JPH0535285A - 能動型騒音制御装置 - Google Patents

能動型騒音制御装置

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JPH0535285A
JPH0535285A JP3194293A JP19429391A JPH0535285A JP H0535285 A JPH0535285 A JP H0535285A JP 3194293 A JP3194293 A JP 3194293A JP 19429391 A JP19429391 A JP 19429391A JP H0535285 A JPH0535285 A JP H0535285A
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JP
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noise
reference signal
signal
control
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JP3194293A
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English (en)
Inventor
Tsutomu Hamabe
勉 浜辺
Yoshiharu Nakaji
義晴 中路
Kenji Sato
憲治 佐藤
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Hitachi Ltd
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 閉空間内の残留騒音に、基準信号に対して位
相ずれの一定した高調波成分を含む場合でもその高調波
成分の影響を除去した制御を可能とする。 【構成】 騒音に干渉させる制御音を発生して評価点の
騒音低減を図る制御音源と、前記干渉後の所定位置の残
留騒音を検出する手段と、騒音源の騒音発生状態に関す
る基準信号を検出する手段と、前記残留騒音検出手段の
出力信号と騒音発生状態検出手段の出力基準信号とに基
づき最急降下アルゴリズムを用いて前記制御音源を駆動
する信号を出力する制御手段とを備えた能動型騒音制御
装置であって、前記基準信号の周波数fを所定量△fず
らせる調整手段を設けたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、自動車の車室や航空
機の客室等の騒音を能動的に低減する能動型騒音制御装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の能動型騒音制御装置とし
ては、例えば英国公開特許公報第2149614号記載
の図10に示すようなものがある。
【0003】この従来装置は航空機の客室やこれに類す
る閉空間に適用されるもので、閉空間101内にラウド
スピーカ103a,103b,103cおよびマイクロ
ホン105a,105b,105c,105dを備えて
おり、ラウドスピーカ103a,103b,103cに
よって騒音に干渉させる制御音を発生し、マイクロホン
105a,105b,105c,105dによって残差
信号(残留騒音)を測定するようになっている。これら
ラウドスピーカ103a,103b,103c、マイク
ロホン105a,105b,105c,105dは信号
処理機107に接続されており、信号処理機107は基
本周波数測定手段によって測定した騒音源の基本周波数
とマイクロホン105a,105b,105c,105
dからの入力信号とを受けとり、閉空間101内の音圧
レベルを最小にするようにラウドスピーカ103a,1
03b,103cに駆動信号を出力するものである。
【0004】ここで閉空間101内には、3個のラウド
スピーカ103a,103b,103cと4個のマイク
ロホン105a,105b,105c,105dとが設
けられているが、説明を単純化するため、それぞれ10
3a,105aの一個ずつ設けられているものとする。
今、騒音源からマイクロホン105aまでの伝達関数を
Hとし、ラウドスピーカ103aからマイクロホン10
5aまでの伝達関数をCとし、騒音源が発生する音源情
報信号をXp とすると、マイクロホン105aで観測さ
