JPH05340918A - 溶鉄用溶質元素の活量測定プローブ - Google Patents
溶鉄用溶質元素の活量測定プローブInfo
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- JPH05340918A JPH05340918A JP4169995A JP16999592A JPH05340918A JP H05340918 A JPH05340918 A JP H05340918A JP 4169995 A JP4169995 A JP 4169995A JP 16999592 A JP16999592 A JP 16999592A JP H05340918 A JPH05340918 A JP H05340918A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 溶鉄中に含まれる溶質元素の活量を測定する
プローブにおいて、その測定精度及び測定成功率を向上
せんとするものである。 【構成】 固体電解質1の表面に形成された被覆4に酸化
鉄を混合せしめる。
プローブにおいて、その測定精度及び測定成功率を向上
せんとするものである。 【構成】 固体電解質1の表面に形成された被覆4に酸化
鉄を混合せしめる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶鉄中に含まれる溶質
元素の活量を測定するプローブに関し、特にその測定精
度および測定成功率を向上せんとするものである。
元素の活量を測定するプローブに関し、特にその測定精
度および測定成功率を向上せんとするものである。
【0002】
【従来の技術】金属精錬工程において、溶融金属中に含
まれる溶質元素の含有量を把握する方法としては、固体
試料を採取して機器分析に供するのが一般的だが、機器
分析は試料採取から分析結果を得るまでに多大の時間を
要するという欠点がある。
まれる溶質元素の含有量を把握する方法としては、固体
試料を採取して機器分析に供するのが一般的だが、機器
分析は試料採取から分析結果を得るまでに多大の時間を
要するという欠点がある。
【0003】そこで溶融金属中の溶質元素の活量を迅速
に測定する方法として特開昭61−142455号を始
めとする種々の提案がある。これらは酸素イオン導電性
を有する固体電解質の表面に、測定対象溶質元素の酸化
物または測定対象溶質元素の酸化物を含む複合酸化物を
被覆することにより、溶融金属中に於いて測定対象溶質
元素の酸化物と測定対象溶質元素との間に局部平衡を成
立させ、局部平衡層内の酸素活量を測定することによっ
て測定対象溶質元素の活量を求めるものであり、従来の
酸素センサを応用したものであった。
に測定する方法として特開昭61−142455号を始
めとする種々の提案がある。これらは酸素イオン導電性
を有する固体電解質の表面に、測定対象溶質元素の酸化
物または測定対象溶質元素の酸化物を含む複合酸化物を
被覆することにより、溶融金属中に於いて測定対象溶質
元素の酸化物と測定対象溶質元素との間に局部平衡を成
立させ、局部平衡層内の酸素活量を測定することによっ
て測定対象溶質元素の活量を求めるものであり、従来の
酸素センサを応用したものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
溶融金属用溶質元素の活量測定プローブでは測定対象溶
質元素の酸化物が、該溶融金属元素に還元されて測定が
できなくなることや、測定対象溶質元素の酸化物または
測定対象溶質元素の酸化物を含む複合酸化物の被覆近傍
に当該溶融金属元素の酸化物が生成して被覆の組成が変
わることや、被覆の組成が変わって測定対象溶質元素の
酸化物の活量が低下することがあり、測定精度や測定成
功率が低いなどの問題があった。
溶融金属用溶質元素の活量測定プローブでは測定対象溶
質元素の酸化物が、該溶融金属元素に還元されて測定が
できなくなることや、測定対象溶質元素の酸化物または
