JPH05337401A - 遠心分離機およびそれを用いた液切り方法 - Google Patents

遠心分離機およびそれを用いた液切り方法

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JPH05337401A
JPH05337401A JP17021792A JP17021792A JPH05337401A JP H05337401 A JPH05337401 A JP H05337401A JP 17021792 A JP17021792 A JP 17021792A JP 17021792 A JP17021792 A JP 17021792A JP H05337401 A JPH05337401 A JP H05337401A
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JP
Japan
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casing
inner casing
contact
casing body
liquid
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Application number
JP17021792A
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English (en)
Inventor
Kiyomi Hayakawa
清己 早川
Atsuo Suehiro
篤夫 末広
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Kowa Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Kowa Kogyo Co Ltd
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Publication date
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  • Centrifugal Separators (AREA)
  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Coating Apparatus (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 液状塗装剤で浸漬塗装した複数のエレメント
を遠心分離に供し、液溜り部の塗装剤を効率よく液切
し、不良率を低減する。 【構成】 遠心分離機は、モータ3により回転可能なケ
ーシング本体10を収容するハウジング15と、前記ケ
ーシング本体10内で回転可能な複数の内部ケーシング
13と、ハウジング15の開口部を覆う蓋体18とを備
えている。前記蓋体18に設けられたエアシリンダ19
のロッド20には、複数の内部ケーシング13と接触可
能な接触子21が取付けられている。接触子21との接
触により、ケーシング本体10の回転に伴なって内部ケ
ーシング13が回転する。そのため、内部ケーシング1
3内に、液溜り部を有する複数のエレメント、例えば十
字穴などの液溜り部を有するタッピングビスをランダム
に収容しても、ケーシング本体10の遠心力により、液
溜り部の過剰な塗装剤を効率よく液切りできる。前記ケ
ーシング本体に代えて回転板などの回転体を用いてもよ
く、内部ケーシング自体が回転可能であってもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液溜り部が形成された
エレメントを液状塗装剤で被覆した後、液溜り部の塗装
剤を遠心力により飛散させる上で有用な遠心分離機、お
よびそれを用いた液切り方法に関する。
【0002】
【従来の技術】耐蝕性を高めるため、ネジ、ナットや管
継手などには種々の塗装が施されている。この塗装は、
大量生産する場合、通常、浸漬塗装法などにより行なわ
れ、塗装の後、塗装剤を乾燥し、焼付けている。
【0003】一方、前記ネジ、ナットや管継手を浸漬塗
装法などを利用して塗装すると、ネジ頭の締付け用孔
(例えば十字穴)やネジ部に塗装剤が残存する。この場
合、乾燥又は焼付けにより、締付け用穴に塗装剤が残存
すると、ドライバーなどを用いて捩込んで部材間を接合
するのが困難となる。また、ネジ部に塗装剤が残存する
と、螺合が困難となる。さらに、ネジ部が塗装剤で埋設
されると、接合強度を低下させる。
