JPH0534126U - 飲料用紙パツク - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 小さな吸引力でパック内の飲料が吸引され、
従来に比べて飲料を飲み易くした飲料用紙パックを提供
する。 【構成】 飲料が収容された紙パック本体１にストロー
穴２が形成され、このストロー穴２にストロー３を差し
込んで紙パック本体１内の飲料を吸引して飲むようにし
た飲料用紙パックにおいて、上記ストロー穴２は、スト
ローの外径より小径の部分とストローの外径より大径の
部分とを備え、この小径の部分がストローの挿入によっ
てパック本体内へ押し曲げられて当該ストローの外面を
保持するための突片２ａ等による係止部を形成すると共
に、大径の部分が挿入されたストロー３の外面との間に
パック本体内と外部とを連通させる切欠き孔部２ｂ等に
よる空隙を形成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ストロー穴に差し込んだストローでパック内の飲料を吸引して飲む ようにした飲料用紙パックに関し、特にストロー穴の形状を改良してパック内の 飲料を飲み易くした飲料用紙パックに関する。

【０００２】

【従来の技術】

牛乳や乳飲料またはジュース類等の飲料を詰めた紙パックには、図５に示すよ うにパック本体１の上面部にストロー穴２２が設けられており、例えばパック本 体１の側面部に添着されているストロー３を取り外し、このストロー３をストロ ー穴２２に差し込んでパック内の飲料を吸引して飲むことができる。 このストロー穴２２は、ストロー３の外径とほぼ同径をした円形に形成されて おり、これにストロー３がほぼ密着した状態で差し込まれる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

然しながら、上記のようにストロー３がパック本体１のストロー穴２２に対し て密着状態で差し込まれると、当該パック本体１の内外はストロー３を介しての み連通されているので、次のような問題が生ずる。 吸引している際には、パック本体１は外部と遮断されて外部から新たな空気が 入らないので、飲料を飲むのに余計な吸引力を必要として特に幼児や老人には飲 みにくい。 また、吸引によってパック本体１の空気が減少すると、当該パック本体１が押 し潰ぶされた状態に変形し、飲み掛けでパック本体１をテーブル等へ一時的に載 置した際には転倒する恐れがある。 また、飲んでいる途中でストロー３から口を離すと、減少した空気を補充して 変形したパック本体１を復元させるように、ストロー３を介して外部の空気がパ ック本体１内へ急激に流入し、その際に異音を発するので特に女性には好まれな かった。 更に、飲む際に手で持っているパック本体１を強く押さ付け過ぎると、ストロ ー３を介してパック内の飲料が飛び出して顔や周囲を汚染したり、ストロー穴２ ２からストロー３が脱落する恐れがある。

【０００４】 そこで本考案では、小さな吸引力でパック内の飲料を容易に飲むことができる と共に、その他の上記した従来の技術が有する課題を解決し得る飲料用紙パック の提供を目的とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成する本考案は、飲料が収容された紙パック本体にストロー穴 が形成され、このストロー穴にストローを差し込んで紙パック本体内の飲料を吸 引して飲むようにした飲料用紙パックにおいて、上記ストロー穴は、ストローの 外径より小径の部分とストローの外径より大径の部分とを備え、この小径の部分 がストローの挿入によってパック本体内へ押し曲げられて当該ストローの外面を 保持するための係止部を形成すると共に、大径の部分が挿入されたストローの外 面との間にパック本体内と外部とを連通させる空隙を形成する飲料用紙パックで ある。

【０００６】 また、上記ストロー穴の小径の部分に、パック本体内への押し曲げを容易にす るためのスリットを設けた飲料用紙パックである。

【０００７】

【実施例】

以下に、本考案による飲料用紙パックの具体的な実施例を図面に基づいて詳細 に説明する。図１には、この飲料用紙パックを方形の箱型形状をしたパックに適 用した一実施例を示す。 このパック本体１の上面部の角部には、ストロー穴２が設けられている。この ストロー穴２は、例えば図２で示すように星形形状に穿設されており、内側に向 けて突出する５つの突片２ａの突端の内径（内接径）Ｃ１は、ストロー３の外径 Ｃよりも小さく、外側に突出する５つの切欠き穴部２ｂの先端の外径（外接径） Ｃ２は、ストロー３の外径Ｃよりも大きく形成されている。このパック本体１の 内面には、図３（ａ）で示すように内部の飲料４を保護するためのアルミシート などからなる保護シート５が貼り付けられており、ストロー３が差し込まれる前 のストロー穴２はこの保護シート５によって内側から保護されている。

