JPH05343088A - 燃料電池の温度制御方法 - Google Patents

燃料電池の温度制御方法

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JPH05343088A
JPH05343088A JP4145538A JP14553892A JPH05343088A JP H05343088 A JPH05343088 A JP H05343088A JP 4145538 A JP4145538 A JP 4145538A JP 14553892 A JP14553892 A JP 14553892A JP H05343088 A JPH05343088 A JP H05343088A
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heater
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Jiyun Hashiguchi
盾 橋口
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電池停止後のカソードガスの再循環時に電池
本体に低温ガスが流入することを回避し、電池の損傷を
防ぐ。 【構成】 燃料電池本体20と、燃料電池本体のカソー
ド側下流から上流までにブロア31、加熱器33、循環
ガス用の弁35を順次直列に備える循環ライン30と、
加熱器の出口からブロアの入口までを連通し、中間にブ
ロアの流量調節弁32を有する再循環ラインとからな
り、燃料電池本体を保温した状態で循環ガス用の弁35
を閉じてリサイクルラインのカソードガスの流れを停止
し、次いで循環ガス用の弁を閉じたままでブロア及び加
熱器を起動し、次いでブロアの流量調節弁32を開き、
ブロア、加熱器、ブロアの流量調節弁の間をガスを循環
させて加熱し、次いで循環ガス用の弁35を徐々に開
き、加熱されたガスを燃料電池本体のカソード側入口に
供給する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、燃料電池の温度制御方
法に関し、更に詳しくは、溶融炭酸塩型燃料電池のカソ
ードガスを循環させて燃料電池の温度を制御する方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】溶融炭酸塩型燃料電池は、高効率、かつ
環境への影響が少ないなど、従来の発電装置にはない特
徴を有しており、水力・火力・原子力に続く発電システ
ムとして注目を集め、現在世界各国で鋭意研究開発が行
われている。溶融炭酸塩型燃料電池の燃料としては天然
ガス、石炭ガス化ガス等が用いられる。天然ガスを燃料
とする溶融炭酸塩型燃料電池を用いた発電設備では、図
2に示すように天然ガス等の燃料ガスを水素を含むアノ
ードガスに改質する改質器10と、アノードガスと酸素
を含むカソードガスとから発電する燃料電池本体20と
を一般的に備えており、改質器で作られたアノードガス
は燃料電池本体に供給され、燃料電池本体内でその大部
分(例えば80%)を消費した後、アノード排ガスとし
て改質器の燃焼室に供給される。改質器ではアノード排
ガス中の可燃成分(水素、一酸化炭素、メタン等)を燃
焼室で燃焼し、高温の燃焼ガスにより改質室で改質管を
加熱し改質管内を通る燃料を改質する。改質室を出た燃
焼排ガスは燃料電池本体用のカソードガスに合流され、
燃料電池本体のカソード側に必要な二酸化炭素を供給す
る。カソードガスは燃料電池本体内でその一部が反応し
た後、その一部が循環ライン30を介して燃料電池本体
のカソード側入口に循環(リサイクル)され、残りのカ
ソードガスは系外に排出される。なお、石炭ガス化ガス
を用いる場合には上述した改質器を用いず、石炭ガス化
ガスがそのまま燃料電池本体に供給される。なお、符号
37は空気、38は水蒸気である。
【0003】燃料電池本体20は、アノードガスが通過
するアノード側22と、カソードガスが通過するカソー
ド側24とからなり、アノードガス中の水素、一酸化炭
素と、カソードガス中の酸素、二酸化炭素とから化学反
応により電気を発生するようになっている。アノードと
カソードの間には電解質を含む板(電解質板)がサンド
イッチ状に挟持されている。かかるアノード、電解質
板、カソードの組み合わせは通常、数段から数百段に積
層され、1つの燃料電池本体(スタック)を構成してい
る。
【0004】上述した発電設備において、従来の循環ラ
イン30には図3に示すようにブロア31、ブロアに並
列に設けられたブロア用再循環弁32、加熱器33、及
