JPH05338102A - 多層積層構造材 - Google Patents

多層積層構造材

Info

Publication number
JPH05338102A
JPH05338102A JP4147666A JP14766692A JPH05338102A JP H05338102 A JPH05338102 A JP H05338102A JP 4147666 A JP4147666 A JP 4147666A JP 14766692 A JP14766692 A JP 14766692A JP H05338102 A JPH05338102 A JP H05338102A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
layer
polyethylene resin
density polyethylene
density
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP4147666A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3085784B2 (ja
Inventor
Toshinori Saito
利則 斎藤
Kazuaki Naito
和明 内藤
Yutaka Watabe
裕 渡部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Showa Denko KK filed Critical Showa Denko KK
Priority to JP04147666A priority Critical patent/JP3085784B2/ja
Publication of JPH05338102A publication Critical patent/JPH05338102A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3085784B2 publication Critical patent/JP3085784B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N29/00Investigating or analysing materials by the use of ultrasonic, sonic or infrasonic waves; Visualisation of the interior of objects by transmitting ultrasonic or sonic waves through the object
    • G01N29/04Analysing solids
    • G01N29/11Analysing solids by measuring attenuation of acoustic waves
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N29/00Investigating or analysing materials by the use of ultrasonic, sonic or infrasonic waves; Visualisation of the interior of objects by transmitting ultrasonic or sonic waves through the object
    • G01N29/04Analysing solids
    • G01N29/09Analysing solids by measuring mechanical or acoustic impedance
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2291/00Indexing codes associated with group G01N29/00
    • G01N2291/02Indexing codes associated with the analysed material
    • G01N2291/028Material parameters
    • G01N2291/0289Internal structure, e.g. defects, grain size, texture
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2291/00Indexing codes associated with group G01N29/00
    • G01N2291/04Wave modes and trajectories
    • G01N2291/044Internal reflections (echoes), e.g. on walls or defects
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2291/00Indexing codes associated with group G01N29/00
    • G01N2291/26Scanned objects
    • G01N2291/269Various geometry objects
    • G01N2291/2695Bottles, containers