測定対象溶質元素の酸化物を含む複合酸化物の被覆近傍
に当該溶融金属元素の酸化物が生成して被覆の組成が変
わることや、被覆の組成が変わって測定対象溶質元素の
酸化物の活量が低下することがあり、測定精度や測定成
功率が低いなどの問題があった。
【0005】以上の点につき更に具体的に述べると、溶
鋼中に含まれるMnの活量を測定する場合は、被覆にMn
酸化物(例えばMnO)を用いるが、この被覆を有する
Mn活量測定プローブを溶鋼中に浸漬すると、プローブ
は大気中の酸素を巻き込んで浸漬されるために、巻き込
まれた酸素と溶鋼中のFeが反対して被覆近傍にFeOが
生成し、生成したFeOと被覆のMn酸化物が反応して低
融点化合物を形成し、Mn酸化物の活量が低下して測定
精度が悪くなることがあった。
鋼中に含まれるMnの活量を測定する場合は、被覆にMn
酸化物(例えばMnO)を用いるが、この被覆を有する
Mn活量測定プローブを溶鋼中に浸漬すると、プローブ
は大気中の酸素を巻き込んで浸漬されるために、巻き込
まれた酸素と溶鋼中のFeが反対して被覆近傍にFeOが
生成し、生成したFeOと被覆のMn酸化物が反応して低
融点化合物を形成し、Mn酸化物の活量が低下して測定
精度が悪くなることがあった。
【0006】また溶銑中に含まれる燐の活量を測定する
場合は、被覆に燐酸塩等(例えばCa4P2O9とCaOの混合
物)を用いるが、この被覆を有する燐活量測定プローブ
を溶鋼中に浸漬すると燐酸塩がFeに還元されて被覆中に
FeOが生成し、測定ができない場合があった。
場合は、被覆に燐酸塩等(例えばCa4P2O9とCaOの混合
物)を用いるが、この被覆を有する燐活量測定プローブ
を溶鋼中に浸漬すると燐酸塩がFeに還元されて被覆中に
FeOが生成し、測定ができない場合があった。
【0007】本発明は従来技術の以上の様な問題に鑑み
創案されたもので、この種プローブの測定精度及び測定
成功率を向上せんとするものである。
創案されたもので、この種プローブの測定精度及び測定
成功率を向上せんとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は溶融金属、
特に溶鉄中の溶質元素の活量を測定するプローブについ
て検討を重ねた結果、測定対象溶質元素の酸化物または
測定対象溶質元素の酸化物を含む複合酸化物でできた前
記被覆に予め酸化鉄を混合しておくか、あるいは該被覆
の上に、さらに酸化鉄の被覆を施し二重の被覆を形成し
ておくことにより、このプローブを溶鉄に浸漬した際
に、被覆近傍にFeOが生成したり、測定対象溶質元素の
酸化物または測定対象溶質元素の酸化物を含む複合酸化
物がFeに還元されて被覆中にFeOが生成するのを抑制
し、測定精度や測定成功率の低下を防止する効果がある
ことを見出した。
特に溶鉄中の溶質元素の活量を測定するプローブについ
て検討を重ねた結果、測定対象溶質元素の酸化物または
測定対象溶質元素の酸化物を含む複合酸化物でできた前
記被覆に予め酸化鉄を混合しておくか、あるいは該被覆
の上に、さらに酸化鉄の被覆を施し二重の被覆を形成し
ておくことにより、このプローブを溶鉄に浸漬した際
に、被覆近傍にFeOが生成したり、測定対象溶質元素の
酸化物または測定対象溶質元素の酸化物を含む複合酸化
物がFeに還元されて被覆中にFeOが生成するのを抑制
し、測定精度や測定成功率の低下を防止する効果がある
ことを見出した。
【0009】本発明に係る溶鉄用溶質元素の活量測定プ
ローブの詳細を図を用いて説明する。
ローブの詳細を図を用いて説明する。
【0010】図1は溶鉄中の溶質元素の活量測定原理を
示す概念図であり、固体電解質1に接して標準極2が置か
れ、標準極リード3が取り出されている。固体電解質1を
挟んで標準極2と反対側には被覆4が置かれている。固体
電解質1にはZrO2-MgO等、標準極2にはCr−Cr2O3混合粉
末等、従来の酸素センサに用いられる物であれば何を用
いても良い。被覆4は測定対象溶質元素の酸化物の粉末
または測定対象溶質元素の酸化物を含む複合酸化物と酸