れる残留騒音としてのノイズ信号Eは、 E=Xp ・H+Xp ・G・C となる。ここでGは、消音するために必要な伝達関数で
ある。消音対象点(マイクロホン105aの位置)にお
いて、騒音が完全に打ち消されたとき、E=0となる。
このときGは、 G=−H/C となる。そして、マイク検出信号Eが最小となるGを求
め、このGに基づいて信号処理器107内のフィルタ係
数を適応的に更新するようにしている。マイク検出信号
Eを最小にするようフィルタ係数を求める手法として、
最急降下法の一種であるLMSアルゴリズム(Leas
t Mean Square)などがある。
【0005】また図10のように、マイクロホンが複数
設置されている場合には、例えば各マイクロホン105
a,105b,105c,105dで検出した信号の総
和が最小となるように制御されるものである。
【0006】ここで、LMSアルゴリズムについてさら
に具体的に説明する。l番面のマイクロホン105a
(105b…)が検出したノイズ信号をel (n)、ラウ
ドスピーカ103a,103b,103cからの制御音
が無いときのl番目のマイクロホン105a(105
b,…)が検出したノイズ信号をepl(n)、m番目のラ
ウドスピーカ103a(103b,…)とl番目の評価
点、すなわち作業位置との間の伝達関数(FIR(有限
インパルス応答)関数)のj番目(j=0,1,2…,
c −1)の項をディジタルフィルタで表わしたときの
フィルタ係数をClm j 、基準信号すなわち音源情報信号
p (n)、基準信号xp (n)を入力しm番目のラウ
ドスピーカ103a(103b,…)を駆動する適応フ
ィルタのi番目(i=0,1,2,1…,IK −1)の
係数をWmiとすると、
【0007】
【数1】
【0008】が成立する。
【0009】次いで、評価関数(最少にすべき変数)J
eを、
【0010】
【数2】
【0011】とおく。
【0012】そして、評価関数Jeを最少にするフィル
タ係数Wmiを求めるために、LMSアルゴリズムを採用
する。つまり、評価関数Jeを各フィルタ係数Wmiにつ
いて偏微分した値で当該フィルタ係数Wmiを更新する。
【0013】そこで、(2)式より、
【0014】
【数3】
【0015】となるが、(1)式より
【0016】
【数4】
【0017】となるから、この(4)式の右辺を
【0018】
【数5】
【0019】とおけば、フィルタ係数の書き替え式は以
下の(6)式のLMSアルゴリズムにより得られる。
【0020】
【数6】
【0021】この形式から明らかなように、このアルゴ
リズムの安定性と収束性は、
【0022】
【数7】
【0023】の固有値広がりと収束係数αとによって支
配される。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な制御において、マイクロホン105a(105b…)
が検出したノイズ信号el (n) は信号処理器107のL
MSアルゴリズムをベースとするディジタルフィルタに
直接入力され、又、騒音源信号を代表する基準信号xp
は、前記ディジタルフィルタ及びもう一方のディジタル
フィルタに直接入力され、この2つの信号e1 (n) 、x
p から適応ディジタルフィルタの係数を書き替えながら
例えばマイクロホン位置で各周波数に対応した逆相のス
ピーカ出力を作るものである。
【0025】一方騒音源が自動車のエンジン等のように
強い周期信号を発する場合に車室内騒音の時歴データは
例えば図11(a) のようになっている。これを周波数分
析すると図11(b) のように基本周波数の基準信号及び
位相のずれτ1 , τ2 が一定した正弦波の信号に分解す
ることができる。これら一定の位相関係τ1 ,τ2 を持
つ正弦波は基本周波数の高調波として車室内のマイクロ
ホン105a(105b…)で検出されるノイズ信号e
l (n) に含まれる。すなわち、この高調波成分は前記式
(6) のel (n) に含まれることとなる。この場合、前記
アルゴリズムでは、(5) 式においてラウドスピーカ10
3a(103b,…)とマイクロホン105a(105
b,…)との間の伝達関数Cl mjと基準信号xp (n-j-
i)との畳み込み積分をおこない、(6) 式でマイクロホン
103a(103b,…)が検出した騒音信号el (n)
と収束係数αを掛け合わせ、前回使用したフィルタ係数
