JPH05337707A - 管の内壁の倣い切削装置 - Google Patents

管の内壁の倣い切削装置

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JPH05337707A
JPH05337707A JP14446092A JP14446092A JPH05337707A JP H05337707 A JPH05337707 A JP H05337707A JP 14446092 A JP14446092 A JP 14446092A JP 14446092 A JP14446092 A JP 14446092A JP H05337707 A JPH05337707 A JP H05337707A
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boring head
movable
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Akira Miura
明 三浦
Kenji Takita
賢二 滝田
Mitsuo Kirita
光雄 桐田
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Yoshikawa Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 管の倣い切削加工において、バイトの管の内
壁への追従性を更に高めて加工精度及び切削速度の向上
を図ること。 【構成】 管の中にボーリングヘッドを差し込み、管を
回転させることによってその内壁を倣い切削する装置に
おいて、ボーリングヘッドに、管の内壁へ向けて移動可
能な少なくとも3個の可動シューを配置し、ボーリング
ヘッドの内部に可動シューを外側に向けて油圧を負荷す
る作動油チャンバを設け、可動シューの周面に、管の内
壁を切削するバイト及び管の内壁を周方向に転動する転
動体を備える。また、作動油チャンバの中に軸線方向の
端面が臨むピストンを設け、このピストンを作動油チャ
ンバ側に向けて付勢する弾性手段を備え、ピストンを作
動油チャンバ内の作動油の圧力変動時の緩衝体とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、たとえばシームレス鋼
管等の管の内面を倣い切削するための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】シームレスパイプ等の鋼管はグラインダ
ーによる内壁の研削が行われていたが、この加工方法で
は能率が悪く、バイトによる連続内面切削が試みられる
ようになった。また、このような方式に代えて、より精
度が高く生産性にも優れたものとして、たとえば本出願
人が実願平1−128247号として提案し、実開平3
−65608号として出願公開されたものがある。これ
は、バイトを備えたボーリングヘッドに固定シュー及び
倣いシューを設けたもので、倣いシューを管内壁に弾性
的に当ててその偏心や真円度の程度に関係なく一様な切
削代での切削を可能としたものである。
【0003】このような倣い加工を利用したものは、複
数のシューをボーリングヘッドに組み込み、いずれか一
つのシューを可動式として管の内壁の形状に倣わせると
いうことがその基本的な構造である。そして、倣い機構
としては、スプリングによって倣いシューを受け、その
弾性反力によってシューを管の内壁に倣わせながら移動
させるものが採用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】先の公報に記載のもの
も含めて、倣いによって切削を進めていくものでは、管
の内壁にシューが接触し、これらによる倣いを利用して
シューとは別の位置のボーリングヘッドに配置したバイ
トによって切削を行わせる。
【0005】一方、従来構造では、ボーリングヘッドを
管の中に挿入する場合に、バイトが干渉して作業し難い
こと等の点から、たとえば2個のシューをボーリングヘ
ッドの半径方向に対向して位置させ、残りの一つのシュ
ーをこれらのシューの間に位置させる配置とすることが
多い。このようにすれば、3個のシューはボーリングヘ