化鉄との混合粉末を水やバインダと混ぜて固体電解質に
塗布して形成してもよいし、測定対象溶質元素の酸化物
の粉末または測定対象溶質元素の酸化物を含む複合酸化
物と酸化鉄との混合粉末を固体電解質上にプラズマ溶射
することにより形成してもよいし、あるいは塗布または
プラズマ溶射によって形成した測定対象溶質元素の酸化
物の粉末または測定対象溶質元素の酸化物を含む複合酸
化物の被覆の上に酸化鉄の被覆を塗布またはプラズマ溶
射によって形成してもよく、被覆の形成方法には特に制
約は無い。被覆4が溶融金属5に接すると、溶融金属5と
は異なる局部平衡層6が形成される。局部平衡層6では測
定対象溶質元素の酸化物と溶鉄中の測定対象溶質元素と
が平衡に達しており、局部平衡層6内の酸素活量は溶鉄
中の測定対象溶質元素の活量に対応した値となる。そこ
で、標準極2と局部平衡層6との酸素ポテンシャルの差を
標準極リード3と測定電極7との間で測定すれば、電位差
計8により溶鉄中の測定対象溶質元素の活量に対応した
起電力が得られる。
示す概念図であり、固体電解質1に接して標準極2が置か
れ、標準極リード3が取り出されている。固体電解質1を
挟んで標準極2と反対側には被覆4が置かれている。固体
電解質1にはZrO2-MgO等、標準極2にはCr−Cr2O3混合粉
末等、従来の酸素センサに用いられる物であれば何を用
いても良い。被覆4は測定対象溶質元素の酸化物の粉末
または測定対象溶質元素の酸化物を含む複合酸化物と酸
化鉄との混合粉末を水やバインダと混ぜて固体電解質に
塗布して形成してもよいし、測定対象溶質元素の酸化物
の粉末または測定対象溶質元素の酸化物を含む複合酸化
物と酸化鉄との混合粉末を固体電解質上にプラズマ溶射
することにより形成してもよいし、あるいは塗布または
プラズマ溶射によって形成した測定対象溶質元素の酸化
物の粉末または測定対象溶質元素の酸化物を含む複合酸
化物の被覆の上に酸化鉄の被覆を塗布またはプラズマ溶
射によって形成してもよく、被覆の形成方法には特に制
約は無い。被覆4が溶融金属5に接すると、溶融金属5と
は異なる局部平衡層6が形成される。局部平衡層6では測
定対象溶質元素の酸化物と溶鉄中の測定対象溶質元素と
が平衡に達しており、局部平衡層6内の酸素活量は溶鉄
中の測定対象溶質元素の活量に対応した値となる。そこ
で、標準極2と局部平衡層6との酸素ポテンシャルの差を
標準極リード3と測定電極7との間で測定すれば、電位差
計8により溶鉄中の測定対象溶質元素の活量に対応した
起電力が得られる。
【0011】図2は溶鉄用溶質元素の活量測定プローブ
に用いる測定素子の構造を示す縦断面図であり、被覆4
を施された一端閉塞管状の固体電解質1の内部に標準極2
が標準極固定部材9によって封入固定され、標準極2から
は標準極リード3が取り出され、固体電解質1の末端は耐
火セメントやセラミック半田等の封止剤10で密封されて
いる。図中では固体電解質は一端閉塞管状に形成されて
いるが、これに限定される訳ではなく、板状に固体電解
質を形成して別体の耐火性の材料、例えば石英管に固定
するような構造でも良い。
に用いる測定素子の構造を示す縦断面図であり、被覆4
を施された一端閉塞管状の固体電解質1の内部に標準極2
が標準極固定部材9によって封入固定され、標準極2から
は標準極リード3が取り出され、固体電解質1の末端は耐
火セメントやセラミック半田等の封止剤10で密封されて
いる。図中では固体電解質は一端閉塞管状に形成されて
いるが、これに限定される訳ではなく、板状に固体電解
質を形成して別体の耐火性の材料、例えば石英管に固定
するような構造でも良い。
【0012】図3は図2と同様な溶鉄用溶質元素の活量
測定プローブに用いる測定素子の構造を示す縦断面図で
あるが、一端閉塞管状の固体電解質の表面に測定対象溶
質元素の酸化物または測定対象溶質元素の酸化物を含む
複合酸化物の被覆4の上に、更に酸化鉄の被覆11が施さ
れ二重の被覆となっている。
測定プローブに用いる測定素子の構造を示す縦断面図で
