JPH05340301A - 多気筒内燃機関用シリンダブロックの軸受装置 - Google Patents

多気筒内燃機関用シリンダブロックの軸受装置

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JPH05340301A
JPH05340301A JP14747592A JP14747592A JPH05340301A JP H05340301 A JPH05340301 A JP H05340301A JP 14747592 A JP14747592 A JP 14747592A JP 14747592 A JP14747592 A JP 14747592A JP H05340301 A JPH05340301 A JP H05340301A
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JP
Japan
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bearing
cylinder block
cylinder
connection structure
bulkhead
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Application number
JP14747592A
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Inventor
Yukimasa Kai
志誠 甲斐
Masahiko Katsu
雅彦 勝
Takaharu Goto
隆治 後藤
Tetsuaki Goto
徹朗 後藤
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】シリンダブロック強度を高強度に維持しつつ軸
受部の振動によるシリンダブロック壁の振動を低減す
る。 【構成】シリンダブロック11の前端部及び後端部の軸受
部のベアリング保持部12、16をバルクヘッド19とリジッ
トに接続する。また、気筒からの加振力が連続して入力
される軸受部のベアリング保持部13、15とバルクヘッド
19とをスリット20により分割してスリット20にダンピン
グ部材21を充填する。さらに、残りの軸受部のベアリン
グ保持部15をバルクヘッド19とリジットに接続する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シリンダブロックの軸
受装置に関し、特に多気筒内燃機関におけるシリンダブ
ロック壁振動の低減技術に関する。
【0002】
【従来の技術】シリンダブロックの軸受装置の従来例と
して、図21に示すようなものがある。すなわち、シリン
ダブロック1下部中央にはベアリング保持部2がシリン
ダブロック1の前後方向に所定間隔で複数形成されてい
る。また、ベアリングビーム3にはベアリングキャップ
4が所定間隔で複数形成され、各ベアリングキャップ4
は前記ベアリング保持部2に突き合わせてボルト5によ
りシリンダブロック1に取付けられている。そして、ク
ランク軸(図示せず)のジャーナル部をベアリング保持
部2とベアリングキャップ4とによりベアリング(図示
せず)を介して回転自由に支持するようにしている。
【0003】ところで、従来においては、ベアリング保
持部2及びベアリングキャップ4からなる軸受部と、シ
リンダブロック1と、の間に例えばスリットを単に形成
し、クランク軸から軸受部に伝わる振動がシリンダブロ
ック1に伝達されるのを抑制するようにしている。ま
た、実開昭61−113949号公報においては、シリン
ダブロックのヘッドボルトボス部から円柱状のリブを垂
下させて各軸受部に接続しリブにより剛性を高めてシリ
ンダブロック外壁の振動を抑制し、またシリンダブロッ
クのシリンダ配列方向両側に中空状の開口部を形成して
ピストンスラップによる振動がシリンダブロック外壁に
伝達されるのを開口部にて抑制し、さらにスカートのシ
リンダブロックとの接続部をシリンダブロック下端より
上方で上下方向変形の略中立点に位置させることにより
スカートの振動を抑制するものが開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このようにし
