JPH0533732A - エバポパージシステムの異常検出装置 - Google Patents

エバポパージシステムの異常検出装置

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JPH0533732A
JPH0533732A JP3323364A JP32336491A JPH0533732A JP H0533732 A JPH0533732 A JP H0533732A JP 3323364 A JP3323364 A JP 3323364A JP 32336491 A JP32336491 A JP 32336491A JP H0533732 A JPH0533732 A JP H0533732A
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孝之 大塚
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は蒸発燃料の通路の圧力を検出すること
により異常検出を行う構成とされたエバポパージシステ
ムの異常検出装置に関し、一つの圧力センサによりパー
ジ通路とベーパ通路の双方の異常を検出することを目的
とする。 【構成】ベーパ通路12とパージ通路15内の圧力を検
出することによりエバポパージシステム20の異常を検
出するエバポパージシステムの異常検出装置において、
上記ベーパ通路12とパージ通路15とを連通すると共
に、ベーパ通路12またはパージ通路15のいずれか一
方に圧力センサ17を設け、かつ、上記パージ時に圧力
センサ17が所定圧力を検出しない時、エバポパージシ
ステム20に異常が発生していると判断する構成とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はエバポパージシステムの
異常検出装置に係り、特に蒸発燃料の通路の圧力を検出
することにより異常検出を行う構成とされたエバポパー
ジシステムの異常検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、燃料タンクで蒸発した燃料は、
活性炭等が充填されたキャニスタに吸着させ、蒸発燃料
(以下単に燃料とも称する)が大気に放出されないよう
構成されている。また、キャニスタの容量には制限があ
り吸着できる燃料量が限られているため、キャニスタの
オーバーフローを防止する等を目的として、キャニスタ
に吸着された燃料をエンジンの吸気管へパージし燃焼さ
せる構成のエバポパージシステムがある。
【0003】このエバポパージシステムは、何らかの理
由でベーパ通路が破損したり配管が外れた等の故障が発
生した場合、キャニスタがオーバーフローしてしまった
り、燃料が大気に放出するおそれがある。このため、故
障を自己診断するための異常検出装置を設けたエバポパ
ージシステムが提案されている。
【0004】従来、このエバポパージシステムの異常検
出装置としては、例えば特開平2-130255号公報に開示さ
れたものがある。同公報に示される異常検出装置は、パ
ージ通路のキャニスタとパージ制御弁との間に圧力セン
サを設け、パージ時の圧力及びパージ制御弁の開閉前後
の圧力変化に基づき、エバポパージシステムの異常を検
出する構成とされていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかるに上記従来装置
では、圧力センサがパージ通路に設けられた構成であっ
たため、燃料タンクからキャニスタに至るベーパ通路に
異常が発生した場合には、これを検出することができな
いという問題点があった。
【0006】また、ベーパ通路においても異常検出を行
おうとした場合、パージ通路に加えてベーパ通路にも圧
力センサを配設する必要があり、部品点数の増加及び構
造の複雑化を招き、更に圧力センサの信号に基づき異常
検出を行う異常検出手段の構造も複雑になってしまうと
いう問題点があった。
【0007】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、一つの圧力センサによりパージ通路とベーパ通路
の双方の異常を検出することができるエバポパージシス
テムの異常検出装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明では、燃料タンクとキャニスタを連通し燃料
タンクで発生した蒸発燃料をキャニスタに導入するベー
パ通路と、キャニスタに吸着された燃料をエンジンの吸