あるが、一端閉塞管状の固体電解質の表面に測定対象溶
質元素の酸化物または測定対象溶質元素の酸化物を含む
複合酸化物の被覆4の上に、更に酸化鉄の被覆11が施さ
れ二重の被覆となっている。
【0013】図4は本発明に係る溶鉄用溶質元素の活量
測定プローブの概要を示す縦断面図である。ここで12は
溶鉄の温度を測定するための熱電対であり、一般にはU
字状に曲げられた石英製の管内に、白金−白金ロジウム
の熱電対が挿通されたものが用いられるが、この限りで
はなく溶融金属の温度を測定可能な物であれば何でも良
い。13は図2または図3に示す測定素子である。7は測
定電極であり、通常はMo棒が用いられるが、測定に要
する時間内に溶融金属中で溶損しない物であれば何でも
良い。これら測定素子7、12、13が一緒に組み込まれて
センサボディ14を形成する。センサボディ14にはコネク
タ15が設けられ、ホルダ(図示せず)を介して計測器に
信号が伝えられる。センサボディ14は保護管16に取り付
けられてプローブとなる。
測定プローブの概要を示す縦断面図である。ここで12は
溶鉄の温度を測定するための熱電対であり、一般にはU
字状に曲げられた石英製の管内に、白金−白金ロジウム
の熱電対が挿通されたものが用いられるが、この限りで
はなく溶融金属の温度を測定可能な物であれば何でも良
い。13は図2または図3に示す測定素子である。7は測
定電極であり、通常はMo棒が用いられるが、測定に要
する時間内に溶融金属中で溶損しない物であれば何でも
良い。これら測定素子7、12、13が一緒に組み込まれて
センサボディ14を形成する。センサボディ14にはコネク
タ15が設けられ、ホルダ(図示せず)を介して計測器に
信号が伝えられる。センサボディ14は保護管16に取り付
けられてプローブとなる。
【0014】今プローブが溶鉄に浸漬されると、測定対
象溶質元素の酸化物と溶鉄中の測定対象溶質元素との間
に局部平衡層6が形成される。局部平衡層6内の平衡反応
は下式数1で表され、同式の平衡定数(KM)は数2の
式で表される。
象溶質元素の酸化物と溶鉄中の測定対象溶質元素との間
に局部平衡層6が形成される。局部平衡層6内の平衡反応
は下式数1で表され、同式の平衡定数(KM)は数2の
式で表される。
【0015】
【数1】
【0016】
【数2】
【0017】MxOyが固体の純物質であればaMxOyは1
となり、KMは温度の関数として既知の値であるため、
局部平衡層内の酸素活量aoを測定すれば測定対象溶質
元素の活量aMが求められる。また特開平2−7314
8号ではaMxOyが一定でなくとも、aMxOyが測定対象溶
質元素の活量aMの関数となっていれば、その関係をあ
らかじめ求めておくことにより測定対象溶質元素の活量
aMの測定が可能としている。局部平衡層内の酸素活量
aoは下式数3によって計算される。
となり、KMは温度の関数として既知の値であるため、
局部平衡層内の酸素活量aoを測定すれば測定対象溶質
元素の活量aMが求められる。また特開平2−7314
8号ではaMxOyが一定でなくとも、aMxOyが測定対象溶
質元素の活量aMの関数となっていれば、その関係をあ
らかじめ求めておくことにより測定対象溶質元素の活量
aMの測定が可能としている。局部平衡層内の酸素活量
aoは下式数3によって計算される。
【0018】
【数3】
【0019】従って、温度(T)と起電力(E)を測定
すれば上記数3及び数2を使って測定対象溶質元素の活
量aMが求められる。
すれば上記数3及び数2を使って測定対象溶質元素の活
量aMが求められる。
【0020】測定対象溶質元素の酸化物または測定対象
溶質元素の酸化物を含む複合酸化物の被覆にあらかじめ
酸化鉄を混合しておくか、あるいは測定対象溶質元素の
酸化物または測定対象溶質元素の酸化物を含む複合酸化
物の被覆の上に、さらに酸化鉄の被覆を施し二重の被覆
を形成しておくことにより、溶鉄用溶質元素の活量測定
プローブを溶鉄に浸漬した際に、被覆部分にもともと酸
化鉄があるために、被覆近傍に新たに生成するFeOの量