び開閉弁34が設けられていた。ブロア31はカソード
ガスの循環に必要な最大流量のガスを流すことができ
る。ブロア用再循環弁32は、カソードガスの循環量を
制御するためのものであり、この再循環弁32でブロア
の最大流量を再循環することによりカソードガスの循環
量をゼロまで制御することができる。また加熱器33
は、カソードガスを加熱し電池を昇温させるためのもの
であり、特に電池の最初の起動時に、カソードガスを加
熱しながら循環して燃料電池本体をその運転温度(約6
50°C)より多少高い温度まで加熱できるようになっ
ている。開閉弁34は、オンオフ弁であり、カソードガ
スの循環を必要としない場合、例えば、燃料電池の運転
停止中に循環ラインを遮断するために用いられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の発電設備に
おいて、発電を数日或いは数週間停止する場合には、燃
料電池本体を別の加熱装置で保温したまま、開閉弁34
で循環ラインを遮断してカソードガスの循環を停止す
る。次いで再度循環を開始するには、ブロア31を運転
し、ブロア用再循環弁32により循環ガス量を最小にし
た状態で、開閉弁34を開き、少しずつ循環ガス量を増
やして循環ラインにガスを循環させる方法が従来行われ
ていた。しかし、数日或いは数週間循環ラインを遮断し
ておくと、この循環ラインの温度は常温近くまで下がっ
てしまう。しかも、再起動時に流れるガスは加熱器内を
1度通過するだけにすぎず、ガスは加熱器で十分に昇温
できない。また加熱器を出たガスは加熱器の下流側で低
温になった循環ラインにより更に冷却される。従って、
低温のガスが燃料電池本体のカソードに流入することは
避けられなかった。
【0006】溶融炭酸塩型燃料電池の電解質板(タイ
ル)は、急激な温度変化により割れたり、損傷を受けて
性能が低下することがある。従って、電池の温度変化は
最小限に抑える必要がある。しかし、上記従来の燃料電
池の温度制御方法では、発電を停止し循環ラインをいっ
たん遮断すると、再循環時に電池本体を損傷させてしま
うおそれがあった。
【0007】本発明は、かかる問題を解決するために創
案されたものであり、電池停止後のカソードガスの再循
環時に電池本体に低温ガスが流入することを回避し、電
池の損傷を防ぐことができる燃料電池の温度を制御する
方法を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明による燃料電池の
温度を制御する方法は、アノードガスが通過するアノー
ド側と、カソードガスが通過するカソード側とからな
り、アノードガスとカソードガスとから化学反応により
電気を発生する燃料電池本体と、前記燃料電池本体のカ
ソード側下流から上流までを連通し、カソード側下流か
らブロア、加熱器、及び循環ガス用の弁を順次直列に備
える循環ラインと、前記加熱器の出口からブロアの入口
までを連通し、中間にブロアの流量調節弁を有する再循
環ラインと、からなる燃料電池の温度を制御する方法で
あって、燃料電池本体を保温した状態で前記循環ガス用
の弁を閉じて循環ラインのガス流れを停止し、次いで、
前記循環ガス用の弁を閉じたままでブロア及び加熱器を
起動し、次いで、ブロアの流量調節弁を開き、ブロア、
加熱器、ブロアの流量調節弁の間をガスを循環させて加
熱し、次いで、循環ガス用の弁を開き、加熱されたガス
を燃料電池本体のカソード側に供給する、ことを特徴と
する。
【0009】本発明の好ましい実施例によれば、前記循
環ガス用の弁は流量調節弁であり、該流量調節弁を徐々
に開くのが良い。
【0010】
【作用】上記本発明による燃料電池の温度を制御する方
法によれば、カソードガスの循環をいったん停止し再循
環させる際に、カソード側入口に供給するガスはブロ
ア、加熱器、ブロアの流量調節弁の間を循環して十分に
加熱されている。従って、循環ラインのほとんどが十分
に加熱された状態で、加熱されたガスを燃料電池本体の
カソード側入口に供給することができる。特に、循環ガ
ス用の弁が流量調節弁であり、この流量調節弁を徐々に
開くようにすれば、この流量調節弁を高温ガスで徐々に
加熱することができ、低温のガスが燃料電池本体のカソ
ード側に流入することを回避することができる。
【0011】
【実施例】以下に本発明の好ましい実施例を図面を参照
して説明する。なお、共通する構成要素には同一の符号
を付して使用する。図1は、本発明による方法を実施す
るための燃料電池を示す部分構成図である。この図にお
いて、燃料電池は、アノードガスが通過するアノード側
22と、カソードガスが通過するカソード側24とから
なり、アノードガスとカソードガスとから化学反応によ