【0004】そこで、ネジなどを浸漬塗装した後、遠心
分離機を用いて過剰な塗装剤を除去すると共に、締付け
用孔内に残存する塗装剤を、遠心力により飛散させて液
切りすることが考えられる。
【0005】図5は塗装が施されるタッピングビスを示
す斜視図、図6は遠心分離機による液切りを説明するた
めの概略平面図である。
【0006】この例では、ネジ切りされた軸部54にワ
ッシャ55を備えたタッピングビス51が示されてい
る。このビス51のネジ頭52には、線状又は十字状穴
53が形成されている。図6に示されるように、このよ
うな多数のタッピングネジ51a,51bを液状塗装剤
に浸漬して塗装し、遠心分離機の円筒状ケーシング56
内に入れ、遠心分離機を作動させると、遠心力により過
剰な塗装剤が除去される。なお、遠心力により飛散する
過剰な塗装剤を回収するため、前記ケーシング56は、
円周方向に所定間隔毎に立設された複数の棒56aによ
り柵状に構成されている。
【0007】一方、多数のタッピングビス51a,51
bをケーシング56内に入れると、タッピングビス51
a,51bがランダム方向に配向する。そして、軸部5
4の軸線が放射方向に向き、しかもネジ頭52が外方に
位置するタッピングビス51aでは、十字状穴53内の
塗装剤に遠心力が有効に作用し、穴53内の過剰な塗装
剤を除去し液切りすることができる。
【0008】しかし、軸部54の軸線が放射方向に向
き、しかもネジ頭52が内方に位置するタッピングビス
51bでは、穴53内に塗装剤を押付ける力が作用する
ので、穴53内に過剰な塗装剤が残存する。そのため、
ケーシング56内に収容する多数のタッピングビス51
bに付着した塗装剤を確実に液切りすることが困難とな
り、不良率が大きくなるとともに生産性及び歩留りが低
下する。
【0009】また、前記ケーシングを正転及び逆転させ
ることも考えられる。しかし、この場合にも、タッピン
グビスの軸部がランダムに配向するので、不良率を低減
し、生産性を高めることが困難である。すなわち、この
方法において、タッピングビスの穴から塗装剤を効率よ
く液切りするためには、ケーシングを繰返し正転及び逆
転させるのが有効である。例えば、ケーシングをそれぞ
れ1回ずつ正転及び逆転させると不良率が10〜15%
程度であるものの、2回ずつ正転及び逆転させると不良
率が5〜7%程度、3回ずつ正転及び逆転させると不良
率が3〜4%程度に低減する。しかし、ケーシングを繰
返し正転及び逆転させると、塗装剤の付着量が少なくな
り、防蝕性を高めるのが困難となるだけでなく、タッピ
ングビス同士が衝突し、当り傷が生じ易くなり、全体と
しての不良率が大きくなる。
【0010】多数のタッピングビスをケーシング内に配
列させて液切りすることも考えられる。しかし、この場
合には、タッピングビスの配列作業、液切り作業が煩雑
化し生産性を大きく低下させる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、液溜り部を有する複数のエレメントをランダムに収
容しても、液溜り部の塗装剤を効率よく液切りでき、不
良率を著しく低減できる遠心分離機および液切り方法を
提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記目的を
達成するため鋭意検討の結果、回転可能な回転体に、内
部ケーシングを回転可能に配設し、回転体の回転に伴な
って内部ケーシングを回転させると、内部ケーシング内
にランダムに収容された複数のエレメントに、種々の方
向の遠心力を作用させることができることを見いだし、
本発明を完成した。
【0013】すなわち、本発明は、回転駆動源により回
転可能な回転体と、この回転体に回転可能に配設された
少なくとも1つの内部ケーシングとを備えている遠心分
離機を提供する。
【0014】この装置は、内部ケーシングと接触可能な
接触子を備えているのが好ましい。また、好ましい装置
は、回転体を収容するハウジングと、回転体の周方向に
回転可能に配設された複数の内部ケーシングと、前記ハ
ウジングの開口部を覆う蓋体と、この蓋体からケーシン
グ本体内に進退自在に配設され、かつ複数の内部ケーシ
ングの側部と接触可能な接触子とを備えている。
【0015】本発明は、回転可能な回転体に配設された
回転可能な内部ケーシングに、液溜り部を有し、かつ液
状塗装剤で被覆された複数のエレメントを収容し、前記
回転板を回転させると共に、内部ケーシングを回転させ
る液切り方法も提供する。
【0016】
【作用】前記遠心分離機及び液切り方法において、回転
体を回転させながら、内部ケーシングを回転させると、