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Acoustics & Sound (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)
  • Cooling, Air Intake And Gas Exhaust, And Fuel Tank Arrangements In Propulsion Units (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 特定の接着材層を介して外側と内側の合成樹
脂層を積層した構造材において、燃料油の透過防止性能
に優れ、かつ接着材層の存在を非破壊で検知できるよう
にすること。 【構成】 外側はポリエチレン系樹脂層、内側はポリア
ミド系樹脂、エチレン−酢酸ビニル鹸化物系樹脂、ニト
リル系樹脂から選ばれた樹脂層で、接着材層は不飽和カ
ルボン酸又はその誘導体で変性した高密度ポリエチレン
樹脂又はこれと高密度ポリエチレン樹脂の組成物からな
り、接着材層の音響インピーダンスを外側のポリエチレ
ン樹脂層のそれより所定値以上高くして非破壊検知を可
能とした多層積層構造材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は接着材層を介在せしめた
少なくとも三種三層の層構成を有する多層積層構造材に
関する。さらにくわしくは、該構造材を構成する接着材
層の存否について超音波による非破壊検知が可能で、特
に自動車の燃料油容器(タンク)に好適な多層積層構造
材に関する。
【0002】
【従来の技術】多層積層構造材として燃料油タンクを例
にとり説明すれば、以前金属製のものが使用されていた
が、タンクの軽量化、形状の自由度および容量のアッ
プ、防錆性などの点から合成樹脂製のタンクに移行して
おり、しかも、材料としては高密度ポリエチレン樹脂の
みからなるタンクでは、燃料油の気液の透過に対するバ
リヤー性の点で問題があったので、その一対策としてタ
ンクを多層化し、各層の材料として高密度ポリエチレン
樹脂、変性ポリエチレン樹脂、ポリアミド樹脂などを用
いた複数層からなる燃料油タンクが提案されている[た
とえば、栗原ら「エスエイイー・テクニカル ペーパー
シリーズ(SAE Technical Paper Series)」 NO.8703
04(1978年2月23〜27)、福原「プラスチックエージ」
第35巻、第3号、第129 頁(1989)]。
【0003】この複数層構成においては、外層に高密度
ポリエチレン樹脂、中間層に接着性を有する変性ポリエ
チレン樹脂、内層にポリアミドを用いた三種三層構成や
最内外層に高密度ポリエチレン樹脂、中間層にポリアミ
ド樹脂、最内外層と中間層との間に接着性樹脂層を設け
た三種五層の構成などが燃料油の透過防止性能を有する
燃料油タンクの層構成として極めて有望視されている。
更に、類似技術として、たとえばポリアミド樹脂と接着
性を有する変性ポリオレフィン樹脂との組合わせからな
る、変性ポリオレフィン樹脂層/ポリアミド樹脂層なる
構成を少なくとも有する多層容器も開示されている。ま
た、メチルアルコールやエチルアルコールなどのアルコ
ール含有ガソリンのバリヤー材としてポリアミド系樹脂
に代わりエチレン酢酸ビニル鹸化物(EVOH)系樹脂
やニトリル系樹脂が有望視されている。
【0004】ところで、このような多層構造を有する容
器では容器の保形性とか機械的特性に寄与する主材層と
ポリアミド系樹脂、EVOH系樹脂、ニトリル系樹脂の
ごときバリヤー材的機能を付与する中間層との間の接着
材層の確実な存在を確認することが後記のごとく極めて
重要であり、この確認方法としてはたとえば特開昭63-2
60417 号公報によると、多層パリソン中の所定の層に鉄
粉やガラスファイバーのごとき検出体を混入し、鉄粉の
場合では磁気センサーにて、またガラスファイバーの場
合では超音波ヘッドを用いて接着材層の存否を検出する
方法が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】自動車に搭載されてい
る燃料油タンクは重要保安部品の一つとして位置づけら
れており、極めて厳しく高いレベルの性能が要求されて
いる。したがって、燃料油の透過防止性能を付与した多
層燃料油タンクについても同様であり、該タンクに用い
られる主材層としての高密度ポリエチレン樹脂等、接着
材としての変性ポリエチレン樹脂およびバリヤー材とし
てのポリアミド樹脂等について、一段と厳しくタンク用
材料としての性能が要求されていることはもちろんであ
るが、特に接着材層としての変性ポリエチレン樹脂はポ
リエチレン樹脂とポリアミド樹脂等との高い接着性や種
々の環境下におけるその長期耐久性がすぐれているばか
りではなく、すぐれた機械的特性、熱的特性および化学
的特性を有し、かつ成形加工性が良好でなければならな
い。しかし製品(燃料油タンク)中における接着材層の
確実な存在はこれらの特性発揮の大前提であるため、そ
の存在の確認方法の確立は重要課題である。
【0006】つまり、該多層液体燃料油タンクにおい
て、なんらかの原因で中間に位置する接着材層の全部あ
るいは一部欠落した部位が存在すると、耐衝撃性などの
機械的特性の低下を招くのみならず、長期耐久性におい
て燃料油などが該欠落部位に滞留したり、該部位から透
過したり、各層間に侵入したりして該タンクの諸物性を
著しく低下させ、重大な問題を引き起す原因となる。そ
のために前記のごとき多層の燃料油タンクのような製品
では、中間に位置する接着材層の確実な存在の確認が重
要な生産管理項目となっている。しかし、このような多
層構造を有する製品を破壊することなく、また前記のご
とき、容器材料としては不要な鉄粉やガラスファイバー
のごとき材料を混合することなく、該接着材層が存在す
ることを確認する公知の技術はない。
【0007】もっともバリヤー材にポリアミド樹脂を用
いた多層構造容器中のポリアミド樹脂層の存在を該容器
を破壊することなく検知するには超音波反射法を用いて
行うことができることは知られているが、本発明のごと
き少なくとも高密度ポリエチレン樹脂層/変性ポリエチ
レン樹脂層/ポリアミド系樹脂層等の構成を有する多層
多層積層構造材中の変性ポリエチレン樹脂層の確実な存
在を該容器を破壊することなく、検知することは困難で
あり、検討を試みた例は発明者等による特願平2−30
5801、特願平2−315484の他にない。前記二
つの発明は接着材層の音響インピーダンスを主材層より
低くすることを特徴としている。接着材層の音響インピ
ーダンスを主材層よりも高くすることは、音響インピー
ダンスの低い材料より通常耐衝撃が低いが音波の減衰が
少ないため大きな反射波を与え、検知し易いという特徴
を持つ。以上のことから、本発明はこれまで検出方法の
しられていなかった変性ポリエチレンの存在を検知可能
とすることにより、接着材層としての変性ポリエチレン
樹脂が確実に存在する多層積層構造材を提供することを
目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明はこの課題を解決
すべく鋭意研究をした結果、主材層と特殊な組成の接着
材層との間の超音波による音響インピーダンスの差を考
慮することにより解決することを見いだし、本発明を完
成した。即ち、本発明の要旨は、接着材層を介して外側
にポリエチレン系樹脂を主成分とする主材層および内側
にポリアミド系樹脂、EVOH系樹脂、ニトリル系樹脂