り電気を発生する燃料電池本体20を備えている。この
燃料電池は更に、前記燃料電池本体20のカソード側2
4の下流から上流までを連通し、カソード側24の下流
からブロア31、加熱器33、及び循環ガス用の弁35
を順次直列に備える循環ライン30と、前記加熱器33
の出口からブロア31の入口までを連通し、中間にブロ
アの流量調節弁32(すなわちブロアの再循環弁)を有
する再循環ライン36とを備えている。
【0012】加熱器33は、カソードガスを運転温度
(約550°C〜650°C)より多少高い温度まで間
接加熱できる形式の加熱器、例えば電気抵抗式ヒータ、
電気誘導ヒータ、或いは燃焼式加熱器であり、その容量
は燃料電池の起動時にガスを加熱しながら循環して燃料
電池本体20を常温から運転温度まで加熱できるように
定められている。ブロア31は、燃料電池の定常運転中
及び起動時に必要なガス量を流せる容量のものであり、
その吐出圧力は循環ラインに必要な圧力以上を発生する
ようになっている。必要によりブロア31の上流側に熱
交換器(図示せず)を備え、ブロア31への流入温度を
制御できるようになっている。ブロア31は流量が可変
であっても一定であっても良い。ブロアは、可変流量型
の場合でもブロアの特性上流量範囲は比較的狭い。従っ
て、ブロアの流量調節弁32によりブロア31から吐出
されたガスの一部ないし全部を加熱器33の出口からブ
ロア31の入口まで戻し、これにより循環ガス用の弁3
5へ流れるガス量をゼロからブロア31の最大流量まで
連続的に調節できるようになっている。すなわち、ブロ
アの流量調節弁32は、従来のブロアの再循環弁と同様
の機能を有する。上述した加熱器33、ブロア31、ブ
ロアの流量調節弁32の組み合わせにより、カソードガ
スを加熱器33、ブロア31、ブロアの流量調節弁32
の間を循環させて加熱することができる。
【0013】循環ガス用の弁35は全閉からブロア31
の最大流量を流せる全開まで流量を調節できる流量調節
弁であり、該流量調節弁を徐々に開くことにより燃料電
池本体20のカソード側24にガスを徐々に流すことが
できる。また、加熱器33の出口から弁35を経て燃料
電池本体20のカソード側24に合流するまでの配管ラ
インはできるだけ短くするのがよい。これにより加熱器
33を出た高温ガスの温度低下を少なくすることができ
る。
【0014】燃料電池本体20はアノードガス中の水
素、一酸化炭素と、カソードガス中の酸素、二酸化炭素
とから化学反応により電気を発生するようになってい
る。アノードとカソードの間には電解質を含む板(電解
質板、図示せず)がサンドイッチ状に挟持されている。
かかるアノード、電解質板、カソードの組み合わせは通
常、数段から数百段に積層され、1つの燃料電池本体
(スタック)を構成している。この構成は従来の燃料電
池本体と同様である。
【0015】以下、上述した燃料電池の運転方法及び温
度制御方法を併せて説明する。燃料電池の低温からの起
動時には、循環ガス用の弁35を全閉、ブロアの流量調
節弁32を全開にしてブロア31を起動し、ブロア3
1、加熱器33、ブロアの流量調節弁32の間を常温の
イナートガス(例えばN2 ガス)を循環させる。次い
で、循環ガス用の弁35を全開にし、ブロアの流量調節
弁32を徐々に閉じると燃料電池20のカソード側24
に常温のガスが供給される。この時のガス量はブロアの
流量調節弁32によって調節される。次いで加熱器33
を起動し、ガスを加熱しながら循環させて燃料電池本体
20をその運転温度(約550°C〜650°C)まで
加熱する。
【0016】通常の運転中、燃料電池本体20のカソー
ド側24を通過した高温(650°C以上)のカソード
ガスは一部が循環ライン30を介して燃料電池本体20
のカソード側24の下流から上流まで循環され、残りは
系外に排出される。この循環ライン30に流れるカソー
ドガスはブロア31とブロアの流量調節弁32、すなわ
ちブロアの再循環弁とにより制御される。ブロア流量を
調節するかブロアの流量調節弁32の開閉量を制御する
と再循環ライン36を流れるガス量が制御され、これに
より循環ライン30を流れて燃料電池本体に入るガス量
が制御される。通常の運転中、上述した方法で循環ライ
ン30を流れる高温のガスの量を制御することにより、
低温で入ってくるガスと合流後のカソードガスの温度を
制御し、燃料電池本体の温度を制御することができる。
【0017】燃料電池がいったん起動した後、発電を数
日或いは数週間停止する場合には、燃料電池本体20を
別の加熱装置で保温したまま、循環ガス用の弁35を全
閉して循環ラインを遮断しカソードガスの循環を停止す
