JPH05337622A - 鋳造装置 - Google Patents

鋳造装置

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JPH05337622A
JPH05337622A JP16680292A JP16680292A JPH05337622A JP H05337622 A JPH05337622 A JP H05337622A JP 16680292 A JP16680292 A JP 16680292A JP 16680292 A JP16680292 A JP 16680292A JP H05337622 A JPH05337622 A JP H05337622A
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cavity
pressurizing
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 加圧初期には溶湯に大きな加圧力を付与し、
加圧ピンが溶湯表面の凝固層を突破った後には溶湯への
加圧力を小に抑える。 【構成】 溶湯10の加圧初期には、液圧によって移動
する第1のピストン23と第2のピストン24の双方に
より加圧ピン18を移動させて溶湯10を加圧し、第2
のピストン24の移動量が所定量に達したときにストッ
パ21aとの当接により第2のピストン24の移動を停
止させ、液圧による第1のピストン23のみの移動によ
り加圧ピン18を移動させ溶湯10の加圧を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、キャビティ内に注湯さ
れた溶湯を加圧することにより巣の発生を防止する鋳造
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】金型鋳造においては、溶湯の凝固収縮に
起因する巣の発生を抑制するために、キャビティ内の溶
湯を加圧することが行なわれている。特開昭61−14
62号公報には、金型に摺動自在に嵌装された加圧ピン
により、キャビティ内に注湯された溶湯の加圧するよう
にした技術が開示されている。
【0003】金型鋳造においては、溶湯の凝固速度が金
型の温度や溶湯の注湯温度に大きく影響され、厳密には
鋳造ごとに溶湯の凝固速度が異なる。したがって、上記
公報のように、加圧ピンを時間管理により常に一定のタ
イミングで作動させる場合は、溶湯の凝固の進行に対し
て加圧ピンの作動タイミングがずれることになり、溶湯
を最適のタイミングで加圧することができない。そこ
で、溶湯の凝固速度に応じて最適のタイミングで溶湯を
加圧するようにした技術が提案されている(実開平2−
81748号公報)。
【0004】図13は、上述の実開平2−81748号
公報に開示された鋳造装置を示している。図13におい
て、1は金型を示している。金型1は、固定型2と可動
型3とから構成されている。可動型3は、固定型2に対
して進退可能となっている。金型1には、固定型2と可
動型3によってキャビティ4が形成されている。キャビ
ティ4には、スリーブ5を介して溶湯が注湯されるよう
になっている。可動型3には、先端がキャビティ4内に
突出する加圧ピン6が嵌装されており、加圧ピン6は、
皿ばね7によってキャビティ4方向に付勢されている。
【0005】図13の鋳造装置においては、溶湯の凝固
収縮の進行に伴う溶湯圧の低下により加圧ピン6が皿ば
ね7のばね力によってキャビティ4内に押し出され溶湯
を加圧する。このように、加圧ピン6をばね力によって
付勢することにより、凝固の進行に応じた溶湯の加圧が
可能となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図13
の鋳造装置にはつぎのような問題が存在する。図13の
装置の場合は、皿ばね7のばね力により加圧力を発生さ
せているため、加圧ピン6がキャビティ4内に押し込ま
れるほど、加圧力は小さくなる。そのため、凝固が進行
し半凝固状態の溶湯を加圧するのには加圧力が不足し、
十分な加圧ができなくなる。つまり、溶湯の凝固が進行
すればするほど、大きな加圧力が必要となるが、ばね力
を利用した場合は、これに対応できない。
【0007】キャビティ内に溶湯が充填されると、金型
との熱交換によって溶湯表面が凝固するため、加圧開始
