JPH0534838U - コンバインのグレンタンク構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 穀粒排出筒を、操縦座席からの人手による操
作で簡易に穀粒排出姿勢と格納姿勢とに切り換え自在な
コンバインのグレンタンク構造を提供する。 【構成】 機体２に装備した原動部６の上部に操縦座席
７を配設し、この操縦座席７及び原動部６の後方で、か
つ機体２に搭載した脱穀装置３の横側に配設したグレン
タンク４の前面部に、穀粒排出筒１０を立設するととも
に、この穀粒排出筒１０を、互いに手動で屈折自在かつ
手動で着脱自在な上部排出筒１１と下部排出筒１２とか
らなる分割構造に構成し、かつ、グレンタンク４を、そ
の後端部の縦軸心周りで揺動自在に構成している。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、主として小型のコンバインのグレンタンク構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、コンバインにおいては、機体全体として大型のものが提供されていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、近年、コンバインにおいては、小規模な圃場での使用に適した小型 で安価なものが希求されるに至り、そのため、従来の大型機種の構造を小型機に 適用することが考えられた。 しかしながら、上記従来構造のものにあっては、グレンタンクに連設された穀 粒排出筒は、穀粒排出姿勢と格納姿勢とに切り換えるよう、その中間部で腰折れ できるようにして、先端がわ穀粒排出筒を基端がわ穀粒排出筒に対して起伏自在 、あるいは穀粒排出筒を縦軸心周りに揺動自在に電動モータ又は油圧シリンダ等 の駆動装置で姿勢変更できるように構成していたのであるが、駆動装置を用いる ことでコスト的に高いものとなっていた。 また、例え小型の機種といえども、穀粒排出に際しては、コンバインの機体か ら離れた場所に停車している運搬車等にも穀粒排出できるよう、遠方に穀粒排出 できることが望ましいものであった。 本考案は、上記実情に鑑みてなされたものであって、穀粒排出筒を、操縦座席 からの人手による操作で簡易に穀粒排出姿勢と格納姿勢とに切り換え自在なコン バインのグレンタンク構造の提供を目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案にかかるコンバインのグレンタンク構造は、上記目的を達成するために 、機体に装備した原動部の上部に操縦座席を配設し、この操縦座席及び原動部の 後方で、かつ機体に搭載した脱穀装置の横側に配設したグレンタンクの前面部に 、穀粒排出筒を立設するとともに、この穀粒排出筒を、互いに手動で屈折自在か つ手動で着脱自在な上部排出筒と下部排出筒とからなる分割構造に構成し、かつ 、前記グレンタンクを、その後端部の縦軸芯周りで揺動自在に構成していること を特徴構成とする。 かかる特徴構成による作用・効果は次の通りである。

【０００５】

【作用】

即ち、操縦座席及び原動部の後方に配置したグレンタンクの前面に穀粒排出筒 を立設しているとともに、この穀粒排出筒を、互いに手動で屈折自在かつ手動で 着脱自在な上部排出筒と下部排出筒とからなる分割構造に構成してあるから、操 縦座席に着座した作業者が後ろを振り向いた状態で、上部排出筒と下部排出筒と を連結した使用姿勢と下部排出筒に対して上部排出筒を倒伏させた格納姿勢とに 切り換えることができる。 また、グレンタンクを、その後端部の縦軸芯周りで、機体横側方へ脱穀装置や 原動部から離れるよう揺動操作することにより、原動部や脱穀装置に対するメン テナンス作業を容易に行うことのできる作業空間を現出することができる。

【０００６】

【考案の効果】

従って、穀粒排出筒の上部排出筒と下部排出筒との着脱を手動で行えることで 、その着脱等を行うのに駆動装置が不要となり、その分安価なものとなるととも に、座席から着脱操作等ができるので作業者が座席から離れる煩わしさが無く、 かつ、グレンタンクをその後部縦軸心周りで揺動することにより、原動部や脱穀 装置に対するメンテナンス作業を容易に行うことができる等の効果を奏するに至 った。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。 図１及び図２に、コンバインを示している。このコンバインは、左右一対のク ローラ走行装置１，１に支持された機体２に脱穀装置３及びグレンタンク４を左 右に並設した状態で搭載設置しているとともに、機体２前部に刈取前処理部５を 昇降自在に装備して構成している。

【０００８】 そして、図１に示すように、機体２の前部右側部にエンジン等から成る原動部 ６を搭載しているとともに、この原動部６を覆うボンネットの上部に操縦座席７ を設置しており、この操縦座席７の前方に操作レバー等を備えた操縦ボックス８ を立設している。

