JPH07289666A - スクリュー式ゴルフボール洗浄機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 大きさの異なるボールや割れボール、小石等
が混じっていても送りに支障がなく、且つ大きい洗浄速
度を得ることのできるスクリュー式ゴルフボール洗浄
機。 【構成】 シリンダ（１、４）と、シリンダ内で回転自
在であり軸周囲に洗浄ブラシを植設したスクリューコン
ベア（９、１０）からなるスクリュー式ゴルフボール洗
浄機。投入口２に投入されたゴルフボールは、スクリュ
ー羽根１２により排出口３に向けて送られるとともに、
洗浄ブラシ１３によりシリンダ１の内周に押し付けられ
つつ回転し、全周面をブラシでこすられ洗浄される。排
出口３からシリンダ４内に入ったゴルフボールは同じ処
理を受け、排出口６から排出される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ゴルフ練習場等におい
て再使用のために回収されたゴルフボールを洗浄するた
めのゴルフボール洗浄機に関する。

【０００２】

【従来の技術】ゴルフ練習場において回収されたゴルフ
ボールを回転するブラシを使用して自動的に洗浄する洗
浄機としては、例えば特開平５−３１７４６０号公
報、特開平３−２８９９７７号公報等が知られてい
る。

【０００３】上記の装置は、縦に設置した外筒の内周
面にラセン通路を形成するとともに、外筒の中心に回転
軸を形成してこの軸の外周に洗浄ブラシを設け、外筒の
下端から該ラセン通路にゴルフボールを連続充填し、ブ
ラシ先端でゴルフボールを該ラセン通路に圧接しながら
上方へ回転移動させるというもので、ゴルフボールはラ
セン通路を移動しながら洗浄ブラシで洗浄され、上端か
ら連続的に排出される。

【０００４】上記の装置は、横向きに設置した円筒体
と、その中心で高速回転する洗浄ブラシと、円筒体内周
面と洗浄ブラシ先端の隙間に放射状に設けられ、この隙
間に送り込まれたボールを一周送りする送り板等からな
り、送り板で送られるボールを洗浄ブラシで洗浄すると
いうもので、ゴルフボールは円筒体側面の投入口から投
入され、円筒体内周面と洗浄ブラシ先端の隙間に沿って
ほぼ１回転する間にブラシ先端上で転動し洗浄され、円
筒体側面の排出口から排出される。

【０００５】ところで、上記の装置は、ブラシ先端で
ボールをラセン通路に圧接し、回転するブラシの力でボ
ールを上方へ送るものであることからブラシに大きい負
担がかかり、ブラシが早期に摩耗又はへたりを起こしや
すい。また、ブラシをボールに必要以上に強く押し付け
ることから、ボール表面に印刷したネーム等の塗装まで
はげ落ちるという問題がある。加えて、練習用ボールは
半球状の外殻を２つ接着して球体とした形態のものが多
く、ブラシがボールに強く押し付けられる結果、継目に
ブラシの毛が引っかかりブラシとボールの双方が摩耗し
やすいということもある。

【０００６】さらに、洗浄に供せられるボールにはラー
ジボールやスモールボール、割れボール等が混じってい
る場合が多く、これらはそれぞれラセン通路内での移動
速度が異なる（スモールボールや割れボールは遅い）の
で内部で詰まりやすく、詰まるとブラシの摩耗が一層激
しくなる。これは特に充填密度を上げたとき顕著とな
り、このため洗浄速度（時間当りの洗浄個数）を十分に
上げることができないという問題が生ずる。なお、この
ような詰まりは、例えば、後続のラージボールがラセン
通路内で先行するスモールボールに追いつき、両者が接
触して回転が制限されることが原因となっている。

【０００７】上記の装置は、ボールの転動方向が限ら
れ、しかもブラシをボールに押し付けるものではないの
で洗浄力が低く、例えば人工芝マットの緑色やばい煙、
水垢等の落ちにくい汚れには余り効果的ではない。ま
た、同心上に配置したブラシと送り板を異なる速度で回
転せしめる必要から装置の構成が複雑になるという問題
がある。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な従来のゴルフボール洗浄機の問題点に鑑みてなされた
もので、ゴルフボール洗浄機においてブラシの摩耗やへ
たりを抑制すること、大きさの異なるボールや割れボー
ル、小石等が混じっていても送りに支障がなく、且つ大
きい洗浄速度を得ること、洗浄力が高く、しかもネーム
等の塗装のハゲを防止すること、また、機構的に簡単な
ゴルフボール洗浄機を得ることを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明は、一方の端部に
投入口を設け他方の端部に排出口を設けたシリンダと、
シリンダ内で回転自在であり軸周囲に洗浄ブラシを植設
したスクリューコンベアを備え、シリンダ内周面と洗浄
ブラシ先端との間隔がゴルフボールの直径より小さく設
定されたスクリュー式ゴルフボール洗浄機に関する。上
記洗浄機は、横設されたシリンダの一方の端部上向きに
投入口を設け、他方の端部下向きに排出口を設けること
が好ましく、また、上記シリンダ及びスクリューコンベ
アのセットを上下２段に設置し、上部セットにおける排
出口を下部セットにおける投入口に接続するようにする
のが好ましい。