【０００８】 上記のストロー穴２に、例えばパック本体１の側面部に添着されているストロ ー３を取り外して図３（ｂ）で示すように差し込むと、内側に突出する各突片２ ａがストロー３によってパック本体１内に押し曲げられながらストロー３が挿入 されると共に、保護シート５も破れて押し広げられる。これにより、挿入された ストロー３は外周面の５個所が各突片２ａによる係止部で保持されてストロー穴 ２からの脱落が防止される。 また、上記のようにストロー３がストロー穴２に挿入された状態では、ストロ ー３の周囲にストロー３の外径よりも大径な各切欠き穴部２ｂによる空隙６が形 成されるので、この空隙６を介してパック本体１の内外は連通されて空気の流動 が可能となる。これにより、ストロー３でパック本体１内の飲料４を吸引する際 には、小さな吸引力で飲料４を容易に飲むことができると共に、当該パック本体 １が押し潰ぶされた状態に変形することが防止されるので、飲み掛けでパック本 体１をテーブル等へ一時的に載置しても転倒する恐れがない。 更にストロー３が異音を発生したり、ストロー３からパック内の飲料が飛び出 したり、ストロー３がストロー穴２脱落することも防止される。

【０００９】 尚、上記保護シート５はパックの種類によっては、ストロー穴２の裏面側に局 部的に添着されているものや、剥離して使用するようにストロー穴２の表面側に 局部的に添着されているものもある。

【００１０】 次に、図４でストロー穴の他の実施例を説明する。図４（ａ）の実施例では、 上記した実施例における星形形状にしたストロー穴２の各突片２ａの先端部に、 ストロー３の挿入を容易にするためのスリット７がそれぞれ放射状に切り欠かれ ている。このように突片２ａにスリット７を切り欠くことにより、ストロー穴２ にストロー３を差し込むときに、突片２ａが内側に折れ曲り易くなってストロー ３の挿入が容易となる。

【００１１】 図４（ｂ）の実施例では、ストロー穴８が正方形状に形成されており、このス トロー穴８の各辺８ａが接する内接径Ｃ１はストロー３の外径Ｃよりも小さく、 ストロー穴８の角部８ｂが接する外接径Ｃ２はストロー３の外径Ｃよりも大きく 形成されている。また各辺８ａの中央部には、ストロー３の挿入を容易にするた めのスリット９がそれぞれ放射状に切り欠かれている。 このストロー穴８では、ストロー３が差し入れられるときに、ストロー３が当 接するスリット形成位置の各辺８ａの部分が内側に折り曲げられながらストロー ３が挿入されるため、この折り曲げられた係止部によってストロー３が保持され て脱落が防止できる。またストロー３が挿入された状態では、ストロー３よりも 大径な角部８ｂに空隙１０が形成されるため、パック内の飲料４を飲むときにこ の空隙１０から空気が入り込む。

【００１２】 図４（ｃ）の実施例では、正方形のストロー穴８の各角部８ｂに、ストロー３ の挿入を容易にするためのスリット１１がそれぞれ放射状に切り欠かれている。

【００１３】 図４（ｄ）の実施例では、ストロー穴１２が三角形状に形成されており、この ストロー穴１２の各辺１２ａが接する内接径Ｃ１はストロー３の外径Ｃよりも小 さく、ストロー穴１２の角部１２ｂが接する外接径Ｃ２はストロー３の外径Ｃよ りも大きく形成されている。また各辺１２ａの中央部には、ストロー３の挿入を 容易にするためにそれぞれスリット１３が放射状に切り欠かれている。 このストロー穴１２では、穴１２に挿入されたストロー３は内側に折れ曲がっ た各辺１２ａによる係止部で保持されると共に、ストロー３よりも大径な各角部 １２ｂに形成された空隙１４から空気がパック内に入り込む。

【００１４】 図４（ｅ）の実施例では、ストロー穴１５が楕円形状に形成されており、この 穴１５の内接径Ｃ１はストロー３の外径Ｃよりも小径であり、穴１５の外接径Ｃ ２はストロー３の外径Ｃよりも大径に形成されている。またストロー３が当接す る部分には、スリット１６が切り欠かれている。 このストロー穴１５では、ストロー３が挿入されたときに、内側に折れ曲がっ たスリット形成部分による係止部でストロー３が保持されると共に、ストロー３ よりも大径な両端部分に形成される空隙１７からパック内に空気が入り込む。