気系にパージするパージ通路とを具備するエバポパージ
システムに設けられ、上記通路内の圧力を検出すること
によりエバポパージシステムの異常を検出するエバポパ
ージシステムの異常検出装置において、上記ベーパ通路
とパージ通路とを連通すると共に、ベーパ通路またはパ
ージ通路のいずれか一方に圧力センサを設け、かつ、上
記パージ時に圧力センサが所定圧力を検出しない時、エ
バポパージシステムに異常が発生していると判断する異
常検出手段を設けたことを特徴とするものである。
【0009】
【作用】上記構成とされた異常検出装置によれば、ベー
パ通路とパージ通路とを連通したことにより、一つの圧
力センサでベーパ通路を含めたエバポパージシステム全
体の異常を検出することができる。
【0010】
【実施例】次に本発明の実施例について図面と共に説明
する。図1は本発明の第1実施例であるエバポパージシ
ステムの異常検出装置10を示している。
【0011】同図中、11はキャニスタであり、内部に
活性炭等の吸着材11aが充填されている。このキャニ
スタ11は、ベーパ通路12により燃料タンク13と連
通されている。よって、燃料タンク13で発生した蒸発
燃料は、ベーパ通路12を通りキャニスタ11に導入さ
れ、吸着材11aに吸着されることによりキャニスタ1
1内に保持される。また、キャニスタ11とエンジン
(図示せず)の吸気管14との間には、パージ通路15
が設けられている。このパージ通路15は吸気管14に
配設されたスロットルバルブ16が所定開度以上開く
と、その下流側にて吸気管14と連通するよう構成され
ている。エバポパージシステム20は、上記のキャニス
タ11,ベーパ通路12,燃料タンク13,吸気管1
4,パージ通路15等から構成されている。
【0012】本発明になる異常検出装置10では、上記
したベーパ通路12とパージ通路15を連通すると共
に、ベーパ通路12に圧力センサ17を配設したことを
特徴とするものである。このため、キャニスタ11の上
部にはベーパ通路12とパージ通路15を連通する連通
路18が設けられており、また連通路18には絞り19
が配設されている。更に、圧力センサ17はエンジンコ
ントロールユニット(ECU)21に接続されている。
【0013】上記構成とされたエバポパージシステム2
0の動作について以下説明する。
【0014】上記エバポパージシステム20において、
燃料タンク13で蒸発燃料(べーパ)が発生すると、こ
の蒸発燃料はベーパ通路12を通り連通路18に至る。
連通路18には絞り19が設けられているため流体抵抗
は連通路18を通過するよりもキャニスタ11に流入し
た方が低いため、蒸発燃料の大部分はキャニスタ11に
流入し吸着材11aに吸着される。
【0015】また、キャニスタ11に吸着された燃料の
パージは次のように行われる。吸気管14に配設された
スロットルバルブ16(図示しないスロットルセンサと
連動している)が開弁すると、吸気管14に取り入れら
れた空気は図中矢印方向に流れ、よってパージ通路15
は負圧となる。このパージ通路15に印加される負圧
は、キャニスタ11に印加されると共に、絞り19を介
してベーパ通路12にも印加される。しかるに、前記し
たように連通路18の流体抵抗は絞り19の存在により
キャニスタ11よりも大きいため、キャニスタ11から
吸着されていた燃料はパージ通路15を通り吸気管14
にパージされていく。上記一連の動作によりエバポパー
ジシステム20は、燃料タンク13で発生した蒸発燃料
をキャニスタ11で吸着すると共に、キャニスタ11に
吸着された燃料を吸気管14にパージする。よって、連
通路18を設けてもエバポパージシステム20の基本的
機能に何ら影響を及ぼすようなことはない。
【0016】ここで、連通路18に絞り19(オリフィ
ス)を設ける理由について述べる。もしオリフィスがな
い場合には、漏れがあればその値は小さくなるが、系全
体に負圧が作用する。しかし、オリフィスを設けた場合
には、仮にオリフィスの径が漏れ穴の径よりも小さく、
かつ漏れ穴がオリフィスよらも上流側(燃料タンク側)
にあったとすれば、オリフィスの通路抵抗は漏れ穴の通
路抵抗より大であるため、オリフィスより上流側(燃料
タンク側)には負圧が全く印加されない。
【0017】よって、オリフィスを設け、かつ圧力セン
サをオリフィスの上流側(燃料タンク側)に設けること
により、より異常検出の精度を向上させることが可能と
なる。このために、連通路18に絞り19(オリフィ
ス)が設けられている。即ち、オリフィスの大なる通気