て振動を抑制しても後者のものにおいては軸受部の共振
振動数とシリンダブロック壁の共振振動数とが略一致す
ると、シリンダブロック外壁が共振してシリンダブロッ
ク壁の振動が助長されるという不具合がある。また、軸
受部とシリンダブロックとの間にスリットを単に形成す
る前者のものでは、スリット部に応力が集中して強度を
充分に確保するのが難しく、またシリンダブロック全体
としての剛性を高く維持できないという不具合がある。
【0005】本発明は、このような実状に鑑みてなされ
たもので、シリンダブロック全体としての強度を高く維
持させつつシリンダブロック壁の振動を低減することを
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】このため、本発明は、請
求項1においては、シリンダブロック下部の略中央部に
設けられたベアリング保持部とベアリングキャップとか
らなる軸受部にてクランク軸を回転自由に支持するもの
において、 前記シリンダブロック前端部及び後端部の
軸受部のベアリング保持部とシリンダブロックのバルク
ヘッドとリジットに接続して剛的な接続構造に形成し、
前記前端部及び後端部を除く軸受部のうち、気筒の燃
焼圧力による加振力が連続して入力される軸受部のベア
リング保持部と前記シリンダブロックのバルクヘッドと
をスリットにより分割して柔な接続構造に形成し、残り
の軸受部を前記剛的な接続構造に形成するようにした。
【0007】また、請求項2においては、請求項1にお
ける柔な接続構造の軸受部を加振力の入力頻度が高い軸
受部に、設定するようにした。さらに、請求項3におい
ては、請求項1における柔な接続構造の軸受部を、加振
力の入力周期が短い軸受部に、設定するようにした。
【0008】
【作用】このようにして、気筒の燃焼圧力による加振力
が連続して入力されたり、加振力の入力頻度が高かった
り若しくは加振力の入力間隔が短かったりする軸受部は
シリンダブロックのバルクヘッドとスリットにより分割
し、軸受部の振動がシリンダブロック壁に伝達されるの
を抑制しシリンダブロック壁の振動を低減するようにし
た。また、シリンダブロック壁の振動に悪影響を与えな
い軸受部とシリンダブロック前端部及び後端部の軸受部
とをシリンダブロックのバルクヘッドとリジットに接続
して強度を高く維持させるようにした。
【0009】
【実施例】以下に、本発明の実施例を図面に基づいて説
明する。図1〜図9は本発明の請求項1に対応する第1
実施例を示す。尚、本実施例では4気筒内燃機関を例に
とり、また点火順序が#1−#3−#4−#2の場合を
説明する。
【0010】図1において、シリンダブロック11下部の
中央には第1〜第5ベアリング保持部12〜16が気筒配列
方向に所定間隔で形成され、これらベアリング保持部12
〜16の間には各気筒のシリンダ部が配置される。各ベア
リング保持部12〜16には図2及び図3に示すようにベア
リングキャップ17がボルト18により螺合されて取付けら
れ、各ベアリング保持部12〜16とベアリングキャップ17
とによりクランク軸(図示せず)のジャーナルをベアリ
ング(図示せず)を介して回転自由に夫々支持するよう
になっている。
【0011】ここで、#1気筒と#2気筒との間に位置
する第2ベアリング保持部13両側壁とシリンダブロック
11のバルクヘッド19との間には図2に示すようにスリッ
ト20がそれらを分割するように形成され、これらスリッ
ト20にはゴム等のダンピング材21が充填されている。ま
た、#3気筒と#4気筒との間に位置する第4ベアリン
グ保持部15両側壁とバルクヘッド19との間にも、前記第
2ベアリング保持部13と同様に、スリット20が形成さ
れ、スリット20にはダンピング材21が充填されている。
したがって、ここでは第2及び第4ベアリング保持部1
3、15とがバルクヘッド19と柔な接続構造に形成されて
いる。
【0012】また、シリンダブロック11の前端部(図1
中下方)の第1ベアリング保持部12と、後端部の第5ベ
アリング保持部16と、#2気筒と#3気筒との間に位置
する第3ベアリング保持部14と、は、図3に示すように
両側壁がバルクヘッド19とリジットに夫々接続されてい
る。したがって、ここでは、第1、第3及び第5ベアリ
ング保持部第1、第3及び第5ベアリング保持部12,1