時にはこの凝固層を破るだけの加圧力が必要となる。一
旦、加圧ピンによって凝固層が破られると、加圧ピンは
凝固していない流動状の溶湯を押すことになる。したが
って、未凝固状態の溶湯を加圧する加圧力が加圧初期と
同様に大であると、加圧ピンは溶湯内を一気に押し進
み、溶湯の逃げによって溶湯の加圧が不十分となる。こ
のように、溶湯の加圧は溶湯の凝固を考慮して行なうこ
とが必要であり、未凝固状態の溶湯を大きな加圧力をも
って加圧することは、加圧が却って不十分となり、巣の
発生原因となる空洞部を押しつぶすことができない。
【0008】本発明は、上記の問題に着目し、溶湯の加
圧初期には大きな加圧力を溶湯に付与することができ、
その後は溶湯の未凝固部分の凝固の進行に見合った加圧
力を付与することが可能な鋳造装置を提供することを目
的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この目的に沿う本発明に
係る鋳造装置は、溶湯が充填されるキャビティを形成す
る金型と、前記キャビティ内への進入によってキャビテ
ィ内の溶湯を加圧する加圧ピンと、前記加圧ピンと連結
される第1のピストンおよび該第1のピストンの外周に
配置され軸方向に第1のピストンと係合可能な第2のピ
ストンとを有し、溶湯の加圧初期には液圧による第1の
ピストンと第2のピストンの双方の移動により加圧ピン
を移動させて溶湯を加圧し、第2のピストンの移動量が
所定値に達したときにストッパとの当接により第2のピ
ストンの移動を停止させ、液圧による第1のピストンの
みの移動により加圧ピンを移動させて溶湯の加圧を行な
う加圧可変機構と、を備えたことを特徴とする鋳造装
置。
【0010】
【作用】このように構成された鋳造装置においては、キ
ャビティ内に注湯された溶湯は、金型との熱交換によっ
て冷却され、溶湯表面の凝固が開始される。溶湯の加圧
初期には、加圧力可変機構の第1のピストンと第2のピ
ストンが係合するので、加圧ピンは双方のピストンの移
動によって移動され、溶湯への加圧力が高められる。し
たがって、溶湯表面の凝固層は加圧ピンによって容易に
破られる。
【0011】溶湯表面の凝固層が破られると、加圧ピン
は未凝固状態の溶湯内に進入することになるが、この時
点では、第2のピストンがストッパに当接し、第2のピ
ストンの移動が停止される。そのため、加圧ピンは、第
1のピストンのみによって移動させられることになり、
溶湯に付与される加圧力は加圧初期よりも低下される。
したがって、加圧ピンが溶湯の未凝固部分を一気に押し
進むことはなくなり、未凝固部分の凝固の進行に応じた
加圧が可能となる。
【0012】
【実施例】以下に、本発明の鋳造装置の望ましい実施例
を、図面を参照して説明する。
【0013】第1実施例 図1ないし図4は、本発明の第1実施例を示している。
図1において、11は金型を示している。金型11は、
固定型12と可動型13を有している。可動型13は、
固定型12に対して進退可能となっている。固定型12
には、固定型入子14が取付けられている。可動型13
には、可動型入子15が取付けられている。
【0014】固定型12には、スリーブ16が設けられ
ている。金型11には、固定型入子14と可動型入子1
5によってキャビティ17が形成されている。キャビテ
ィ17は、固定型入子14と可動型入子とが結合された
ときに生じる空間部である。キャビティ17には、スリ
ーブ16を介して溶湯10が充填されるようになってい
る。
【0015】可動入子15には、加圧ピン18が摺動自
在に保持されている。加圧ピン18は、キャビティ17
内に進入可能となっており、キャビティ17内に加圧ピ
ン18が進入することによって、キャビティ17内に充
填された溶湯10が加圧されるようになっている。加圧
ピン18は、後述する第1のピストン23と連結されて
いる。
【0016】可動入子15には、加圧力可変機構として
の油圧シリンダ20が設けられている。油圧シリンダ2
0は、シリンダ部21、第1のピストン23、第2のピ
ストン24を有している。シリンダ部21は、可動入子
15に形成された収納穴15aに嵌装されている。シリ
ンダ部21の内側には、リング状に形成された第2のピ
ストン24が摺動可能に嵌装されている。第2のピスト
ン24の内側には、第1のピストン23が摺動自在に嵌
装されている。第2のピストン24の一方には、第1の
ピストン23と軸方向に係合可能な係合部24aが形成