ッドの周面の半分の領域に集まることになり、管の中へ
の差し込み時のトラブルの発生がなくなる。
【0006】ところが、倣い切削の場合、ボーリングヘ
ッドの周りにほぼ等しい円周ピッチでシューを配置した
ほうが、ボーリングヘッドを連結するバーの撓み変形等
による切削面の不安定性から考慮すると、良好な切削が
可能である。したがって、従来のボーリングヘッド周り
のシューの配列では、高い精度を要求される加工に対応
できず、バーの撓みも加工精度に大きな影響を及ぼす。
【0007】また、固定シューと倣いシューとの組合せ
では、スパイラル鋼管等のように内壁にスパイラル状の
凹凸を生じていると、バイトの追従が不足してしまう。
また、内径の大きな所を切削する場合、スプリングによ
るバイトの追従であるため、押し付け力が弱くなり、精
度低下の一つの原因となりやすい。
【0008】このように、従来の倣い方式の切削装置で
は、シューの円周方向の配列やシューの中に固定された
ものを含むこと等から、精度の向上には限界がある。
【0009】本発明において解決すべき課題は、バイト
の管の内壁への追従性を更に高めることによって、加工
精度及び切削速度の向上を図ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、管の一端を保
持してその軸線周りに回転させる回転駆動装置と、前記
管の軸線方向に進退可能なボーリングバーと、該ボーリ
ングバーの先端に取り付けられて前記管の中に挿入可能
なボーリングヘッドとを備えた倣い切削装置であって、
前記ボーリングヘッドに、前記管の内壁へ向けて移動可
能な少なくとも3個の可動シューを配置し、前記ボーリ
ングヘッドの内部に前記可動シューを外側に向けて油圧
を負荷する作動油チャンバを設け、前記可動シューの周
面に、前記管の内壁を切削するバイト及び該バイトによ
る切削面よりも中心側に周面が位置し前記管の内壁を周
方向に転動する転動体を備え、更に前記作動油チャンバ
の中に軸線方向の端面が臨むピストンを設け、該ピスト
ンを前記作動油チャンバ側に向けて付勢する弾性手段を
備え、前記ピストンを前記作動油チャンバ内の作動油の
圧力変動時の緩衝体としたことを特徴とする。
【0011】
【作用】ボーリングヘッドに組み込んだ可動シューは作
動油チャンバの中の作動油の圧力によって管の内壁側へ
付勢され、可動シューの転動体を管の内壁に当てて倣わ
せながらバイトによって一定の切削代で切削していく。
複数の可動シューは共通の作動油圧によって保持される
ので、各可動シューのバイトを一様な強さで管の内壁に
食い込ませて切削することが可能となる。
【0012】また、一つの可動シューが管の内壁の凸部
に当たってボーリングヘッドの中心側へ押されると、作
動油は圧縮される。このとき、作動油チャンバに臨んで
いるピストンに作動油を介して圧力が伝達され、その結
果ピストンは外側へ移動して作動油チャンバの容積を広
げる。このため、作動油チャンバの中の作動油の圧力
は、可動シューの移動による圧縮を受けても上昇せず、
一定に保持される。したがって、可動シューは常に一定
の作動油圧によって管の内壁側へ付勢され、切削面に局
所的な凹凸があっても一様な切削代で切削加工すること
ができる。
【0013】
【実施例】図1は本発明の倣い切削装置の要部を示す縦
断面図、図2は図1のA−A線矢視位置における断面
図、図3は加工装置の全体を示す概略側面図である。
【0014】図3において、ベッド20の一端に回転駆
動装置21が配置され、この回転駆動装置21の駆動軸
21aに設けた面板22のチャック22aによって鋼管
Pが支持されている。ベッド20の上面には、駆動軸2
1aの軸線と平行となるようにガイドレール20aが設
けられ、このガイドレール20aに沿って移動可能な管
支持枠23及び鋼管Pの内面切削のための送り装置24
がそれぞれ配置されている。管支持枠23は鋼管Pを通
してこれを回転自在に支持するためのものである。ま
た、ベッド20の内部にはスクリュー軸25を内蔵し、
これに噛み合うピニオン24aを送り装置24に設け
る。そして、スクリュー軸25を駆動装置(図示せず)
により回転させると、スクリュー軸25とピニオン24