4,16がバルクヘッド19と剛的な接続構造で接続されて
いる。
【0013】このようにして、各ベアリング保持部12〜
16とベアリングキャップ17とからなる各軸受部からシリ
ンダブロック11に伝達される振動をシリンダブロック11
の共振領域から外れるように設定する。これを図4〜図
9に基づいて具体的に説明すると、シリンダブロック11
の共振領域は、騒音領域を示す図4において、主として
回転2次以上の振動数からなる周波数帯域に存在する。
また、クランク軸に入力される燃焼圧力は図5に示すよ
うに点火順序に従って変化する。
【0014】そして、前記燃焼圧力により各軸受部が加
振される。ここで、以下においては第1ベアリング保持
部12とベアリングキャップ17とからなる軸受部を図6に
示すように第1軸受部と称し、第2ベアリング保持部13
とベアリングキャップ17とからなる軸受部を第2軸受部
と称し、以下同様に第3軸受部,第4軸受部,第5軸受
部と称する。
【0015】そして、シリンダブロック11の前端部及び
後端部に位置する第1及び第2軸受部は片側から燃焼圧
力を受けるので、それらの加振力は図7に示すように一
方向にのみ変化し、主として回転0.5次の振動数とな
る。また、第2及び第4軸受部は両側の気筒の点火順序
が隣合うので、それらの加振力は図7に示すように連続
すると共に上下方向に変化し、主として回転2次の振動
数となる。さらに、第3軸受部は両側の気筒の点火順序
が1点火だけ離れているので、その加振力は図7に示す
ように1点火分だけ離れて上下方向に変化し、主として
回転1次の周波数となる。
【0016】したがって、前記図4に示すシリンダブロ
ック11の共振領域に影響が大きな回転2次の振動数を主
として有する第2及び第4軸受部を柔な接続構造にし、
共振領域に影響が比較的小さい回転0.5次,回転1次
の振動数を主として有する第1,第3及び第5軸受部を
剛的な接続構造にする。これにより、シリンダブロック
11の共振動領域に影響がある回転2次の振動数を有する
第2及び第4軸受部がスリット20によりバルクヘッド19
と分割されているので、シリンダブロック11壁に軸受部
からの振動が伝達されるのを防止してシリンダブロック
11壁の共振を防止できるため、シリンダブロック11壁の
振動を大幅に低減できる。これは図8に示すように軸受
部の両端を節として軸受部が振動しシリンダブロック11
壁に振動が伝達されないようになる。(従来例のもので
は図9に示すように両側部のシリンダブロック11を節と
して振動しシリンダブロック11が共振するのである。)
また、スリット20にダンピング部材21を充填するように
したので、ダンピング部材21により第2及び第4軸受部
材の振動を抑制できこれによってもシリンダブロック11
壁の振動を低減できる。
【0017】また、シリンダブロック11の共振領域に影
響が小さな第1,第3及び第5軸受部をシリンダブロッ
ク11のバルクヘッド19とリジットに接続するようにした
ので、シリンダブロック11全体としての剛性を高く維持
できる。ここで、シリンダブロック11の前端部の第1軸
受部と後端部の第5軸受部とを剛的な接続構造に形成す
るのは、両端部を閉じた構造物としての剛性を高めるた
めである。
【0018】図10及び図11は請求項1に対応する前記第
1実施例の変形例を示す。尚、前記第1実施例と同一要
素には図2と同一符号を付して説明を省略する。本実施
例はベアリングキャップをベアリングビームに取付ける
ものであり、前記実施例の第2及び第4軸受部に相当す
る第2及び第4ベアリング保持部17の両側部材は、図10
に示すように、シリンダブロック11のバルクヘッド19
と、スリット20により分割して形成されている。また、
前記実施例の第1,第3及び第5軸受部に相当する第
1,第3及び第5ベアリング保持部(図示せず)は前記
実施例(図3参照)と同様にバルクヘッド19とリジット
に接続されている。
【0019】また、ベアリングビーム30には図11に示す
ように前記第1,第3及び第5ベアリング保持部に取付
けられた第1,第3及び第5ベアリングキャップ31〜33
がリジットに取付けられている。また、ベアリングビー
ム30には前記第2及び第4ベアリング保持部17に取付け
られる第2及び第4ベアリングキャップ34,35がゴム等
のダンピング部材36を介して取付けられている。尚、ス