抵抗により、オリフィス上流側は略静的な系とり、漏れ
が有ると無いとでは負圧の印加のされ方に大きな差が生
じる。
【0018】続いて異常検出装置10の動作について説
明する。
【0019】異常検出装置10が行う異常検出処理は、
ECU21のプログラム処理として実行され、異常検出
手段はこのプログラムによるソフトウェアにより構成さ
れる。このECU21はマイクロコンピュータであり、
中央演算処理回路(CPU),リードオンリメモリ(R
OM),ランダムアクセスメモリ(RAM)等により構
成させている。また、ECU21にはスロットルセン
サ,水温センサ,エアフローメータ等の各種センサが接
続されており、これらのセンサから供給される信号に基
づきECU21は、燃料噴射制御,点火時期制御等をは
じめとする各種制御及び本発明の要部となる異常検出処
理を行う。
【0020】図2はECU21が実行する異常検出処理
を示すフローチャートである。同図に示す異常検出処理
は、例えばスロットルセンサから供給される信号により
割り込み処理される割り込みルーチンである。
【0021】同図に示す処理が起動すると、先ずECU
21はステップ100(以下、ステップをSと示す)に
おいて、スロットルセンサからのスロットル開度信号に
基づき、スロットル開度が異常検出に適した開度となっ
ているかどうかを判断する。そして、S100において
スロットル開度が異常検出に適した開度となっていない
場合には処理を終了し、また異常検出に適した開度とな
っている場合には処理はS101に進む。
【0022】S101では、圧力センサ17から供給さ
れる圧力信号を取り込む。続くS102では、S101
で取り込まれた圧力信号に基づき、ベーパ通路12内の
圧力が所定の圧力となっているかどうかが判定される。
【0023】いま、エバポパージシステム20が正常で
あり、配管の外れ等が生じていない状態であるとする
と、スロットルバルブ16が開弁することによりパージ
通路15に印加される負圧は連通路18,絞り19を介
してベーパ通路12にも印加される。しかるに、エバポ
パージシステム20に異常が発生し、配管の外れ等が発
生している場合には、異常発生部位において大気が通路
12,15に流入したり、或いは通路が詰まったりし
て、圧力センサ17で検出される圧力はスロットル開度
で定まる所定圧力とはならない。よって、通路12,1
4内の圧力を検出することによりエバポパージシステム
20の異常を検出することができる。
【0024】また、ベーパ通路12とパージ通路15は
連通されているため、いずれかの通路12,15或いは
キャニスタ11,燃料タンク13に異常が発生しても、
その影響は各通路12,15の双方に共に現れる。従っ
て、異常検出を行う圧力センサ17は、ベーパ通路12
或いはパージ通路15のいずれか一方に一つだけ配設す
るだけでよく、これによりエバポパージシステム20全
体の異常検出を行うことができる。よって、異常検出装
置10の部品点数の削減及び構造の簡単化を図ることが
でき、更にECU21の異常検出プログラムも一つの圧
力センサ17の信号に基づき異常検出を行う構成でよい
ため、プログラム構成も簡単化することができる。
【0025】上記した異常検出原理に基づき、S102
でベーパ通路12内の圧力が所定の圧力となっていると
判定された場合には、ECU21はエバポパージシステ
ム20に異常が発生していないと判断し、処理を終了す
る。一方、S102でベーパ通路12内の圧力が所定の
圧力となっていないと判断されると、処理はS103に
進み、ECU21はウォーニングランプ22を点灯さ
せ、運転者にエバポパージシステム20に異常が発生し
ていることを知らせる。上記のように、本発明に係る異
常検出装置10によれば、簡単な構成の装置で確実にエ
バポパージシステム20の異常検出を行うことが可能と
なる。
【0026】図3及び図4は本発明の第2実施例である
異常検出装置に適用されるキャニスタ30を示してい
る。尚、第2実施例に係る異常検出装置は、このキャニ
スタ30の構成以外は図1で示した第1実施例に係る異
常検出装置10と同一であるため、キャニスタ30のみ
を図示して説明する。
【0027】第1実施例に係る異常検出装置10では、
ベーパ通路12とパージ通路15をキャニスタ11の外
部位置において連通する構成としたが、第2実施例に係
る異常検出装置では、キャニスタ30の内部でベーパ通
路12とパージ通路15を連通したことを特徴とするも
のである。
【0028】図3はキャニスタ30の上部を拡大して示
す断面図であり、図4はキャニスタ30の全体図であ