内部ケーシングの回転に伴なって、液溜め部が回転体の
内方に向いているエレメントであっても、液溜め部は、
回転体の外方に向く。すなわち、内部ケーシング内に複
数のエレメントをランダムに収容しても、内部ケーシン
グの回転に伴なって、液溜め部を、回転体による遠心力
が有効に作用する外方に臨ませることができる。そのた
め、ケーシング本体の回転による遠心力を、複数のエレ
メントの液溜め部に確実に作用させることができ、過剰
な塗装剤を液切りできる。
【0017】また、接触子を有する装置では、内部ケー
シングに接触子を接触させることにより、複数のエレメ
ントを収容する内部ケーシングを回転させ、内部ケーシ
ング内にランダムに収容された複数のエレメントの液溜
め部を、回転体の外方に臨ませることができる。
【0018】
【実施例】以下に、添付図面を参照しつつ、本発明の実
施例をより詳細に説明する。
【0019】図1は本発明の遠心分離機の一例を示す概
略側面図、図2は図1に示す遠心分離機の概略平面図、
図3は図1に示す遠心分離機による液切りを説明するた
めの概略平面図である。
【0020】前記遠心分離機は、基台1上に配置された
断面方形状フレーム2に取付けられている。前記遠心分
離機は、回転駆動源としての可変モータ3により回転可
能な回転体としてのケーシング本体10と、このケーシ
ング本体10内の周方向に回転可能に配設された複数の
内部ケーシング12とを備えている。前記ケーシング本
体10は公転枠を構成し、内部ケーシング12は自転枠
を構成する。
【0021】より詳細には、取付け部材2aにより前記
フレーム2に取付けられたモータ3の回転軸には、プー
リ4が取付けられていると共に、前記ケーシング本体1
0のシャフト7にもプーリ6が取付けられ、これらのプ
ーリ4,6間にはベルト5が緊張して掛渡されている。
前記ケーシング本体10のシャフト7は、軸受8a,8
bにより、ハウジング15の底板15aに回転可能に支
持されている。そのため、モータ3の作動によりケーシ
ング本体10が回転する。なお、この例では、ハウジン
グ15は前記フレーム2上に取付けられている。また、
ケーシング本体10は、前記シャフト7が取付けられ、
回転板を構成する底板10aと、この底板10aの円周
方向に所定間隔毎に立設された複数の棒10bとで構成
され、柵状に形成されている。符号9a,9bは受け用
のアングルである。
【0022】前記ケーシング本体10の底板10bの周
方向には、所定間隔毎に、複数のシャフト11が軸受1
2a,12bにより回転可能に支持されている。前記シ
ャフト11にはそれぞれ内部ケーシング13が取付けら
れている。この内部ケーシング13は、シャフト11に
取付けられた底板13aと、この底板13aの円周方向
に所定間隔毎に立設された複数の棒13bとで構成さ
れ、柵状に形成されている。前記柵状の内部ケーシング
13の上端部には、リング状の被接触部14が形成され
ている。
【0023】なお、前記棒10b及び13bで構成され
たケーシング本体10及び内部ケーシング13の側壁
は、液切りされた過剰な塗装剤の通過を許容する。液切
りされた過剰な塗装剤を回収するため、前記ハウジング
15の底板15aからは、フレーム2の排出口16に至
る傾斜板15bが延設されている。
【0024】前記ハウジング15の上部には、ヒンジ部
17を介して、ハウジング15の開口部および前記ケー
シング本体10の開口部を覆う蓋体18が開閉可能に取
付けられている。この蓋体18のうち、前記内部ケーシ
ング13の側部に対応する箇所には、油圧式又はエアシ
リンダ19が取付けられ、このシリンダ19からケーシ
ング本体10内に進退自在なロッド20には、前記内部
ケーシング13の上端周縁部と接触可能な接触子21が
回転可能に取付けられている。
【0025】このような装置を用いて、液溜め部を有す
るエレメントを液状塗装剤で塗装し、多数のエレメント
を内部ケーシング内にランダムに収容しても、液溜め部
の過剰な塗装剤を確実に液切りすることができる。以
下、前記図4に示されるタッピングビス51を用いた場
合について、より詳細に説明する。
【0026】図3に示されるように、内部ケーシング1
3内に、液状塗装剤で被覆されたタッピングビス51を
ランダムに収容し、モータ3によりケーシング本体10
を回転させる。その際、ネジ頭52が内部ケーシング1
3の外方に向いたタッピングビス51では、液溜め部と
しての穴53内の過剰な液状塗装剤に遠心力を作用さ
せ、過剰な塗装剤を除去できる。
【0027】そして、前記シリンダ19のロッド20を