が少なくなり、被覆の組成変化を小さな範囲に抑えられ
る。また測定対象溶質元素の酸化物または測定対象溶質
元素の酸化物を含む複合酸化物がFeにより還元されるこ
とに対しても、もともと被覆部分に酸化鉄があるため
に、被覆中の酸化物とFeOとの平衡関係から新たに生成
できるFeOの量が制限され、そのためにFeが被覆中の酸
化物を還元する量を少なくすることができる。
溶質元素の酸化物を含む複合酸化物の被覆にあらかじめ
酸化鉄を混合しておくか、あるいは測定対象溶質元素の
酸化物または測定対象溶質元素の酸化物を含む複合酸化
物の被覆の上に、さらに酸化鉄の被覆を施し二重の被覆
を形成しておくことにより、溶鉄用溶質元素の活量測定
プローブを溶鉄に浸漬した際に、被覆部分にもともと酸
化鉄があるために、被覆近傍に新たに生成するFeOの量
が少なくなり、被覆の組成変化を小さな範囲に抑えられ
る。また測定対象溶質元素の酸化物または測定対象溶質
元素の酸化物を含む複合酸化物がFeにより還元されるこ
とに対しても、もともと被覆部分に酸化鉄があるため
に、被覆中の酸化物とFeOとの平衡関係から新たに生成
できるFeOの量が制限され、そのためにFeが被覆中の酸
化物を還元する量を少なくすることができる。
【0021】これにより測定対象溶質元素の酸化物が溶
鉄中で安定して存在でき、前記数1の局部平衡が確実に
形成されるために、測定精度および測定成功率の向上が
可能となる。
鉄中で安定して存在でき、前記数1の局部平衡が確実に
形成されるために、測定精度および測定成功率の向上が
可能となる。
【0022】
(実施例 1)図4に示す構造のプローブを用い、取鍋
内溶鋼中のMn活量を測定した例を以下に述べる。この
時のプローブを構成する主な部材に使用した材料は以下
に示す通りである。
内溶鋼中のMn活量を測定した例を以下に述べる。この
時のプローブを構成する主な部材に使用した材料は以下
に示す通りである。
【0023】 固体電解質:ZrO2−8mol%MgO 標準極 :C
r−Cr2O3混合粉末 測定電極 :Mo棒(φ3) 標準極リード:
Mo線(φ0.29) 熱電対 :Type−R 被覆はMnO−10wt%FeOを固体電解質にプラズマ溶射して
形成した。
r−Cr2O3混合粉末 測定電極 :Mo棒(φ3) 標準極リード:
Mo線(φ0.29) 熱電対 :Type−R 被覆はMnO−10wt%FeOを固体電解質にプラズマ溶射して
形成した。
【0024】更に溶鋼の測定条件を以下に示す。
【0025】 温度 :1600℃〜1670℃ 炭素濃度 :0.0
3%〜0.3% Mn濃度:0.1%〜0.8%
3%〜0.3% Mn濃度:0.1%〜0.8%
【0026】本来は被覆中のMn酸化物の活量は1また
は1に近い値で一定となることが望ましいが、特開平2
−73148号に述べている通り、Mn酸化物の活量は
溶鋼中で一定とならず、溶鋼中のMn活量の関数とな
る。図5は分析値から計算した溶鋼中のMn活量
(aMn)と被覆中のMn酸化物の活量(aMnO)との関係
を示すグラフである。溶鋼中のMn活量は下式数4およ
び数5により計算し、被覆中のMn酸化物の活量は前記
数2の式をMnの場合に置き換えた数6の式により計算
した。
は1に近い値で一定となることが望ましいが、特開平2
−73148号に述べている通り、Mn酸化物の活量は
溶鋼中で一定とならず、溶鋼中のMn活量の関数とな
る。図5は分析値から計算した溶鋼中のMn活量
(aMn)と被覆中のMn酸化物の活量(aMnO)との関係
を示すグラフである。溶鋼中のMn活量は下式数4およ
び数5により計算し、被覆中のMn酸化物の活量は前記
数2の式をMnの場合に置き換えた数6の式により計算
した。
【0027】
【数4】
【0028】
【数5】
【0029】
【数6】
【0030】本発明構成によれば、被覆中のMn酸化物
の活量は従来法よりも大きな値を示し、ばらつきも小さ
いことが図より判る。
の活量は従来法よりも大きな値を示し、ばらつきも小さ
いことが図より判る。