されている。係合部24aは、第2のピストン24がキ
ャビティ17側に向って移動する方向に対してのみ第1
のピストン23と係合可能となっている。
【0017】シリンダ部21の内周面には、第2のピス
トン24の端面24aが当接可能なストッパ21aが形
成されている。第2のピストン24は、ストッパ21a
との当接によってキャビティ17側への移動が停止され
るようになっている。第1のピストン23には、上述し
たように、加圧ピン18が連結されている。シリンダ2
1内には、第1のピストン23および第2のピストン2
4によって区画される第1の油室25と第2の油室26
とが形成されている。
【0018】第1のピストン23および第2のピストン
24の双方が第2の油室26側に後退した状態では、加
圧ピン18の先端面がキャビティ17の内壁面と一致す
るようになっている。シリンダ部21には、第1の油室
25と連通する第1のポート25a、第2の油室26と
連通する第2のポート26aがそれぞれ形成されてい
る。
【0019】各ポート25a、26aには、油圧制御手
段31が接続されている。油圧制御手段31は、油圧源
32、減圧弁33、電磁切替弁34を有している。油圧
源32は、油タンク38内に貯溜される作動油40を汲
上げるオイルポンプから構成されている。油圧源32に
は、油圧源32から吐出される作動油40の圧力を制御
する減圧弁33が油圧通路41を介して接続されてい
る。
【0020】減圧弁33には、油圧通路42を介して電
磁切替弁34が接続されている。電磁切替弁34は、ソ
レノイド34aへの通電による吸引力、またはソレノイ
ド34aへの非通電によるスプリング34bの付勢力に
より油圧通路の切替動作を行なう機能を有している。電
磁切替弁34は、ソレノイド34aの非通電時には、ポ
ート34cとポート34dとが連通し、ポート34eと
ポート34fが連通するようになっている。電磁切替弁
34は、ソレノイド34aの通電時には、ポート34c
とポート34fが連通し、ポート34eとポート34d
が連通するようになっている。
【0021】電磁切替弁34のポート34dは、油圧通
路43を介して油圧シリンダ20の第1のポート25a
と接続されている。電磁切替弁34のポート34fは、
油圧通路44を介して油圧シリンダ20の第2のポート
26aと接続されている。電磁切替弁34のソレノイド
34aは、電気制御手段50に接続されている。電気制
御手段50は、鋳造過程における溶湯のキャビティ17
への充填完了信号等に基づき、ソレノイド34aを励磁
し、電磁切替弁34を切替動作する機能を有している。
【0022】つぎに、第1実施例における作用について
説明する。図4は、鋳造作業開始前における金型の位置
関係を示している。図4に示すように、鋳造作業が開始
される前には、固定型12に対し可動型13は後退して
いる。可動型13を後退させているのは、完成した鋳造
品50を取り出すためである。鋳造品50の取出しが完
了すると、可動型13が固定型12に向って前進し、固
定型12と可動型13との結合が行なわれる。
【0023】固定型12と可動型13との結合が完了す
ると、スリーブ16を介してキャビティ17に溶湯10
が充填される。溶湯の充填時には、スリーブ16にはプ
ランジャ(図示略)が挿入され、プランジャの挿入によ
り溶湯10がキャビティ17内に押し込まれる。キャビ
ティ17内に充填された溶湯10は、固定型入子14お
よび可動型入子15との接触によって冷却され、徐々に
凝固される。スリーブ16のキャビティ17の入口部に
は、図1に示すように、溶湯10が凝固したビスケット
80aが形成される。
【0024】溶湯10のキャビティ17内への充填が完
了すると、その旨の信号が電気制御手段50に出力され
る。これにより、電気制御手段50は、溶湯10の充填
完了の信号に基づき、電磁切替弁34のソレノイド34
aを励磁する。電磁切替弁34が励磁されると、油圧通
路は図2に示す状態に切替えられる。
【0025】図2の状態では、油圧源32からの作動油
40が油圧通路44を介して、油圧シリンダ20の第2
の油室26に圧送される。また、油圧シリンダ20の第
1の油室25内の作動油は、油圧通路43、電磁切替弁
34を介して油タンク38に戻される。この状態では、
第2の油室26の油圧が第1のピストン23と第2のピ
ストン24の双方に作用する。
【0026】溶湯10の薄肉部10cが凝固しビスケッ