リット20にダンピング部材を充填してもよい。
【0020】かかる構成においても、前記第1実施例と
同様な効果を奏する。また、ベアリングビーム30と第
1,第3及び第5ベアリングキャップ31〜33とを第2及
び第4ベアリングキャップ34,35と同様にダンピング部
材を介して接続してもよく、この場合にはベアリングビ
ームの質量とダンピング部材とにより構成されるいわゆ
るアクティブダンパーの機能を有し、第1〜第5軸受部
はそれぞれの共振点に略合致するダンピング部材のバネ
定数を介してベアリングビームに結合される。
【0021】次に、本発明の請求項2に対応する第2実
施例をV型6気筒内燃機関を例にとり図12〜図14に基づ
いて説明する。尚、点火順序は〜#1−#2−#3−#
4−#5−#6の場合を説明する。また、以下の実施例
においては、具体的構造を図にて説明することなく簡易
なブロック図に基づいて説明する。まず、気筒配列は図
12に示すように奇数番号の#1,#3及び#5気筒が気
筒配列方向に1列に配設されると共に偶数番号の#2,
#4及び#6気筒が気筒配列方向に1列に配設され、そ
れら奇数番号と偶数気筒とが隣合わせて並列に配設され
ている。
【0022】そして、図13に示すようにシリンダブロッ
ク前端部の第1軸受部41と第2軸受部42との間に#1気
筒と#2気筒とが配設され、第2軸受部42と第3軸受部
43との間に#3気筒と#4気筒とが配設されている。ま
た、第3軸受部43と後端部の第4軸受部44との間に#5
気筒と#6気筒とが配設されている。ここで、前記第2
軸受部42と第3軸受部43のベアリング保持部(図示せ
ず)とシリンダブロックのバルクヘッドとは前記第1実
施例と同様にスリットにより分割されて形成され、スリ
ットにはダンピング部材が充填されている。また、前端
部及び後端部の第1及び第2軸受部41,44のベアリング
保持部(図示せず)は前記第1実施例と同様にバルクヘ
ッドとリジットに接続されている。したがって、本例で
は第2及び第3軸受部42,43が柔な接続構造に形成さ
れ、第1及び第4軸受部41,44が剛的な接続構造に形成
されている。
【0023】次に、かかる柔と剛との組み合わせによる
接続構造を採用する理由を図14に基づいて以下に述べ
る。すなわち、前端部の第1軸受部41の片側に図13に示
すように#1気筒と#2気筒とが配設されそれらの点火
順序が隣合うので、第1軸受部41には図14に示すように
#1気筒及び#2気筒の燃焼圧力による加振力が連続し
て入力される。また、第2軸受部42の両側に#1及び#
2気筒と#3及び#4気筒とが夫々配設されそれらの点
火順序が隣合うので、第2軸受部42には図14に示すよう
に#3〜#6気筒の燃焼圧力による加振力が連続して入
力される。さらに後端部の第4軸受部44には図14に示す
ように#5及び#6気筒の燃焼圧力による加振力が連続
して入力される。
【0024】ここで、各軸受部41〜44の加振力による振
動数は略同様になるが、加振力の入力頻度(加振力が入
力される気筒数)及び入力レベルが図14に示すように第
2及び第3軸受部42,43が大きくなるので、第2及び第
3軸受部42,43を柔な接続構造に構成し、その振動がシ
リンダブロック壁に伝達されるのを抑制しシリンダブロ
ック壁の振動を抑制できるようにした。
【0025】次に、本発明の請求項2に対応する第3実
施例をV型8気筒内燃機関を例にとり図15〜図17に基づ
いて説明する。尚、点火順序は#1−#8−#7−#3
−#6−#5−#4−#2の場合を例にとり説明する。
まず、気筒配列は図15に示すように奇数番号の#1,#
3,#5,#7気筒が気筒配列方向に1列に配設され、
それら奇数気筒と偶数気筒とが隣合わせて並列に配設さ
れている。
【0026】そして、図16に示すようにシリンダブロッ
ク前端部の第1軸受部51と第2軸受部52との間に#1気
筒と#2気筒とが配設され、第2軸受部52と第3軸受部
53と53との間に#3気筒と#4気筒とが配設されてい
る。また、第3軸受部53と第4軸受部54との間に#5気
筒と#6気筒とが配設され、第4軸受部54と第5軸受部
55との間に#7気筒と#8気筒とが配設されている。
【0027】ここで、前記第3軸受部53のベアリング保
持部(図示せず)とシリンダブロックのバルクヘッドは
前記第1実施例と同様にスリットにより分割されて形成