から選ばれた樹脂層が積層されてなる層構造を有する多
層積層構造材であり、該接着材層は密度 0.950g/cm
3 以上、MFR0.01g/10分以上、主鎖のC数1000個当
りの短鎖の分岐数20個以下の高密度ポリエチレン樹脂、
不飽和カルボン酸および/またはその誘導体でグラフト
変性した前記高密度ポリエチレン樹脂から選ばれる少な
くとも変性高密度ポリエチレン樹脂を 0.1重量%以上含
む樹脂からなる密度 0.950g/cm2 以上、グラフトさ
れた前記酸および/またはその誘導体含量 0.001〜5.0
重量%、20〜25MHzの超音波による音響インピーダンス
が主材のそれに対して 8.5×10-3g/cm2・μsec 以
上高くした樹脂組成物からなる多層積層構造材にある。
以下本発明を具体的に説明する。本発明に係る多層積層
構造材は、接着材層を介して外層にポリエチレン系樹脂
を主成分とする主材層および内側にポリアミド系樹脂等
のバリヤー性樹脂層が積層されてなる層構造を有してい
る。
【0009】(A)主材層 本発明における主材層の成分として使われるポリエチレ
ン系樹脂としては、エチレン単独重合体およびエチレン
とα−オレフィンとの共重合体があげられる。該α−オ
レフィンは一般には炭素数が3〜12個(好ましくは、3
〜8個)のオレフィンである。代表的なα−オレフィン
としては、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、オ
クテン−1および4メチルペンテン−1があげられる。
【0010】該ポリエチレン系樹脂のうち、好ましいも
のとしては、密度が 0.950g/cm3 以上(好適には、
0.960g/cm3 以上)のエチレン単独重合体およびエ
チレンとα−オレフィンとの共重合体からえらばれるエ
チレン系重合体である。さらにこれらのエチレン単独重
合体及びエチレンとα−オレフィンとの共重合体に密度
が 0.950g/cm3 未満のエチレンとα−オレフィン以
外のモノマーとの共重合体ならびにプロピレン単独重合
体およびプロピレンとエチレンまたは他のα−オレフィ
ンとの共重合体などを配合し、得られるエチレン系共重
合体組成物の密度が 0.950g/cm3 以上( 好適には、
0.960 g/cm3 以上)のものも好んで使用することが
できる。これらのエチレン系重合体のうち、とりわけ密
度が 0.950g/cm3 以上ないし高密度ポリエチレンが
好適である。
【0011】該ポリエチレン系樹脂のMFRは特に限定
するものではないが、成形加工性の点から、一般には
0.005g/10分以上であり、0.01g/10分以上のものが
好ましく、特に 0.020g/10分以上のものが好適であ
る。本発明においては前記のポリエチレン系樹脂には一
般に添加されている充填剤を添加してもよい。該充填剤
としては,炭酸カルシウム、タルク、マイカ、ガラス繊
維、カーボン繊維、金属繊維、そのほかの無機繊維およ
び有機高分子の繊維(たとえばポリエステル繊維、およ
びポリアミド繊維)があげられる。本発明において、前
記ポリエチレン系樹脂にエラストマー、他の合成樹脂お
よび/または充填剤を配合する場合、これらの組成割合
は好ましくは合計量としてほぼ5重量%を超えないこと
である。
【0012】(B)接着材層 本発明における接着材層は密度 0.955g/cm3
上、MFR0.01g/10分以上、主鎖のC数1000個あたり
の短鎖分岐数20個以下の高密度ポリエチレン樹脂、不
飽和カルボン酸および/またはその誘導体でグラフト変
性した前記の高密度ポリエチレン樹脂から選ばれる1
ないし2個の樹脂を含むことを第1の要件、上記選ばれ
た樹脂には少なくとも前記のグラフト変性された高密
度ポリエチレン樹脂を接着材層中 0.1重量%以上、グラ
フトされた前記酸および/または誘導体を接着材層中
0.001〜5.0 重量%含有することを第2の要件、20〜25M
Hz の超音波による接着材層の音響インピーダンスが主
材層のそれに対して 8.5×10-3g/cm2 ・μsec 以上
高くした樹脂組成物であることを第3の要件とする。
【0013】(B−1)第1の要件について 本発明の接着材層は、変性高密度ポリエチレン樹脂のみ
からなるか又は未変性高密度ポリエチレン樹脂と変性高
密度ポリエチレン樹脂の組成物からなる。なお、以下
「変性」とは、不飽和カルボン酸および/またはその誘
導体がグラフトしているものを指し、「未変性」とは、
グラフトしていないものを指す。
【0014】以下、各組成成分およびそれらの製造方法
について具体的に説明する。 (B−1−1)高密度ポリエチレン樹脂 本発明の接着材層において使われている高密度ポリエチ
レン樹脂および後記の変性高密度ポリエチレン樹脂の製
造に用いられる高密度ポリエチレン樹脂はいずれもエチ
レン単独またはエチレンと炭素数が3〜12個(好ましく
は、3〜8個)のα−オレフィンとをいわゆるフィリッ
プス系触媒またはチーグラー触媒の存在下で単独重合あ
るいは共重合させることによって得られるものであり、
一般には常圧ないし約100 kg/cm2 の圧力で製造(中
ないし低圧法重合)されるものである。該α−オレフィ
ンの好ましいものとしては、プロピレン、ブテン−1、
ヘキセン−1、4メチルペンテンー1およびオクテン−
1があげられる。その共重合割合は多くとも 6.5重量%
以下であり、とりわけ 6.0重量%以下が望ましい。この
高密度ポリエチレン樹脂の主鎖の炭素原子1000個当りの
短鎖の分岐数は多くとの20個である。
【0015】また、密度は 0.950g/cm3 以上であ
り、 0.958g/cm3 以上が好ましく、特に 0.960g/
cm3 以上が好適である。密度が 0.950g/cm3 未満
のポリエチレン樹脂を用いると、得られる組成物を用い
て成形される製品の超音波検知性などの点で劣る。さら
に、MFRは0.01g/10分以上であり、 0.015g/10分
以上が望ましく、とりわけ0.02g/10分以上が好適であ
る。MFR0.01g/10分未満では、成形加工の点でよく
ない。また、上限は特に限定する訳ではないが、通常50
g/10分であり、特に35g/10分以下が好ましい。
【0016】特に後記の変性高密度ポリエチレン樹脂で
は、原料高密度ポリエチレン樹脂のMFRが0.01g/10
分未満では、グラフト変性条件にもよるが、得られるグ
ラフトされた高密度ポリエチレン樹脂のMFRは、一般
にはグラフトに使った高密度ポリエチレン樹脂のMFR
よりもさらに低くなり、成形加工性が低下するとともに
グラフトされていない高密度ポリエチレン樹脂と混合物
を製造するさいの相容性が著しく低下し、均一な組成物
を得ることができない。この変性ポリエチレン樹脂のM
FRとしては、一般には0.05g/10分以上が望ましく、
とりわけ 0.1g/10分以上が好適である。これらの高密
度ポリエチレン樹脂はそれぞれ単独で使用してもよく、
二種以上を併合してもよい。
【0017】(B−1−2)変性高密度ポリエチレン樹
脂 本発明において使用される変性高密度ポリエチレン樹脂
は前記の高密度ポリエチレン樹脂に後記の不飽和カルボ
ン酸および/またはその誘導体をラジカル開始剤の存在
下で処理することによって得ることができる。このさ
い、グラフトされる高密度ポリエチレン樹脂と親和性の
ある後記の合成樹脂やエラストマー(ゴム)を存在させ
てもよい。グラフト処理に用いられる不飽和カルボン酸
及びその誘導体としては、一塩基性不飽和カルボン酸お
よび二塩基性不飽和カルボン酸ならびにこれらの金属
塩、アミド、イミド、エステルおよび無水物があげられ
