JPH05342919A - テープ電線 - Google Patents
テープ電線Info
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- JPH05342919A JPH05342919A JP15198592A JP15198592A JPH05342919A JP H05342919 A JPH05342919 A JP H05342919A JP 15198592 A JP15198592 A JP 15198592A JP 15198592 A JP15198592 A JP 15198592A JP H05342919 A JPH05342919 A JP H05342919A
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- Japan
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- tape electric
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- conductor
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 耐熱性,難燃性,耐水性,耐薬品性,耐油性
が優れ、可動部に配線することもでき、端末処理性も良
好なテープ電線を提供する。 【構成】 このテープ電線は、フッ素樹脂フィルム1,
1から成る表面層の間に、ポリオレフィンとグリシジル
メタクリレートとの共重合体の架橋体2”が介装され、
前記架橋体2”の中に複数の導体3が埋設されている。
が優れ、可動部に配線することもでき、端末処理性も良
好なテープ電線を提供する。 【構成】 このテープ電線は、フッ素樹脂フィルム1,
1から成る表面層の間に、ポリオレフィンとグリシジル
メタクリレートとの共重合体の架橋体2”が介装され、
前記架橋体2”の中に複数の導体3が埋設されている。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はテープ電線に関し、更に
詳しくは、耐熱性,難燃性が優れていて、また端末処理
性に優れていて、繰返し応力が加わる用途にも使用する
ことができるテープ電線に関する。
詳しくは、耐熱性,難燃性が優れていて、また端末処理
性に優れていて、繰返し応力が加わる用途にも使用する
ことができるテープ電線に関する。
【0002】
【従来の技術】各種の通信器,複写機,家電製品,コン
ピュータ,ワープロ,自動車などに広く用いられている
テープ電線は、絶縁性のプラスチックフィルムの中に複
数本の導体が互いに所望の間隔を置いて埋設されてい
て、全体の形状が扁平になっている。このような形状で
あるため、このテープ電線は配線作業が行ないやすく、
しかも狭い場所にも配線できるという利点を備えてい
る。
ピュータ,ワープロ,自動車などに広く用いられている
テープ電線は、絶縁性のプラスチックフィルムの中に複
数本の導体が互いに所望の間隔を置いて埋設されてい
て、全体の形状が扁平になっている。このような形状で
あるため、このテープ電線は配線作業が行ないやすく、
しかも狭い場所にも配線できるという利点を備えてい
る。
【0003】ところで、従来からテープ電線は次のよう
にして製造されている。まず、例えばポリエステルフィ
ルムの片面に、熱可塑性または熱架橋型のポリエステル
系樹脂組成物;ポリオレフィン;変成ポリオレフィン;
エチレン−酢酸ビニル共重合体,エチレン−エチルアク
リレート共重合体,アイオノマーおよびそれらの変性
物;またはポリ塩化ビニル系樹脂組成物のような接着性
の樹脂組成物から成るフィルムを、例えば、ドライラミ
ネート法,ウェットラミネート法,押出しラミネート法
などで直接積層することにより接着フィルム層を形成し
て積層フィルムにする。なお、上記した接着性樹脂組成
物がフィルムとして成膜できないものである場合は、そ
の接着性樹脂組成物を前記ポリエステルフィルムの片面
に例えば印刷塗布して接着フィルム層にしてもよい。