ケーシング本体10内に伸長させると、接触子21が内
部ケーシング13の被接触部14と接触する。接触子2
1との接触に伴なって、回転しているケーシング本体1
0内で、内部ケーシング13が回転する。前記ロッド2
0の伸長と収縮に伴なって、ケーシング本体10内の複
数の内部ケーシング13は、接触子21との接触によ
り、順次回転する。
【0028】そのため、内部ケーシング13の回転に伴
なって、ランダムに収容された複数のタッピングビス5
1のネジ頭52を、ケーシング本体10の外方に臨ませ
ることができる。一方、ケーシング本体10による遠心
力は、前記放射方向に有効に作用する。従って、タッピ
ングビス51がランダムに収容されていても、ネジ頭5
2を外方に臨ませながら、タッピングビス51の穴53
に、遠心力を有効に作用させることができ、遠心力によ
り穴53から過剰な液状塗装剤を円滑に除去できる。
【0029】特に、ワッシャ55を備えたタッピングビ
ス51を、液状塗装剤に浸漬して塗装しても、ワッシャ
55とネジ頭52及び軸部54との間、およびネジ切り
された軸部54に残存する過剰な液状塗装剤も円滑に液
切りできる。このことは、ネジ、ボルト・ナットやフラ
ンジ部などを有していてもよい管継手などのように、液
溜め部が形成された複雑なエレメントについても同様で
ある。
【0030】さらに、ケーシング本体10を正転及び逆
転させることなく、効率よく液切りできるため、防蝕性
を付与するのに必要な塗装剤の付着量を適性に保つこと
ができるとともに、当り傷が殆んど発生せず、液溜りを
防止し、全体としての不良率を著しく低減できる。後述
する実験例からも明らかなように、本発明の遠心分離機
により前記タッピングビスを液切りすると、不良率0%
となる。そのため、塗装が施された複雑な構造のエレメ
ントを、大量生産する上で有用である。
【0031】なお、ケーシング本体を収容するハウジン
グは、横断面方形状に限らず、円筒状、断面多角形状で
あってもよい。ケーシング本体及び内部ケーシングは、
円筒状に限らず、断面多角形状であってもよい。ケーシ
ング本体及び内部ケーシングは、液状塗装剤の通過を規
制してもよいが、液所塗装剤の通過を許容するのが好ま
しく、例えば、前記棒により形成された柵状の枠体に限
らず、格子状の枠体、パンチングメタルなどで構成する
こともできる。また、ケーシング本体及び内部ケーシン
グの底板は、エレメントの通過を規制し、液状塗装剤の
通過を許容するプレートで構成されていてもよい。
【0032】前記実施例において、モータの回転をベル
トによりケーシング本体に伝達しているが、チェーンな
どの他の伝達手段により間接的に回転運動をケーシング
本体に伝達してもよく、ケーシング本体は、モータなど
の回転駆動手段により直接回転させてもよい。ケーシン
グ本体の回転数は、液状塗装剤の粘度などに応じて適当
に選択でき、例えば、100〜2000rpm、好まし
くは300〜1000rpm程度である。
【0033】ケーシング本体内には、少なくとも1つの
内部ケーシングが回転可能に配設されていればよいが、
ケーシング本体を円滑に回転させるため、円周方向に略
等間隔毎に複数の内部ケーシングが回転可能に配設され
ているのが好ましい。エレメントに遠心力を有効に作用
させるため、内部ケーシングは、ケーシング本体の底板
の中心部を除く領域に回転可能に配設されているのが好
ましい。
【0034】蓋体は、ケーシング本体の回転数が小さい
場合などにおいては、必ずしも必要ではないが、液切り
した液状塗装剤の飛散を防止するためには有用である。
蓋体は、前記ハウジングの開口部を覆う限り、ヒンジ部
を介することなくハウジングの上端周縁部に着脱自在に
装着してもよいが、作業効率を高めるため、ハウジング
に対して回動可能であるのが好ましい。前記蓋体は、前
記ケーシング本体の開口部を所定間隔隔てて覆い、回転
するケーシング本体に対して固定される。
【0035】前記接触子は、接触により内部ケーシング
を回転するものであればよく、蓋体を備ていない装置に
おいては、ケーシング本体の上方に配設された保持部材
から延びていてもよい。好ましい接触子は、内部ケーシ
ングの回転を制御するため、蓋体から延びている。蓋体
からケーシング本体内に延びる接触子は、内部ケーシン
グと常に接触していてもよく、ケーシング本体の回転に
伴なって、複数の内部ケーシングと順次接触してもよ
い。また、必要に応じて複数の接触子を設けることもで
き、複数の内部ケーシングと内接する仮想円に対応した
径を有する1つの接触子を設け、複数の内部ケーシング
を同時に回転させてもよい。
【0036】好ましい接触子は、蓋体からケーシング本