る。各図に示すように、キャニスタ30は、その上部に
おいてベーパ通路12が接続された流路31が2本に分
岐され第1及び第2の分岐路31a,31bを形成して
いる。この第1及び第2の分岐路31a,31bの吸着
材側端部にはコイルスプリング32b,33bに付勢さ
れたチェックボール32a,33aが配設されており、
このチェックボール32a,33a及びコイルスプリン
グ32b,33bはチェック弁32,33を構成する。
チェック弁32は、燃料タンク13から流入する蒸発燃
料が所定圧力以上である場合にチェックボール32aが
変位し、燃料タンク13からの蒸発燃料がキャニスタ1
1内へ流入するのを許容する機能を奏する。一方、チェ
ック弁33は、燃料タンク13内の負圧が所定以上にな
った場合にチェックボール33aが変位しキャニスタ1
1に吸着されていた燃料が燃料タンク13に還流するの
を許容する機能を奏する。
【0029】また、キャニスタ11の上部に形成され、
パージ通路15が接続された流路34にもチェック弁3
5(チェックボール35a,コイルスプリング35bと
により構成される)が配設されており、パージ通路15
内の負圧が所定以上になった場合にこのチェック弁35
が開弁し、キャニスタ11に吸着されていた燃料がパー
ジ通路15を介して吸入管14にパージされるよう構成
されている。
【0030】そして、上記したベーパ通路12に接続さ
れた流路31とパージ通路15に接続された流路34と
の間には、連通路36が形成されている。この連通路3
6の流路31側の所定位置には絞り部37が形成されて
いる。よって、キャニスタ30を用いることにより、第
1実施例と同様の効果を実現することができると共に、
キャニスタ30の上部における配管構造を簡単化するこ
とができる。
【0031】図5は本発明の第3実施例である異常検出
装置40を示している。尚、同図において図1で示した
異常検出装置10と同一構成については同一符号を付し
てその説明を省略する。
【0032】同図に示す異常検出装置40は、キャニス
タ11に対するベーパ通路41の流入路とパージ通路4
2の流出路を1本の共用配管43で共用した構成とした
ことを特徴とするものである。この構成とすることによ
り、より配管構造を簡単化することができる。
【0033】図6は本発明の第4実施例である異常検出
装置50を示している。尚、同図において図1で示した
異常検出装置10と同一構成については同一符号を付し
てその説明を省略する。
【0034】異常検出装置50は、ベーパ通路51とパ
ージ通路52は夫々独立してキャニスタ11に接続され
ており、またベーパ通路51とパージ通路52との間に
はバイパス通路53が配設されている。このバイパス通
路53には、通電しない時に閉弁し、通電をした時に開
弁する第1の電磁弁54(以下、VSV54という)が
配設されると共に、バイパス通路53を絞るオリフィス
55が配設されている。更に、パージ通路52にはエバ
ポパージを制御(即ち、蒸発燃料の吸気管14へのパー
ジ量を制御)する第2の電磁弁56(以下、VSV56
という)が配設されている。上記した各VSV54,5
6は夫々ECU21によりその駆動制御が行われるよう
構成されている。
【0035】また、キャニスタ11のベーパ通路51の
接続位置には、燃料タンク13の内圧が設定された正圧
以上になった場合に開弁する第1のチェックボール57
が設けられており、またタンク内圧が所定負圧異常にな
った場合に開弁する第2のチェックボール58が設けら
れている(尚、上記の第1及び第2のチェックボール5
7,58をチェック弁としても良い)。
【0036】従って、VSV54が閉弁している状態に
おいて、燃料タンク13内に多量の蒸発燃料が発生し圧
力が高くなると、第1のチェックボール57は開弁し、
蒸発燃料はベーパ通路51を通りキャニスタ11に導入
され、キャニスタ11に内設された活性炭に吸着保持さ
れる。一方、燃料タンク13の内圧が所定負圧以上とな
ると、第2のチェックボール58は開弁し、燃料タンク
13に大気が導入することにより、燃料タンク13の耐
久性が確保される。
【0037】上記のように、ベーパ通路51とパージ通
路52との間にバイパス通路53を設けても、VSV5
4が閉弁している状態においては、ベーパ通路51とパ
ージ通路52は連通することなく夫々独立しており、蒸
発燃料が直接ベーパ通路51からパージ通路52に進入
するようなことはない。
【0038】前記したように、VSV54,56はEC