にして製造されている。まず、例えばポリエステルフィ
ルムの片面に、熱可塑性または熱架橋型のポリエステル
系樹脂組成物;ポリオレフィン;変成ポリオレフィン;
エチレン−酢酸ビニル共重合体,エチレン−エチルアク
リレート共重合体,アイオノマーおよびそれらの変性
物;またはポリ塩化ビニル系樹脂組成物のような接着性
の樹脂組成物から成るフィルムを、例えば、ドライラミ
ネート法,ウェットラミネート法,押出しラミネート法
などで直接積層することにより接着フィルム層を形成し
て積層フィルムにする。なお、上記した接着性樹脂組成
物がフィルムとして成膜できないものである場合は、そ
の接着性樹脂組成物を前記ポリエステルフィルムの片面
に例えば印刷塗布して接着フィルム層にしてもよい。
【0004】また、このときに、ポリエステルフィルム
の片面に例えばウレタン系プライマーのような架橋型プ
ライマーの層を形成し、このプライマー層の上に接着フ
ィルム層を形成して積層フィルムにしてもよい。つい
で、前記した積層フィルムの2枚を互いの接着フィルム
層が対向するように配置し、これら接着フィルム層の間
に例えば複数の導体を等間隔に配置する。
の片面に例えばウレタン系プライマーのような架橋型プ
ライマーの層を形成し、このプライマー層の上に接着フ
ィルム層を形成して積層フィルムにしてもよい。つい
で、前記した積層フィルムの2枚を互いの接着フィルム
層が対向するように配置し、これら接着フィルム層の間
に例えば複数の導体を等間隔に配置する。
【0005】その後、この2枚の積層フィルムを例えば
加熱ロールを用いることにより所定の温度、所定の圧力
で熱圧着し、各積層フィルムの接着フィルム層を軟化さ
せて両者を一体化すると同時に、接着フィルム層が熱架
橋型の接着性樹脂組成物から成る場合は更にその架橋反
応を進める。その結果、一体化した接着フィルム層の中
に導体が埋設されることになりテープ電線が製造され
る。
加熱ロールを用いることにより所定の温度、所定の圧力
で熱圧着し、各積層フィルムの接着フィルム層を軟化さ
せて両者を一体化すると同時に、接着フィルム層が熱架
橋型の接着性樹脂組成物から成る場合は更にその架橋反
応を進める。その結果、一体化した接着フィルム層の中
に導体が埋設されることになりテープ電線が製造され
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記した従
来のテープ電線の材料には次のような問題がある。ま
ず、テープ電線の表面層になるポリエステルフィルム
は、絶縁性,耐熱性が良好で、機械的強度も大きく、コ
ストも安価であり、工業的には有利な材料である。しか
し、難燃性,耐水性,耐薬品性,耐油性は良好とはいえ
ず、その摩擦係数も小さいので、これらの特性が要求さ
れる個所に配線するテープ電線の材料としては不適当で
ある。
来のテープ電線の材料には次のような問題がある。ま
ず、テープ電線の表面層になるポリエステルフィルム
は、絶縁性,耐熱性が良好で、機械的強度も大きく、コ
ストも安価であり、工業的には有利な材料である。しか
し、難燃性,耐水性,耐薬品性,耐油性は良好とはいえ
ず、その摩擦係数も小さいので、これらの特性が要求さ
れる個所に配線するテープ電線の材料としては不適当で
ある。
【0007】また、熱可塑性または熱架橋型のポリエス
テル系樹脂組成物は、いずれも、接着力が大きいので、
導体を確実に埋設できるという利点を備えている。しか
し、この利点は、例えば電線の接続作業時に端末処理し
て導体を引き出す場合に、その作業が非常に困難になる
という欠点にもなる。更に、熱可塑性のポリエステル系
樹脂組成物の場合、ガラス転移温度の高いものは耐熱性
に優れているが、逆に耐低温性に劣るので低温環境下で
の使用に難点があり、また、熱架橋型のポリエステル系
樹脂組成物は高価であるため経済的に不利であるととも
に、架橋剤としてイソシアネートを配合して使用するた
め、そのポットライフが短く、保管が困難で使用時にお
ける製造条件が安定しないという問題を抱えている。
テル系樹脂組成物は、いずれも、接着力が大きいので、
導体を確実に埋設できるという利点を備えている。しか
