JPH0534842U - 植木鉢用保温シート - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 植木鉢の用土上に敷設して使用する保温シー
トであって、保温特性に優れ、用土表面が蒸れることが
なく、植物の成育に好適な環境をつくり出すことのでき
る安価な保温シートを提供する。 【構成】 下面に多数の中空膨出部が形成された柔軟な
合成樹脂シートからなり、中央部に植物の茎部貫通用透
孔を設けると共に、該透孔から外周縁に達する脱着用の
切目を設ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、主に植木鉢（プランターを含む）用としてその用土表面に被せて 使用される保温シートに関する。

【０００２】

【従来の技術と考案の課題】

植木鉢に植えた植物を冬越えさせるような場合、外気温によって用土表面から その内部に凍結が進行するのを防止し、また霜が降りるのを防止する目的で、あ るいは発芽を促し成育を促進する目的で用土表面を保温シートで覆うことが有効 である。

【０００３】 従来、かかる用途のための保温シートは、専用品として市販されているものが なく、園芸愛好者自身が自からの工夫で、好ましくは黒色のポリエチレン等の合 成樹脂フィルムないしはシート等を用いて、用土上に被せて使用しているのが実 情である。もとよりこれらの方法も、上記のような目的に対してある程度有効で あるものの、保温効果に乏しいこと、外観体裁に劣ること、日中に用土表面が蒸 れ易いこと等の難点があった。

【０００４】 この考案は、上記のような欠点のない実用上便利な植木鉢用保温シートを提供 すること目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

この考案は、片面に多数の中空膨出部を形成した柔軟な合成樹脂シートからな り、中間部に少なくとも１つの植物茎部貫通用透孔を有し、かつ該透孔から外周 縁に達する脱着用切目が形成されてなる植木鉢用保温シートを要旨とするもので ある。

【０００６】 保温シートは、植物茎部の太さの大小、植木鉢の大小等に適合させるために、 前記透孔の周縁及びシートの外周縁に、それぞれ外方及び内方に向って所定長さ の調節用切込みが各複数個づつ所定間隔おきに設けられたものとすることが望ま しい。

【０００７】

【実施例】

図示実施例において、（１）はこの考案に係る保温シートであり、該保温シー トは、ポリエチレン等の透明または着色不透明な軟質合成樹脂製の積層フィルム （Ｆ）からなるものであって、その内面側には多数個の略半球状の中空膨出部（ ２）が形成されたものとなされている。かかる材料は、一般にクッション性の包 装用資材として多く使用されているものと同様のものであるが、好ましくは保温 性の点から黒色に着色したものが用いるのが良い。

【０００８】 保温シート（１）は直径１０〜３０ｃｍ程度の円形に形成され、その中央部に 植物茎部貫通用の透孔（３）が穿たれている。この透孔（３）は、直径１０〜３ ０ｍｍ程度に形成されるものである。そして、この透孔（３）の周縁の１個所か ら、シートの外周縁にかけて、半径線方向に１つの脱着用切目（４）が形成され ている。

【０００９】 かつ、透孔（３）の周縁には、該縁から外方に向けて円周方向に等間隔に長さ １０〜３０ｍｍ程度の調節用切込み（５）が複数個設けられると共に、更にシー ト（１）の外周縁にも、内方に向って同じく調節用切込み（６）が所定間隔おき に放射状配置に設けられている。

【００１０】 これらの切込み（５）（６）は、植物（Ｐ）の茎部（Ｐ₁ ）の太さの大小及び 植木鉢（Ｓ）の大きさの大小に適合させるものであり、所定規格に製作された保 温シート（１）の適用可能範囲を増大するものであるが、この考案において必ず しも必要とするものではない。

【００１１】 上記の保温シート（１）は図３に示すように、脱着用切目（４）を通じて植物 （Ｐ）の茎部（Ｐ₁ ）を中央の透孔（３）に導入することにより、中空膨出部（ ２）側の面を下向きにして植木鉢（Ｓ）の用土上面に被覆状態に敷設して使用す る。この際、透孔（３）の大きさに対して茎部（Ｐ₁ ）の太さが大きい場合、図 ３に示すように調節用切込み（５）によって透孔（３）の周縁部が茎部（Ｐ₁ ） 周りに立上がり状を呈してそれに適合する。また、保温シート（１）の大きさが 、植木鉢（Ｓ）の上部内径より大きい場合、外周縁の調節用切込み（６）によっ て周縁部が植木鉢（Ｓ）内面に沿って立上がり状を呈することでそれに適合する 。 なお、図示実施例では、円形植木鉢用の保温シート（１）を例示したが、プ ランター用のものとして長方形のものに製作しても良い。またその場合、植物茎 部貫通用透孔（３）は、単一の保温シートに複数個設けるものとしても良い。

【００１２】

【考案の効果】

この考案に係る保温シートは次のような効果を奏する。

【００１３】 先ず、第１に材料コストが極めて安価であり、廉価に提供しうる。

【００１４】 第２に、片面に多数個の中空膨出部が形成されていることにより、保温効果に 優れると共に、敷設使用状態において用土と保温シートの下面との間に、中空膨 隆部の存在によって十分な空間が形成されるので、用土が蒸れることがなく、用 土表面の通気性を適度に保って、植物の好適な成育環境を形成しうる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の実施例の斜視図。

【図２】図１のＩＩ−ＩＩ線の断面図。

【図３】使用状態を示す断面図。

【符号の説明】

（１）…保温シート （２）…中空膨出部 （３）…透孔 （４）…脱着用切目 （５）（６）…調節用切込み

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 片面に多数の中空膨出部を形成した柔軟
   な合成樹脂シートからなり、中間部に少なくとも１つの
   植物茎部貫通用透孔を有し、かつ該透孔から外周縁に達
   する脱着用切目が形成されてなる植木鉢用保温シート。
2. 【請求項２】 植物茎部貫通用透孔の周縁及び保温シー
   トの外周縁に、それぞれ外方及び内方に向って所定長さ
   の調節用切込みが各複数個づつ所定間隔おきに設けられ
   てなる請求項１に基づく植木鉢用保温シート。