体内に進退自在に配設されている。この場合、接触子の
進退動により、複数の内部ケーシングと順次接触させ、
回転させることができる。ケーシング本体の回転に伴な
って、接触子との接触により内部ケーシングがしばらく
回転するので、接触子の進退動は、内部ケーシングの
数、ケーシング本体の回転数、エレメント及び液状塗装
剤の種類などに応じて適当に選択できる。また、接触子
の進退動は、前記シリンダに限らず、例えば、カム機
構、クランク機構、クロス・スライダ機構などの種々の
往復運動機構を利用して行なうことができる。さらに、
接触子の進退動は、ケーシング本体の回転と連動させる
こともできる。
【0037】接触子と内部ケーシングとの接触回数は、
ケーシング本体の回転数、ケーシング本体の内径などに
より遠心力が異なるので、塗装剤の粘度、エレメントの
構造などに応じて適当に選択できる。内径530mmφ
のケーシング本体を用い、前記塗装したタッピングビス
を製造する場合、例えば、ケーシング本体が10〜60
0回転、好ましくは50〜500回転、さらに好ましく
は100〜300回転する間に、接触子を内部ケーシン
グと少なくとも1回接触させれば十分である。なお、接
触子との接触により、内部ケーシングを少なくとも1回
転させるのが好ましい。
【0038】接触子と内部ケーシングとの接触部位は、
特に制限されず、内部ケーシングの側面などであっても
よい。
【0039】さらに、接触子は、内部ケーシングと点接
触してもよいが、効率よく内部ケーシングを回転させる
ため、面接触するのが好ましい。接触子の接触面は、内
部ケーシングとの接触及び離脱を円滑に行なうため、前
記図1に示されるように、傾斜面で構成されているのが
好ましい。接触子は回転不能であってもよいが、接触に
より、ケーシング本体の回転運動を、内部ケーシングの
回転に伝達できる範囲で、回転可能であるのが好まし
い。
【0040】前記実施例においては、回転駆動源により
回転可能な回転体をケーシング本体で構成しているが、
回転体は、ケーシング状である必要はなく、例えば、平
板状、格子状などの回転板で構成してもよい。また、前
記実施例では、接触子との接触により内部ケーシングを
回転させているが、内部ケーシング自体が回転可能であ
ってもよい。
【0041】図4は本発明の遠心分離機の他の例を示す
概略側面図である。なお、前記実施例における要素と同
一の要素には同一符号を付して説明する。
【0042】モータ3により回転可能なシャフト31に
は、一方の端部の供給口からハウジング15内の途中部
の側部の流出口に延びる流路32が形成されている。前
記シャフト31の端部には、前記流路32へ圧縮気体を
供給するための回転継手33が取付けられている。シャ
フト31の端部から供給された圧縮気体は、シャフト3
1の側部の流出口に接続されたパイプ34を通じて、い
わゆるエアモータ35に供給される。
【0043】このエアモータ35は、圧縮気体によりシ
ャフトを回転させるモータであり、市販されている。前
記エアモータ35は、モータハウジング内に回転可能に
配設された軸と、この軸の軸線方向に形成され、圧縮気
体により前記軸を回転させるためのベーンと、前記軸の
回転運動を内部ケーシング13に取付けられたシャフト
11に減速して伝達するための減速機とを備えている。
この例では、減速機としてプラネタリアギアが使用され
ている。なお、符号36は消音するためのマフラであ
る。
【0044】また、前記内部ケーシング13は、シャフ
ト31が取付けられた回転板10aに回転可能に配設さ
れている。この回転板10aは回転体を構成する。
【0045】このような装置では、モータ3により回転
板10aを回転させながら、前記シャフト31の端部か
ら圧縮気体を供給することにより、エアモータ35を回
転させ、内部ケーシング13を回転させることができ
る。そのため、前記のように接触子と接触させることな
く、内部ケーシング13内にランダムに収容された複数
のエレメントの液溜り部に遠心力を有効に作用させ、過
剰な液状塗装剤を液切りできる。
【0046】なお、前記エアモータの回転方向は、回転
板の回転方向と同一であってもよく、異なっていてもよ
い。また、エアモータの構造は、前記の構造に限定され
ない。さらに、内部ケーシングは前記エアモータ以外の
他の回転手段により回転させてもよく、その種類は特に
制限されない。
【0047】塗装が施されるエレメントの種類は、塗装
により液状塗装剤が残存する液溜り部を有する限り、特
に制限されない。
【0048】液状塗装剤の種類は特に制限されず、乾燥