し、この利点は、例えば電線の接続作業時に端末処理し
て導体を引き出す場合に、その作業が非常に困難になる
という欠点にもなる。更に、熱可塑性のポリエステル系
樹脂組成物の場合、ガラス転移温度の高いものは耐熱性
に優れているが、逆に耐低温性に劣るので低温環境下で
の使用に難点があり、また、熱架橋型のポリエステル系
樹脂組成物は高価であるため経済的に不利であるととも
に、架橋剤としてイソシアネートを配合して使用するた
め、そのポットライフが短く、保管が困難で使用時にお
ける製造条件が安定しないという問題を抱えている。
【0008】一方、ポリオレフィンは埋設する導体とほ
とんど接着しないので、電線の端末処理は非常に行ない
やすい。しかしながら、この電線を繰返しの折り曲げが
作用する個所における配線として用いると、導体と接着
フィルム層(絶縁層)が剥離して導体が突き出るという
事態が発生する。したがって、この電線を可動部に配線
することは不都合で、固定部にのみ配線可能となる。
とんど接着しないので、電線の端末処理は非常に行ない
やすい。しかしながら、この電線を繰返しの折り曲げが
作用する個所における配線として用いると、導体と接着
フィルム層(絶縁層)が剥離して導体が突き出るという
事態が発生する。したがって、この電線を可動部に配線
することは不都合で、固定部にのみ配線可能となる。
【0009】また、一般にはポリオレフィンを酸無水物
でグラフト変成した変成ポリオレフィンの場合は、上記
ポリオレフィンの場合に比べて接着性は向上するが、し
かし導体が銅導体であるときに緑変を生ずるので、銅害
防止剤を添加することが必要になる。エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体,エチレン−エチルアクリレート共重合
体,アイオノマーまたはそれらの変性物も、上記した変
性ポリオレフィンの場合とおなじような挙動を示す。
でグラフト変成した変成ポリオレフィンの場合は、上記
ポリオレフィンの場合に比べて接着性は向上するが、し
かし導体が銅導体であるときに緑変を生ずるので、銅害
防止剤を添加することが必要になる。エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体,エチレン−エチルアクリレート共重合
体,アイオノマーまたはそれらの変性物も、上記した変
性ポリオレフィンの場合とおなじような挙動を示す。
【0010】更にポリ塩化ビニル系樹脂組成物の場合
は、前記したポリオレフィンの場合と同様に導体との接
着力をほとんどもたず、そのため、導体と絶縁層との剥
離,導体の突き出しなどの不都合な問題を引き起こす。
本発明は、表面層がポリエステルから成る従来のテープ
電線における上記した問題と、従来の接着フィルム層用
の材料における上記した問題のいずれをも解決し、耐熱
性,絶縁性が良好であることは勿論のこと、難燃性,耐
水性,耐薬品性,耐油性も優れていて、かつ、端末処理
性も良好であり、しかも繰り返しの折り曲げが作用する
個所にも配線することができるテープ電線の提供を目的
とする。
は、前記したポリオレフィンの場合と同様に導体との接
着力をほとんどもたず、そのため、導体と絶縁層との剥
離,導体の突き出しなどの不都合な問題を引き起こす。
本発明は、表面層がポリエステルから成る従来のテープ
電線における上記した問題と、従来の接着フィルム層用
の材料における上記した問題のいずれをも解決し、耐熱
性,絶縁性が良好であることは勿論のこと、難燃性,耐
水性,耐薬品性,耐油性も優れていて、かつ、端末処理
性も良好であり、しかも繰り返しの折り曲げが作用する
個所にも配線することができるテープ電線の提供を目的
とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明においては、フッ素樹脂から成る表面層
の間に、ポリオレフィンとグリシジルメタクリレートと
の共重合体の架橋体が介装され、前記架橋体の中に複数
の導体が埋設されていることを特徴とするテープ電線が
提供される。
ために、本発明においては、フッ素樹脂から成る表面層