aとのネジ歯車機構によって、送り装置24が図におい
て左右に移動する。
【0015】送り装置24には、鋼管Pの軸線にほぼ一
致する姿勢の軸線を持つようにボーリングバー1を取り
付ける。そして、このボーリングバー1の先端には、鋼
管Pの中に入り込んでその内壁を切削するボーリングヘ
ッド2を設ける。
【0016】ボーリングヘッド2の外径は鋼管Pの内径
よりも十分に小さく、その内部には作動油チャンバ2a
を軸線方向に開け、その一端をボーリングバー1の中に
設けた油圧配管3によって油圧ユニット(図示せず)と
流路を接続している。作動油チャンバ2aには、図2に
示すように3本のボア2bを半径方向に向けて軸線を持
つように形成する。これらのボア2bは互いに120°
の中心角を持つように放射状に配列され、その開放端側
の内径を大きくした異径の開口断面を持つ。
【0017】それぞれのボア2bには、半径方向に移動
可能な可動シュー4を組み込む。これらの可動シュー4
はボア2bの中にきっちりと嵌まり込むほぼT字状の縦
断面形状を持ち、作動油チャンバ2aの中の作動油の圧
力によってその半径方向の位置及び倣いに対する各可動
シュー4の保持圧を設定する。そして、可動シュー4が
ボーリングヘッド2の外側を向く面にはコイルスプリン
グ4aを組み込み、ボーリングヘッド2の外周面に設け
たストッパ2cにこのコイルスプリング4aを突き当て
ることにより、可動シュー4をボーリングヘッド2の中
心方向に付勢する。
【0018】可動シュー4の先端には、バイト5と転動
体としてのローリングパッド6をそれぞれ設ける。バイ
ト5は、図2に示すように鋼管Pが時計方向に回転する
向きに対応した姿勢のチップ5aを持つものとして可動
シュー4に着脱自在に固定したものである。また、ロー
リングパッド6は、可動シュー4に固定した支軸6aに
回転自在に支持され、ボーリングヘッド2の軸線と平行
な回転軸線を持って回転自在である。そして、バイト5
の突き出し長さよりも、ローリングパッド6の外周面の
それが小さくなるようにし、この長さの差をバイト5に
よる切削代とする。
【0019】ボーリングヘッド2の先端面に向けて開放
した作動油チャンバ2aには、ピストン7を外部から同
軸上に差し込み、このピストン7の端面を作動油チャン
バ2aの中に臨ませる。ピストン7はその軸線方向の中
途にフランジ7aを備え、このフランジ7aをボーリン
グヘッド2の端面に突き当てることによってストローク
を規制し、作動油チャンバ2aの中への移動量の上限が
設定される。
【0020】ボーリングヘッド2の端面には、ピストン
7の周りを包囲するハウジング8を設ける。このハウジ
ング8の中にはピストン7のフランジ7aに一端が突き
当たるスプリング8aを弾性手段として設け、このスプ
リング8aによってピストン7をボーリングヘッド2側
に向けて付勢する。そして、ピストン7をその軸線方向
に移動可能に支持し、フランジ7aとの間の距離を調整
することによってスプリング8aの付勢力を変更するた
めの調整ネジ8bをハウジング8の端面に回転自在に備
える。
【0021】更に、ボーリングヘッド2の基端側の外周
には、鋼管Pへのボーリングヘッド2の出し入れの際に
ガイドとして利用する3個のガイドローラ9を設ける。
これらのガイドローラ9は、可動シュー4と同様にそれ
ぞれの間の中心角が120°となるように配置され、し
かも各可動シュー4との間に60°の位相差を持たせた
ものとする。すなわち、可動シュー4とガイドローラ9
の合計6個は、円周方向に相互に順に配置され、その配
置角ピッチを60°としたものである。
【0022】また、これらのガイドローラ9はボーリン
グヘッド2に固定した支軸9aに回転自在に取り付けら
れ、鋼管Pの内壁に接触したときにはこの鋼管Pの周方
向に転動自在である。そして、ガイドローラ9の周面の
突き出し長さは、鋼管Pの内径よりも小さく且つバイト
5のチップ5aの最小突き出し長さよりも若干長いもの
とする。
【0023】なお、可動シュー4を交換Pの内径に合わ
せて交換した際に、ガイドローラ9の突き出し長さを変
更できるように、支軸9aをボーリングヘッド2に対し
て半径方向に移動可能に組み込んだ保持ブロック9bに
取り付けるようにすることが好ましい。