型、焼付け塗料、光硬化型塗料などの種々の液状塗装剤
が使用できる。液状塗装剤は、慣用の方法、例えば、ス
プレー塗装などにより行なってもよいが、大量のエレメ
ントを塗装する場合、浸漬塗装が好適である。エレメン
トに浸漬塗装を施す場合、岩田粘度カップNK−2[岩
田塗装機工業(株)]による粘度が、例えば、10〜3
00秒、好ましくは30〜150秒程度の塗装剤が使用
できる。
【0049】本発明の遠心分離機及び液切り方法は、エ
レメントに複数回塗装する場合にも適用できる。複数回
に亘る塗装は、通常、均一な塗膜を形成し耐蝕性を向上
させる上で有用である。この場合、通常、浸漬塗装を2
回施してもよく、浸漬塗装と他の塗装方法、例えば、ス
プレー塗装とを組合せて塗装してもよい。なお、塗装さ
れたエレメントをさらに塗装する場合、スプレー塗装が
広く採用されているが、スプレー塗装では、液状塗装剤
の付着量が変化し易く、多数のエレメントを均一に塗布
するのが困難である。本発明の遠心分離機を用いた液切
り方法では、複雑な構造のエレメントであっても、塗装
剤の付着量を均一化できるので、エレメントを浸漬塗装
などにより塗装した後、液切りに供することにより、ス
プレー塗装が不要となる。そのため、塗装されたエレメ
ントの生産性を向上させることができる。なお、エレメ
ントを複数回塗装する場合、1回毎に液切りに供しても
よく、複数回塗装した後、液切りに供してもよい。
【0050】さらに、焼付け型塗料を用いる場合、前記
のようにして液切りされたエレメントは、通常、必要に
応じて50〜150℃、好ましくは75〜150℃程度
の乾燥工程に供した後、焼付け工程に供されるが、乾燥
工程の後、エレメントが固着する場合がある。固着した
エレメントはほぐすのが好ましい。複数のエレメント
は、慣用の方法、例えば、振動する傾斜コンベアなどの
振動フルイなどによりほぐすことができる。このような
ふるい工程を採用すると、乾燥工程により、エレメント
同士が万一固着しても、個別のエレメントに連続的に分
離でき、良品の歩留りを高めることができる。ふるい工
程は、特に、前記タッピングビスのように、ワッシャと
ネジ頭や軸部との固着をほぐす上でも有用である。
【0051】
【発明の効果】本発明の遠心分離機及び液切り方法によ
ると、内部ケーシングを回転させることができるので、
液溜り部を有する複数のエレメントをランダムに配向さ
せても、液溜り部の塗装剤を効率よく液切りでき、不良
率を著しく低減できる。
【0052】
【実験例】以下に、実験例に基づいて本発明をより詳細
に説明する。
【0053】図5に示すワッシャを備えたタッピングビ
ス(軸部の長さ16mm、十字穴が形成されたネジ頭の
径10mm×厚み3.5mm、ワッシャの径20mm)
を次のようにして塗装した。すなわち、1842個のタ
ッピングビスを、フッ素樹脂系塗料[岩田粘度カップN
K−2[岩田塗装機工業(株)]による粘度80秒]に
ディッピングして塗装した後、4個の内部ケーシングに
別けて、それぞれランダムに入れ、図1に示す遠心分離
機を用いて、ケーシング本体(内径530mmφ)を6
00rpmで40秒間回転させた。なお、エアシリンダ
により蓋体からケーシング本体内に接触子を間欠的に進
退動させ、ケーシング本体が300回転する毎に接触子
と内部ケーシングとを、1回接触させた。接触子との接
触により内部ケーシングは少なくとも1回転した。
【0054】このようにして液切りした後、120℃で
乾燥した後、前記フッ素樹脂系塗料を11秒間スプレー
塗装し、前記乾燥温度で乾燥させた。
【0055】また、1835個のタッピングビスを用
い、上記の操作を繰返した。
【0056】そして、タッピングビスの十字穴に過剰な
塗装剤が残存しているか否かを個々のタッピングビス毎
に調べ、その個数を求めた。その結果、合計3677個
のタッピングビスを液切りしたところ、タッピングビス
の十字穴への液溜りを完全に防止でき、不良率は0%で
あった。また、タッピングビスは前記塗料により均一に
被覆されていた。
【0057】また、前記と同様にして、約1500〜1
950個毎に11回に亘って合計20202個のタッピ
ングビスを処理したところ、十字穴に過剰な塗装剤が残
存したタッピングビスの数は0個であった。
【0058】比較実験例 実験例で用いた装置において、内部ケーシング及び接触
子を取除いた装置を用い、ケーシング本体を20秒毎に
1回ずつ正転及び逆転させる以外、実験例と同様にし
て、2回に別けて合計3704個のタッピングビスを液
切りに供したところ、十字穴に過剰な塗装剤が残存した
タッピングビスの数は456個であり、不良率は12.