mi(n) に加えることによって新たなフィルタ係数Wmi
(n+1) を求めるようになっている。そのため、基準信号
p に対して高調波の位相ずれが一定していなければ式
(6) のLMSアルゴリズムにおいて漸時加算又は減算さ
れることによって平均化されて打消されることになる
が、位相のずれτ1 ,τ2 が一定の場合には式(6) にお
いて次々に加算されてしまい、収束係数αが次第に増大
するのと同様な状態となってLMSアルゴリズムの収束
特性が極めて性急となり、さらに条件が悪化する場合に
はマイクロホン位置での音圧上昇を招き、いわゆる発散
状態となる恐れがある。
【0026】一例を図12を用いて更に説明する。この
図12は騒音発生源から車室内への騒音の伝達状態と、
車室内での騒音制御との関係を示すものである。エンジ
ン7の騒音発生源Aから発生された基準周波数とその複
数の高調波とからなる信号(イ)は、車両の伝達系Eを
経て車体の発音部Hにおいて騒音(チ)+(リ)とな
り、車室内空間の伝達系IIを伝わってマイクロホンJに
入力される。
【0027】一方、前記騒音発生源Aから発生した基準
周波数とその複数の高調波からなる信号(イ´)、例え
ばエンジンの点火パルス信号又はエンジンが発生する振
動の検出信号等のうち、主なる騒音源の周期Tを基準信
号作成装置Bにおいて検出し、その検出された周期Tの
正弦波を基準信号(ロ)として出力し、第一ディジタル
フィルタCに入力してフィルタリングする。これは前記
(4) 式の演算に相当するものである。また、マイクロプ
ロセッサKでは前記第一ディジタルフィルタCによって
フィルタリングされた基準信号(ハ)を入力し、マイク
ロホンJで検出された車室内騒音(ヌ)+(ル)の2乗
和を最小にするようにLMSアルゴリズムを用いて第二
ディジタルフィルタDのフィルタ係数を変化させる。こ
のフィルタ係数の書換式は前記(6) 式である。
【0028】基準信号作成装置Bから出力された基準信
号(ロ)は前記第二ディジタルフィルタDによってフィ
ルタリングされてスピーカユニットFより出力される。
スピーカユニットFから出力された2次音(ト)は車室
内伝達系Gを経て車体発音部Hから発生し、マイクロホ
ンJまで伝播した(ニ)を打消し、残った車室内騒音
(ヌ)+(ル)がマイクロホンJに入力される。このこ
とは車両の伝達系を伝わり、車体において発音された車
室内騒音のみならず、空気伝播によって騒音発生源から
車室内に透過された騒音(ワ)に対しても同様である。
【0029】このようにして次々にLMSアルゴリズム
により第二ディジタルフィルタDのフィルタ係数が更新
されるのであるが、マイクロホンJによって検知された
信号(ヌ)および(ル)は常に一定の位相でマイクロプ
ロセッサKに入力されるため、不要の騒音(ル)の情報
は前記したように加算しても打消すことができない場合
が考えられ、LMSアルゴリズムにおいて上記のように
発散状態になる恐れがある。
【0030】そこでこの発明は、残留騒音中に基準信号
に対する位相ずれが一定している高調波成分を含む場合
でも適確な騒音制御を行なわせることが可能な能動型騒
音制御装置の提供を目的とする。
【0031】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1の発明は、騒音に干渉させる制御音を発生
して評価点の騒音低減を図る制御音源と、前記干渉後の
所定位置の残留騒音を検出する手段と、騒音源の騒音発
生状態に関する基準信号を検出する手段と、前記残留騒
音検出手段の出力信号と騒音発生状態検出手段の出力基
準信号とに基づき最急降下アルゴリズムを用いて前記制
御音源を駆動する信号を出力する制御手段とを備えた能
動型騒音制御装置であって、前記基準信号の周波数fを
所定量△fずらせる調整手段を設けたことを特徴とす
る。
【0032】また、請求項2の発明は、調整手段が基準
信号の周波数fに比例して所定量△fの帯域を変化させ
ることを特徴とする。
【0033】
【作用】請求項1の発明において、制御手段は残留騒音
検出手段の出力信号と騒音発生状態検出手段の出力基準
信号とに基づき最急降下アルゴリズムを用いて制御音源
を駆動する信号を出力する。これによって、制御音源は
騒音に干渉させる制御音を発生して評価点の騒音低減を
図ることができる。この場合、調整手段が基準信号の周
波数fを所定量△fずらせるため最急降下アルゴリズム
