JPH0533635B2 - - Google Patents

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JPH0533635B2
JPH0533635B2 JP63254927A JP25492788A JPH0533635B2 JP H0533635 B2 JPH0533635 B2 JP H0533635B2 JP 63254927 A JP63254927 A JP 63254927A JP 25492788 A JP25492788 A JP 25492788A JP H0533635 B2 JPH0533635 B2 JP H0533635B2
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JP
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bone
tooth root
phosphate
filling material
weight
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JP63254927A
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Satoshi Watanabe
Masahiro Hirano
Hiroyasu Takeuchi
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Mitsubishi Materials Corp
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Mitsubishi Materials Corp
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【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は骨欠損部、骨空〓部及び歯牙根管部充
てん材に関する。時に詳細には主成分としてのリ
ン酸カルシウム化合物に、更に少なくとも1種類
以上のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸
化物又は酸化物を添加した骨欠損部、骨空〓部及
び歯牙根管部充てん材に関する。 〔従来の技術〕 従来から、骨欠損部、骨空〓部及び歯牙根管部
充てん材については、種々研究がなされており、
例えばα−リン酸3カルシウム及び/又はリン酸
4カルシウムを主成分とする粉末と、リンゴ酸、
クエン酸、コハク酸、グリコール酸の少なくとも
1種以上の水溶液とからなることを特徴とする医
療用硬化性組成物(特開昭62−83348号公報)等
が提案されている。 しかしながら、前記医療用硬化性組成物は、一
般に酸性が強く、従つて、生体組織に対しての刺
激が大きいために生体が炎症を起す恐れがある。
これは使用する有機酸の濃度が25〜60重量%と高
いためであつて、例えば有機酸の濃度を25重量%
以下にすることにより、硬化物の酸性度を下げ、
そのPHを中性付近にすることも可能であるが、こ
の場合、組成物の硬化に要する時間が長くなり、
硬化物の強度も大幅に低下するので使用に耐え得
なくなるという欠点が生じる。 〔発明が解決しようとする課題〕 従つて、本発明の目的は、硬化時間及び強度共
に実用に共し得る値であり、且つ、硬化物のPHが
7付近の中性であるために、生体に対する刺激が
小さく、生体中に充てんした際に炎症等を起すこ
とのない、生体親和性に極めて優れた骨欠損部、
骨空〓部及び歯牙根管部充てん材を提供すること
にある。 〔課題を解決するための手段〕 本発明によれば、主成分としてα−リン酸3カ
ルシウム及びリン酸4カルシウムを重量比で9:
1〜1:9の配合割合で含み、更に少なくとも1
種以上のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水
酸化物又は酸化物を0.5〜20重量%含有すること
を特徴とする骨欠損部、骨空〓部及び歯牙根管部
充てん材が提供される。 以下本発明を更に詳細に説明する。 本発明において主成分として使用する化合物
は、好ましくは乾式法又は湿式法等により合成さ
れたα−リン酸3カルシウム及びリン酸4カルシ
ウムであつて、具体的には、例えばリン酸水素カ
ルシウム2水和物(CaHPO4・2H2O)を500℃程
度の温度で分解させてピロリン酸カルシウム
(Ca2P2O7)とし、このピロリン酸カルシウムと
炭酸カルシウム(CaCO3)をモル比で1:1及
び1:2として混合し、次いで、各々を約1000℃
の温度で仮焼した後に、1250〜1500℃の温度で3
〜6時間焼成して製造される乾式法によるα−リ
