JPH05337504A - プレス加工用金属板とその製造方法 - Google Patents

プレス加工用金属板とその製造方法

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JPH05337504A
JPH05337504A JP4171941A JP17194192A JPH05337504A JP H05337504 A JPH05337504 A JP H05337504A JP 4171941 A JP4171941 A JP 4171941A JP 17194192 A JP17194192 A JP 17194192A JP H05337504 A JPH05337504 A JP H05337504A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oil
metallic sheet
metal plate
press
time
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4171941A
Other languages
English (en)
Inventor
Motoyuki Miyahara
征行 宮原
Jiro Iwatani
二郎 岩谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
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Publication of JPH05337504A publication Critical patent/JPH05337504A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 プレス時の割れやしわの発生を防止し、安定
して良好なプレス加工が可能であるプレス加工用金属板
を提供することを目的とする。 【構成】 金属板の表面粗さ谷(凹)部の総体積をV
V 、該金属板に油を塗布した後の油膜の総体積をVO
した時に、VO /VV ≧0.2を満足するように油が塗
布されたプレス加工用金属板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車産業等に広く使
用されるプレス成形安定性に優れた金属板およびその製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車の車体の耐久性を高めるために、
従来の熱延鋼板や冷延鋼板に代わって各種表面処理鋼板
が使用されるようになっている。また、車体の軽量化を
目的としてAl合金板の需要も年々増加している。しか
し、表面処理鋼板やAl合金板は、従来の熱・冷延鋼板
とプレス成形を行なう場合の挙動が異なっており、割れ
やしわの発生等種々のトラブルが起こってきた。特に最
近では、同一プレス部品でかつ同種金属板であっても、
ロットが変わるとプレス成形性が変化して不良率がばら
ついたり、さらに同一ロットであっても割れが発生する
等の生産管理における大きな問題が生じていた。
【0003】このため、 金属板表面にFe−Zn等の硬質めっきを施す、 金属板の表面にワックスや固体潤滑剤を塗布し、有機
皮膜を作る、 金属板表面に粘度の高い防錆油を塗布する、 防錆油を塗布した金属板に、プレス成形の前に潤滑剤
を塗布し直す、 金属板自体の性能を向上させる、 等の対応が提案され検討されてきた。しかし、の方法
では、めっき工程が増加するためコストが上がる、の
方法では、防錆力、潤滑性が不充分なためさらに防錆油
が必要であったり、プレス加工後の脱脂性や接着性を低
下させ、またコストが高くなる問題もある、の方法で
は、防錆油の粘度があまり高いと取扱にくかったり、プ
レス加工時に金属板がブロッキング現象や、滑り過ぎて
フィーダーのミスグリップを引き起こす、潤滑剤と潤
滑剤塗布工程のためにコスト高となる、現状では充分
な性能の金属板は得られていない、という問題があっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に着
目してなされたものであって、プレス時の割れやしわの
発生を防止し、安定して良好なプレス加工が可能である
プレス加工用金属板とその製造方法を提供することと、
該金属板を用いてプレス加工する方法を提供することを
目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の構成は、プレス
加工用金属板が、金属板の表面粗さ谷(凹)部の総体積
をVV 、該金属板に油を塗布した後の油膜の総体積をV
O とした時に、VO /VV ≧0.2を満足するように油
が塗布されたものであることを主な要旨とする。
【0006】
【作用】本発明者等は、プレス成形時の安定性がばらつ
く原因の中でも、特に潤滑条件について影響を検討した
結果、金属板の表面粗さと油膜の量がプレス成形安定性
に密接に関連していることを知見し、本発明に到達し
た。以下本発明を詳細に説明する。
【0007】まず、図1に本発明における金属板の表面
粗さ谷(凹)部1,1…を示した。表面粗さ谷部の総体
積:VV とは、図1の上部2にあたる。また、金属板に
油を塗布した後の油膜は谷部1の中に保持される。この
油膜の総体積をVO と定義する。本発明においては、プ
レス加工用金属板が、VO /VV ≧0.2を満足するよ
うに油が塗布されていることが必須要件である。以下こ
のVO /VV をWet率と言うことがある。