【００１５】 図４（ｆ）の実施例では、ストロー穴１８がハート形状に形成されており、こ の穴１８の内接径Ｃ１はストロー３の外径Ｃよりも小径であり、穴１８の外接径 Ｃ２はストロー３の外径Ｃよりも大径となっている。 このストロー穴１８では、穴１８にストロー３が挿入されたときに、内側に突 き出た突片１８ａとストロー３が接する各辺１８ｂの部分による係止部でストロ ー３が保持されると共に、ストロー３よりも大径な穴部分にそれぞれ空隙１９が 形成され、これら空隙１９から空気がパック内に入り込む。

【００１６】 図４（ｇ）の実施例では、ストロー穴２０が円形部分２０ａとこの円形部分２ ０ａに連続する小径の穴部分２０ｂとからなり、円形部分２０ａの径はストロー の外径Ｃと同径か、やや小径に形成されている。 このストロー穴２０では、ストロー３が穴２０と円形部分２０ａとが接合する 部分に密着しながら差し込まれるため、当該接合部分を係止部としてストロー３ の保持が行なえると共に、ストロー３を差し込んだ状態では穴部分２０ｂが空隙 ２１となり、この空隙２１からパック内に空気が入り込む。

【００１７】 図４（ｈ）の実施例は、外径Ｃのようにストロー３が三角形の筒状体で形成さ れたものを使用する場合に適用される。ストロー穴２２が円形状に形成されてお り、このストロー穴２２はストローの外径Ｃの内接径Ｃ１より大径で外接径Ｃ２ より小径に同心円状に形成されている。またストロー穴２２には、ストロー３が 当接する三角形の各頂点の部分にそれぞれスリット２３が切り欠かれている。 このストロー穴２２では、ストロー３が挿入されたときに、スリット２３によ って内側に折れ曲がった部分による係止部でストロー３が保持されると共に、ス トロー３よりも大径な部分に形成された半月状の空隙２４からパック内に空気が 入り込む。

【００１８】

【考案の効果】

以上の実施例でも明らかなように、本考案では紙パック本体に形成されるスト ロー穴は、ストローの外径より小径の部分に形成された係止部がストローの挿入 によってパック本体内へ押し曲げられて当該ストローの外面を保持すると共に、 吸引の際にストロー内が飲料によって閉塞されている状態でも、ストロー穴の大 径の部分に形成された空隙を介して紙パック本体内と外部とが連通されている。 従って、上記係止部によってストローが確実に保持されるので、ストローの脱 落を防止できる。また上記空隙からパック本体内に空気が流入されるので、吸引 の際には従来のようにパック本体が押し潰されるようなことがなく、小さな吸引 力で飲料を容易に飲むことができると共に、ストローから口を離したときに空気 の戻りによる異音を発生することもない。更に、ストローを差した状態でパック 本体をつかんでも、パック内の空気は上記空隙から外部に抜けしまうので、スト ローからパック内の飲料が飛び出したり、ストロー穴からストローが飛び出した りするような不具合は発生しない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案による飲料用紙パックの一実施例を示す
斜視図である。

【図２】図１の飲料用紙パックに設けられたストロー穴
の形状を拡大して示す平面図である。

【図３】図２のＡ−Ａ線断面図である。

【図４】他の実施例による各種のストロー穴の形状を示
す平面図である。

【図５】従来の飲料用紙パックを示す斜視図である。

【符号の説明】

１ パック本体 ２，８，１２，１５，１８，２０，２２ ストロー穴 ３ ストロー ４ 飲料 ５ 保護シート ６，１０，１４，１７，１９，２１，２４ 空隙 ７，９，１１，１３，１６，２３ スリット Ｃ ストローの外径 Ｃ１ 内接径 Ｃ２ 外接径

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 飲料が収容された紙パック本体にストロ
   ー穴が形成され、このストロー穴にストローを差し込ん
   で紙パック本体内の飲料を吸引して飲むようにした飲料
   用紙パックにおいて、 上記ストロー穴は、ストローの外径より小径の部分とス
   トローの外径より大径の部分とを備え、この小径の部分
   がストローの挿入によってパック本体内へ押し曲げられ
   て当該ストローの外面を保持する係止部を形成すると共
   に、大径の部分が挿入されたストローの外面との間にパ
   ック本体内と外部とを連通させる空隙を形成することを
   特徴とした飲料用紙パック。
2. 【請求項２】 上記ストロー穴の小径の部分に、パック
   本体内への押し曲げを容易にするためのスリットを設け
   た請求項１に記載の飲料用紙パック。