において不要な高調波成分は加算されることで打消され
る。
【0034】また、請求項2の発明では、基準信号の周
波数fに比例して所定量△fの帯域を変化させるため基
準信号の周波数fに応じて周波数のずれが決定され、よ
り適切な制御を行なわせることができる。
【0035】
【実施例】以下この発明の実施例を説明する。なお説明
は車室内空間を例として行なう。
【0036】図1はこの発明の一実施例に係る能動型騒
音制御装置のブロック図を示すもので、閉空間である車
室1内に制御音源としてのラウドスピーカ3,残留騒音
検出手段としてのマイクロホン5を備え、それぞれ制御
手段としてのコントローラ7に接続されている。コント
ローラ7はディジタルフィルタ9と適応ディジタルフィ
ルタ11とを有し、前記マイクロホン5は前記ディジタ
ルフィルタ9に前記ラウドスピーカ3は適応ディジタル
フィルタ11にそれぞれ接続されている。
【0037】車室1内の騒音は例えばパワープラント1
5が騒音源となっており、このパワープラント15には
エンジン及び動力伝達装置としてのトランスミッショ
ン、ディファレンシャルギヤが一体に収容されている。
そして、基準信号検出手段としては、例えばクランク角
信号センサ17が用いられ、検出したクランク角信号
は、基準信号作成装置19に入力されているようになっ
ている。基準信号作成装置19には調整手段としての関
数発生器21から信号が入力されるようになっており、
基準信号作成装置19の出力は前記ディジタルフィルタ
9と適応ディジタルフィルタ11とに出力する構成とな
っている。
【0038】なお、前記基準信号検出手段は、騒音源の
騒音発生状態に関する基準信号を検出することができれ
ばよく、信号としては例えばエンジン外表面に設けられ
た振動センサの出力信号、エンジンの点火パルス信号、
クランク軸の回転速度を回転速度センサで検出した回転
速度信号等を用いることもできる。
【0039】次に作用を説明する。
【0040】図1に記載の装置も基本的には図10に記
載の装置と同様に作動するものであり、マイクロホン5
が検出したノイズ信号はディジタルフィルタ9に入力さ
れる。又クランク角信号センサ17からはエンジンの点
火パルス信号が主なる騒音成分に関する信号として基準
信号作成装置19へ入力され、この基準信号作成装置1
9では前記点火パルス信号の周期と関数発生器21より
出力された信号の値とにより基準信号xp を作成し、デ
ィジタルフィルタ9および適応ディジタルフイルタ11
に入力している。ディジタルフィルタ9では基準信号x
p を用いて
【0041】
【数8】
【0042】の演算を行なう。そして、適用ディジタル
フイルタ11のフィルタ係数wmi
【0043】
【数9】
【0044】によって書換えられる。従って、適用ディ
ジタルフィルタ11が基準信号xp を用いてラウドスピ
ーカ3の駆動信号を生成し、ラウドスピーカ3は騒音信
号に対し逆相のスピーカ出力を行ない、車室内騒音を制
御する。
【0045】このような制御においてこの発明実施例で
は、関数発生器21が存在するため、マイクロホン5が
検出するノイズ信号el(n)の中に、基準信号xp に対し
位相の一定した高調波が含まれている場合でも、その影
響を除去して適確な騒音制御を行なうことができる。こ
れを図2を用いて更に説明する。
【0046】この図2は図1の本発明実施例装置を他の
表現方法においてブロック化したものである。従って図
2の騒音発生源Aは図1のパワープラント15に対応し
ている。その他、基準信号作成装置Bは基準信号作成装
置19に、関数発生器Rは関数発生器21に、第一ディ
ジタルフイルタCはディジタルフィルタ9に、第二ディ
ジタルフィルタDは適応ディジタルフィルタ11に夫々
対応している。なお、LMSアルゴリズムをベースにし
た演算を行なうマイクロプロセッサKはコントローラ7
に含まれるものとしている。さらに、スピーカユニット
Fはラウドスピーカ3に、マイクロホンJはマイクロホ
ン5に、車室内空間伝達系G,Iは車室内空間に対応
し、車両伝達系E、車体発音部Hは伝達部に対応してい
る。そして、この図2は図12のブロック図と基本的に
は同様であり、重複した説明は省略することとする。
【0047】一方、この発明実施例では、図2において
基準信号作成装置Bが関数発生器Rより出力された信号
の値△Tを入力し、検出された主なる騒音成分の周期T