3%であった。
【0059】また、ケーシング本体を20秒毎に2回ず
つ正転及び逆転させ、2回に別けて合計3459個のタ
ッピングビスを液切りに供したところ、十字穴に過剰な
塗装剤が残存したタッピングビスの数は221個であ
り、不良率は6.4%であった。また、この場合、約3
00個のタッピングビスに当り傷が生じていた。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の遠心分離機の一例を示す概略側
面図である。
【図2】図2は図1に示す遠心分離機の概略平面図であ
る。
【図3】図3は、図1に示す遠心分離機による液切りを
説明するための概略平面図である。
【図4】図4は本発明の遠心分離機の他の例を示す概略
側面図である。
【図5】図5は塗装が施されるタッピングビスを示す斜
視図である。
【図6】図6は従来の遠心分離機による液切りを説明す
るための概略平面図である。
【符号の説明】
3…モータ 10…ケーシング本体 13…内部ケーシング 15…ハウジング 18…蓋体 21…接触子 35…エアモータ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転駆動源により回転可能な回転体と、
    この回転体に回転可能に配設された少なくとも1つの内
    部ケーシングとを備えている遠心分離機。
  2. 【請求項2】 内部ケーシングと接触可能な接触子を備
    えている遠心分離機。
  3. 【請求項3】 回転体を収容するハウジングと、回転体
    の周方向に回転可能に配設された複数の内部ケーシング
    と、前記ハウジングの開口部を覆う蓋体と、この蓋体か
    らケーシング本体内に進退自在に配設され、かつ複数の
    内部ケーシングの側部と接触可能な接触子とを備えてい
    る請求項1記載の遠心分離機。
  4. 【請求項4】 回転可能な回転体に配設された回転可能
    な内部ケーシングに、液溜り部を有し、かつ液状塗装剤
    で被覆された複数のエレメントを収容し、前記回転板を
    回転させると共に、内部ケーシングを回転させる液切り
    方法。
JP17021792A 1992-06-03 1992-06-03 遠心分離機およびそれを用いた液切り方法 Pending JPH05337401A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002210404A (ja) * 2001-01-17 2002-07-30 Hoden Seimitsu Kako Kenkyusho Ltd リセスを有するねじの遠心塗装方法
JP2017087144A (ja) * 2015-11-11 2017-05-25 大日本塗料株式会社 構造物の塗装方法
EP3441149A1 (de) * 2017-08-09 2019-02-13 Forplan AG Beschichtungsverfahren, beschichtungsvorrichtung zur durchführung dieses verfahrens und beschichtungsanlage mit einer solchen beschichtungsvorrichtung
DE102021207669A1 (de) 2021-07-19 2023-01-19 Forplan AG Beschichtungsverfahren, Beschichtungsvorrichtung und Beschichtungsanlage mit einer solchen Beschichtungsvorrichtung sowie Antriebsstrang

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DE102021207669B4 (de) 2021-07-19 2023-05-04 Forplan AG Beschichtungsverfahren, Beschichtungsvorrichtung und Beschichtungsanlage mit einer solchen Beschichtungsvorrichtung sowie Antriebsstrang

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