【００１０】

【作用】本発明では、ゴルフボールの送りはスクリュー
羽根により強制的に行われるので、異なる大きさのボー
ルや割れボールであっても同じ速さでシリンダ内を回転
しながら移動し、内部で詰まるということがなく、洗浄
速度を大きくすることができる。そして、ブラシは洗浄
作用のみ受け持てばよいので、洗浄に最適な強さでボー
ルに押し付けられるようセッティングすることができ、
ネーム等の塗装をはがさずボールの汚れをよく落とし、
また、ブラシの摩耗やへたりが抑制される。

【００１１】

【実施例】以下、本発明の実施例を図１〜図４を参照し
て説明する。この実施例のゴルフボール洗浄機は、２つ
のシリンダ及びスクリューコンベアのセットを上下に配
置し直列につないだもので、装置全体が極めてコンパク
ト化されている。

【００１２】上部セットのシリンダ１は、一方の端部側
面に形成された上向きのゴルフボール投入口２と、他方
の端部側面に形成された下向きの排出口３を有し、下部
セットのシリンダ４はシリンダ１の下方に平行に配置さ
れ、一方の端部側面に形成された上向きの投入口５と、
他方の端部側面に形成された下向きの排出口６を有す
る。シリンダ１の排出口３とシリンダ４の投入口５は上
下につながり、両シリンダ１、４の両端は共通のエンド
プレート７及び８で閉じられている。

【００１３】両シリンダ１、４の内部にはスクリューコ
ンベア９、１０が配置され、それぞれの両端が両エンド
プレート７、８に軸支されている。シリンダ１（内径２
００ｍｍφ）の内部に配置されたスクリューコンベア９
は、円筒軸１１（外径７６．３ｍｍφ）と、円筒軸１１
の周囲に形成したスクリュー羽根１２（外径１９０ｍｍ
φ、ピッチ７５ｍｍ）、円筒軸１１の外周に設けられた
ナイロン製の洗浄ブラシ１３（外径１３８ｍｍφ）、円
筒軸両端の支軸１４、１５等からなる。シリンダ１の内
周面と洗浄ブラシ１３の先端との間隔は３１ｍｍであ
り、ゴルフボールＧの直径（ラージボールで４２．６ｍ
ｍφ）より小さく設定されている。また、１６は洗浄ブ
ラシが一体的に植えられたベースであり、これを円筒軸
１１の周囲に巻き付け固定することにより、円筒軸１１
の外周に洗浄ブラシ１３を植設することができる。１７
は円筒軸１１の外周に固定されたディスクである。スク
リューコンベア１０は、スクリュー羽根１８が逆向きに
形成されているほかは、スクリューコンベア９とほぼ同
様の構造である。

【００１４】各スクリューコンベア９、１０の支軸１
４、１５、１９、２０は、それぞれエンドプレート７、
８に設けられた軸受ユニット（オイルシール及び軸受を
内蔵）２１〜２４に回転自在に軸支され、且つ支軸１５
及び２０の先端は軸受けユニット２２、２４から突出
し、支軸１５の先端にはスプロケット２５、２６が取り
付けられ、支軸２０の先端にはスプロケット２７が取り
付けられる。スプロケット２５と２７は同一方向に同期
回転するようにローラチェーン２８でつながり、一方、
スプロケット２６はローラチェーン２９を介してギヤモ
ーター３０のスプロケット３１につながっている。な
お、３２はチェーンタイトナーとしてのスプロケットで
あり、左右に位置調整可能である。

【００１５】シリンダ４に形成された排出口６には、す
のこ状の底部３３ａを有するシュート３３と、その下部
に排水樋３４が設けられ、排水樋３４の先はタンク３５
に連結されている。タンク３５には投入口２に設けられ
た注水口３６につながる管路３７が形成され、ポンプ３
８によりタンク内の洗浄液を循環使用できるようになっ
ている。なお、３９はシュート３３に排出されるゴルフ
ボールの水切りをする送風ファンである。

【００１６】そのほか、上記洗浄機では、シリンダ１、
４及びタンク３５の周りには保温材４０が配設され、タ
ンク３５には図示しないヒーターが配設される。また、
４１、４２は点検口（点検口４１はシリンダ側面に上向
きに、４２は斜めに付き、装置を分解しなくても蓋を外
して点検できるようになっている）、４３はドレン抜き
のコックである。

【００１７】さて、上記洗浄機において、モータ３０を
作動させてスクリューコンベア９、１０を回転し、ポン
プ３８を作動させて注水口３６からタンク３５の加温さ
れた洗浄液を注水し、投入口２からゴルフボールＧを投
入すると、ゴルフボールＧはスクリューコンベア９の作
用で洗浄を受けつつ排出口３の方向に進み、排出口３か
ら投入口５を経て下方のシリンダ４内に落下する。な
お、ディスク１７はゴルフボールＧがシリンダ１の端部
の空所にはまり込むのを防止する。