【0008】図2には円筒深絞り成形における変形と応
力状態を示す断面説明図を示した。一般にプレス成形時
の成形荷重は、主に金属板の機械的性質で定まる変形抵
抗成分と、表面の潤滑状態で定まる摺動抵抗成分で支え
られる。従って、プレス成形時の不安定さやばらつき
は、変形抵抗成分と摺動抵抗成分の両者の影響を反映す
るものである。しかし、変形抵抗成分のばらつきは金属
板製造時の問題であるので、実際プレス成形を行なう時
点、すなわちダイフェース上を材料が流入する過程にお
いて最も重要なことは摺動抵抗成分に影響を及ぼす潤滑
状態である。例えばプレス加工時に金属板表面の潤滑油
が不足していると、金属板とプレス用金型表面は金属接
触する(図3)。図3のような場合、プレス中に金属板
が摺動すると、金属板に凝着や擦り傷が発生する。この
ため、さらに摩擦係数が大きくなって成形荷重の上昇を
招き、結果的に材料の破断荷重に到達して割れが発生す
るのである。
【0009】図4には、50枚連続円筒深絞り成形時
に、前記Wet率が成形荷重の変動状況、すなわち成形
荷重の標準偏差σn に及ぼす影響について検討した結果
を示した。図4から明らかなように、Wet率が0.2
より小さい時には、σn は1100Nにも達し、プレス
成形にばらつきが多い。しかし、Wet率が0.2以上
となると、σn が300N付近の一定値を示し、プレス
成形性が安定することがわかる。
【0010】これは、プレス成形時の初期段階に金属板
中の山部が摺動によってある程度削られたり、つぶされ
たりすることと、その後のプレス圧縮力により谷部中の
油が金属板表面に行き渡るため、Wet率の下限値が
0.2で充分であると考えられる。この結果から、本発
明ではVO /VV ≧0.2を満足するように油が塗布さ
れていることを必須要件とした。谷部の体積VV は非接
触の粗さ計等で測定した正確なものであることが望まし
い。
【0011】ここで、金属板表面に塗布された潤滑油
は、図3からも明らかなように表面凹凸の谷部に保持さ
れる。従って、割れを起こさせないために必要な潤滑油
量は、金属表面粗さと密接な関係がある。本発明におい
ては、金属表面粗さは中心線粗さRaで0.3〜3.0
が好ましい。Raが0.3より小さい場合は、谷部の体
積が小さいため、簡単に金属板表面を油で覆い尽くすこ
とができるが、プレス成形中の摺動によって、成形の比
較的初期に金属表面が平滑になってしまって焼き付きを
起こすことがあるため好ましくない。また、Raが3.
0より大きいと、谷部の体積VV が大きくなるため、本
発明の要件であるVO /VV ≧0.2を満足させること
が難しくなる。
【0012】本発明においては、金属表面に塗布される
油の種類等は特に限定されないが、図5に示したStrieb
eck 曲線からもわかるように、使用される油の粘度は摩
擦係数を減らす方向からはある程度高い方がよい。具体
的には、40℃で3〜50cStのものが好ましく使用
される。3cSt以下では、特に金属表面粗さが大きい
時に油の付着むらが大きくなる傾向になり、成形が不安
定になるため好ましくない。また油の粘度が50cSt
を超えると、塗布作業性が悪くなったり、プレス加工時
に、金属板がブロッキング現象や、滑り過ぎてフィーダ
ーのミスグリップを引き起こすことがあり好ましくな
い。さらに、材料の流入過多によるしわや、油膜厚さに
よるフランジしわ等が発生し易くなったり、プレス加工
後の脱脂性や接着性が劣る原因にもなる。本発明の金属
板の素材は特に限定されないが、冷延・熱延鋼板、Al
・Al合金板やこれらの表面処理板等種々のプレス成形
用金属板を利用することができる。
【0013】
【実施例】以下実施例によって本発明をさらに詳述する
が、下記実施例は本発明を制限するものではなく、前・
後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施することは全て
本発明の技術範囲に包含される。 実施例 厚さ0.7mmの合金化溶融亜鉛めっき鋼板を用いて、
絞り比が2.0の丸ブランクを作成し、粘度:6cSt
(40℃)の防錆油の塗布量を変化させ、Wet率0.
04(本発明外)の時と、Wet率0.22(本発明
例)の時について連続50個の円筒深絞り成形を行なっ
た。個々の成形における成形荷重の変動を図6(a),
(b)に示した。
【0014】図6(a)から明らかなように、Wet率
が本発明の規定より小さい場合には成形荷重の変動が大
きく、また半数以上に破断が認められた。一方、本発明
例であるWet率0.22の図6(b)においては、破
断はまったく認められず、成形荷重の変動も非常に小さ
いことがわかる。
【0015】
【発明の効果】本発明のプレス加工用金属板を用いるこ
とにより、プレス成形時の成形荷重の変動を小さくし、
プレス成形性の不安定さやばらつきを小さくすることが
できたので、ユーザーサイドにおいても安定にプレス加
工が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】金属板表面の谷部の体積VV を示す模式図であ
る。
【図2】金属板を円筒深絞り成形した時の変形と応力状
態を示す斜視断面図である。
【図3】金属板表面の湿潤状態を示す模式図である。
【図4】Wet率と成形荷重の標準偏差との関係を示す
図である。
【図5】湿潤領域のStriebeck 曲線を示す図である。
【図6】50枚連続円筒深絞り成形を行なった時の成形荷
重の変動挙動を示す図であり、(a)は比較例、(b)
は本発明例である。
【符号の説明】
1 金属板表面粗さの谷部 2 谷部の総体積:VV