【0031】図6は分析値から計算した溶鋼中のMn活
量と測定したMn活量との関係を示すグラフである。Mn
活量測定値は、図5の溶鋼中のaMnと被覆中のaMnOと
の関係を下式数7の形で求め、これを前記数6に代入し
て計算した。
量と測定したMn活量との関係を示すグラフである。Mn
活量測定値は、図5の溶鋼中のaMnと被覆中のaMnOと
の関係を下式数7の形で求め、これを前記数6に代入し
て計算した。
【0032】
【数7】
【0033】図6より本発明構成によれば、従来構成の
場合よりも精度良く溶鋼中のMn活量を測定できること
が判る。
場合よりも精度良く溶鋼中のMn活量を測定できること
が判る。
【0034】(実施例 2)図4に示す構造のプローブ
を用い、高周波誘導炉で溶製した溶銑中の燐活量を測定
した例を以下に述べる。プローブを構成する主な部材に
使用した材料を以下に示す。
を用い、高周波誘導炉で溶製した溶銑中の燐活量を測定
した例を以下に述べる。プローブを構成する主な部材に
使用した材料を以下に示す。
【0035】 固体電解質:ZrO2−8mol%MgO 標準極 :C
r−Cr2O3混合粉末 測定電極 :Mo棒(φ3) 標準極リード:
Mo線(φ0.29) 熱電対 :Type−R
r−Cr2O3混合粉末 測定電極 :Mo棒(φ3) 標準極リード:
Mo線(φ0.29) 熱電対 :Type−R
【0036】被覆はCa4P2O9−50mol%CaOの混合粉末に
水と有機バインダを混ぜてスラリとし、そこに固体電解
質をドブ漬けして室温乾燥し、さらにFe2O3の粉末と水
と有機バインダを混ぜたスラリを塗布して室温乾燥して
二重の被覆を形成した。
水と有機バインダを混ぜてスラリとし、そこに固体電解
質をドブ漬けして室温乾燥し、さらにFe2O3の粉末と水
と有機バインダを混ぜたスラリを塗布して室温乾燥して
二重の被覆を形成した。
【0037】溶銑の測定条件を以下に示す。
【0038】 温度 :1380℃〜1410℃ 炭素濃度 :4.2%
〜4.8% 燐濃度:0.005%〜0.15% Si濃度 :0.05
%〜0.15%
〜4.8% 燐濃度:0.005%〜0.15% Si濃度 :0.05
%〜0.15%
【0039】図7は分析値から計算した溶銑中の燐活量
(aP)と燐活量測定プローブより得られた起電力の関
係を示すグラフである。溶銑中の燐活量は下式数8およ
び数9を用いて計算した。
(aP)と燐活量測定プローブより得られた起電力の関
係を示すグラフである。溶銑中の燐活量は下式数8およ
び数9を用いて計算した。
【0040】
【数8】
【0041】
【数9】
【0042】従来構成ではCa4P2O9がFeにより還元され
て局部平衡が成立せず、燐活量と起電力の対応が悪い場
合があったが、本発明構成では燐活量と起電力の間に良
好な関係が得られているのが同図より判る。
て局部平衡が成立せず、燐活量と起電力の対応が悪い場
合があったが、本発明構成では燐活量と起電力の間に良
好な関係が得られているのが同図より判る。
【0043】
【発明の効果】本発明のプローブ構成によれば、溶鉄中
の溶質元素の活量測定の成功率を向上させ、且つそれに
よって該活量を迅速に、しかも高精度に把握することが
できる。このため溶鉄の成分コントロールが迅速かつ正
確に行え、精錬コストを低減すると共に、製品品質を向
上させることが可能となる。
の溶質元素の活量測定の成功率を向上させ、且つそれに
よって該活量を迅速に、しかも高精度に把握することが
できる。このため溶鉄の成分コントロールが迅速かつ正
確に行え、精錬コストを低減すると共に、製品品質を向
上させることが可能となる。
【図1】溶鉄中の溶質元素の活量の測定原理を示す概略
図である。
図である。
【図2】本願第1発明の構成に係る溶鉄用溶質元素の活
量測定素子の構造の一例を示す縦断面図である。
量測定素子の構造の一例を示す縦断面図である。
【図3】第2発明の構成に係る溶鉄用溶質元素の活量測
定素子の構造の一例を示す縦断面図である。
定素子の構造の一例を示す縦断面図である。