され、スリットにはダンピング部材が充填されている。
また、シリンダブロックの全端部及び後端部の第1及び
第5軸受部51,55のベアリング保持部(図示せず)は前
記第1実施例と同様にバルクヘッドとリジットに接続さ
れている。また、第2及び第4軸受部52,54のベアリン
グ保持部(図示せず)とバルクヘッドとは前記第3軸受
部53のスリット長よりも短い長さだけスリットにより分
割されて形成されている。したがって、本例では第3軸
受部53が柔な接続構造に形成され、第1及び第5軸受部
51,55が剛的な接続構造に形成され、第2及び第4軸受
部52,54が中間的な剛性の接続構造に形成されている。
【0028】次に、かかる接続構造を採用する理由を図
17に基づいて説明する。すなわち、前端部の第1軸受部
51の片側に図16に示すように#1及び#2気筒とが配設
され点火順序が離れているので、第1軸受部51には#1
及び#2気筒の燃焼圧力による加振力が図17に示すよう
に離れて入力される。また、第2軸受部52の両側に図16
に示すように#1及び#2気筒と#3及び#4気筒とが
夫々配設されそれらの点火順序が離れているので、第2
軸受部52には#1〜#4気筒の燃焼圧力による加振力が
図17に示すように離れて入力される。また、第3軸受部
53の両側に#3及び#4気筒と#5及び#6気筒とが夫
々配設されそれらの点火順序が隣合うので、第3軸受部
53には#3〜#6気筒の燃焼圧力による加振力が図17に
示すように連続して入力される。また、第4軸受部54の
両側に#5及び#6気筒と#7及び#8気筒とが夫々配
設され点火順序が#5気筒と#6気筒とで隣合うと共に
#7気筒と#8気筒とで隣合いかつ#6気筒と#7気筒
とで1点火分だけ離れているので、第4軸受部54には#
5〜#6気筒の燃焼圧力による加振力が図17に示すよう
に#8及び#7気筒と#6及び#5気筒とで夫々連続す
ると共に#7気筒と#6気筒とで1点火分だけ離れて入
力される。さらに、後端部の第5軸受部55の片側に#7
及び#8気筒が配設され点火順序が隣合うので、第5軸
受部55には#7及び#8気筒の燃焼圧力による加振力が
図17に示すように連続して入力される。
【0029】したがって、加振力の入力頻度が多くかつ
加振力が連続して入力される第3軸受部53を柔な接続構
造にし、加振力の入力頻度が多くても加振力が離れて入
力される第2及び第4軸受部52,54を中間的な剛性の接
続構造に形成し、それら軸受部の振動がシリンダブロッ
ク壁に伝達されるのを抑制しシリンダブロック壁の振動
を抑制できるようにした。勿論、前端部及び後端部の軸
受部51,55を剛的な接続溝にし、第2及び第4軸受部5
2,54を中間的な剛性の接続構造にしたので、シリンダ
ブロック全体としての剛性を高く維持できる。
【0030】次に、本発明の請求項3に対応する第4実
施例を直列型6気筒内燃機関を例にとり図18〜図20に基
づいて説明する。尚、点火順序は#1−#5−#3−#
6−#2−#4の場合を例にとり説明する。まず、気筒
配列は図18に示すように#1〜#6気筒がシリンダブロ
ック前端部から順番に1列に配設され、図19に示すよう
にシリンダブロック前端部の第1軸端部61と第2軸受部
62との間に#1気筒が配設されている。また、図19に示
すように第2軸受部62と第3軸受部63との間に#2気筒
が配設され、第3軸受部63と第4軸受部64との間に#3
気筒が配設されている。また、第4軸受部64と第5軸受
部65との間に#4気筒が、第5軸受部65と第6軸受部66
との間に#5気筒が、第6軸受部66と第7軸受部67との
間に#6気筒が、夫々配設されている。
【0031】ここで、第2軸受部62,第3軸受部63、第
5軸受部65及び第6軸受部66のベアリング保持部(図示
せず)とシリンダブロックのバルクヘッドは前記第1実
施例と同様にスリットにより夫々分割されて形成され、
各スリットにはダンピング部材が充填されている。ま
た、第1軸受部61,第4軸受部64及び第7軸受部67のベ
アリング保持部材はバルクヘッドとリジットに接続され
ている。したがって、第2,第3,第5及び第6軸受部
材62,63,65,66が柔な接続構造に形成され、第1,第
4及び第7軸受部61,64,67が剛的な接続構造に形成さ
れている。
【0032】次に、かかる接続構造を採用する理由を図