る。これらのうち、一塩基性不飽和カルボン酸の炭素数
は一般には多くとも20個(好ましくは、15個以下)であ
る。また、その誘導体の炭素数は通常多くとも20個( 望
ましくは、15個以下)である。さらに、二塩基性不飽和
カルボン酸の炭素数は一般には多くとも30個(好ましく
は、25個以下)である。
【0018】これらの不飽和カルボン酸およびその誘導
体の代表例は特開昭62-10107号公報に記載されている。
これらの不飽和カルボン酸およびその誘導体のなかで
も、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸およびその
無水物、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸およ
びその無水物ならびにメタクリル酸グリシジルが好まし
く、特に無水マレイン酸および5−ノルボルネン酸無水
物が好適である。さらに、上記グラフト変性に用いられ
るラジカル開始剤としては、通常その1分半減期の分解
温度は 100℃以上であり、 103℃以上のものが望まし
く、とりわけ 105℃以上のものが好適である。好適なラ
ジカル開始剤としては、ジクミルパーオキサイド、ベン
ゾイルパーオキサイド、ジ−第三級−ブチルパーオキサ
イド、2,5 −ジメチル−2,5 −ジ(第三級−ブチルパー
オキシ)ヘキサン、2,5 −ジメチル−2,5 −ジ(第三級
−ブチルパーオキシ)ヘキサン−3 −ラウロイルパーオ
キサイド、第三級−ブチルパーオキシベンゾエートなど
の有機過酸化物があげられる。
【0019】なお、グラフト反応の際、共存させること
のできる合成樹脂およびエラストマーについて説明す
る。合成樹脂としては、高圧低密度ポリエチレン樹脂、
エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸
共重合体、エチレン−メチルアクリレート共重合体、エ
チレン−ブチルアクリレート共重合体、エチレン−メチ
ルメタクリレート共重合体などのエチレンと他のビニル
モノマーとの共重合体があげられる。
【0020】また、エラストマーとしては、エチレン−
プロピレン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−ジエ
ン三元共重合ゴム、エチレン−ブテン−1共重合ゴムな
どのエチレンン−α−オレフィン系共重合ゴム、ポリイ
ソブチレンゴム、ポリウレタンゴム、スチレン−ブタジ
エン共重合ゴム、ポリブタジエンゴムなどの合成ゴムお
よび天然ゴムがあげられる。高密度ポリエチレン樹脂に
占めるこれらの合成樹脂、エラストマーの割合は一般に
は多くとも5重量%であり、特に3重量%以下が好まし
い。高密度ポリエチレン樹脂との合計量中に占める上記
合成樹脂および/またはエラストマーの割合が合計量と
して5重量%を超えると、高密度ポリエチレン樹脂の基
本的特性を損なうことがある。
【0021】本発明において用いられる変性ポリエチレ
ン樹脂を製造するにあたり、グラフトされる高密度ポリ
エチレン樹脂100 重量部に対して使用される不飽和カル
ボン酸および/またはその誘導体ならびにラジカル開始
剤の割合は下記の通りである。不飽和カルボン酸および
/またはその誘導体は、それらの合計量として、一般に
は0.01〜5.0 重量部であり、 0.01 〜3.0 重量部が好ま
しく、特に0.02〜2.0重量部が好適である。不飽和カル
ボン酸およびその誘導体の割合がそれらの合計量として
0.01重量部未満では、グラフト変性が不充分となり、本
発明の目的とする親和性または接着性の点において問題
がある。一方 5.0重量部を超えると、得られるグラフト
変性高密度ポリエチレン樹脂がそれぞれゲル化したり、
着色や劣化などを招く恐れがあり、本発明の目的の性能
の向上が認められなくなる。
【0022】また、ラジカル開始剤の割合は、通常 0.0
01〜1.0 重量部であり、0.05〜1.0重量部が望ましく、
とりわけ 0.005〜0.5 重量部が好適である。ラジカル開
始剤の割合が 0.001重量部未満では、グラフト変性の効
果の発揮が乏しく、グラフト変性を完全に行なうために
長時間をようするばかりでなく、未反応物が混在する結
果となる。一方、1.0 重量部を超えると、過度の分解ま
たは架橋反応を起こすために好ましくない。
【0023】本発明の変性高密度ポリエチレン樹脂は前
記の高密度ポリエチレン樹脂(場合により、他の合成樹
脂および/またはエラストマーを共存させる)、不飽和
カルボン酸および/またはその誘導体ならびにラジカル
開始剤を前記の割合の範囲内で処理することによって製
造することができる。その処理方法とは特開昭62-10107
号公報や同61-132345 号公報などに記載されているごく
公知の方法を採用すればよい。具体的には押出機やバン
バリーミキサー、ニーダーなどを用いて高密度ポリエチ
レン樹脂などを溶融状態で混練する方法、適当な溶媒に
高密度ポリエチレン樹脂などのポリマーを溶解して行な
う溶液法、高密度ポリエチレン樹脂などのポリマーの粒
子を懸濁状で行なうスラリー法、あるいはいわゆる気相
グラフト法があげられる。
【0024】処理温度としては、高密度ポリエチレン樹
脂などのポリマーの劣化、不飽和カルボン酸やその誘導
体の分解、使用するラジカル開始剤の分解温度などを考
慮して適宜選択されるが、前記の溶融状態で混練する方
法を例にとると、通常 100〜350 ℃であり、 150〜300
℃が望ましく、とりわけ 180〜300 ℃が好適である。も
ちろん、このようにして本発明の変性高密度ポリエチレ
ン樹脂を製造することが、その性能を向上する目的で、
特開昭62-10107号公報記載のごとくすでに公知の処理
法、たとえばグラフト変性時あるいはグラフト変性後に
エポキシ化合物またはアミノ基もしくは水酸基などを含
む多官能性化合物で処理する方法、さらに加熱や洗浄な
どによって未反応モノマー(不飽和カルボン酸やその誘
導体)や副生する諸成分などを除去する方法を採用する
ことができる。
【0025】(B−2)第2の要件について 接着材層中における変性ポリエチレン系樹脂の組成割合
は少なくとも 0.1重量%であり、しかも、接着材層中の
グラフトした不飽和カルボン酸および/またはその誘導
体の割合はそれらの合計量として 0.001〜5.0 重量%で
ある。一般に、ポリマー(本発明の場合では、高密度ポ
リエチレン樹脂)にモノマー(本発明の場合では、不飽
和カルボン酸やその誘導体)をグラフト変性するさい、
かならずしもすべてのポリマーにモノマーがグラフトす
ることは難しく、その一部がグラフトしていないポリマ
ーが存在する。本発明においては、グラフトしていない
高密度ポリエチレン樹脂を分離することなく、そのまま
使用してもよい。また、グラフト処理していない高密度
ポリエチレン樹脂をさらに配合してもよい。
【0026】以上のいずれの場合でも、本発明の接着材
層中に占めるグラフトしたモノマーの割合はそれらの合
計量として 0.001〜5.0 重量%であり、0.01〜2.0 重量
%が望ましく、とりわけ0.02〜1.0 重量%が好適であ
る。接着材層中に占めるグラフトしたモノマーの割合が
それらの合計量として 0.001重量%未満では、本発明の
種々の効果を充分に発揮することができない。一方 5.0
重量%を超えたとしても、本発明の効果をさらに向上す
ることができない。
【0027】本発明に使用される樹脂組成物を製造する
にあたり、該組成物の効果を実質的損なわない範囲でポ
リオレフィン系樹脂の分野において一般に使用されてい
る酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、帯電防
止剤、顔料(着色剤)などの添加剤を配合することがで
きる。該組成物を製造するための混合方法としては、合
成樹脂の分野において一般んい行なわれている各種の混
合方法、すなわちタンブラーやヘンシェルミキサーのご
とき混合機を使ってドライブレンドする方法、押出機、
ニーダー、バンバリーミキサーおよびロールのごとき混
練機を用いて溶融混練する方法のいずれかの方法を採用
することができる。このさい、これらの混合方法のう
ち、二つ以上を実施することによって一層均一な組成物
を得ることができる(たとえば、あらかじめドライブレ
ンドし、得られる混合物をさらに溶融混練する方法)。
【0028】以上のようにして得られる接着材層の密度
は 0.955g/cm3 以上が必要であり、特に 0.958g/
cm3 以上が望ましい。接着材層の密度が 0.955g/c
3未満では、超音波検知性がよくない。この密度 0.95
5g/cm3 以上を得るには、変性または未変性高密度
ポリエチレン樹脂各密度を考慮すれば容易に配合比を決
め得る。
【0029】(B−3)第3の要件について 本発明における前記した主材層の音響インピーダンス
(Z0 )は、20〜25MHzの超音波を用いて測定したZ0
が凡そ2.28×10-1g/cm2 ・μsec 以下が好ましく、
2.20×10-1g/cm2 ・μsec 以下がさらに好ましい。
その下限は2.00×10-1g/cm2 ・μsec 程度である。
また接着材層の音響インピーダンス(Z1)は2.08×10
-1g/cm2 ・μsec 以上が好ましく、2.28×10-1g/
cm2 ・μsec がさらに好ましい。その上限は2.60×10
-1g/cm2 ・μsec 程度である。本発明においてZ1
はZ0 より高いが、非破壊法で接着材層の存在の有無を
検知することができるためには接着材層の音響インピー
ダンス(Z1 )との差Z1−Z0 が 8.5×10-3g/cm2
・μsec 以上、望ましくは 9.0×10-3g/cm2・μse
c 以上、より好適には 9.5×10-3g/cm2 ・μsec 以
上あることが必要であることがわかった。従って前記し
た主材層、接着材層の中から、このような音響インピー
ダンスの差が出るように材料を組合せて使用する。音響
インピーダンスの差が 8.5×10-3g/cm2 ・μsec 未
満では主材層の内側にある接着材層の存在の有無の検知
が極めて困難になる。
【0030】(B−4)接着材層の樹脂の製造 この樹脂を製造するために溶融混練する場合各種のポリ
エチレン系樹脂、他の合成樹脂あるいはエラストマーが
溶融する温度で実施する必要がある。しかし、高い温度
で実施すると、これらが熱分解することがある。以上の
理由により、一般には 170〜300 ℃(好ましくは、190
〜280 ℃)で実施すればよい。
【0031】(C)バリヤー材層 (C−1)ポリアミド系樹脂 本発明においてバリヤー材層に使われるポリアミド樹脂
としては、ナイロン6、ナイロン6の共重合体、変性ナ
イロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6-6 があ
げられる。なかでも、融点が絶乾時において 265℃以下
のものが好ましく、特に 230℃以下のものが好適であ
る。これらのポリアミド樹脂は単独でもよく、さらに二
種以上を混合したものでもよい。特にナイロン6系のポ
リアミド樹脂が好適である。該樹脂の相対粘度[ηr]
は2〜7が望ましく、とりわけ 2.5〜7が好適である。
【0032】(C−2)EVOH系樹脂 同様にEVOH系樹脂としては、エチレン含量が25%以
上40%以下のものがあげられる。なかでも、25%以上35
%以下のものが望ましく、特に25%以上32%以下のもの
が好適である。
【0033】(C−3)ニトリル系樹脂 さらにニトリル系樹脂としてはアクリロニトリルを60%
以上含む樹脂でアクリル酸エステル、メタクリル酸エス
テル、ブタジエン、スチレンなどとの共重合体が好まし
い。極性のニトリル基のために、酸素や炭酸ガスを透し
にくくガスバリヤー性樹脂として知られているものであ
る。これらは2種以上混合あるいは共重合したものでも
よい。
【0034】(D)多層積層構造材の製造法 本発明の多層積層構造材を製造するには、主材層とバリ
ヤー材層の間に接着材層を介在させるようにそれぞれ共
押出する成形機を備え、かつ多層ダイ(同心円状)を有
する多層ブロー成形機を用いてブロー成形する方法が代
表例である。該ブロー成形法については、特開昭62-104
707 号公報、“ポリマーダイジェスト”1988年3月号
(第40巻,第3号,第33〜42頁)および“プラスチック
エージ”,1989年3月号,第129 〜136 頁に詳細に記載
されている。このようにして得られる本発明の多層積層
構造材において、接着材層およびポリアミド系樹脂層等
の厚さは、実用上いずれも25μmないし3mmであり、特
に40μmないし2mmが好ましい。また、主材層の厚さは
0.5 〜10mmであり、とりわけ0.5 〜7mmが望ましい。
【0035】本発明の多層積層構造材の構成としては、
代表的な構成例は特開昭64-38233号および同64-38232号
各公報に詳細に記載されている。主材層をA、接着材層
をB、バリヤー樹脂層をCとすると、A/B/C、A/
B/C/B、A/B/C/B/A、あるいはこれらの構
成の繰返しの構成や、さらに再生材層をDとすると、A
層とB層との間、あるいはD/A/B/CやA/B/C
/B/DのごとくAやBの外側にD層を設けてもよい。
もちろん、これらの組合せ(たとえば、D/A/D/B
/C)でもよい。このようにして得られる多層積層構造
材を製造するさいに発生するバリを微粉砕し、主材層に
混合してもよい。
【0036】
【実施例】以下、実施例によって本発明をさらにくわし
く説明する。実施例ではバリヤー層としてEVOH系樹
脂を使用したが、ポリアミド系樹脂、ニトリル系樹脂に
ついても同様である。なお、ここでは多層積層構造材と
して燃料油容器(タンク)を成形し、試験した。実施例
および比較例において、密度はJIS K7112 のA法にした
がって測定した。また、音響インピーダンス(Z)はピ
エゾ素子を振動板とした垂直探触子を装備した超音波厚
さ計(日本パナメトリクス社製、型式5215改)を用い、
得られた各多層積層構造材に超音波(周波数20MHz )を
厚さ方向に入射したさいの音速を求め、前記の密度と次
式によって算出した。 Z=ρ×c ρ:密度、c:音速
【0037】さらに、接着材層の検知性の判定は、前記
の音響インピーダンスの測定に用いた装置を使用し、超
音波(周波数20MHz )を三種五層の多層積層構造材(厚
さ;主材層3mm、接着材層 0.15mm 、EVOH層 0.10m
m 、接着材層 0.15mm 、主材層3mm)に入射し、それぞ
れの界面で反射するパルス波を記録用ポラロイドカメラ
を装備した波形観察用オシロスコープにて出力し、該カ
メラにてパルス波形を記録した。この記録のモデルを図
1に示す。図1は反射波の強度、横軸は容器の表面から
の厚み方向の距離を示す。図1の左側から入力したパル
スは主材層表面が「イ」で示す反射波強度ピークを示
し、次にパルスの一部は容器壁の中にはいり、ピーク
「イ」とピーク「ロ」との間の距離に相当する主材層厚
みを通過し、接着材表面(主材層との界面)でピーク
「ロ」を示す反射をする。本例(図)の場合、ピーク