ト80aからの溶湯の補給が断たれると、厚肉部10d
の凝固の進行により溶湯圧が低下し、加圧ピン18への
反力FP も低下し、Fp <F0 となった時点でピストン
23、24は前進する。溶湯10の加圧初期には、上述
したように、第2の油圧室26の油圧が第1のピストン
23および第2のピストン24に作用し、この状態では
両ピストン23、24は係合部24aを介して係合する
ことになる。したがって、第2のピストン24に作用す
る力も加圧ピン18に伝達されることになり、加圧初期
にはキャビティ17内の溶湯10への加圧力が高めら
れ、溶湯表面の凝固層は加圧ピン18によって容易に破
られる。
【0027】溶湯10表面の凝固部分が加圧ピン18に
よって破られると、加圧ピン18の先端が溶湯10内の
未凝固部分に進入することになり、加圧ピン18は加圧
初期状態よりも移動しやすくなるが、この状態では第2
のピストン24がシリンダ部21のストッパ21aと当
接し、第2のピストン24のキャビティ17側への移動
が停止される。したがって、第1のピストン23のみが
第2の油室26へ圧送される作動油40の圧力によりキ
ャビティ17側へ押し出され、第1のピストン23と第
2のピストン24との係合も解除される。
【0028】この状態では、第2のピストン24の推力
を利用することができなくなり、加圧初期の加圧力F0
に比べて溶湯10に付与される加圧力F1 は小とされ
る。そのため、加圧ピン18が流動状の溶湯10内を一
気に前進端まで進むことはなくなり、加圧ピン18によ
る溶湯10の逃げが防止される。
【0029】加圧ピン18が溶湯10の未凝固部分に進
入した時点では溶湯圧が高いので、溶湯圧による加圧ピ
ン18への反力Fp は、油圧シリンダ20による加圧ピ
ン18の加圧力F1 よりも大となっている。溶湯10の
薄肉部10cが凝固しかつ厚肉部10dの凝固が進行す
ると、溶湯圧PM による反力Fp が加圧ピン18の加圧
力F1 よりも低下し、図3に示すように、加圧ピン18
の厚肉部10dへの進入が開始される。
【0030】このように、加圧ピン18によって溶湯表
面の凝固層を破った後は、加圧ピン18は比較的小さな
力で溶湯10内に押し込まれるので、溶湯10の凝固の
進行に見合った加圧が可能となる。したがって、溶湯1
0への加圧が十分に行なわれ、巣の発生に起因する溶湯
内の空洞部は確実に押しつぶされる。
【0031】キャビティ17に充填された溶湯10の冷
却が完了すると、電気制御手段50によって電磁切替弁
34のソレノイド34aへの通電が停止され、電磁切替
弁34の切替動作によって油圧通路は切替えられる。油
圧通路が切替えられると、油圧シリンダ20の第1の油
室25に作動油が圧送され、第2の油室26内の作動油
40は、油タンク38に戻される。これにより、第1の
ピストン23と第2のピストン24は、元の位置まで戻
される。
【0032】第1のピストン23および第2のピストン
24が加圧前の位置まで戻った状態では、第2のピスト
ン24の端面は第2の油室26の端面側に位置され、第
1のピストン23は第2のピストン24に収納される。
これにより、加圧ピン18の前端面はキャビティ17の
内壁面と一致される。加圧ピン18の後退が完了する
と、可動型13は固定型12から離れ、図4に示すよう
に、キャビティ17によって形成された鋳造品80が露
出される。可動型13の後退が完了すると、鋳造品80
の取出しが行なわれる。
【0033】第2実施例 図5ないし図7は、本発明の第2実施例を示している。
第2実施例が第1実施例と異なるところは、加圧ピンに
よる溶湯への加圧段数であり、その他の部分は第1実施
例に準じるので、準じる部分に第1実施例と同一の符号
を付すことにより準じる部分の説明を省略し、異なる部
分についてのみ説明する。後述する実施例も同様とす
る。
【0034】第1実施例においては、加圧ピン18によ
る溶湯10への加圧段数は2段階であったが、本実施例
では溶湯10への加圧は3段階となっている。本実施例
では、第1のピストン23には、小径ピストン部23c
が連結されている。小径ピストン部23cは、第2のピ
ストン24と係合可能となっている。小径ピストン部2
3cの中央部には、凹部23dが形成されており、凹部
23dには可動配管61が連結されている。凹部23b
は、小径ピストン部23cに形成された通路62を介し