【図4】溶鉄用溶質元素の活量測定プローブの構造を示
す縦断面図である。
す縦断面図である。
【図5】第1発明の一実施例において溶鋼中のMn活量
と被覆中のMn酸化物の活量との関係を示すグラフであ
る。
と被覆中のMn酸化物の活量との関係を示すグラフであ
る。
【図6】本実施例における溶鋼中のMn活量と測定した
Mn活量との関係を示すグラフである。
Mn活量との関係を示すグラフである。
【図7】第2発明の実施例に係る溶銑中の燐活量と燐活
量測定プローブより得られた起電力の関係を示すグラフ
である。
量測定プローブより得られた起電力の関係を示すグラフ
である。
1 固体電解質 2 標準極 3 標準極リード 4 被覆 5 溶融金属 6 局部平衡層 7 測定電極 8 電位差計 11 被覆 12 熱電対 13 測定素子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 雀部 実 千葉県千葉市稲毛区小仲台八丁目22番20− 501 (72)発明者 古田 周良 大阪府大阪市淀川区宮原四丁目1番14号 大阪酸素工業株式会社内 (72)発明者 長塚 利男 大阪府大阪市淀川区宮原四丁目1番14号 大阪酸素工業株式会社内 (72)発明者 三橋 賢司 大阪府大阪市淀川区宮原四丁目1番14号 大阪酸素工業株式会社内 (72)発明者 高岡 利夫 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 菊地 良輝 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 鷲見 郁宏 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内
Claims (2)
- 【請求項1】 酸素イオン導電性を有する固体電解質の
表面に、測定対象溶質元素の酸化物又は測定対象溶質元
素の酸化物を含む複合酸化物を被覆した溶鉄用溶質元素
の活量測定プローブにおいて、該被覆に酸化鉄を混合し
たことを特徴とする溶鉄用溶質元素の活量測定プロー
ブ。 - 【請求項2】 酸素イオン導電性を有する固体電解質の
表面に、測定対象溶質元素の酸化物又は測定対象溶質元
素の酸化物を含む複合酸化物を被覆した溶鉄用溶質元素
の活量測定プローブにおいて、該被覆の上に更に酸化鉄
の被覆を施し、二重の被覆を形成したことを特徴とする
溶鉄用溶質元素の活量測定プローブ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4169995A JPH05340918A (ja) | 1992-06-05 | 1992-06-05 | 溶鉄用溶質元素の活量測定プローブ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4169995A JPH05340918A (ja) | 1992-06-05 | 1992-06-05 | 溶鉄用溶質元素の活量測定プローブ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05340918A true JPH05340918A (ja) | 1993-12-24 |
Family
ID=15896645
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4169995A Withdrawn JPH05340918A (ja) | 1992-06-05 | 1992-06-05 | 溶鉄用溶質元素の活量測定プローブ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05340918A (ja) |
-
1992
- 1992-06-05 JP JP4169995A patent/JPH05340918A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 19990831 |