【0024】以上の構成において、鋼管Pの内壁を切削
する要領は次のとおりである。
【0025】まず、油圧ユニット(図示せず)による作
動油チャンバ2aへの作動油の圧力を下げた状態でボー
リングヘッド2を待機させる。このとき、可動シュー4
は図1において図中の中心線の下側に示したもののよう
に、可動シュー4の全体がボア2bの中に落ち込み、バ
イト5のチップ5aはガイドローラ9の周面が転動する
面よりも中心側に移動する。したがって、3個の可動シ
ュー4はいずれも中心側に移動した状態に維持される。
一方、ピストン7への作動油圧も同様に低下するので、
スプリング8aの付勢力によってこのピストン7は図1
において一点鎖線で示すように左側に移動し、そのフラ
ンジ7aがボーリングヘッド2の端面に突き当たって停
止し、ピストン7の先端もボア2b側に近づく。
【0026】次いで、チャック22aと管支持枠23に
よって保持され、ゆっくり回転中の鋼管Pに対し、送り
装置24を駆動してボーリングバー1の先端のボーリン
グヘッド2を鋼管Pの中に挿入する。この作業では、鋼
管Pとボーリングバー1の軸心を合わせておけばよく、
3個の可動シュー4はいずれもボーリングヘッド2の中
心側に退避しているので、ガイドローラ9のみが鋼管P
の内壁に接触するだけで、バイト5の干渉は生じない。
【0027】送り装置24によってボーリングヘッド2
を鋼管Pの最も奥に差し込んだ後には、図3においてボ
ーリングバー1を右側に移動させながらバイト5によっ
て内壁の切削を開始する。この切削は、ボーリングヘッ
ド2の軸方向への移動と、回転駆動装置21による鋼管
Pの回転との合成運動を利用して連続的に行う。
【0028】切削過程の前の段階で、油圧ユニット(図
示せず)を作動させ、作動油チャンバ2aの中の作動油
の圧力を適正値となるまで昇圧する。これにより、可動
シュー4は半径方向に広がる方向へと移動し、図1にお
いて上側の可動シュー4で示す位置に設定される。この
とき、前述のローリングパッド6とバイト5との位置関
係によって、作動油圧によってバイト5が鋼管Pの壁中
に食い込むようになり、ローリングパッド6は同様に作
動油圧によって鋼管Pの内壁に強く押し付けられる。
【0029】一方、作動油チャンバ2a内の作動油の昇
圧により、ピストン7は図1に示すように右に移動した
状態となり、そのフランジ7aがボーリングヘッド2の
端面から離れる。このピストン7の移動距離は、作動油
圧とスプリング8aの付勢力との間のバランスによって
決まり、調整ネジ8bを右へ動かすとコイルスプリング
8aの付勢力が弱くなってピストン7の移動距離は大き
くなり、逆に調整ネジ8bを左へ移動させるとピストン
7の移動距離は短くなる。
【0030】送り装置24によるボーリングヘッド2の
移動及び回転駆動装置21による鋼管Pの回転によっ
て、図2においてボーリングヘッド2の周面に配置した
バイト5によって鋼管Pの内壁が切削される。この切削
過程では、3個の可動シュー4はそれぞれ共通の作動油
による圧力を受け、各バイト5をそれぞれ等しい押し付
け力によって鋼管Pの内壁に食い込ませる。このときの
切削代は、チップ5aの先端とローリングパッド6の周
面との間の距離に等しい。
【0031】ここで、図4に示すように、ボーリングヘ
ッド2の芯がKの位置にあり、鋼管Pの内壁形状が円で
あるときは、ボーリングヘッド2を鋼管Pと同軸セット
しさえすれば、各可動シュー4のボーリングヘッド2の
周面からの突き出し量の総和は後述する式(1)に示す
ように常に一定となる。このため、各可動シュー4のロ
ーリングパッド6は鋼管Pの内壁に倣って転動してい
き、常に一定の押し付け力を保つため、バイト5によっ
て一様な切削代で鋼管Pの内壁を仕上げることができ
る。
【0032】また、鋼管Pの内壁が楕円形状であってそ
の中心が図4においてLの位置にあり、ボーリングヘッ
ド2に対して偏心している場合でも同様に倣い切削が可
能である。すなわち、各可動シュー4は共通の作動油チ
ャンバ2aの中の作動油の圧力によって外向きに付勢さ
れているので、ローリングパッド6が鋼管Pの内壁から
受ける反力に比例して可動シュー4は中心側に移動す
る。換言すると、各可動シュー4はそれぞれが共通の作