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属板の表面粗さ谷(凹)部の総体積を
    V 、該金属板に油を塗布した後の油膜の総体積をVO
    とした時に、VO /VV ≧0.2を満足するように油を
    塗布したものであることを特徴とするプレス加工用金属
    板。
  2. 【請求項2】 金属板の表面粗さ谷(凹)部の総体積を
    V 、該金属板に油を塗布した後の油膜の総体積をVO
    とした時に、VO /VV ≧0.2を満足するように油を
    塗布することを特徴とするプレス加工用金属板の製造方
    法。
JP4171941A 1992-06-05 1992-06-05 プレス加工用金属板とその製造方法 Pending JPH05337504A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4171941A JPH05337504A (ja) 1992-06-05 1992-06-05 プレス加工用金属板とその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

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JP4171941A JPH05337504A (ja) 1992-06-05 1992-06-05 プレス加工用金属板とその製造方法

Publications (1)

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JPH05337504A true JPH05337504A (ja) 1993-12-21

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ID=15932652

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JP4171941A Pending JPH05337504A (ja) 1992-06-05 1992-06-05 プレス加工用金属板とその製造方法

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JP (1) JPH05337504A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
BE1010589A3 (nl) * 1996-08-29 1998-11-03 Ebt Gmbh Werkwijze voor het vervaardigen van een oppervlaktestructuur en werktuigen die van zulke oppervlaktestructuur zijn voorzien.
JP2013159676A (ja) * 2012-02-03 2013-08-19 Kobe Steel Ltd 成形加工用アルミニウム板

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
BE1010589A3 (nl) * 1996-08-29 1998-11-03 Ebt Gmbh Werkwijze voor het vervaardigen van een oppervlaktestructuur en werktuigen die van zulke oppervlaktestructuur zijn voorzien.
JP2013159676A (ja) * 2012-02-03 2013-08-19 Kobe Steel Ltd 成形加工用アルミニウム板

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Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 19990309