U21に接続されており、また圧力センサ17もECU
21に接続されている。尚、ECU21には、圧力セン
サ17及びVSV54,56の他にも冷却水温を検出す
る水温センサ,アイドル状態を検出するアイドルスイッ
チ,エンジン回転数を検出するエンジン回転数センサ等
が接続されているが、これらの図示は省略する。
【0039】続いてECU21が実行する異常検出動作
について説明する。図7はECU21が実行する異常検
出処理を示すフローチャートである。この処理は、例え
ば32ms毎に実行されるルーチン処理である。尚、以
下説明するエバポパージシステムの異常検出処理動作中
は、第2のVSV56は常にECU21により開弁状態
を維持した状態とされている。
【0040】同図に示す異常検出処理が起動すると、先
ずECU21は、S200においてエバポパージ条件が
成立しているかどうかを判断する。ここで、エバポパー
ジ条件が成立しているかどうかを判断するのは、後のス
テップで実行される異常検出処理は、エバポパージシス
テムが正常に動作するかどうかを検査する処理であり、
よってエバポパージシステムが作動しうる状態で行う必
要があるからである。尚、具体的なエバポパージ条件と
しては、水温が所定温度以上であること,アイドルスイ
ッチがOFF(即ち、アイドル状態でない)こと,空燃
比学習が停止中であること等が挙げられる。
【0041】S200において、エバポパージ条件が成
立していないと判断されると、異常検出を行いうる状態
ではないとして処理はS212に進み、VSV54を閉
弁させて処理を終了する。
【0042】一方、S200においてエバポパージ条件
が成立していると判断されると、処理はS201に進
み、異常検出を過去に実行したかどうかを判断する。具
体的には、処理終了フラグXOPEがセットされている
かどうか(XOPE=1かどうか)を判断する。この処
理終了フラグXOPEは、後述するS208でエバポパ
ージシステムの異常検出を実施した場合にS210でセ
ットされるフラグである。従って、この処理終了フラグ
XOPEの状態を判断することにより、異常検出を過去
に実行したかどうかを判断することができる。
【0043】上記のように、S201において過去に異
常検出を実行したかどうかを判断するのは、エバポパー
ジシステムの異常原因は、主として配管の亀裂や配管外
れ等であるため、少なくとも1回の走行において1回異
常検出を行えば十分に安全性を確保できるからである。
【0044】従って、S201においてXOPE=1と
判断され、過去においてエバポパージシステムの異常検
出を既に行っていると判断されると、処理はS212に
進みVSV54を閉弁させて処理を終了する。
【0045】一方、S201においてXOPE=0と判
断され、過去においてエバポパージシステムの異常検出
が行われていないと判断されると、処理はS202に進
む。
【0046】S202では、異常検出条件が整っている
かどうかが判断される。ここで異常検出条件が整ってい
る状態とは、例えばエンジン回転数,吸気管負圧等が所
定の範囲内となっている状態をいう。即ち、エンジン回
転数,吸気管負圧等が所定の範囲を越えて大きく変動し
ている状態では、エバポパージシステムの正確な異常検
出が行えないおそれがある。従って、エンジン回転数や
吸気管負圧等が大きく変動している不安定状態では異常
検出は行わないものとし、この場合は処理をS212に
進めVSV54を閉弁させて処理を終了する構成とし
た。
【0047】一方、S202で異常検出条件が整ってい
ると判断されると、処理はS203に進み、バイパス通
路53に配設されているVSV54が開弁しているかど
うかが判断される。
【0048】前記したように、異常検出装置の構成を簡
単化するために、一つの圧力センサ17を用いて異常検
出を行うためには、ベーパ通路51とパージ通路52を
連通させる必要がある。よって、異常検出処理時にはV
SV54を開弁する必要がある。そこで、S203でV
SV54が閉弁していると判断された場合には、S20
4でVSV54を開弁する構成とした。VSV54が開
弁されると、続くS205で後述するカウンタCOUN
TERをリセット(COUNTER=0)し、1回目の
ルーチンを終了する。
【0049】一方、2回目以降のルーチン処理におい
て、S203でVSV54が開弁していると判断される
と処理はS206に進み、カウンタCOUNTERをイ
ンクリメントする。続くS207では、このインクリメ
ントされたカウンタCOUNTERが所定値N以上であ
るかどうかが判断される。S207で否定判断される