の間に、ポリオレフィンとグリシジルメタクリレートと
の共重合体の架橋体が介装され、前記架橋体の中に複数
の導体が埋設されていることを特徴とするテープ電線が
提供される。
【0012】本発明のテープ電線は、図1の断面図で示
したように、表面層はいずれもフッ素樹脂のフィルム
1,1から成り、その間にポリオレフィンとグリシジル
メタクリレートの共重合体の架橋体2”が介在し、この
架橋体2”の中に複数の導体3が埋設した構造になって
いる。このテープ電線は次のようにして製造することが
できる。
したように、表面層はいずれもフッ素樹脂のフィルム
1,1から成り、その間にポリオレフィンとグリシジル
メタクリレートの共重合体の架橋体2”が介在し、この
架橋体2”の中に複数の導体3が埋設した構造になって
いる。このテープ電線は次のようにして製造することが
できる。
【0013】まず、第1工程において、図2または図3
で示したような構造の積層フィルムA,A’が成形され
る。すなわち、図2において、ベースフィルムとしてフ
ッ素樹脂フィルム1が用いられ、その片面に、ポリオレ
フィンとグリシジルメタクリレートの共重合体を必須成
分とする接着性組成物から成る接着フィルム層2が形成
される。
で示したような構造の積層フィルムA,A’が成形され
る。すなわち、図2において、ベースフィルムとしてフ
ッ素樹脂フィルム1が用いられ、その片面に、ポリオレ
フィンとグリシジルメタクリレートの共重合体を必須成
分とする接着性組成物から成る接着フィルム層2が形成
される。
【0014】上記したフッ素樹脂フィルム1は、製造さ
れるテープ電線における表面層になる。そして、このフ
ッ素樹脂フィルム1は、耐熱性,難燃性が良好であり、
また摩擦係数も小さいので、製造されるテープ電線もま
た上記特性を備えるようになる。接着フィルム層2を構
成する接着性組成物の主成分は、ポリオレフィンとグリ
シジルメタクリレートの共重合体である。具体的には、
ポリエチレン,ポリプロピレンのようなポリオレフィン
の1種または2種とグリシジルメタクリレートの二元ま
たは三元共重合体であり、例えば、「ボンドファース
ト」(商品名、住友化学工業(株)製)をあげることが
できる。
れるテープ電線における表面層になる。そして、このフ
ッ素樹脂フィルム1は、耐熱性,難燃性が良好であり、
また摩擦係数も小さいので、製造されるテープ電線もま
た上記特性を備えるようになる。接着フィルム層2を構
成する接着性組成物の主成分は、ポリオレフィンとグリ
シジルメタクリレートの共重合体である。具体的には、
ポリエチレン,ポリプロピレンのようなポリオレフィン
の1種または2種とグリシジルメタクリレートの二元ま
たは三元共重合体であり、例えば、「ボンドファース
ト」(商品名、住友化学工業(株)製)をあげることが
できる。
【0015】この共重合体は、耐低温性,耐高温性が良
好で、フッ素樹脂フィルムとの接着性も優れ、銅の導体
を緑変させることがない。なお、この共重合体に、例え
ば、4,4'−チオビスターシャリーブチルフェノールのよ
うなフェノール系酸化防止剤を共重合体100重量部に
対し0.5〜3.0重量部程度配合すると、得られる接着フ
ィルム層の耐熱性が高まるので好適である。
好で、フッ素樹脂フィルムとの接着性も優れ、銅の導体
を緑変させることがない。なお、この共重合体に、例え
ば、4,4'−チオビスターシャリーブチルフェノールのよ
うなフェノール系酸化防止剤を共重合体100重量部に
対し0.5〜3.0重量部程度配合すると、得られる接着フ
ィルム層の耐熱性が高まるので好適である。
【0016】また、この共重合体に、ヘキサブロモベン
ゼン,デカブロモジフェニルエーテル,ヘキサブロモジ
フェニルエーテル,ペンタブロモトルエン,ペンタブロ
モフェノールのような臭素系、デカクロロフェニルのよ
うな塩素系などのハロゲン系難燃剤;上記臭素系難燃剤
と三酸化アンチモンのようなアンチモン系難燃剤の混合
物;赤リンや赤リンを安定化したもの、ポリリン酸アン
モニウム,各種のリン酸エステルのようなリン系難燃
剤;水酸化アルミニウム,水酸化マグネシウムのような