【００１８】シリンダ４内に落下したゴルフボールＧ
は、スクリューコンベア１０の作用で洗浄を受けつつ排
出口６の方向に進み、排出口６からシュート３３状に落
下し、ファン３９の水切り作用を受け、さらに図示しな
いコンベア上に落下して運ばれ、必要に応じて乾燥、ワ
ックス掛け等の処理を施される。また、排出口６からシ
ュート３３のすのこ状の底部３３ａを経て排水樋３４内
に受け入れられた洗浄液は、タンク３５に戻され循環使
用される。

【００１９】シリンダ１内では、ゴルフボールＧはスク
リュー羽根１２により公転しながら排出口３の方向に送
られるとともに、洗浄ブラシ１３によりシリンダ１の内
周に押し付けられつつ不規則に回転し、全周面をブラシ
でこすられ、シリンダ４内でも同様の作用を受け、きれ
いに洗浄されて排出される。この装置によれば、ネーム
等の塗装ははがされず、汚れのみ洗浄される。特に、従
来の洗浄機では落ちにくかった人工芝マットの緑色やば
い煙、水垢等の汚れもきれいに落とすことができた。ま
た、ラージボールやスモールボール、割れボール等の混
じった練習場のボールを最大３００００個／時間の速度
で洗浄したが、詰まりは生じなかった。

【００２０】なお、ギヤモータ３０の回転速度を上下し
てスクリューコンベアの回転速度を変えても、ゴルフボ
ールＧは洗浄ブラシ１３に同じ距離だけこすられるの
で、ブラシ自体が与える洗浄作用には実質的な変化がな
いが、スクリューコンベアの回転速度が変わるとゴルフ
ボールＧの表面が洗浄液に接触する時間が変わるのでト
ータルとしての洗浄能力が変化する。つまり、例えば回
転速度を下げると、ゴルフボールＧが洗浄液に接触する
時間が長くなり、洗浄能力がアップする。従って、例え
ば、ひどく汚れたゴルフボールを洗浄する場合は回転速
度を下げて洗浄し、それより汚れの少ないゴルフボール
を洗浄するときは回転速度を上げて洗浄するとよい。回
転速度を上げると単位時間当りの処理能力（洗浄速度）
が上がり、また洗浄液に接触する時間が短いのでネーム
等の塗装が一層はげにくいという利点がある。さらに極
度に汚れたゴルフボールの場合、一度回転速度を下げて
洗浄し、必要に応じてもう一度回転速度を上げて洗浄す
るという使い方もできる。

【００２１】上記実施例では、コンパクト化のため２つ
のシリンダ及びスクリューコンベアのセットを上下に配
置したが、１つのセットでもよく、３以上のセットとす
ることも、その配置についても任意である。また、洗浄
液の循環の管路についても、例えば水中ポンプを使用
し、フレキシブルチューブで注水口に送水するなどの変
更が可能である。

【００２２】

【発明の効果】本発明によれば、ゴルフボールの送りが
スクリュー羽根により強制的に行われるので、異なる大
きさのボールや割れボールであっても同じ速さでシリン
ダ内を回転しながら移動し、内部で詰まるということが
なく、洗浄速度を大きくすることができる。そして、ブ
ラシは洗浄作用のみ受け持つので、洗浄に最適な強さで
ボールに押し付けられるようセッティングすることがで
き、ネーム等の塗装をはがさずボールの汚れをよく落と
し、また、ブラシの摩耗やへたりが抑制される。さら
に、装置が機構的に簡単であり、コンパクト化が可能で
あるという利点を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】スクリュー式ゴルフボール洗浄機の断面図であ
る。

【図２】図１の右側面図である。

【図３】同じく左側面図（一部切欠き）である。

【図４】シリンダ及びスクリューコンベアの断面図であ
る。

【符号の説明】

１、４ シリンダ ２、５ 投入口 ３、６ 排出口 ９、１０ スクリューコンベア １１ スクリューコンベアの円筒軸 １２、１８ スクリュー羽根 １３ 洗浄ブラシ ３５ 洗浄液タンク

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 一方の端部に投入口を設け他方の端部に
   排出口を設けたシリンダと、シリンダ内で回転自在であ
   り軸周囲に洗浄ブラシを植設したスクリューコンベアを
   備え、シリンダ内周面と洗浄ブラシ先端との間隔がゴル
   フボールの直径より小さく設定されたことを特徴とする
   スクリュー式ゴルフボール洗浄機。
2. 【請求項２】 横設されたシリンダの一方の端部上向き
   に投入口を設け、他方の端部下向きに排出口を設けるこ
   とを特徴とする請求項１に記載されたスクリュー式ゴル
   フボール洗浄機。
3. 【請求項３】 上記シリンダ及びスクリューコンベアの
   セットを上下に設置し、上部セットにおける排出口を下
   部セットにおける投入口に接続することを特徴とする請
   求項２に記載されたスクリュー式ゴルフボール洗浄機。