と、S212を実行することなく処理を終了する。従っ
て、S207で否定判断された場合もVSV54は開弁
状態を維持する。
【0050】また、S207でカウンタCOUNTER
が所定値N以上であると判断されると、処理はS208
に進み、圧力センサ17から供給させる圧力値Pが所定
の圧力値PA 以下であるかどうかが判断される。
【0051】上記のように、S206,S207におい
てカウンタCOUNTERが所定値N以上となるまでS
208の異常検出を行わない構成としたのは、S204
でVSV54が開弁しても、ベーパ通路51,パージ通
路52,及びバイパス通路53の各内圧が均一化しない
からである。この内圧が不均一な状態でエバポパージシ
ステムの異常検出を行っても正確な異常検出を行えない
おそれがある。よって、S206,S207の処理を行
うことにより、ベーパ通路51,パージ通路52,バイ
パス通路53の各内圧が均一化する所定時間Nだけ待つ
構成とし、正確な異常検出を行い得るよう構成した。
【0052】S208の異常検出処理において、圧力セ
ンサ17から供給させる圧力値Pが所定の圧力値PA
下であると判断されると、エバポパージシステムには漏
れ等の異常はないと判断され、S209の警告処理を行
うことなく、処理はS210に進む。一方、圧力センサ
17から供給させる圧力値Pが所定の圧力値PA 以上で
あると判断されると、エバポパージシステムを構成する
何処かに漏れ等の異常が発生していると判断し、S20
9においてウォーニングランプ22を点燈させて、運転
者に異常の発生を知らせる。
【0053】上記のS208による異常検出処理が終了
すると、S210において、エバポパージシステムの異
常検出を実施した場合にセットされるフラグである処理
終了フラグXOPEがセット(XOPE=1)され、続
くS211でカウンタCOUNTERがリセット(CO
UNTER=0)され、更にS212でVSV54が閉
弁され処理を終了する。
【0054】上記した動作説明から明らかなように、本
実施例に係る異常検出装置50は、異常検出処理を行う
時だけVSV54を開弁してベーパ通路51とパージ通
路52を連通し、異常検出時以外はVSV54を閉弁す
ることによりベーパ通路51とパージ通路52を分離す
る構成とされている。
【0055】従って、異常検出時においてはベーパ通路
51とパージ通路52が連通されるため、一つの圧力セ
ンサ17によりエバポパージシステム全体の異常検出を
行えるため、異常検出装置50の構成を簡単化すること
ができる。
【0056】また、異常検出時以外においては、ベーパ
通路51とパージ通路52が分離され各通路51,52
は独立するため、燃料タンク13で発生した蒸発燃料が
直接パージ通路52に流入することはなく、燃料タンク
13内の圧力を所定圧力に維持できるため蒸発燃料の過
剰発生を防止することができる。
【0057】また、図7には図示されていないが、VS
V54はエンジン停止と共に開弁される構成となってい
る。従って、エンジン停止時においては、燃料タンク1
3の内圧はベーパ通路51,バイパス通路53,キャニ
スタ11,大気開放配管11bを介して大気と連通する
ため大気圧となり、エバポパージシステムを構成する配
管等に亀裂等が発生していたとしても蒸発燃料の大気放
出を最小限に留めることができる。また、エンジン運転
中(異常検出処理中を除く)は、VSV54は閉弁され
ているため、燃料タンク13の内圧は所定圧に保たれ、
蒸発燃料の発生を抑制できることは前記した通りであ
る。
【0058】尚、S201及びS210で説明した処理
終了フラグXOPEは、エンジン停止と共にリセット
(XOPE=0)されるよう構成されている。
【0059】また、バイパス通路53にはオリフィス5
5が配設されているため、VSV54が開弁されても、
ベーパ通路51からパージ通路52に流入する蒸発燃料
量を最小限に留めている。従って、異常検出処理中にい
わゆる空燃比荒れが発生するようなことはない。
【0060】また、第4実施例では、キャニスタ11の
パージ通路52の接続位置にチェックボールを設けてい
ない。従って、負圧の何割かはキャニスタ大気孔11b
を会して逃がされる。即ち、系にはキャニスタ11の通
路抵抗分の負圧しか作用しない。しかも、オリフィス5
5が設けられており、オリフィス55の上流側(燃料タ
ンク13側)には更に小さな負圧しか作用しない。
【0061】従って、燃料タンク13内に作用する負圧
を極力小さくできるため、燃料タンク13に負担をかけ