に加え、T+△Tの周期を持つ基準信号(ヲ)を出力す
る。この場合関数発生器Rより出力される信号の値△T
は一定の微小な値となっている。このようにして基準信
号の周波数fを所定量△fずらせる構成にしている。基
準信号作成装置Bより出力された基準信号(ヲ)は第一
ディジタルフィルタCでフィルタリングされ、信号
(カ)としてマイクロプロセッサKに入力される。この
信号(カ)は、
【0048】
【数10】
【0049】で表されるものである。
【0050】一方、マイクロプロセッサKにはマイクロ
ホンJで検出された車室内騒音(ヌ)+(ル)としての
ノイズ信号el (n) が入力され、LMSアルゴリズムを
ベースにel (n) の2乗和を最小にするよう第二ディジ
タルフィルタDのフィルタ係数Wmiを変化させる。そし
て、基準信号作成装置Bから出力された基準信号(ヲ)
は前記第二ディジタルフィルタDによってフィルタリン
グされ、スピーカユニットFより出力される。スピーカ
ユニットFから出力された制御音としての2次音(ヨ)
は車室内伝達系Gを経て車室内騒音(ニ)を打消し、残
った車室内騒音(ヌ)+(ル)がマイクロホンJに入力
される。
【0051】この場合、2次音(ヨ)は、車室内騒音
(ニ)に対して周波数fが所定の微小量△fずれている
ために、消音後の騒音(ヌ)+(ル)は前記信号(カ)
とは異なった位相でマイクロプロセッサKに入力される
こととなる。従って、高調波成分である騒音(ル)は第
一ディジタルフィルタCより出力された信号(カ)に対
して位相が一定せず、大きくずれたものとなり、
【0052】
【数11】
【0053】において加算すると打消され、式(6) のノ
イズ信号el(n) においては高調波成分(ル)の影響が
見掛け上除去されて、騒音成分(ヌ)のみとなり、式
(6) の演算を適確に行なわせることができ、より確実に
車室内騒音を低減することが可能となる。
【0054】なお、主なる騒音成分(ヌ)は、低周波で
あり、しかも基準信号(カ)に対して位相ずれが十分に
小さいため、消音効果には影響はない。
【0055】図3は関数発生器Rより出力される信号の
値△Tの他の例を示すものである。すなわち、(a)は
正弦波状、(b)は鋸歯状、(c)は矩形波状、(d)
はランダム波状のものとしている。このようにして、基
準信号の周波数fを増減することにより高調波成分の位
相を基準信号に対してより非定常なものとし、高調波成
分の影響をより確実に除去することが可能となる。な
お、図3の△Tの値は時間平均が略零となるような値と
し、△Tによる影響を除去するようにしている。また、
△Tの波形は他のものでもよいことは勿論である。
【0056】図4は第2実施例を示すものである。
【0057】この実施例では、関数発生器Rより出力さ
れる信号の値△Tを図5のように、主なる騒音成分の周
期Tに比例して拡大するようにしている。すなわち、 △Tmax =αT △Tmin =−αT (α 整の常数) となるようにするもので、関数発生器Rは基準信号作成
装置Bから主なる騒音の周期Tを入力し、これに比例し
て△Tを出力するようにしている。
【0058】したがって、この実施例では、基準信号の
周波数fに比例して周波数fをずらす所定量△fの帯域
を変化させることができ、基準信号の周波数fの変化に
も十分対応することができる。
【0059】図6は、第3実施例を示すものである。
【0060】この実施例では、関数発生器に変えて乗算
器Sを設けたもので、基準信号作成装置Bから出力され
た基準信号(ロ)は乗算器Sに入力される。この乗算器
Sにおいて基準信号(ロ)にe−j2π△ftを乗じ、第一
ディジタルフィルタCおよび第二ディジタルフィルタD
へ基準信号(ネ)として出力する。このとき、△fの値
は一定の微小な値としている。
【0061】従って、この実施例においても、騒音信号
(ヌ)+(ル)としてのノイズ信号el (n) は基準信号
(ナ)とは異なる位相でマイクロプロセッサKに入力さ
れ、上記同様に高調波成分の影響を除去することが出来
る。
【0062】図7は、前記△fの他の例を示すもので、
(a)は正弦波状、(b)は鋸歯状、(c)は矩形波
状、(d)はランダム波状などの時間平均がほぼ零とな
るような値としたものである。従って、図7に示す場合
にも図3と同様なことが言える。
【0063】図8は、この発明の第4実施例を示すもの
である。
【0064】この実施例では、乗算器Sにおいて△fの
