JPH0533853B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、時分割多元接続方式（TDMA方式）
を用い、一つ以上の中継を行いこの中継局の回り
に一つ以上の子局が散在する無線通信装置に関す
る。特に、中継局および子局の送受信機に電力を
間欠的に供給して、待ち受け時の消費電力を節約
するバツテリセービングに関するものである。

〔概要〕

本発明は、基地局に一つ以上の中継局を経由し
て一つ以上の子局が接続される時分割多元接続方
式の無線通信装置において、 中継局で基地局のチヤネル識別用同期信号が規
定時間以上連続して検出されないときに、下位局
にチヤネル識別用同期信号およびバツテリセービ
ング同期信号を新たに発生して送出することによ
り、 上位局との回線が断となつても無線機に無駄な
電力を供給し続けることを避け、消費電力を節減
し、かつ基地局の送信信号が受信できるとすぐに
基地局のバツテリセービング同期信号に同期して
バツテリセービング動作を行うことができるよう
にしたものである。

〔従来の技術〕

第３図は従来例の無線通信装置のブロツク構成
図である。第３図において、一つの基地局Ａとこ
の基地局Ａの信号を中継する中継局Ｂとこの中継
局Ｂを経由して基地局Ａとの通信を行う子局Ｃと
で構成される無線通信装置で、中継局Ｂおよび子
局Ｃの送受信機に間欠的に電力を供給する方式は
バツテリセービングと呼ばれる。さらに、この装
置で時分割多元接続方式である場合には、各チヤ
ネルは同一の周波数を利用し、さらにそのチヤネ
ルの区別は信号の時間的位置（タイムスロツト）
によつてなされる。このため正しく回線を接続す
るためには、中継局Ｂおよび子局Ｃの全てが基地
局Ａから送出される各チヤネルを識別するための
同期信号を検出している必要がある。したがつ
て、時分割多元接続方式の場合には、バツテリセ
ービングに同期をかけ、全ての中継局Ｂおよび子
局Ｃが同期してその無線機の電源を継続するよう
にし、基地局Ａからのチヤネル識別用同期信号が
確実に子局Ｃに伝送されるようにしている。すな
わち、基地局Ａから規定周期でバツテリセービン
グ同期信号を送出する。中継局Ｂおよび子局Ｃは
バツテリセービング同期信号を検出するとバツテ
リセービングを開始する。このバツテリセービン
グは中継局Ｂおよび子局Ｃの無線機に電源が供給
されて動作している間に、基地局から規定周期で
送出されてくるバツテリセービング同期信号を必
ず受信できるようにその電源供給の断続動作の時
間間隔を定めて行われる。このように無線機の電
源供給を間欠的に行い、消費電力の節減を図る。
バツテリセービング同期信号が検出されなくなる
とバツテリセービング同期信号を検出されるまで
バツテリセービングは停止する。たとえば、第３
図で基地局Ａと中継局B₁との間の回線が断とな
つた場合に、すなうわち、中継局B₁の上位側無
線機が故障し、長時間にわたり中継局B₁でチヤ
ネル識別用同期信号およびバツテリセービング同
期信号が受信できなくなると、中継局B₂〜B_oお
よび子局Ｃでもチヤネル識別用同期信号およびバ
ツテリセービング同期信号が受信できくなり、中
継局Ｂ、子局Ｃは長時間にわたり無線機に電源が
供給し続けられることになる。

このような装置は僻地無線電話や災害非常時等
の無線通信などに使用されるが、電源事情が悪い
ために中継局Ｂおよび子局Ｃの電源はバツテリや
太陽電池に頼らざるを得ない。したがつて、長時
間中継局Ｂおよび子局Ｃの無線機に電源を供給し
続け、無駄な消費電力を費やすことは可能な限り
避けることが望ましい。上記の問題を解決するた
めに中継局Ｂおよび子局Ｃは基地局Ａからの同期
信号が受信できなくなると中継局Ｂおよび子局Ｃ
等各局が独自にバツテリセービングを行わせる手
段がある。この場合第３図に示すように複数の中
継局Ｂが縦列に接続しているときに、たとえば、
基地局Ａの中継局B₁との間の回線が断となると
この中継局B₁より下位の中継局B₂〜B_oは各局独
自にバツテリセービングを実施する。この場合に
時間が経つと各中継局Ｂそれぞれが無線機に電源
を供給しているタイミング、すなわち電源を「オ
フ」するタイミングが不揃いとなる。このときに
中継局B₁と基地局Ａとの間の回線が復旧した場
合には、中継局B₁はチヤネル識別用同期信号お
よびバツテリセービング同期信号の中継を開始
し、さらにこのバツテリセービング同期信号に同
期してバツテリセービング動作を行う。ところが
中継局B₂は自分自身のタイミングで電源「オン」
の期間になつたときに、偶然中継局B₁の電源
「オン」の期間と一致したときに、初めて中継局
B₂は基地局Ａからのチヤネル識別用同期識別お
よびバツテリセービング同期信号が受信でき以後
バツテリセービング同期信号に同期してバツテリ
セービング動作を行う。同様な動作が中継局B₃
〜B_oについても行われる。