非ハロゲン系難燃剤;などを適量配合することにより、
製造したカード電線が燃焼したときに、この接着フィル
ム層のドリップを防止することができて好適である。
ゼン,デカブロモジフェニルエーテル,ヘキサブロモジ
フェニルエーテル,ペンタブロモトルエン,ペンタブロ
モフェノールのような臭素系、デカクロロフェニルのよ
うな塩素系などのハロゲン系難燃剤;上記臭素系難燃剤
と三酸化アンチモンのようなアンチモン系難燃剤の混合
物;赤リンや赤リンを安定化したもの、ポリリン酸アン
モニウム,各種のリン酸エステルのようなリン系難燃
剤;水酸化アルミニウム,水酸化マグネシウムのような
非ハロゲン系難燃剤;などを適量配合することにより、
製造したカード電線が燃焼したときに、この接着フィル
ム層のドリップを防止することができて好適である。
【0017】更には、この共重合体に、銅害防止剤,着
色剤,充填剤など,公知の各種添加剤を適量配合するこ
ともできる。共重合体に上記した難燃剤等を配合する場
合には、例えばインターナルミキサー,ニーダー,二軸
混練機などを用いて混練すればよい。フッ素樹脂フィル
ム1の片面に接着フィルム層2を形成して積層フィルム
Aを製造する方法としては、例えば、前記した接着性組
成物をフィルム成形し、そのフィルムをフッ素樹脂フィ
ルム1にラミネートする方法や、また接着性組成物を印
刷塗布する方法などをあげることができる。
色剤,充填剤など,公知の各種添加剤を適量配合するこ
ともできる。共重合体に上記した難燃剤等を配合する場
合には、例えばインターナルミキサー,ニーダー,二軸
混練機などを用いて混練すればよい。フッ素樹脂フィル
ム1の片面に接着フィルム層2を形成して積層フィルム
Aを製造する方法としては、例えば、前記した接着性組
成物をフィルム成形し、そのフィルムをフッ素樹脂フィ
ルム1にラミネートする方法や、また接着性組成物を印
刷塗布する方法などをあげることができる。
【0018】なお、第1工程で製造する積層フィルムと
しては、図3で示したように、フッ素樹脂フィルム1と
接着フィルム層2との間に架橋プライマー層3を介在さ
せたものであってもよい。このプライマー層3の材料と
しては、例えば、飽和ポリエステル系のもの、ウレタン
系のもの、反応型アクリル系のものなど、プラスチック
フィルムのドライラミネート用として公知のものであれ
ばよい。
しては、図3で示したように、フッ素樹脂フィルム1と
接着フィルム層2との間に架橋プライマー層3を介在さ
せたものであってもよい。このプライマー層3の材料と
しては、例えば、飽和ポリエステル系のもの、ウレタン
系のもの、反応型アクリル系のものなど、プラスチック
フィルムのドライラミネート用として公知のものであれ
ばよい。
【0019】また、第2工程は、第1工程で製造した積
層フィルムを用いて導体を接着フィルム層の中に埋設す
る工程である。図4で示したように、積層フィルムA,
Aの各接着フィルム層2,2側を対向させて、両面の間
に複数の導体3を配置する。このとき、導体3の表面
を、例えば飽和ポリエステル系プライマー,ウレタン系
プライマー,反応型アクリル系プライマーなどで処理し
ておくと、導体3と接着フィルム層2との接着性が高ま
るので好適である。
層フィルムを用いて導体を接着フィルム層の中に埋設す
る工程である。図4で示したように、積層フィルムA,
Aの各接着フィルム層2,2側を対向させて、両面の間
に複数の導体3を配置する。このとき、導体3の表面
を、例えば飽和ポリエステル系プライマー,ウレタン系
プライマー,反応型アクリル系プライマーなどで処理し
ておくと、導体3と接着フィルム層2との接着性が高ま
るので好適である。
【0020】ついで、2枚の積層フィルム2,2を例え
ば加熱ロールで熱圧着する。このとき、接着フィルム層
2の接着性組成物はいまだ未架橋または部分架橋の状態
にあるので、温度を高くしすぎると溶融することもあ
り、また圧力を高くしすぎると接着フィルム層が導体を
埋設することなく積層フィルムの脇から流出してしまう
ことがある。そのため、熱圧着時の温度や圧力は上記不
都合な問題を起こさないように適切に管理することが必