ないで済むばかりか、燃料タンク13内に負圧が作用す
ることによる蒸発燃料発生の促進を抑えることができ
る。この際、オリフィス55の上流側は略静的な系と考
えられるため、漏れがあるとこの上流側には全く負圧が
印加されない。よって、小さな負圧でも異常検出を行い
うる構成とされている。
【0062】更に、第4実施例においては、パージ通路
52に第2のVSV56を設けて蒸発燃料の吸気管14
へのパージ量を制御する構成としたが、前記した他の実
施例においてもパージ通路にVSVを設けて蒸発燃料の
吸気管14へのパージ量を制御する構成としても良いこ
とは勿論である。また逆に、第4実施例においてパージ
通路52より第2のVSV56を取り除いても本願発明
の効果を奏しうることは明白である。
【0063】
【発明の効果】上述の如く本発明によれば、ベーパ通路
とパージ通路とを連通したことにより、一つの圧力セン
サでベーパ通路を含めたエバポパージシステム全体の異
常を検出することができるため、異常検出装置の構造の
簡単化を図ることができる等の特長を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を説明するための図であ
る。
【図2】第1実施例においてECUが実行する異常検出
処理を示すフローチャートである。
【図3】本発明の第2実施例に適用されるキャニスタの
上部を拡大して示す図である。
【図4】本発明の第2実施例に適用されるキャニスタを
示す図である。
【図5】本発明の第3実施例を説明するための図であ
る。
【図6】本発明の第4実施例を説明するための図であ
る。
【図7】第4実施例においてECUが実行する異常検出
処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10,40,50 異常検出装置 11,30 キャニスタ 12,41,51 ベーパ通路 13 燃料タンク 14 吸気管 15,42,52 パージ通路 16 スロットルバルブ 17 圧力センサ 18,36 連通路 19 絞り 20 エバポパージシステム 22 ウォーニングランプ 31,34 流路 32,33,35 チェック弁 37 絞り部 43 共用配管 53 バイパス通路 54 VSV 55 オリフィス

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 燃料タンクとキャニスタを連通し該燃料
    タンクで発生した蒸発燃料をキャニスタに導入するベー
    パ通路と、該キャニスタに吸着された燃料をエンジンの
    吸気系にパージするパージ通路とを具備するエバポパー
    ジシステムに設けられ、 上記通路内の圧力を検出することにより該エバポパージ
    システムの異常を検出するエバポパージシステムの異常
    検出装置において、 該ベーパ通路と該パージ通路とを連通すると共に、該ベ
    ーパ通路または該パージ通路のいずれか一方に圧力セン
    サを設け、 かつ、上記パージ時に該圧力センサが所定圧力を検出し
    ない時、該エバポパージシステムに異常が発生している
    と判断する異常検出手段を設けたことを特徴とするエバ
    ポパージシステムの異常検出装置。
JP32336491A 1991-04-18 1991-12-06 エバポパージシステムの異常検出装置 Expired - Lifetime JP2616620B2 (ja)

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US07/867,148 US5245973A (en) 1991-04-18 1992-04-10 Failure detection device for evaporative fuel purge system

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JP3-86908 1991-04-18

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008130650A (ja) * 2006-11-17 2008-06-05 Isao Yoshida プリント基板の切断機
JP2011190797A (ja) * 2010-02-17 2011-09-29 Aisan Industry Co Ltd キャニスタ

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