「イ」と「ロ」が同方向を示しているのは、主材層の音
響インピーダンス(Z0 )に対し接着材層のそれ(Z
1 )の値が高い(Z0 <Z1 )ことを示すもので、当然
1 <Z0 であれば逆方向のピーク高さを示す。次にパ
ルスの更に一部は接着材層の厚み(ピーク「ロ」とピー
ク「ハ」との間の距離を通過後、接着材層とEVOH樹
脂層との界面でピーク「ハ」を示す反射をする。EVO
H樹脂層(ピーク「ハ」とピーク「ニ」との距離)を通
過後ピーク「ニ」なる反射をする。この測定法をとる場
合、主材層と接着材層の界面のピークとの差をh1、ま
た接着材層とEVOH層の界面ピークの差をh2 とし、
1 /h2 が 0.08 未満では「検知性なし」とし、h1
/h2 が0.08以上では「検知性あり」と判断した。その
理由は、h1 /h2 が0.08未満ではピーク「ロ」とノイ
ズによる波形の乱れの区別(識別)が極めて困難となる
ことにある。
【0038】また、接着強度は得られた各容器の平面部
より、幅が10mm、長さが150mm の切片を切りとり、接着
材とEVOH層間の接着強度をT型剥離法にてテンシロ
ン型引張試験機を用い、剥離速度が50mm/分の条件で測
定した。実施例および比較例において接着材層に用いる
各種ポリエチレン樹脂は次のようにして製造した。
【0039】密度が 0.960g/cm3 であり、MFRが
0.80g/10分である高密度ポリエチレン樹脂[以下「H
DPE(1)」という]の粉末100 重量部に0.01重量部
の2,5-ジメチル-2,5- 第三級- ブチルパーオキシヘキサ
ンを添加し、2分間ヘンシェルミキサーを使ってドライ
ブレンドをおこなった。ついで 0.35 重量部の無水マレ
イン酸[以下[MAH」と云う]を加え、さらに2分間
ドライブレンドを行なった。得られた混合物を樹脂温度
が 260℃において押出機を用いて溶融混練しながらペレ
ットを製造した。得られた変性高密度ポリエチレン樹脂
[ペレット、以下「変性HDPE(a)」と云う]のグ
ラフトしたMAH量は0.32重量%であった。変性HDP
E(a)を製造する際に使ったHDPE(1)のかわり
に、密度が 0.950g/cm3 であり、かつMFRが0.12
g/10分である高密度ポリエチレン樹脂[以下「HDP
E(2)」と云う]を用いたほかは、変性HDPE
(a)製造の場合と同様にドライブレンドおよび溶融混
練を行ない、変性高密度ポリエチレン樹脂[以下「変性
HDPE(b)と云う]を製造した。変性HDPE
(b)のグラフトしたMAH量は0.30重量%であった。
【0040】さらに、接着材層に使用した未変性の線状
低密度ポリエチレン樹脂として、密度が 0.924g/cm
3 であり、かつMFRが 0.8g/10分、融点 120℃、主
鎖の炭素数1000個当りのエチル基(分岐)の数[以下
「分岐数」と云う]10個である線状低密度ポリエチレン
樹脂[以下「L−LDPE(1)」と云う]を用いた。
表1に種類ならびに配合量が示されている変性高密度
[以下「g−PE」と云う]および、未変性高密度ある
いは線状低密度ポリエチレン樹脂をあらかじめヘンシェ
ルミキサーを使用して5分間ドライブレンドを行なっ
た。得られた各混合物を樹脂温度が 210℃において押出
機(径50mm)を使って溶融しながら混練を行ない、ペレ
ット(組成物)を製造した。得られた組成物(接着材
層)のMAH含有量、密度および音響インピーダンスを
測定した。それらを表1に示す。得られた接着材層の略
称を表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】主材層として、ハイロードMFR(JIS K7
210 にしたがい、表1の条件が7で測定)が、5.0 g/
10分であり、かつ密度が 0.945g/cm3 であり、しか
も音響インピーダンスが2.23×10-1g/cm2 ・μsec
である高密度ポリエチレン樹脂[以下「HDPE
(A)」と云う]およびMFRが 0.5g/10分であり、
かつ密度が 0.948g/cm3 であり、しかも音響インピ
ーダンスが2.25×10-1g/cm2 ・μsec である高密度
ポリエチレン樹脂[以下「HDPE(B)」と云う]を
用いた。さらにEVOH樹脂は相対粘度が 4.2でエチレ
ン含有量30重量%である。
【0043】実施例1〜4、比較例1〜4 表1にそれぞれの種類が示されている主材層および接着
材層ならびに相対粘度が 4.2であるEVOH樹脂を主材
層/接着材層/EVOH樹脂層/接着材層/主材層の厚
さがそれぞれ 3.0mm/0.15mm/0.10mm/0.15mm/3.0mm
になるように 232℃においてそれぞれを共押出する成形
機を備えた多層ダイ(同心円状)を有する多層ブロー成
形機を用いてブロー成形し、内容量が45cm3 、総重量
が 6.5kgの自動車用燃料タンクを製造した。得られたタ
ンクのh1 /h2 、処理前および処理後の接着強度およ
び音響インピーダンスの差を測定した。それらの結果を
表2に示す。
【0044】
【表2】
【0045】実施例5 実施例1で得られたタンクをクラッシャーを使って粉砕
し、さらにこのものを同軸二軸押出機を用いて265 ℃の
温度で混練しながらペレットを製造した。得られたペレ
ット中のEVOHの分散粒径を光学顕微鏡を使用して観
察したところ、平均粒径は 45 μm(最大70μm)であ
った。該ペレットを30重量%および密度が 0.945g/c
3 であり、かつメルトフローレート(JIS K7210 にし
たがい、条件が7で測定)が 4.8g/10分である高分子
量高密度ポリエチレン樹脂70重量%からなる混合物をド
ライブレンドして製造した。これを主材層として使用し
たほかは、実施例1と同様にタンク(多層積層構造材)
を製造した。得られたタンクの検知性を同様に検知性の
お判定を行なったところ、h1 /h2 は0.12であり、検
知が可能であった。
【0046】
【発明の効果】本発明の多層積層構造材は下記のごとき
効果を発揮する。 (1)極めてすぐれた接着性および種々の耐久性を有す
る接着材層を使って構成されるため、苛酷な環境下にお
いてもすぐれた機能および性能を有する。 (2)もっともすぐれた点は、該構造体中における接着
材層を超音波反射法を使って破壊することなく、検知す
ることが可能であり、これは従来実用的に全く知られて
いない技術である。 (3)したがって、この特定の材料とその組合せた多層
積層構造材を用いることにより、接着材層の欠陥による
機能および性能の低下を最終製品になる前に検査の確認
を行なうことができ、品質および工程管理する上で、欠
落による機能または性能の低下を最終製品(燃料油容
器)にする前に確認することができる。 本発明の多層積層構造材は以上のごとき効果を発揮する
ために該構造を有する多層積層構造材として多方面にわ
たって利用することができる。代表的な用途を下記に示
す。 (1)ガソリンなどの燃料油(ガソホールも含む)の容
器 (2)各種工業缶
【図面の簡単な説明】
【図1】三種五層の容器の外側より超音波を入射し、各
界面での反射パルスを波形観察用オシロスコープにて出
力したパルス波形を示す。
【符号の説明】
イ 主材層表面ピーク ロ 主材層−接着材層界面のピーク ハ 接着材層(手前側)−バリヤー層界面のピーク ニ バリヤー層−接着材層(奥側)界面のピーク h1 ,h2 ピークの差
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01N 29/10 506 6928−2J // G01N 29/16 8105−2J