要である。用いる接着性組成物の種類にもよるが、概
ね、温度は50℃,圧力は20kg/cm2程度にする。
ば加熱ロールで熱圧着する。このとき、接着フィルム層
2の接着性組成物はいまだ未架橋または部分架橋の状態
にあるので、温度を高くしすぎると溶融することもあ
り、また圧力を高くしすぎると接着フィルム層が導体を
埋設することなく積層フィルムの脇から流出してしまう
ことがある。そのため、熱圧着時の温度や圧力は上記不
都合な問題を起こさないように適切に管理することが必
要である。用いる接着性組成物の種類にもよるが、概
ね、温度は50℃,圧力は20kg/cm2程度にする。
【0021】この第2工程によって、対向していた接着
フィルム層2,2は軟化して互いに一体化した接着フィ
ルム層2’となり、そこに導体4が埋設される(図
4)。なお、この一体化接着フィルム層2’はその前記
した接着性組成物がいまだ部分架橋または未架橋の状態
にある。第3工程は、第2工程で形成された一体化接着
フィルム層2’の接着性組成物を完全に架橋して図1で
示した架橋体2”にする工程である。
フィルム層2,2は軟化して互いに一体化した接着フィ
ルム層2’となり、そこに導体4が埋設される(図
4)。なお、この一体化接着フィルム層2’はその前記
した接着性組成物がいまだ部分架橋または未架橋の状態
にある。第3工程は、第2工程で形成された一体化接着
フィルム層2’の接着性組成物を完全に架橋して図1で
示した架橋体2”にする工程である。
【0022】架橋は、表面層になっているフッ素樹脂フ
ィルム1のそれぞれの面に遊離放射線または可視光を照
射して行なわれる。遊離放射線としては、例えば、電子
線やγ線が好適である。また可視光としては波長400
〜500μm程度の光であることが好ましい。 照射す
る線量は、フッ素樹脂フィルム1の厚みによっても異な
ることになるが、概ね、2〜30Mradであることが好ま
しい。2Mrad未満の場合は架橋が不充分となり、また3
0Mradを超える場合は、フッ素樹脂フィルム1やプライ
マー層3の分子崩壊が顕著となって、得られるテープ電
線の機械的強度が低下するからである。
ィルム1のそれぞれの面に遊離放射線または可視光を照
射して行なわれる。遊離放射線としては、例えば、電子
線やγ線が好適である。また可視光としては波長400
〜500μm程度の光であることが好ましい。 照射す
る線量は、フッ素樹脂フィルム1の厚みによっても異な
ることになるが、概ね、2〜30Mradであることが好ま
しい。2Mrad未満の場合は架橋が不充分となり、また3
0Mradを超える場合は、フッ素樹脂フィルム1やプライ
マー層3の分子崩壊が顕著となって、得られるテープ電
線の機械的強度が低下するからである。
【0023】
実施例1 インテンシブミキサーを用いて、ポリエチレンとグリシ
ジルメタクリレートの三元共重合体(商品名、ボンドフ
ァーストB,住友化学工業(株)製)100重量部に対
して、デカブロモフェニルエーテル5重量部,三酸化ア
ンチモン3重量部の割合で添加した難燃性組成物を温度
140℃で10分間混練したのち厚み50μmの接着性
フィルムに成形した。
ジルメタクリレートの三元共重合体(商品名、ボンドフ
ァーストB,住友化学工業(株)製)100重量部に対
して、デカブロモフェニルエーテル5重量部,三酸化ア
ンチモン3重量部の割合で添加した難燃性組成物を温度
140℃で10分間混練したのち厚み50μmの接着性
フィルムに成形した。
【0024】この接着性フィルムと厚み50μmのポリ
テトラフルオロエチレン(PTFE)フィルムとを温度
160℃で押出しラミネートして積層フィルムとした。
かくして得た2枚の積層フィルムの接着性フィルム側を
対向させ、その間に、3本の平角銅導体を等間隔に配置
し挟持したのち、これを150℃の熱ロール間を通過さ
せて、接着性フィルム層を一体化し、導体をそこに埋設
させてテープ電線を得た。
テトラフルオロエチレン(PTFE)フィルムとを温度
160℃で押出しラミネートして積層フィルムとした。
かくして得た2枚の積層フィルムの接着性フィルム側を
対向させ、その間に、3本の平角銅導体を等間隔に配置