動油圧の下で支持されているので、或る一つが中心側に
向かうと残りの二つは外側に動く。その際の作動油チャ
ンバ2aの容積の変動はピストン7の移動によって吸収
され、作動油圧は常に一定に保持される。すなわち、こ
のような動作は、図示のようにボーリングヘッド2の芯
から各バイト5の先端までの距離をa,b,cとすれ
ば、作動油チャンバ2a内の作動油圧が一定であること
から、 a+b+c=一定・・・・(1) の関係で説明することができる。
【0033】このように、鋼管Pの内壁の形状が真円で
なくても、3個の可動シュー4を内壁に倣わせながら切
削することができ、バイト5による切削代は鋼管Pの内
壁の全周に亘って一定となり、空切削や切り込み過ぎ等
のない一様な切削が可能となる。また、このような切削
は、鋼管Pの縦断面形状に対してのみだけでなく、軸線
方向へ撓み等が生じていても可能である。これは、可動
シュー4によるボーリングヘッド2が鋼管Pの中を撓み
に倣いながら進むことができるからである。
【0034】ここで、もし切削加工の途中で鋼管Pの内
壁の部分的な激しい凹凸にバイト5が当たるようになる
と、切削反力も急激に大きく変動し、可動シュー4を作
動油圧によって保持しても、切削が不安定になりやす
い。
【0035】これに対し、鋼管Pの内壁の凸部にバイト
5が当たって可動シュー4が急激に中心方向に移動した
きには、作動油チャンバ2a内の作動油の圧力はピスト
ン7にも伝達される。このため、ピストン7は図1にお
いて右側に移動して作動油チャンバ2aの容積が拡大
し、作動油の圧力上昇を逃がすようになる。したがっ
て、作動油チャンバ2aの中の作動油の圧力は通常時の
値に保持され、各可動シュー4に対する保持圧は切削反
力の変動に関係なく一定に保たれる。
【0036】このように、鋼管Pの内壁に局所的に大き
な凹凸があっても、各可動シュー4はそのローリングパ
ッド6の転動によって鋼管Pの内壁に倣いながら移動す
る。したがって、鋼管Pの内壁の形状がどのように変化
しても、可動シュー4を常に一定の作動油圧によって保
持することができ、各可動シュー4のバイト5がそれぞ
れ独立して一定の切削力で安定した倣い切削を行うこと
ができる。
【0037】更に、可動シュー4は鋼管Pの内壁に面接
触するのではなく、内壁に接触して転動するローリング
パッド6によってガイドされる。このため、面接触によ
る摺動に比べると、摩擦力の低下が図られるほかびびり
振動の発生も抑えられる。したがって、鋼管Pの回転及
びボーリングヘッド2自身の軸線方向の送りに対して
も、ボーリングヘッド2を安定して鋼管Pの中で保持で
きるので、高速切削が可能となり、加工精度も向上す
る。
【0038】このときの表面粗度Rtは、送り量をf
(mm/rev),バイトのノーズ半径をr(mm)と
したとき、一般に次式(2)が成り立つ。
【0039】 Rt=(f2 /8r)×1000 (μm)・・・(2) これに対し、本発明では、ボーリングヘッド2の周面に
対して中心角を三等分した位置にある3個のバイト5に
よって切削するので、式(2)を本発明に置き替える
と、次式として与えられる。
【0040】 Rt=((f/3)2 /8r)×1000 (μm)・・・(3) ここで、単一のバイトを用いる場合に比べると、その大
きさは9分の1程度となる。換言すれば、単一のバイト
の表面粗度Rtを維持しながら切削するときの送り量F
は次式で与えられる。
【0041】 Rt=(f2 /8r)×1000 =((F/3)2 /8r)×1000 (μm)・・・(4) したがって、式(4)からf=F/3であり、F=3f
として表せる。故に、本発明の装置では、単一のバイト
を用いる場合に比べて、3倍の送り量で切削することが
でき、その結果切削時間も短縮されることになる。
【0042】切削工程が終了し、送り装置24によって
ボーリングヘッド2が鋼管Pの端部に到達すると、この
ボーリングヘッド2を鋼管Pから抜く。そして、バイト
5による切削が鋼管Pの端部を相当残す状態で終了する
場合の作業は、まず油圧ユニットによって作動油チャン
バ2aの中の作動油の圧力を低下させた後に行う。作動
油チャンバ2aの作動油の圧力低下によって、可動シュ
