタツクモールドとして注湯
が行われる。

尚上記第１図の実施例では鋳型を上方に積み重
ねるいわゆるスタツクモールドを造型する場合に
ついて説明したが第２図に示すように下型３の底
部及び吹込み型１０の下面並びに圧縮型２０の下
面に、それぞれ横方向に延びる湯口模型半型６
ａ，６ｂ，６ｃを設けて前記第１図のものと同様
にして所望鋳型Ｍを造型してゆき、定盤１６上に
積み重ねた所望鋳型Ｍ群をローラコンベヤ１５で
適当な位置へ移動してここで鋳型群を90度時計方
向に反転して鋳型群を両側からクランプすること
により、横方向に多数の鋳型を積層させる縦割積
層鋳型として注湯を行うようにすることも可能で
ある。

（発明の効果） 本発明は上記の如く所望鋳型の上面部形状より
も上面部が上方に拡大された寸法の予備成形体を
造型し、この予備成形体を所望鋳型の形状にまで
圧縮して造型するようにしたから鋳型の厚肉部と
薄肉部の強度をほぼ均一にして生砂鋳型を造型す
ることができ、従来のブロースクイズ方式によつ
て造型される生砂鋳型の欠点をすべて解決し得る
すぐれた効果を有すると共にこの生砂鋳型を自動
的に多数積層させてスタツクモールドあるいは縦
割積層鋳型として使用できるようになる利点を有
するものであり、その効果は著大である。

【図面の簡単な説明】

図は本発明の実施例を示すものにして第１図は
スタツクモールドを造型する場合の実施例を示す
一部縦断正面図、第２図は縦割積層鋳型を造型す
る場合の実施例を示す一部縦断正面図、第３図は
予備成形体と所望鋳型の関係を示す断面図であ
る。 ３：下型、３ａ：模型部、４：凹部、７：ブロ
ータンク、８：模型部、８′：凹部、１０：吹込
み型、１４：テーブル、１７：中抜ローラコンベ
ヤ、１８：走行フレーム、２０：圧縮型、２１：
模型部、Ｍ：所望鋳型、M′：予備成形体。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 所望鋳型Ｍの外形寸法に対応する凹部４を形
   成すると共に該凹部４の底面に所望鋳型Ｍの下面
   部形状に対応する模型部３ａを取付けた構成の下
   型３を昇降可能に配設し、該下型３の上方にブロ
   ータンク７を配設し、該ブロータンク７の下端部
   に、下面に所望鋳型Ｍの上面部形状よりも上方に
   拡大された凹部８′を有する模型部８を形成する
   と共に前記下型３の凹部４に摺動嵌入可能な外形
   を成した吹込み型１０を固着し、該吹込み型１０
   と前記ブロータンク７の底板とを貫通して吹込み
   孔１１を穿設し、前記下型３の外側に昇降途中停
   止可能にしたテーブル１４を配設すると共に該下
   型３と吹込み型１０との間位置から該テーブル１
   ４の上方位置にわたつて中抜ローラコンベヤ１７
   を配設し、該中抜ローラコンベヤ１７上には下面
   に所望鋳型Ｍの上面部形状に対応する模型部２１
   を形成すとる共に前記下型３の凹部４に嵌入可能
   な外形を成した圧縮型２０を走行フレーム１８を
   介して走行可能に載置したことを特徴とする積層
   枠無し生砂鋳型の造型装置。