し挟持したのち、これを150℃の熱ロール間を通過さ
せて、接着性フィルム層を一体化し、導体をそこに埋設
させてテープ電線を得た。
【0025】かくして作製したテープ電線の各面にそれ
ぞれ10Mrad、両面で20Mradの電子線を照射して架橋
処理を施し、本発明のテープ電線とした。 実施例2 用いた積層フィルムが、実施例1の接着性フィルムと厚
み38μmのフッ素化エチレンプロピレン共重合体(F
EP)フィルムとの間に厚み3μmのウレタン系プライ
マー(熱架橋型)を介在させ、ドライラミネート法で密
着させて成形した積層フィルムであったことを除いて
は、実施例1と同様にしてテープ電線を製造した。
ぞれ10Mrad、両面で20Mradの電子線を照射して架橋
処理を施し、本発明のテープ電線とした。 実施例2 用いた積層フィルムが、実施例1の接着性フィルムと厚
み38μmのフッ素化エチレンプロピレン共重合体(F
EP)フィルムとの間に厚み3μmのウレタン系プライ
マー(熱架橋型)を介在させ、ドライラミネート法で密
着させて成形した積層フィルムであったことを除いて
は、実施例1と同様にしてテープ電線を製造した。
【0026】比較例1〜3 接着フィルム層がポリエステル(比較例1),変性ポリ
オレフィン(比較例2),アイオノマー(比較例3)製
であったことを除いては、実施例1と同様にして各比較
例のテープ電線を製造した。これらの各電線につき、下
記の仕様で折り曲げ加熱試験特性,摺動屈曲性,難燃
性,端末処理性を調べた。
オレフィン(比較例2),アイオノマー(比較例3)製
であったことを除いては、実施例1と同様にして各比較
例のテープ電線を製造した。これらの各電線につき、下
記の仕様で折り曲げ加熱試験特性,摺動屈曲性,難燃
性,端末処理性を調べた。
【0027】折り曲げ試験:テープ電線を図6で示した
ように折り曲げ、折り曲げた部分aに5kgの荷重をかけ
て24時間放置したのち、部分bおよびcにも5kgの荷
重をかけて固定し、そのまま105℃の恒温槽中で24
時間放置してから取り出し、常温下においてテープ電線
を折り戻し、前記した折り曲げ部分aで、導体と絶縁層
との間に剥離が生じたか否かを目視観察した。
ように折り曲げ、折り曲げた部分aに5kgの荷重をかけ
て24時間放置したのち、部分bおよびcにも5kgの荷
重をかけて固定し、そのまま105℃の恒温槽中で24
時間放置してから取り出し、常温下においてテープ電線
を折り戻し、前記した折り曲げ部分aで、導体と絶縁層
との間に剥離が生じたか否かを目視観察した。
【0028】摺動屈曲性:長さ400mmのテープ電線を
10mmφの曲げ径でU字型に配線し、一方の端末を固定
し、他の端末をストローク200mm移動させる操作を反
復し、導体の断線が生ずるまでの往復回数を測定した。 難燃性:JISK6911とULVW−1に準拠。
10mmφの曲げ径でU字型に配線し、一方の端末を固定
し、他の端末をストローク200mm移動させる操作を反
復し、導体の断線が生ずるまでの往復回数を測定した。 難燃性:JISK6911とULVW−1に準拠。
【0029】端末加工性:導体寸法,ピッチに合わせ
た、100〜150℃に加熱した金属刃を両側からテー
プ電線にいれてストリップして皮むきを行なって評価。 以下の結果を一括して表1に示した。
た、100〜150℃に加熱した金属刃を両側からテー
プ電線にいれてストリップして皮むきを行なって評価。 以下の結果を一括して表1に示した。
【0030】
【表1】
【0031】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
テープ電線は、難燃性が優れており、105℃という高
温下に放置しても折り曲げた部分での導体と絶縁層の剥
離現象も起こらず耐熱性に優れている。したがって、導
体が空気や水に接触して絶縁不良になったり、導体同士
が接触して短絡事故を起こすこともない。また、端末処
理も優れている。
テープ電線は、難燃性が優れており、105℃という高
温下に放置しても折り曲げた部分での導体と絶縁層の剥
離現象も起こらず耐熱性に優れている。したがって、導