20に基づいて説明する。すなわち、シリンダブロックの
前端部の第1軸受部61の片側に#1気筒が配設されてい
るので、第1軸受部61には#1気筒の燃焼圧力による加
振力が入力される。また、第2軸受部62の両側に#1気
筒と#2気筒とが夫々配設されそれらの点火順序が3点
火分だけ離れているので、第2軸受部62には#1及び#
2気筒の燃焼圧力による加振力が図20に示すように3点
火分だけ離れて入力されるが、#2気筒の点火順序を基
準とすると次回の#1気筒の点火順序は#2気筒に対し
1点火分だけしか離れていない。また、第3軸受部63の
両側に#2気筒と#3気筒とが夫々配設されそれらの点
火順序が1点火分だけ離れているので、第3軸受部63に
は#2及び#3気筒の燃焼圧力による加振力が図20に示
すように1点火分だけ離れて入力される。また、第4軸
受部64の両側に#3及び#4気筒が配設されそれらの点
火順序が2点火分だけ離れているので、第4軸受部64に
は#3及び#4気筒の燃焼圧力による加振力が図20に示
すように2点火分だけ離れて入力される。また、第5軸
受部65の両側に#4及び#5気筒が配設されそれらの点
火順序は図20に示すように、#4気筒の点火順序を基準
とすると次回の#5気筒に対して1点火分だけ離れてい
る。また、第6軸受部66の両側に#5及び#6気筒が配
設されそれらの点火順序が1点火分だけ離れているの
で、第6軸受部66には#5及び#6気筒の燃焼圧力によ
る加振力は図20に示すように1点火分だけ離れて入力さ
れる。さらに、第7軸受部67の片側に#6気筒の燃焼圧
力による加振力が図20に示すように入力される。
【0033】したがって、第1及び第6軸受部61,62へ
の加振力の入力間隔は6点火分だけ離れ、第2,第3,
第5及び第6軸受部62,63,65,66への加振力の入力間
隔は短い入力間隔側で2点火分だけ離れ、第4軸受部64
への加振力の入力間隔は3点火分だけ離れるようにな
る。そして、加振力の入力間隔が短いほどシリンダブロ
ック壁の振動に影響があるので、本例では第2,第3,
第5,第6軸受部62,63,65,66を柔な接続構成にし、
シリンダブロックの振動を抑制できるようにした。ま
た、第1,第4及び第7軸受部61,64,67を剛的な接続
構造に形成し、シリンダブロック全体としての剛性を高
く維持できるようにした。
【0034】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように、シリン
ダブロックの前端部及び後端部の軸受部をシリンダブロ
ックのバルクヘッドと剛的な接続構造に形成し、また気
筒からの燃焼圧力による加振力が連続して入力される軸
受部(請求項1),加振力の入力頻度が高い軸受部(請
求項2),若しくは加振力の入力間隔が短い軸受部(請
求項3)を柔な接続構造に形成し、さらに残りの軸受部
を剛的な接続構造に形成するようにしたので、シリンダ
ブロック全体としての剛性を高く維持しつつシリンダブ
ロック壁の振動をを大幅に低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の請求項1に対応する第1実施例のシリ
ンダブロックの底面図
【図2】同上のA−A断面図
【図3】同上のB−B断面図
【図4】同上の作用を説明するための共振領域を示す図
【図5】同上の作用を説明するための燃焼圧力特性図
【図6】同上の軸受部と気筒配列との関係を示す図
【図7】同上の各軸受部への加振力入力を示す図
【図8】同上の振動モードを示す図
【図9】従来例の振動モードを示す図
【図10】同上の変形例を示す断面図
【図11】図11の要部分解図
【図12】本発明の請求項2に対応する第2実施例の気筒
配列を示す図
【図13】同上の軸受部と気筒配置との関係を示す図
【図14】同上の各軸受部への加振力入力を示す図
【図15】本発明の請求項2に対応する第3実施例の気筒
配列を示す図
【図16】同上の軸受部と気筒配置との関係を示す図
【図17】同上の各軸受部と気筒配置との関係を示す図
【図18】本発明の請求項3に対応する第4実施例の気筒
配列を示す図
【図19】同上の軸受部と気筒配置との関係を示す図
【図20】同上の各軸受部への加振力入力を示す図
【図21】シリンダブロックの軸受装置の従来例を示す斜
視図
【符号の説明】