ン酸3カルシウム及びリン酸4カルシウム又は例
えば水酸化カルシウム(Ca(OH)2)水溶液にリ
ン酸(H3PO4)を滴下し、所望の組成の沈殿物
を製造した後に、沈殿物を乾燥し、次いで1250〜
1500℃の温度で3〜6時間焼成して製造される湿
式法によるα−リン酸3カルシウム及びリン酸4
カルシウムが好ましく、特に湿式法により合成さ
れたα−リン酸3カルシウム及びリン酸4カルシ
ウムが水和活性を抑制することができ、従つて、
充てん材の硬化時間をある程度延長することが可
能であり、操作性が向上するので望ましい。 本発明において、前記α−リン酸3カルシウム
及びリン酸4カルシウムは、例えば乳鉢、ブラウ
ン粉砕機、ボールミル等の粉砕機によつて粉砕
し、粒径100メツシユ以下の粉末として使用する
ことが好ましい。該粒径が100メツシユ以下の場
合には、骨欠損部、骨空〓部及び歯牙根管部充て
ん材として使用する際の組成が均一になり、且
つ、硬化時間のコントロールが容易である。 本発明において使用できるα−リン酸3カルシ
ウム及びリン酸4カルシウムの重量比は、9:1
〜1:9であり、特に8:2〜1:9が好まし
い。α−リン酸3カルシウムが9:1より多量で
あると、硬化物のPHが低下し過ぎ、PHを7程度に
するためには20重量%より多量のPH調整剤を必要
とし、以下に記載するように、硬化した骨欠損
部、骨空〓部及び歯牙根管部充てん材の崩壊を招
く。逆に、1:9よりもリン酸4カルシウムが多
量になると、使用するPH調整剤は少量でよいが、
硬化時間が短くなつて、骨欠損部、骨空〓部及び
歯牙根管部充てん材を生体に充てんする操作が困
難となる。 本発明において用いるアルカリ金属又はアルカ
リ土類金属の水酸化物又は酸化物は、本発明の骨
欠損部、骨空〓部及び歯牙根管部充てん材硬化物
のPHを7程度の中性付近に調整することができる
化合物であつて、例えば、前記水酸化物として
は、苛性ソーダ(NaOH)、苛性カリ(KOH)、
水酸化マグネシウム(Mg(OH)2)、水酸化カル
シウム(Ca(OH)2)等、又、前記酸化物として
は、Na2O、K2O、MgO、CaO等を好ましく挙げ
ることができる。前記アルカリ金属又はアルカリ
土類金属の水酸化物又は酸化物は、少なくとも1
種類以上含有する必要があり、骨欠損部、骨空〓
部及び歯牙根管部充てん材に対する含有割合は、
0.5〜20重量%の範囲であり、特にα−リン酸3
カルシウム及びリン酸4カルシウムの組成比によ
り適宜変化させることが好ましい。アルカリ金属
又はアルカリ土類金属の水酸化物又は酸化物の含
有割合が0.5重量%未満であると十分にPHを調整
することができず、また20重量%より多量である
と充てん材の硬化時のPHが高くなり過ぎて硬化時
間が長くなり、強度が低下する。また、本発明の
骨欠損部、骨空〓部及び歯牙根管部充てん材は、
硬化に際して、若干膨張する傾向にあるが、この
性質を有効に利用することができる。即ち前記ア
ルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物又は
酸化物の含有割合を前述の範囲とすることによ
り、適度な膨張を生じさせることができ、骨欠損
部、骨空〓部又は歯牙根管部充てん材を充てんし
た後に発生する恐れがある硬化体のルーズニング
を防止することができるので、例えば歯牙根管部
充てん材として特に好ましく使用することができ
る。 本発明の骨欠損部、骨空〓部及び歯牙根管部充
てん材を調製するには、前記α−リン酸3カルシ
ウム及びリン酸4カルシウムと、前記少なくとも
1種以上のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の
水酸化物又は酸化物とを、公知の攪拌機等により
混合することにより得ることができる。 なお、本発明による骨欠損部、骨空〓部及び歯
牙根管部充てん材中においては、前記の成分以外
の成分の使用を特に排除するものではなく、必要
に応じて、例えば、ヒドロキシアパタイト及び/
又はβ−リン酸3カルシウム等の生体親和性の良
好な成分を前記の成分に加えて使用することが可
能である。 本発明において、前記充てん材の硬化にあたつ
ては、例えば粉体であるα−リン酸3カルシウ
ム、リン酸4カルシウム及びアルカリ金属又はア
ルカリ土類金属の水酸化物又は酸化物の重量に対
して、液体である有機酸水溶液を粉液比で0.5〜
3.0となるように混合することが好ましい。粉液
比が0.5未満であると硬化時間が長くなり過ぎ、
又充てん材硬化物の強度が低下するので好ましく
ない。粉液比が3.0を超えると粉体と液体との混
合の際に固すぎて操作性が悪く好ましくない。前
記有機酸水溶液としては、生体に対し毒性のない
限り有機酸の種類には限定されないが、いわゆる
TCAサイクル(トリカルボン酸サイクル、
tricarboxylic acid cycle)中の有機酸であるク