体が空気や水に接触して絶縁不良になったり、導体同士
が接触して短絡事故を起こすこともない。また、端末処
理も優れている。
【0032】これらのことは、フッ素樹脂フィルムを用
いるとともに、接着フィルム層の材料として、ポリオレ
フィンとグリシジルメタクリレートの共重合体を必須と
する接着性組成物、またはそれに難燃材を配合したもの
を用いたことがもたらす効果である。本発明のテープ電
線は繰返し折り曲げの作用を受けるような可動部に配線
することができその工業的価値は大である。
いるとともに、接着フィルム層の材料として、ポリオレ
フィンとグリシジルメタクリレートの共重合体を必須と
する接着性組成物、またはそれに難燃材を配合したもの
を用いたことがもたらす効果である。本発明のテープ電
線は繰返し折り曲げの作用を受けるような可動部に配線
することができその工業的価値は大である。
【図1】本発明のテープ電線を示す断面図である。
【図2】テープ電線に用いる積層フィルムの断面図であ
る。
る。
【図3】他の積層フィルムの断面図である。
【図4】導体を接着フィルム層に埋設する状態を示す断
面図である。
面図である。
【図5】テープ電線前駆体の断面図である。
【図6】テープ電線の折り曲げ加熱試験方法を説明する
ための説明図である。
ための説明図である。
1 フッ素樹脂フィルム 2 接着フィルム層 2’ 一体化した接着フィルム層 2” 一体化した接着フィルム層の架橋体 3 導体
Claims (1)
- 【請求項1】 フッ素樹脂から成る表面層の間に、ポリ
オレフィンとグリシジルメタクリレートとの共重合体の
架橋体が介装され、前記架橋体の中に複数の導体が埋設
されていることを特徴とするテープ電線。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15198592A JPH05342919A (ja) | 1992-06-11 | 1992-06-11 | テープ電線 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15198592A JPH05342919A (ja) | 1992-06-11 | 1992-06-11 | テープ電線 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05342919A true JPH05342919A (ja) | 1993-12-24 |
Family
ID=15530543
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15198592A Pending JPH05342919A (ja) | 1992-06-11 | 1992-06-11 | テープ電線 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05342919A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7344415B2 (en) | 2005-04-04 | 2008-03-18 | Yazaki Corporation | Fuse block |
CN104541334A (zh) * | 2013-05-10 | 2015-04-22 | 住友电气工业株式会社 | 绝缘膜及扁平线缆 |
-
1992
- 1992-06-11 JP JP15198592A patent/JPH05342919A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7344415B2 (en) | 2005-04-04 | 2008-03-18 | Yazaki Corporation | Fuse block |
CN104541334A (zh) * | 2013-05-10 | 2015-04-22 | 住友电气工业株式会社 | 绝缘膜及扁平线缆 |
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