11 シリンダブロック 12〜16 ベアリング保持部 17 ベアリングキャップ 19 バルクヘッド 20 スリット 21 ダンピング部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 後藤 徹朗 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリンダブロック下部の略中央部にベアリ
    ング保持部を所定間隔を持って複数列設すると共に前記
    各ベアリング保持部にベアリングキャップを夫々取付
    け、前記ベアリング保持部とベアリングキャップとから
    なる軸受部によりクランク軸のジャーナルを回転自由に
    支持するようにした多気筒内燃機関用シリンダブロック
    の軸受装置において、 前記シリンダブロック前端部及び後端部の軸受部のベア
    リング保持部とシリンダブロックのバルクヘッドとをリ
    ジットに接続して剛的な接続構造に形成し、 前記前端部及び後端部を除く軸受部のうち、気筒の燃焼
    圧力による加振力が連続して入力される軸受部のベアリ
    ング保持部と前記シリンダブロックのバルクヘッドとを
    スリットにより分割して柔な接続構造に形成し、残りの
    軸受部を前記剛的な接続構造に形成するようにしたこと
    を特徴とする多気筒内燃機関用シリンダブロックの軸受
    装置。
  2. 【請求項2】シリンダブロック下部の略中央部にベアリ
    ング保持部を所定間隔を持って複数列設すると共に前記
    各ベアリング保持部にベアリングキャップを夫々取付
    け、前記ベアリング保持部とベアリングキャップとから
    なる軸受部によりクランク軸のジャーナルを回転自由に
    支持するようにした多気筒内燃機関用シリンダブロック
    の軸受装置において、 前記シリンダブロック前端部及び後端部の軸受部のベア
    リング保持部とシリンダブロックのバルクヘッドとをリ
    ジットに接続して剛的な接続構造に形成し、 前記前端部及び後端部を除く軸受部のうち、気筒の燃焼
    圧力による加振力の入力頻度が高い軸受部のベアリング
    保持部と前記シリンダブロックのバルクヘッドとをスリ
    ットにより分割して柔な接続構造に形成し、残りの軸受
    部を前記剛的な接続構造に形成するようにしたことを特
    徴とする多気筒内燃機関用シリンダブロックの軸受装
    置。
  3. 【請求項3】シリンダブロック下部の略中央部にベアリ
    ング保持部を所定間隔を持って複数列設すると共に前記
    各ベアリング保持部にベアリングキャップを夫々取付
    け、前記ベアリング保持部とベアリングキャップとから
    なる軸受部によりクランク軸のジャーナルを回転自由に
    支持するようにした多気筒内燃機関用シリンダブロック
    の軸受装置において、 前記シリンダブロック前端部及び後端部の軸受部のベア
    リング保持部とシリンダブロックのバルクヘッドとをリ
    ジットに接続して剛的な接続構造に形成し、 前記前端部及び後端部を除く軸受部のうち、気筒の燃焼
    圧力による加振力の入力間隔の短い軸受部のベアリング
    保持部と前記シリンダブロックのバルクヘッドとをスリ
    ットにより分割して柔な接続構造に形成し、残りの軸受
    部を前記剛的な接続構造に形成するようにしたことを特
    徴とする多気筒内燃機関用シリンダブロックの軸受装
    置。
JP14747592A 1992-06-08 1992-06-08 多気筒内燃機関用シリンダブロックの軸受装置 Pending JPH05340301A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021095891A (ja) * 2019-12-18 2021-06-24 トヨタ自動車株式会社 シリンダブロック

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2021095891A (ja) * 2019-12-18 2021-06-24 トヨタ自動車株式会社 シリンダブロック

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