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 接着材層を介して外側にポリエチレン系
    樹脂を主成分とする主材層および内側にポリアミド系樹
    脂、エチレン酢酸ビニル鹸化物系樹脂、ニトリル系樹脂
    から選ばれた樹脂層が積層されてなる層構造を有する多
    層積層構造材であり、該接着材層は密度 0.950g/cm
    3 以上、MFR0.01g/10分以上、主鎖のC数1000個当
    たりの分岐数20個以下の高密度ポリエチレン樹脂、不飽
    和カルボン酸および/またはその誘導体でグラフト変性
    した前記高密度ポリエチレン樹脂から選ばれる、少なく
    とも変性高密度ポリエチレン樹脂を0.1 重量%以上含む
    樹脂からなる密度 0.950g/cm3 以上、グラフトされ
    た前記酸および/またはその誘導体含有量 0.001〜5.0
    重量%、20〜25MHz の超音波による音響インピーダンス
    が主材層のそれに対して 8.5×10-3g/cm2 ・μsec
    以上高くした樹脂組成物からなることを特徴とする多層
    積層構造材。
JP04147666A 1992-06-08 1992-06-08 多層積層構造材 Expired - Lifetime JP3085784B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04147666A JP3085784B2 (ja) 1992-06-08 1992-06-08 多層積層構造材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04147666A JP3085784B2 (ja) 1992-06-08 1992-06-08 多層積層構造材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05338102A true JPH05338102A (ja) 1993-12-21
JP3085784B2 JP3085784B2 (ja) 2000-09-11