〔発明が解決しようとする問題点〕

しかし、このような従来例の無線通信装置で
は、一つの中継局の上位局との回線が断でその中
継局および下位局が独自にバツテリセービングを
実施し、その回線が復旧してから全中継局および
子局が基地局のチヤネル識別用同期信号およびバ
ツテリセービング同期信号を受信できるようにな
りバツテリセービング同期信号に同期してバツテ
リセービング動作が行われるまでには時間がかか
る欠点があつた。

本発明は上記の欠点を解決するもので上位局と
の回線が断となつても無線機に無駄な電力を供給
し続けることを避け、消費電力を節減し、かつ基
地局の送信信号が受信できるとすぐに基地局のバ
ツテリセービング同期信号に同期してバツテリセ
ービング動作を行うことができる無線通信装置を
提供することを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明は、一つの基地局と、この基地局の送受
する無線信号を中継する一つ以上の中継局と、こ
の中継局を経由して上記基地局との間で無線信号
を送受する一つ以上の子局とを備え、上記各中継
局および上記子局は、上記基地局の送信信号に含
まれるチヤネル識別用同期信号およびバツテリセ
ービング同期信号に基づいてバツテリセービング
信号を発生する手段と、受信信号に上記チヤネル
識別用同期信号が規定時間以上連続して検出され
ないときに、上記バツテリセービング信号を出力
するバツテリセービングタイミング発生手段と、
このバツテリセービング信号により電源電流を開
閉する手段とを備えた時分割多元接続方式の無線
通信装置において、上記中継局は、上位局からの
チヤネル識別用同期信号が規定時間以上連続して
検出されないときに、このチヤネル識別用同期信
号を新たに発生して下位局に与える手段と、上位
局からのチヤネル識別用同期信号が規定時間以上
検出されないときに、タイミング発生手段の出力
に基づいてバツテリセービング同期信号を新たに
発生して下位局に与える手段とを含むことを特徴
とする。

〔作用〕

本発明は、中継局でチヤネル識別用同期識別が
規定時間以上連続して検出されないときに、チヤ
ネル識別用同期信号送出手段およびバツテリセー
ビング同期信号送出手段で下位局にチヤネル識別
用同期信号およびバツテリセービング同期信号を
送出することにより、上位局との回線が断となつ
ても無線機に無駄な電力を供給することを避け消
費電力を節減し、かつ回線が復旧するとすぐに基
地局のバツテリセービング同期信号に同期してバ
ツテリセービング動作を行うことができる。

〔実施例〕

本発明の実施例について図面を参照して説明す
る。

第２図は本発明の無線通信装置のバツテリセー
ビングのタイムチヤートである。第２図におい
て、T₀はバツテリセービング周期、T₀₁はバツテ
リセービング同期信号から遅れて電源を「オフ」
する遅延時間、（T₀₂−T₀₁）は電源「オフ」期間
およびT₀₃は電源「オン」期間を示す。第１図は
本発明一実施例通信制御装置の中継局のブロツク
構成図である。第１図において、図外の上位局か
らチヤネル識別用同期信号およびバツテリセービ
ング同期信号を含む無線信号がアンテナ１を介し
て受信機２の入力に接続され復調される。受信機
２の出力信号は再生回路３の入力に接続され再生
される。再生回路３の出力は送信機４の入力に接
続され変調される。送信機４の出力はアンテナ５
を介して下位局に送出される。

一方、受信機２の復調信号は分岐されて同期信
号検出回路６の入力およびバツテリセービング同
期信号検出回路７の入力に接続される。同期信号
検出回路６の出力はタイマ回路８の入力に接続さ
れる。タイマ回路８の出力がオアゲート９の一方
の入力に接続される。またバツテリセービングタ
イミング発生回路１０からバツテリセービングタ
イミング信号がオアゲート９の他の入力に接続さ
れる。オアゲート９の出力がアンドゲート１１の
一方の入力に接続される。