て第2の油室26と連通するようになっている。小径ピ
ストン部23cは、第2のピストン24の嵌合穴24b
に出入可能に嵌装されている。小径ピストン部23cの
端面は、第2のピストン24の係合部24aと係合可能
になっている。
【0035】電磁切替弁34のポート34fは、油圧通
路44を介して第2の油室26と接続されている。油圧
通路44には、逆止弁36および油圧通路46を介して
上述の可動配管61が接続されている。逆止弁36は、
第2の油室26内の作動油を油タンク38に戻す方向の
流れのみを許す機能を有している。シリンダ部21の第
1のポート25aに接続される油圧通路43は、電磁開
閉弁35、油圧通路47、逆止弁37を介して油圧通路
46と接続されている。
【0036】電磁開閉弁35は、ソレノイド35aの非
通電時にはポート35cとポート35dが非連通とな
り、ソレノイド35aの非通電時にはポート35cとポ
ート35dが連通するようになっている。電磁開閉弁3
5のポート35dと接続される逆止弁37は、ポート3
5cからポート35dに向って流れる作動油43の流れ
のみを許す機能を有している。
【0037】つぎに、第2実施例における作用について
説明する。図5は、溶湯10がキャビティ17に充填さ
れる前の状態を示している。この状態では、電磁切替弁
34のソレノイド34aは非通電となっており、油圧源
32からの作動油40は、第1の油室25に圧送されて
いる。したがって、第1のピストン23および第2のピ
ストン24は後退端に位置しており、加圧ピン18の端
面は、キャビティ17の内壁面と同一位置に位置してい
る。
【0038】キャビティ17内への溶湯10の充填が完
了すると、電磁切替弁34のソレノイド34aへの通電
によって油圧通路の切替えが行なわれる。これにより、
油圧源32からの作動油は、図6に示すように、第2の
油室26に圧送され、第2の油室26内の油圧によって
第1のピストン23と第2のピストン24とがキャビテ
ィ17の方向に押し出される。この状態では、第1のピ
ストン23と第2のピストン24は係合しているので、
第2のピストン24に作用する力が加圧ピン18にも伝
達され、加圧初期における加圧力は増大される。
【0039】キャビティ17に充填された溶湯10が金
型との熱交換によって冷却され溶湯圧が低下すると、加
圧ピン18が前進し、溶湯表面の凝固層は容易に突き破
られる。
【0040】加圧ピン18によって溶湯表面の凝固層が
破られると、第2のピストン24がシリンダ部21のス
トッパ21aと当接し、第2のピストン24のキャビテ
ィ17方向への移動が停止される。そのため、第2の油
室26の油圧によって移動するのは、第1のピストン2
3のみとなる。この状態では、第1のピストン23の小
径ピストン部23aの端面のみに油圧が作用するので、
加圧ピン18による溶湯10の加圧力は、加圧初期に比
べて大幅に減少される。
【0041】そのため、加圧ピン18がキャビティ17
内の流動状態にある溶湯10内に進入しても、加圧ピン
18が溶湯10内を一気に押し進むことはなくなり、加
圧ピン18の進入による溶湯10の逃げもなくなる。し
たがって、凝固が進行する溶湯10を最適な加圧力をも
って加圧することが可能となる。
【0042】第1のピストン23のキャビティ17方向
への移動がさらに大きくなると、図7に示すように、第
1のピストン23の小径ピストン部23aが第2のピス
トン24の嵌合穴24bから抜け出し、第1のピストン
23の端面全体に第2の油室26の油圧が作用すること
になる。この状態では、図6の場合に比べて第1のピス
トン23の油圧が作用する面積が増加するので、加圧ピ
ン18による溶湯10の加圧力が高められる。
【0043】このように、本実施例では第3段階の加圧
によって大きな加圧力が得られるため、半凝固状態とな
った溶湯10への十分な加圧が可能となり、溶湯10の
厚肉部を十分に加圧することができる。したがって、溶
湯10内に存在する空洞部は確実に押しつぶされ、巣の
発生が防止される。なお、図7の加圧状態においては、
第2の油室26と可動配管61側とが連通状態となる
が、油圧通路46と油圧通路47との間には逆止弁37
が設けられているので、作動油が逆流して油タンク38
へ排出されるのは防止される。
【0044】第3実施例 図8ないし図12は、本発明の第3実施例を示してい
る。本実施例は、第2実施例と同様に加圧力を3段階に