Family

ID=15435531

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP04147666A Expired - Lifetime JP3085784B2 (ja) 1992-06-08 1992-06-08 多層積層構造材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3085784B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0759359A1 (en) * 1995-08-21 1997-02-26 Nippon Gohsei Kagaku Kogyo Kabushiki Kaisha Laminate and use thereof
WO1998005706A1 (en) * 1996-08-02 1998-02-12 Cryovac, Inc. Film having grafted fatty amide in outerfilm layer
EP0897099A2 (en) * 1997-08-12 1999-02-17 Walbro Corporation Ultrasonic thickness measurement of multilayer structures
US20210018469A1 (en) * 2018-03-30 2021-01-21 Tata Steel Limited Method of detecting crack propagation in wall of a metallurgical furnace and a detection unit

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0759359A1 (en) * 1995-08-21 1997-02-26 Nippon Gohsei Kagaku Kogyo Kabushiki Kaisha Laminate and use thereof
FR2738524A1 (fr) * 1995-08-21 1997-03-14 Nippon Synthetic Chem Ind Stratifie a base de copolymere evoh, recipient forme a partir de celui-ci et utilisation du recipient
US5849376A (en) * 1995-08-21 1998-12-15 Nippon Gohsei Kagaku Kogyo Kabushiki Kaisha Multi-layered laminate comprising hydrolyzed EVOH and use thereof
WO1998005706A1 (en) * 1996-08-02 1998-02-12 Cryovac, Inc. Film having grafted fatty amide in outerfilm layer
EP0897099A2 (en) * 1997-08-12 1999-02-17 Walbro Corporation Ultrasonic thickness measurement of multilayer structures
EP0897099A3 (en) * 1997-08-12 2000-10-04 Walbro Corporation Ultrasonic thickness measurement of multilayer structures
US20210018469A1 (en) * 2018-03-30 2021-01-21 Tata Steel Limited Method of detecting crack propagation in wall of a metallurgical furnace and a detection unit
US11994495B2 (en) * 2018-03-30 2024-05-28 Tata Steel Limited Method of detecting crack propagation in wall of a metallurgical furnace and a detection unit

Also Published As

Publication number Publication date
JP3085784B2 (ja) 2000-09-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH02107437A (ja) 中空容器
JP2003526697A (ja) グラフトポリエチレンおよび非グラフトポリエチレンのブレンドならびにスチレン含有ゴムをベースとする接着剤組成物
KR960007016B1 (ko) 다층적층 성형품
JPH08325425A (ja) グラフト化されたポリオレフィンを基剤とする同時押出バインダー
JP3776381B2 (ja) 接着性樹脂組成物及びそれを用いた多層積層構造体
WO1995026268A1 (en) Flexible multilayered composite
KR100360516B1 (ko) 공압출 결합제, 다층구조에 대한 그것의 용도 및 이에따라 얻어진 구조물
JP3105076B2 (ja) 燃料油容器
JP2614352B2 (ja) ポリエチレン系樹脂組成物
JP3085784B2 (ja) 多層積層構造材
JPH0813532B2 (ja) 燃料油容器
JP2518565B2 (ja) 燃料油容器
JP2518564B2 (ja) 多層積層構造材
JP2558358B2 (ja) 樹脂組成物
JPH0523184B2 (ja)
JP2972844B2 (ja) 樹脂組成物
JPH0441537A (ja) ポリエチレン系樹脂組成物
JP3345118B2 (ja) 樹脂組成物
JPH0939176A (ja) 多層積層構造物
JPH0813533B2 (ja) 多層積層構造材
JPH0523185B2 (ja)
JPH0554429B2 (ja)
JPH08259755A (ja) 樹脂組成物および積層体
JPH0377776B2 (ja)
JPH06104761B2 (ja) ポリエチレン系樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20000613

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080707

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080707

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090707

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090707

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100707

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110707

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110707

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120707

Year of fee payment: 12

EXPY Cancellation because of completion of term