ー4が受ける外側への保持圧は小さくなり、ストッパ2
cとの間のコイルスプリング4aの復元力によって可動
シュー4はボーリングヘッド2の中心側に押される。こ
れにより、図1の下側のもののように可動シュー4はボ
ア2bの中に落ち込んでバイト5が鋼管Pの内壁から離
れ、ガイドローラ9のみが鋼管Pの内壁に突き当たるよ
うになる。この後、鋼管Pを回転駆動装置21によって
ゆっくり回転させながら送り装置24によってボーリン
グバー1を引き出す方向に移動させると、ガイドローラ
9が鋼管Pの内壁を転動しながら移動し、ボーリングヘ
ッド2を鋼管Pの中から抜き取ることができる。
【0043】また、バイト5の欠損等により、切削作業
を中断する場合も上記同様のボーリングヘッド2を抜く
作業を行うことができる。一方、切削面方向に抜くとき
もガイドローラ9のみが鋼管Pの内壁をほぼ切削軌跡に
沿って転動するだけなので、バイト5が干渉することは
なく、切削工程終了後の鋼管Pに疵を負わせることはな
い。
【0044】なお、実施例では鋼管の内壁の切削につい
て説明したが、その他の管の内面切削にも本発明の切削
装置が利用できることは無論である。
【0045】
【発明の効果】本発明では、ボーリングヘッドに組み込
んだ複数の可動シューは共通の作動油圧によって保持さ
れるので、各可動シューのバイトを一様な強さで管の内
壁に食い込ませて切削でき、高い精度の切削が可能とな
る。
【0046】また、作動油圧の変動をピストンによって
緩衝するので、可動シューは常に一定の作動油圧によっ
て管の内壁側へ付勢され、切削面に局所的な凹凸があっ
てもこれを障害とすることなく大きな切削速度での加工
ができ生産性も向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の切削装置による鋼管内壁の切削状況を
示す要部の縦断面図である。
【図2】図1のA−A線矢視による断面図である。
【図3】本発明の切削装置を含む加工設備の全体を示す
概略側面図である。
【図4】共通の作動油圧によって保持される3個の可動
シューのそれぞれの動きを説明するための概略図であ
る。
【符号の説明】
1 ボーリングバー 2 ボーリングヘッド 2a 作動油チャンバ 2b ボア 3 油圧配管 4 可動シュー 4a コイルスプリング 5 バイト 6 ローリングパッド 7 ピストン 8 ハウジング 9 ガイドローラ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年6月12日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】なお、可動シュー4を鋼管Pの内径に合わ
せて交換した際に、ガイドローラ9の突き出し長さを変
更できるように、支軸9aをボーリングヘッド2に対し
て半径方向に移動可能に組み込んだ保持ブロック9bに
取り付けるようにすることが好ましい。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 管の一端を保持してその軸線周りに回転
    させる回転駆動装置と、前記管の軸線方向に進退可能な
    ボーリングバーと、該ボーリングバーの先端に取り付け
    られて前記管の中に挿入可能なボーリングヘッドとを備
    えた倣い切削装置であって、前記ボーリングヘッドに、
    前記管の内壁へ向けて移動可能な少なくとも3個の可動
    シューを配置し、前記ボーリングヘッドの内部に前記可
    動シューを外側に向けて油圧を負荷する作動油チャンバ
    を設け、前記可動シューの周面に、前記管の内壁を切削
    するバイト及び該バイトによる切削面よりも中心側に周
    面が位置し前記管の内壁を周方向に転動する転動体を備
    え、更に前記作動油チャンバの中に軸線方向の端面が臨
    むピストンを設け、該ピストンを前記作動油チャンバ側
    に向けて付勢する弾性手段を備え、前記ピストンを前記
    作動油チャンバ内の作動油の圧力変動時の緩衝体とした
    ことを特徴とする管の内壁の倣い切削装置。
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