制御するものであるが、とくに初期加圧力よりも最終加
圧力が大となるように構成したものである。
【0045】図8に示すように、第1のピストン23に
は通路65が形成されている。また、シリンダ部21に
は、第1のピストン23がキャビティ17側に移動した
際に、第1のピストン23の通路65と連通する第3の
ポート25bが形成されている。油圧通路43には、別
の電磁切替弁71が接続されている。電磁切替弁71
は、ソレノイド71aへの通電による吸引力、またはソ
レノイド71aへの非通電によるスプリング71bの付
勢力により油圧通路の切替動作を行なう機能を有してい
る。
【0046】電磁切替弁71は、ソレノイド71aの非
通電時にはポート71cとポート71dが連通し、ソレ
ノイド71aの通電時には、ポート71eとポート71
dとが連通するようになっている。ポート71dは、油
圧通路72を介してシリンダ部21のポート25bと接
続されている。ポート71eは、油圧通路73を介して
油タンク38に接続されている。電磁切替弁34とシリ
ンダ部21の第1のポート25aとの間に位置する油圧
通路43には、逆流防止用の逆止弁74が介装されてい
る。
【0047】つぎに、第3実施例における作用について
説明する。図8は、キャビティ17内に溶湯が充填され
る前の状態を示している。キャビティ17内への溶湯の
充填が完了すると、各電磁弁34、35、71のソレノ
イドへの通電が行なわれ、油圧通路が図9に示す状態に
切替えられる。
【0048】図9の状態では、第1の油室25および第
2の油室26に油圧源32から作動油が圧送される。こ
こで、各室の油圧をP、加圧ピン18の断面積をS1
第1のピストン23の断面積をS3 、シリンダ部21の
内径断面積をS2 とすると、溶湯10への初期加圧力F
0 はつぎの数式により求められる。 F0 =P×{S2 −(S3 −S1 )} すなわち、図9の状態では、第1の油室25に作動油が
圧送されるので、第1のピストン23には加圧ピン18
の断面積S1 を除いた断面積(S3 −S1 )に油圧が作
用することになる。
【0049】第2の油室26に圧送される油圧によって
加圧ピン18がキャビティ17側に移動されると、図1
0に示すように、加圧ピン18によって溶湯表面の凝固
層10aが突破られる。さらに、加圧ピン18が溶湯1
0内に進入すると、第2のピストン24の前端面がシリ
ンダ部21のストッパ21aに当接し、第2のピストン
24のキャビティ17方向への移動が停止される。
【0050】第2のピストン24の移動が停止された状
態では、図11に示すように、第1のピストン23のみ
が第1の油室25に作用する油圧によって移動される。
この状態での溶湯10への加圧力F1 は、つぎの数式に
より求められる。 F1 =P×{S3 −(S2 −S1 )} すなわち、図11の状態でも第1の油室25に作動油が
圧送されるので、第1のピストン23には加圧ピン18
の断面積S1 を除いた断面積(S3 −S1 )に油圧が作
用することになる。
【0051】このように、第2のピストン24の移動が
停止された状態では、反力が作用する第1のピストン2
3の移動のみによって加圧ピン18が押し出され、溶湯
10へ付与される加圧力は小さなものとなる。そのた
め、加圧ピン18が溶湯10の未凝固部分10b内を一
気に突き進むことはなくなり、加圧ピン18による溶湯
10の逃げは解消される。したがって、溶湯10の未凝
固部分10bの凝固の進行に見合った加圧が可能とな
る。
【0052】第1の油室25に圧送される作動油の圧力
によって第1のピストン23のキャビティ17方向への
移動量が大となると、図12に示すように、第1のピス
トン23に形成された通路65を介して、第1の油室2
5とシリンダ部21の第3のポート25bとが連通状態
となり、第1の油室25内の作動油40が油タンク38
に戻される。つまり、図13の状態では、第1の油室2
5内の作動油40が油タンク38に戻されることによ
り、図9ないし図11のように、第1のピストン23へ
の反力が生じなくなる。
【0053】図12に示すように、第1の油室25内の
作動油40が第1のピストン23の通路65を介して油
タンク38に戻される状態での溶湯10への加圧力F2
は、つぎの数式により求められる。 F2 =P×S3 すなわち、最終段階での溶湯10の加圧の際には、第1
の油室25での反力が生じないので、第1のピストン2