エン酸、リンゴ酸、酒石酸、マロン酸及びコハク
酸等の1種又は2種以上の混合物が特に好ましく
使用できる。これらの有機酸は、通常、水溶液の
形で使用されるが、水溶液の濃度は水溶液の重量
に対して20重量%〜60重量%であることが好まし
い。濃度が20重量%未満の場合には硬化時間が長
くなり過ぎ、60重量%を超えると硬化が速くなり
過ぎて操作性が低下するので好ましくない。 〔実施例〕 以下、実施例により本発明を更に詳細に説明す
る。 実施例 1 リン酸水素カルシウム2水和物[純正化学(株)社
製]1モルを550℃の温度で分解させてピロリン
酸カルシウムとし、このピロリン酸カルシウムと
等モルの炭酸カルシウム[関東化学(株)社製]を混
合し、次いで、1000℃の温度で5時間仮焼した後
に、1350℃の温度で3時間焼成してα−リン酸3
カルシウムを合成した。次に、前記のピロリン酸
カルシウムと炭酸カルシウムのモル比を1:2と
した以外は、前記工程と同様にしてリン酸4カル
シウムを合成した。 このα−リン酸3カルシウム及びリン酸4カル
シウムを乳鉢を用いて粒径が100メツシユの篩を
通過するように粉砕した。 前記の方法にて合成したα−リン酸3カルシウ
ム及びリン酸4カルシウムに、PH調整剤として水
酸化カルシウム[純正化学(株)社製]を表1に示す
重量比で混合し、濃度35重量%のクエン酸[米山
薬品工業(株)社製]水溶液を粉液比1.2となるよう
に混合し、硬化させた。この硬化物の諸物性を測
定した結果を表1に示す。 圧縮強度の測定にあたつては、7mmφ、14mmL
の容器に泥状の充てん材組成物を流し込み、硬化
させた後に取り出して、PH=6.8、温度37℃に調
整したリン酸緩衝液中に投入し、24時間後に取り
出して濡れたままで、インストロン社製万能試験
機「1125型」タイプを使用して圧縮強度を測定し
た。又、PHの測定は、細胞培養用のMEM培地5
mm中に、33mm径、1.5mm厚の硬化物を入れ、24
時間後に培地のPHを測定することによつて実施し
た。
【表】
【表】 表1から明らかなように、本発明の骨欠損部、
骨空〓部及び歯牙根管部充てん材において、PH調
整剤としての水酸化カルシウムを添加した効果
は、α−リン酸3カルシウム:リン酸4カルシウ
ムの全ての割合において顕著であり、PH7程度の
中性付近に維持することができた。PH調整剤を添
加することによつて、添加しない場合よりも若干
圧縮強度が低下したが、実用には差し支えのない
範囲内での強度低下である。 実施例 2 リン酸4カルシウムを湿式法により合成した以
外は実施例1と全く同等の方法により、本発明の
骨欠損部、骨空〓部及び歯牙根管部充てん材を製
造し、物性測定を行なつた。その結果を表2に示
す。 湿式法によるリン酸4カルシウムの合成にあた
つては、水3中に水酸化カルシウム[純正化学
(株)社製]2モルを溶解し、この水溶液を攪拌しつ
つ、リン酸[純正化学(株)社製]を1モル(モル比
が2:1)となるように滴下してスラリー状の沈
殿物を製造し、乾燥した。次いで、乾燥した沈殿
物を1350℃にて3時間焼成してリン酸4カルシウ
ムを製造した。
〔発明の効果〕
本発明による骨欠損部、骨空〓部及び歯牙根管
部充てん材は前述のように、硬化時間及び強度共
に実用に供し得る値を有し、且つ、硬化物のPHを
7付近の中性に維持し得ることができる。従つ
て、生体中に充てんした際に炎症等を起すことな
く、生体に対する刺激の小さい、生体親和性の高
い骨欠損部、骨空〓部及び歯牙根管部充てん材と
して利用することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は細胞増殖曲線を示すグラフである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 主成分としてα−リン酸3カルシウム及びリ
    ン酸4カルシウムを重量比で9:1〜1:9の配
    合割合で含み、更に少なくとも1種以上のアルカ
    リ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物又は酸化
    物を0.5〜20重量%含有することを特徴とする骨
    欠損部、骨空〓部及び歯牙根管部充てん材。
JP63254927A 1988-10-12 1988-10-12 骨欠損部、骨空隙部及び歯牙根管部充てん材 Granted JPH02102657A (ja)

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JPS63115568A (ja) * 1986-11-01 1988-05-20 昭和電工株式会社 人体硬組織代替組成物

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