ここで同期信号検出回路６の検出信号を入力し
て規定時間T₀₂以内はタイマ回路８から「１」が
オアゲート９を介してアンドゲート１１に接続さ
れる。また、受信機２の復調信号は分岐されてバ
ツテリセービング同期信号検出回路７の入力に接
続される。バツテリセービング同期信号検出回路
７の検出信号がアンドゲート１１の他の反転入力
に接続される。アンドゲート１１から「０」が遅
延回路１２の入力およびタイマ回路１３の入力に
接続される。遅延回路１２から所定時間T₀₁後に
「１」がフリツプフロツプ回路１４のＲ入力に接
続され、リセツトする。フリツプフロツプ回路１
４のＱ出力から「０」がスイツチ回路１５の制御
入力に接続され、スイツチ回路１５は「オフ」す
る（フリツプフロツプ回路１４は初期状態として
セツトされていてＱ出力から「１」がスイツチ回
路１５の制御入力に接続されスイツチ回路１５は
「オン」状態にあるとする。）。タイマ回路１３か
ら所定時間T₀₂後に「１」がフリツプフロツプ回
路１４のＳ入力に接続されセツトされる。フリツ
プフロツプ回路１４のＱ出力から「１」がスイツ
チ回路１５の制御に接続され、スイツチ回路１５
は「オン」する。電源１６から電力がスイツチ回
路１５を介して受信機２および送信機４に接続さ
れる。

ここで本発明の特徴とするところは、一点鎖線
だ囲む同期信号送出部分である。すなわち、同期
信号検出回路６の検出信号が規定時間T₀₂以上入
力されないときには、タイマ回路８から「０」が
オアゲート９に接続される。また、タイマ回路８
から「０」が分岐されて同期信号送出回路１７の
入力に接続される。同期信号送出回路１７から入
力が「０」のときは、チヤネル識別用同期信号が
送信機４の入力に接続され、アンテナ５を介して
下位局に送出される。オアゲート９からバツテリ
セービングタイミング発生回路１０のバツテリセ
ービングタイミング信号がアンドゲート１１の一
方の入力およびバツテリセービング同期信号送出
回路１８の入力に接続される。バツテリセービン
グ同期信号検出回路７の出力は「０」であるので
アンドゲート１１からはバツテリセービングタイ
ミング信号が出力されバツテリセービングタイミ
ング信号に基づいてバツテリセービング動作が行
われる。またバツテリセービング同期信号送出回
路１８からバツテリセービング信号に基づいてバ
ツテリセービング同期信号が送信機４の入力に接
続され、送信機４からアンテナ５を介して下位局
に送出される。

このような構成の通信制御装置の中継局の動作
について説明する。基地局から送出されてくるチ
ヤネル識別用同期信号およびバツテリセービング
同期信号はアンテナ１を経て受信機２で復調さ
れ、再生回路３で再生された後に送信機４で変調
され、アンテナ５でさらに下位局へ送出される。
一方、受信機２で復調された信号は同期信号検出
回路６でチヤネル識別用同期信号が検出され、タ
イマ回路８へ入力される。タイマ回路８の出力は
チヤネル識別用同期信号を検出している間、また
規定時間以上連続してチヤネル識別用同期信号が
断とならない限り「１」となつており、この信号
はアンドゲート９に入力すると同時に同期信号送
出回路１７に入力している。同期信号送出回路１
７はタイマ回路８からの出力が「１」のときは動
作しない。いま、フリツプフロツプ１４のＱ出力
は「１」となつているので（説明を容易にするた
め最初はこの出力は「１」とする。）スイツチ回
路１５は「オン」となつており、電源１６から受
信機２および送信機４へ電力が供給されている。
この状態でバツテリセービング同期検出回路７で
バツテリセービング同期信号が検出されると、
「１」の信号が反転し「０」の信号がアンド回路
１１を経てタイマ回路１３および遅延回路１２を
制御する。バツテリセービング同期信号が検出さ
れると所定時間T₀₁後にフリツプフロツプ回路１
４をリセツトする。フリツプフロツプ回路１４の
Ｑ出力は「０」となるため、スイツチ回路１５は
「オフ」となるので受信機２および送信機４には
電源が供給されなくなる。

遅延回路１２はバツテリセービング同期信号を
検出しても所定時間T₀₁の間受信機２および送信
機４の電源を「オフ」としないで確実にバツテリ
セービング同期信号がさらに下位局へ送出できる
ようにしている。

一方タイマ回路１３の出力はバツテリセービン
グ同期信号を検出してから所定時間T₀₂後に
「１」となりフリツプフロツプ回路１４をセツト
する。フリツプフロツプ回路１４のＱ出力は
「１」となるためにスイツチ回路１５は「オフ」
となり、電源１６からの電力は受信機２および送
信機４に供給される。基地局からのバツテリセー
ビング同期信号は第２図に示すように周期T₀で
送出されてくるので、（T₀₂−T₀₁）の期間電源は
「オフ」となり、期間T₀₃の間電源は「オン」と
なるようにバツテリセービング動作が行われる。
一方タイマ回路８の出力は期間T₀₂の間同期信号
検出回路６からの出力がなくても「０」とはなら
ないようになつている。