る。次いで再度循環を開始するには、循環ガス用の弁3
5を閉じたままでブロア31及び加熱器33を起動し、
ブロアの流量調節弁32を開き、ブロア31、加熱器3
3、ブロアの流量調節弁32の間をガスを循環させて加
熱する。各機器は数日或いは数週間の運転停止で常温近
くまで温度が下っているがガスを循環させて加熱するこ
とにより徐々に温度が上昇する。この間も燃料電池本体
20は別の加熱装置で温度(約550°C〜650°
C)を保持している。各機器の温度が上昇すると伝熱に
より循環ガス用の弁35付近のラインの温度も上昇す
る。循環するガスの温度が燃料電池の保持温度(約55
0°C〜650°C)より多少高い温度に達した後、循
環ガス用の弁35を徐々に開き、加熱された高温ガスを
燃料電池本体20のカソード側入口に供給する。これに
より、十分加熱されたガスを燃料電池本体のカソード側
入口に供給することができる。
【0018】
【発明の効果】上記本発明による燃料電池の温度を制御
する方法によれば、カソードガスの循環をいったん停止
し再循環させる際に、カソード側入口に供給するガスは
ブロア、加熱器、ブロアの流量調節弁の間を循環して十
分に加熱されている。従って、循環ラインのほとんどが
十分に加熱された状態で、加熱されたガスを燃料電池本
体のカソード側入口に供給することができる。特に、循
環ガス用の弁が流量調節弁であり、この流量調節弁を徐
々に開くようにすれば、この流量調節弁を高温ガスで徐
々に加熱することができ、低温のガスが燃料電池本体の
カソード側に流入することを回避することができる。
【0019】従って、電池停止後のカソードガスの再循
環時に電池本体に低温ガスが流入することを回避し、電
池の損傷を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による方法を実施するための燃料電池を
示す部分構成図である。
【図2】改質器を有する発電設備を示す全体構成図であ
る。
【図3】従来の方法を実施するための燃料電池を示す部
分構成図である。
【符号の説明】
10 改質器 20 燃料電池 22 アノード側 24 カソード側 30 循環ライン 31 ブロア 32 ブロアの流量調節弁 33 加熱器 35 循環ガス用の弁 36 再循環ライン

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アノードガスが通過するアノード側と、
    カソードガスが通過するカソード側とからなり、アノー
    ドガスとカソードガスとから化学反応により電気を発生
    する燃料電池本体と、 前記燃料電池本体のカソード側下流から上流までを連通
    し、カソード側下流からブロア、加熱器、及び循環ガス
    用の弁を順次直列に備える循環ラインと、 前記加熱器の出口からブロアの入口までを連通し、中間
    にブロアの流量調節弁を有する再循環ラインと、からな
    る燃料電池の温度を制御する方法であって、 燃料電池本体を保温した状態で前記循環ガス用の弁を閉
    じて循環ラインのガス流れを停止し、 次いで、前記循環ガス用の弁を閉じたままでブロア及び
    加熱器を起動し、 次いで、ブロアの流量調節弁を開き、ブロア、加熱器、
    ブロアの流量調節弁の間をガスを循環させて加熱し、 次いで、循環ガス用の弁を開き、加熱されたガスを燃料
    電池本体のカソード側に供給する、ことを特徴とする燃
    料電池の温度を制御する方法。
  2. 【請求項2】 前記循環ガス用の弁は流量調節弁であ
    り、該流量調節弁を徐々に開くことを特徴とする請求項
    1に記載の燃料電池の温度を制御する方法。
JP4145538A 1992-06-05 1992-06-05 燃料電池の温度制御方法 Pending JPH05343088A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006066112A (ja) * 2004-08-25 2006-03-09 Toyota Motor Corp 燃料電池システム
JP2009140731A (ja) * 2007-12-06 2009-06-25 Toyota Motor Corp 燃料電池システム

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JP2006066112A (ja) * 2004-08-25 2006-03-09 Toyota Motor Corp 燃料電池システム
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