帯域を、図9のように主なる騒音の周波数fに比例して
狭くするようにしたものである。すなわち、 △fmax =αf △fmin =−αf (α:負の常数) となるようにしている。
【0065】したがって、この実施例では、図4、図5
の場合と略同様な作用効果を奏することができる。
【0066】なお、この発明は上記実施例に限定される
ものではない。例えば、騒音低減を図る評価点とマイク
ロホン位置とが空間的に離れたものであっても所定比に
基づいて評価点の残留騒音を推定し、制御を行なわせる
こともできる。また、上記実施例では、ディジタルフィ
ルタを2つ用いたFiltered −Xアルゴリズムについて
述べきたが、単一フィルタによる制御についても同様に
成り立つものである。更に、振動制御等に応用すること
も可能である。
【0067】
【発明の効果】以上より明らかなように、この発明の構
成によれば、残留騒音中に基準信号に対して位相のずれ
が一定した高調波成分を含む場合でもこの高調波成分の
影響を除去することができ、適確な騒音制御を行なわせ
ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例に係るブロック図である。
【図2】作用説明のためのブロック図である。
【図3】△Tの例を示す波形図である。
【図4】第2実施例に係る作用説明のためのブロック図
である。
【図5】△Tの帯域を変化させる説明図である。
【図6】第3実施例に係る作用を説明するブロック図で
ある。
【図7】△fの変化の例を示す波形図である。
【図8】第4実施例に係る作用説明図のためのブロック
図である。
【図9】△fの帯域を変化させる説明図である。
【図10】従来例に係るブロック図である。
【図11】ノイズ信号の説明図である。
【図12】従来例の作用を説明するためのブロック図で
ある。
【符号の説明】
3 ラウドスピーカ(制御音源) 5 マイクロホン(残留騒音検出手段) 7 コントローラ(制御手段) 17 クランク角信号センサ(基準信号検出手段) 19 基準信号作成装置 21(R) 関数発生器(調整手段) S 乗算器(調整手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 憲治 茨城県勝田市大字高場2520番地 株式会社 日立製作所自動車機器事業部内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 騒音に干渉させる制御音を発生して評価
    点の騒音低減を図る制御音源と、前記干渉後の所定位置
    の残留騒音を検出する手段と、騒音源の騒音発生状態に
    関する基準信号を検出する手段と、前記残留騒音検出手
    段の出力信号と騒音発生状態検出手段の出力基準信号と
    に基づき最急降下アルゴリズムを用いて前記制御音源を
    駆動する信号を出力する制御手段とを備えた能動型騒音
    制御装置であって、前記基準信号の周波数fを所定量△
    fずらせる調整手段を設けたことを特徴とする能動型騒
    音制御装置。
  2. 【請求項2】 前記調整手段は、前記基準信号の周波数
    fに比例して前記所定量△fの帯域を変化させることを
    特徴とする請求項1記載の能動型騒音制御装置。
JP3194293A 1991-08-02 1991-08-02 能動型騒音制御装置 Pending JPH0535285A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3194293A JPH0535285A (ja) 1991-08-02 1991-08-02 能動型騒音制御装置

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20020042357A (ko) * 2000-11-30 2002-06-05 이계안 개방형 능동 제어방식에 의한 배기소음 저감장치
JP2008122009A (ja) * 2006-11-14 2008-05-29 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 室外設置型室内ユニットおよびこれを用いた空気調和装置

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