3には、第2の油室26の油圧のみが作用することにな
り、溶湯10への加圧力は増大される。ここで、第1の
ピストン23の断面積S3 を、S3 >(S1 +S2 )/
2という値に設定すれば、最終加圧力F2 を初期加圧力
0 よりも大とすることができる。
【0054】このように、第3実施例では、初期加圧力
0 よりも最終加圧力F2 を大に設定することができる
ので、溶湯10の半凝固部分10bを十分に加圧するこ
とが可能となる。したがって、半凝固部分10bに存在
する空洞部分を十分に押しつぶすことができ、巣の発生
が確実に防止される。
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、つぎのような効果が得
られる。
【0056】(1)溶湯の加圧初期には、液圧が作用す
る第1のピストンと第2のピストンとを係合させ、双方
のピストンによって加圧ピンを移動させることにより溶
湯の加圧を行なうようにしたので、金型との熱交換によ
って形成された溶湯表面の凝固層を、加圧ピンによって
容易に突き破ることができる。
【0057】(2)第2のピストンの移動量が所定値に
達したときに、第2のピストンをストッパに当接させ、
第2のピストンの移動を停止させるようにしたので、第
1のピストンのみにより加圧ピンを移動させることがで
き、液圧の受圧面積の減少により加圧ピンによる溶湯へ
の加圧力を低下させることができる。したがって、溶湯
表面の凝固層を突き破った加圧ピンが溶湯の未凝固部分
内を一気に進むことはなくなり、凝固の進行に応じた溶
湯の加圧が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る鋳造装置であって溶
湯の充填完了直後の状態を示す断面図である。
【図2】図1の装置において第2のピストンがシリンダ
部のストッパと当接した状態を示す断面図である。
【図3】図1の装置において加圧ピンが第1のピストン
によって押し出される状態を示す断面図である。
【図4】図1の装置の溶湯充填開始前の状態を示す断面
図である。
【図5】本発明の第2実施例に係る鋳造装置であって溶
湯の充填完了直前の状態を示す断面図である。
【図6】図5の装置において第2のピストンがシリンダ
部のストッパと当接した状態を示す断面図である。
【図7】図5の装置において加圧ピンが第1のピストン
によって押し出される状態を示す断面図である。
【図8】本発明の第3実施例に係る鋳造装置であって溶
湯の充填完了直前の状態を示す断面図である。
【図9】図8の装置による溶湯の初期加圧の状態を示す
断面図である。
【図10】図8の装置において第2のピストンがシリン
ダ部のストッパと当接した状態を示す断面図である。
【図11】図8の装置において加圧ピンが第1のピスト
ンによって押し出される状態を示す断面図である。
【図12】図8の装置による溶湯の最終加圧の状態を示
す断面図である。
【図13】加圧ピンを用いた従来の鋳造装置の断面図で
ある。
【符号の説明】
10 溶湯 11 金型 12 固定型 13 可動型 17 キャビティ 18 加圧ピン 20 加圧力可変機構 21 シリンダ部 21a ストッパ 23 第1のピストン 24 第2のピストン 25 第1の油室 26 第2の油室 31 油圧制御手段 50 電気制御手段

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶湯が充填されるキャビティを形成する
    金型と、 前記キャビティに対して進退可能に設けられ、キャビテ
    ィ内への進入によってキャビティ内の溶湯を加圧する加
    圧ピンと、 前記加圧ピンと連結される第1のピストンおよび該第1
    のピストンの外周に配置され軸方向に第1のピストンと
    係合可能な第2のピストンとを有し、溶湯の加圧初期に
    は液圧による第1のピストンと第2のピストンの双方の
    移動により加圧ピンを移動させて溶湯を加圧し、第2の
    ピストンの移動量が所定値に達したときにストッパとの
    当接により第2のピストンの移動を停止させ、液圧によ
    る第1のピストンのみの移動により加圧ピンを移動させ
    て溶湯の加圧を行なう加圧力可変機構と、を備えたこと
    を特徴とする鋳造装置。
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