いま、受信機２が故障するか上位局が故障しチ
ヤネル識別用同期信号およびバツテリセービング
同期信号が受信されなくなると同期信号検出回路
６で同期信号が検出されなくなるので、所定時間
T₀₂以上後にタイマ回路８の出力が「０」とな
る。同期信号送出回路１７からチヤネル識別用同
期信号が送出され送信機４にて変調された後にア
ンテナ５より下位局へ送出されるので、この中継
局より下位の中継局および子局は上記チヤネル識
別用同期信号に同期するようになる。さらに、オ
アゲート９の一方が「０」となるので、バツテリ
セービングタイミング発生回路１０のバツテリセ
ービングタイミング信号はオアゲート９を経てア
ンドゲート１１を制御すると同時にバツテリセー
ビング同期信号送出回路１８をも制御する。した
がつて、オアゲート９の出力が「０」のときにバ
ツテリセービング同期信号送出回路１８よりバツ
テリセービング同期信号が送出される。さらにア
ンドゲート１１の出力は「０」となるためにタイ
マ回路１３および遅延回路１２が動作し、この遅
延回路１２より所定時間T₀₁後にフリツプフロツ
プ回路１４がリセツトされるので、スイツチ回路
１５が「オフ」となり、受信機２および送信機４
に電力が供給されなくなる。

また、タイマ回路１３の出力は所定時間T₀₂後
に「１」となるのでフリツプフロツプ回路１４は
セツトされるためスイツチ回路１５は「オン」と
なり、受信機２および送信機４に再び電力が供給
される。このようにして基地局からのチヤネル識
別用同期信号が受信できなくなると、バツテリセ
ービングタイミング発生回路１０の周期によりバ
ツテリセービング動作すると同時に下位局はこの
中継局から送出されるチヤネル識別用同期信号お
よびバツテリセービング同期信号によりバツテリ
セービング動作を行う。

次に受信機２の故障が修理されるか、または予
備機に切換えられ基地局からのチヤネル識別用同
期信号およびバツテリセービング同期信号が受信
できるようになると、再び基地局Ａからのチヤネ
ル識別用同期信号に同期し、下位の中継局および
子局も同時にバツテリセービング動作を行うよう
になる。

〔発明の効果〕

以上説明したように、本発明は、基地局から送
出されてくる信号が規定時間以上検出できなくな
ると、中継局がチヤネル識別用同期信号を発生し
て下位局へ送出しまた中継局が持つているバツテ
リセービングタイミング発生回路からの出力信号
に基づいてバツテリセービング同期信号を下位局
へ送出すると同時に無線機への電源供給を制御す
ることにより、バツテリセービング動作を継続す
る。これにより、上位局との回線が断となつても
無線機に無駄な電力を供給し続けることを避け、
消費電力を節減することができ、かつ基地局から
の信号が受信できると即時に全中継局および子局
は上記基地局からのバツテリセービング同期信号
に同期してバツテリセービング動作を行うことが
できる優れた効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明一実施例無線通信装置の中継局
のブロツク構成図。第２図は本発明の無線通信装
置のバツテリセービングのタイムチヤート。第３
図は従来例の無線通信装置のブロツク構成図。 １，５……アンテナ、２……受信機、３……再
生回路、４……送信機、６……同期信号検出回
路、７……バツテリセービング同期信号検出回
路、８，１３……タイマ回路、９……オアゲー
ト、１０……バツテリセービングタイミング発生
回路、１１……アンドゲート、１２……遅延回
路、１４……フリツプフロツプ回路、１５……ス
イツチ回路、１６……電源、１７……同期信号送
出回路、１８……バツテリセービング同期信号送
出回路。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 一つの基地局と、 この基地局の送受する無線信号を中継する一つ
   以上の中継局と、 この中継局を経由して上記基地局との間で無線
   信号を送受する一つ以上の子局と を備え、 上記各中継局および上記子局は、 上記基地局の送信信号に含まれるチヤネル識別
   用同期信号およびバツテリセービング同期信号に
   基づいてバツテリセービング信号を発生する手段
   と、 受信信号に上記チヤネル識別用同期信号が規定
   時間以上連続して検出されないときに、上記バツ
   テリセービング信号を出力するバツテリセービン
   グタイミング発生手段と、 このバツテリセービング信号により電源電流を
   開閉する手段と を備えた時分割多元接続方式の無線通信装置にお
   いて、 上記中継局は、 上位局からのチヤネル識別用同期信号が規定時
   間以上連続して検出されないときに、このチヤネ
   ル識別用同期信号を新たに発生して下位局に与え
   る手段と、 上位局からのチヤネル識別用同期信号が規定時
   間以上検出されないときに、上記バツテリセービ
   ングタイミング発生手段の出力に基づいてバツテ
   リセービング同期信号を新たに発生して下位局に
   与える手段とを含むことを特徴とする無線通信装
   置。