JPH0534470U - 空調用熱交換器のプレートフイン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 エバポレータとして用いる空調用プレートフ
ィンであって、目詰まりを起こすことなく、且つフィン
効率を向上させると共に、凝縮水の排除を容易に行い得
るものを提供する。 【構成】 夫々のチューブ挿通孔間にそのフィンの幅方
向の断面が大きな鈍角に曲折された三角波状部を有す
る。そして、夫々の波の斜面に細長いスリットが長手方
向に配置されたことを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、エバポレータとして用いられる空調用熱交換器のプレートフィンに 関する。

【０００２】

【従来の技術】

エバポレータとして用いられる空調用熱交換器のプレートフィンは、多数のチ ューブ挿通孔がフィンの長手方向に互いに離間して穿設されている。このような プレートフィンを多数小隙を有して積層し、それらのチューブ挿通孔に円形チュ ーブを挿通すると共に、チューブとフィンのチューブ挿通孔とを密着させる。そ して、チューブ内に気液二相状態の冷媒が流通すると共に、チューブ外面及びフ ィン側にフィン冷却用の空気流を流通させるものである。 このような空調用熱交換器のプレートフィンにおいて、フィンの伝熱性を向上 させるために、その表面に波形を形成したものが存在した。しかしながら、この ような波形プレートフィンは大きな伝熱性の向上が望めなかった。次に、エバポ レータとしてではないが、伝熱性向上のためプレートフィンにルーバを切り起こ したものが存在していた。しかしながら、エバポレータ用熱交換器としてこれを 用いると、ルーバの切り起こし部に目詰まりを生じさせたり、被冷却用空気流の 流通抵抗が大きくなる。

【０００３】

【課題を解決するための手段】

そこで、本考案は目詰まりを起こすことがないと共に、流体抵抗の増加がごく 僅かで伝熱性の優れたプレートフィンであって、且つフィン表面に付着する凝縮 水排除が容易なものを提供することを目的とし、その目的達成のために次の構成 をとる。 複数のチューブ挿通孔が長手方向に互いに離間して形成された同一形状の多数 のプレートフィンを並列し、チューブ挿通孔にチューブを貫通して、該チューブ 内に気液二相状の冷媒を流通させると共に、その外面及びフィン外面の幅方向に 空気流が流通する空調用熱交換器のプレートフィンに関する。そして、本考案の 特徴とするところは、夫々のチューブ挿通孔間に、そのフィンの幅方向の断面が 大きな鈍角に曲折された三角波状部を有し、夫々の波の斜面に細長いスリットが 長手方向に配置されたものである。

【０００４】

【作用】

図４に示す如く各プレートフィン間を流通する空気流４はその三角波の斜面に 形成されたスリット３内を流通し、そこでフィン表面に発達する境界層を分断し 、フィン効率を向上させる。それと共に、このスリット３に凝縮水が補足され、 フィンの表面に水膜が生じるのを可及的に防止し、凝縮水を円滑に排除する。

【０００５】

【実施例】

次に、図面に基づいて本考案のプレ−トフィンの実施例につき説明する。 図１は本考案のプレートフィンの斜視略図であり、図２は図１のII−II線断面 図、図３は図１のIII ─III 線断面図、図４は本プレートフィンの使用状態を示 す説明図である。 本考案のプレートフィンは図１から明らかなように、複数のチューブ挿通孔１ が長手方向に等間隔に離間して穿設されている。このチューブ挿通孔１は図３の 如く、その口縁部がバーリング加工され、そこに短い筒状部が形成される。この チューブ挿通孔１の内直径は図２に示す如くチューブ５の外直径にほぼ等しい。 又、夫々のチューブ挿通孔１，１間には大きな鈍角に曲折された三角波状部を有 し、その波の斜面２に夫々細長いスリット３が長手方向に配置されている。

【０００６】 このようにしてなるプレートフィンは互いにチューブ挿通孔１のバーリング加 工の高さだけ離間するようにして多数並列され、夫々のチューブ挿通孔１にチュ ーブ５が挿通される。そして、チューブ５内に気液二相状態の冷媒が流通すると 共に、その外面及びプレートフィンの外面側であって、その幅方向に図４の如く 空気流４が流通する。そして、この空気流４はプレートフィンの三角波状部に案 内されて蛇行すると共に、その斜面に穿設されたスリット３を斜め方向に流通す る。即ち、斜面に添って蛇行状に案内された空気流４はスリット３の開口から容 易に隣接するフィン間内に流通することになる。

【０００７】

【考案の効果】

本考案の空調用熱交換器のプレートフィンは、フィンの幅方向断面が大きな鈍 角に曲折された三角波状部を有し、夫々の波の斜面２に細長いスリット３がフィ ンの長手方向に配置されたことを特徴とする。従って、このスリット３の存在に より夫々のフィン間を流通する空気流の一部がそのスリット３を通り抜け、フィ ン表面に沿って発達する境界層を分断して、熱交換を促進することになる。しか も、スリット３は波の斜面に形成されているため、フィン表面に付着する凝縮水 が夫々のスリット３に確実に補足され、そのスリット３内で成長して円滑に排除 される。それにより、フィン表面の凝縮水による水膜を可及的に少なくし、熱伝 達を促進し得る効果がある。しかも、スリット３は空気の流通を阻害したり、目 詰まりを起こしたりすることを防止し、空調用熱交換器のプレートフィンとして 理想的なものを提供し得る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のプレートフィンの斜視略図。

【図２】図１のII−II線断面図。

【図３】図１の III─ III線断面図。

【図４】本考案のプレートフィンの使用状態を示す説明
図。

【符号の説明】

１ チューブ挿通孔 ２ 斜面 ３ スリット ４ 空気流 ５ チューブ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数のチューブ挿通孔（１）が長手方向
   に互いに離間して形成された同一形状の多数のプレート
   フィンを並列し、前記チューブ挿通孔（１）にチューブ
   を貫通して、該チューブ内に気液二相状態の冷媒が流通
   すると共に、その外面及び前記フィン外面の幅方向に空
   気流が流通する空調用熱交換器のプレートフィンにおい
   て、前記夫々のチューブ挿通孔間に、そのフィンの幅方
   向の断面が大きな鈍角に曲折された三角波状部を有し、
   夫々の波の斜面（２）に細長いスリット（３）が前記長
   手方向に配置されたことを特徴とする空調用熱交換器の
   プレートフィン。