【０００９】 前記グレンタンク４は操縦座席７及び原動部６の後方位置に配設され、図２に 示すように、そのグレンタンク４の後端下部を縦軸心Ｐ周りに回動操作可能に機 体２に枢着して、かつグレンタンク４の前端がわ下部に上記回動操作ができる状 態でグレンタンク４の重量を支えることのできる小車輪を取り付けている。また 、グレンタンク４内の底部には穀粒排出用のスクリューコンベア９を穀粒を前方 へ搬送するよう前後向きに配設しており、このスクリューコンベア９で搬送され た穀粒を外方に搬送排出する穀粒排出筒１０を、グレンタンク４の前側壁４Ａに 立設状態で連設している。この穀粒排出筒１０は、上部排出筒１１と下部排出筒 １２とに分割構造を成しているものであって、詳しくは、図３に示すように、下 部排出筒１２の外装ケース１２ａの上端部に、上部排出筒１１の外装ケース１１ ａをヒンジ構造を介して起伏揺動自在に枢着しており、その内部に夫々装備した 搬送スクリュー１１ｂ，１２ｂの端部同士を一定の回転位相で連動連結及び連結 解除自在に構成している。上部排出筒１１を操縦座席７に着座した作業者が起伏 揺動操作できるように、上部排出筒１１には、起立操作レバー１３が取り付けら れている。また、上部排出筒１１が起立状態で下部排出筒１２に固定連結される ロック機構１４として、上部排出筒１１が起立した状態で相対向突き合わされる フランジ１１ｃ，１２ｃを上部排出筒１１と下部排出筒１２とに夫々設け、上部 排出筒１１のフランジ１１ｃにそのフランジ面に直交する軸心周りで回動自在に 、かつ上方に向けてバネで付勢された状態に枢着した固定操作レバー１５を、下 部排出筒１２のフランジ１２ｃに形成の切り欠き溝１６に係入した状態で、固定 操作レバー１５の屈折した先端部がフランジ１２ｃに圧接するよう抜け止めがわ に回動し得る構成にしている。従って、このロック機構１４は人手により固定操 作レバー１５を揺動操作して、ロック操作或いはロック解除操作することができ る。

【００１０】 さらに、穀粒排出筒１０の下部排出筒１２は、グレンタンク４に対して前記ス クリューコンベア９の軸心Ｑを中心として、傾動操作可能に構成してある。すな わち、図４に示すように、下部排出筒１２の下端部に連設した連結ケース１７を 、グレンタンク４に連結固定される状態で前記軸心Ｑを中心として、回動操作自 在に設けている。これにより、上部排出筒１１を下部排出筒１２に連結した状態 で穀粒排出筒１０を機体外方に人手作業により傾動させて、穀粒を上部排出筒１ １上端部の穀粒排出口１８から排出させる使用姿勢に切り換えることができる。 また、穀粒排出筒１０を使用しないときには、下部排出筒１２は垂直姿勢にして 上部排出筒１１はグレンタンク４の上面に沿うよう倒伏させる。

【００１１】 尚、スクリューコンベア９及び穀粒排出筒１０への伝動は、連結ケース１７の 前方に延出されたスクリューコンベア９のスクリュー軸９ａの端部に設けた伝動 プーリ１９に原動部６からベルト伝動されるようにしてあり、かつ、連結ケース １７内においてベベルギア機構を介して前記スクリュー軸９ａから搬送スクリュ ー１２ｂ，１１ｂに伝動されるようにして成される。

【００１２】 尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対照を便利にするために符号を記 すが、該記入により本考案は添付図面の構成に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】コンバインを示す全体側面図

【図２】コンバインを示す全体平面図

【図３】非使用姿勢と使用姿勢の穀粒排出筒の連結箇所
を示す縦断側面図

【図４】穀粒排出筒の使用状態を示す正面図

【符号の説明】

２ 機体 ３ 脱穀装置 ４ グレンタンク ６ 原動部 ７ 操縦座席 １０ 穀粒排出筒 １１ 上部排出筒 １２ 下部排出筒

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 機体（２）に装備した原動部（６）の上
   部に操縦座席（７）を配設し、この操縦座席（７）及び
   原動部（６）の後方で、かつ機体（２）に搭載した脱穀
   装置（３）の横側に配設したグレンタンク（４）の前面
   部に、穀粒排出筒（１０）を立設するとともに、この穀
   粒排出筒（１０）を、互いに手動で屈折自在かつ手動で
   着脱自在な上部排出筒（１１）と下部排出筒（１２）と
   からなる分割構造に構成し、かつ、前記グレンタンク
   （４）を、その後端部の縦軸芯周りで揺動自在に構成し
   ているコンバインのグレンタンク構造。