JPH05335100A - 荷電粒子蓄積装置およびそのリニアカップリング補正方法 - Google Patents

荷電粒子蓄積装置およびそのリニアカップリング補正方法

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JPH05335100A
JPH05335100A JP14151692A JP14151692A JPH05335100A JP H05335100 A JPH05335100 A JP H05335100A JP 14151692 A JP14151692 A JP 14151692A JP 14151692 A JP14151692 A JP 14151692A JP H05335100 A JPH05335100 A JP H05335100A
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JP
Japan
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magnetic field
vacuum chamber
electromagnet
storage device
charged particle
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JP14151692A
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Inventor
Hirobumi Tanaka
博文 田中
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 この発明は、偏向電磁石のBs成分が原因で
生じるリニアカップリングを補正できる荷電粒子蓄積装
置およびそのリニアカップリング補正方法を得ることを
目的とする。 【構成】 レーストラック形状の真空チェンバ1の曲線
部には、偏向電磁石2が設けられている。真空チェンバ
1の直線部には、4極電磁石3、RFキャビティ5およ
びスキュー電磁石6が設けられている。さらに、偏向電
磁石2のBs成分が原因で生じるリニアカップリングを
抑えるために、真空チェンバ1の直線部にヘルムホルツ
コイル7が設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、荷電粒子を蓄積する
荷電粒子蓄積装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図4は例えば「Design of a compact st
orage ring for industrial research」(Rev.Sci.Inst
rum.63(1),January 1992.p.770〜773)に記載された従
来の荷電粒子蓄積装置の一例を示す概略構成図であり、
図において1はレーストラック状の真空チェンバ、2は
真空チェンバ1の曲線部に配設された偏向電磁石、3は
真空チェンバ1の直線部に配設された4極電磁石、4は
真空チェンバ1に設けられた荷電粒子の入射用のインフ
レクタ、5は真空チェンバ1中を回転する荷電粒子の加
速用のRFキャビティ、6はスキュー電磁石である。
【0003】つぎに、上記従来の荷電粒子蓄積装置の動
作について説明する。まず、インフレクタ4から真空チ
ェンバ1内に入射した荷電粒子は、偏向電磁石2により
曲げられ、4極電磁石3により集束されながら、真空チ
ェンバ1中を回転する。ついで、RFキャビティ5に高
周波をかけることで、荷電粒子を加速し、その後荷電粒
子を蓄積する構成となっている。ここで、図5は超電導
電磁石の軌道平面に垂直な磁場成分Byの軌道軸方向の
磁場分布を表し、縦軸が磁場成分Byを示し、横軸が超
電導電磁石の軌道軸方向の中心からの距離Sを示してい
る。図5に示すように、偏向電磁石2が超電導電磁石の
場合には、軌道平面に垂直な超電導電磁石の磁場成分B
yの軌道軸方向の磁場分布が不均一であるため、超電導
電磁石の軌道軸方向の磁場成分Bsが大きくなる。By
が4.5T程度の磁石では、Bsはチャンバ内では最大
0.2T程度となる。
【0004】ところで、荷電粒子蓄積装置内では、荷電
粒子はある軌道回りを軌道平面に対して垂直方向と水平
方向とに振動しながら、荷電粒子蓄積装置の真空チェン
バ1中を回転している。しかしながら、4極電磁石3や
偏向電磁石2はそれらの設置誤差のため若干傾いてお
り、それが原因で垂直方向の振動と水平方向の振動との
振幅にカップリングがおこる。例えば、水平方向の振動
の振幅が垂直方向の振動に移るといったことが生じる。
これが原因で垂直方向の振動の振幅が大きくなり真空チ
ェンバ1に衝突してビームが失われるといった現象が起
こることになる。そこで、スキュー電磁石6は傾いた4
極成分の磁場を発生させ、4極電磁石3や偏向電磁石2
の設置誤差による傾きにより生じるリニアカップリング
を抑えている。
【0005】リニアカップリングは磁石の傾きだけでな
く、Bs成分によっても生じる。しなしながら、通常の
常電導の偏向電磁石2の場合、その強度が小さいのでビ
ームにはほとんど影響を与えない。しかしながら、超電
導偏向電磁石の場合には、Bs成分が大きいので無視で
きず、Bsが原因で生じるリニアカップリングは、スキ
ュー電磁石6では補正できない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の荷電粒子蓄積装
置は以上のように構成しているので、磁石等の傾きが原
因で生じるリニアカップリングを補正できるが、偏向電
磁石2のBs成分が原因で生じるリニアカップリングを
補正できないという課題があった。
【0007】この発明は、上記のような課題を解決する
ためになされたもので、偏向電磁石のBs成分が原因で
生じるリニアカップリングを補正できる荷電粒子蓄積装
置およびその補正方法を得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明の第1の発明に
係る荷電粒子蓄積装置は、レーストラック形状の真空チ
ェンバと、真空チェンバの曲線部に設けられた偏向電磁
石と、真空チェンバの直線部に設けられた4極電磁石
と、真空チェンバの直線部に設けられたヘルムホルツコ
イルとを備えたものである。
【0009】また、この発明の第2の発明に係る荷電粒
子蓄積装置のリニアカップリング補正方法は、軌道平面
に垂直な偏向電磁石の磁場成分の軌道軸方向の磁場分布
を測定し、測定された軌道平面に垂直な偏向電磁石の磁
場成分の軌道軸方向の磁場分布に基づいて偏向電磁石の
軌道軸方向の磁場成分を算出し、算出された偏向電磁石
の軌道軸方向の磁場成分からカップリング係数を算出
し、カップリング係数からヘルムホルツコイルの励磁電
流を算出し、励磁電流を前記ヘルムホルツコイルに通電
するものである。
【0010】
【作用】この発明の第1の発明においては、真空チェン
バの直線部に設けられたヘルムホルツコイルを励磁する
ことにより発生する磁場が、偏向電磁石の軌道軸方向の
磁場成分が原因で生じるリニアカップリングを抑えるよ
うに働く。
【0011】また、この発明の第2の発明によれば、ヘ
ルムホルツコイルに通電する励磁電流を算出するカップ
リング係数が、測定された軌道平面に垂直な偏向電磁石
の磁場成分Byの軌道軸方向の磁場分布に基づいて算出
された偏向電磁石の軌道軸方向の磁場成分Bsから算出
されるので、偏向電磁石の軌道軸方向の磁場成分Bsが
簡便に正確に得られ、偏向電磁石の軌道軸方向の磁場成
分が原因で生じるリニアカップリングを抑えることがで
きる。
【0012】
【実施例】以下、この発明の実施例を図について説明す
る。 実施例1.この実施例1は、この発明の第1の発明に係
る一実施例である。図1はこの発明の実施例1を示す荷
電粒子蓄積装置の概略構成図であり、図において図4に
示した従来の荷電粒子蓄積装置と同一または相当部分に
は同一符号を付し、その説明を省略する。
【0013】図において、7は真空チェンバ1の直線部
にそれぞれ設けられたヘルムホルツコイルである。
【0014】つぎに、上記実施例1の動作について説明
する。上記実施例1では、従来の荷電粒子蓄積装置と同
様に、インフレクタ4から真空チェンバ1内に入射した
荷電粒子は、偏向電磁石2により曲げられ、4極電磁石
3により集束されながら、真空チェンバ1中を回転す
る。RFキャビティ5に高周波をかけることで、荷電粒
子を加速し、その後荷電粒子を蓄積する構成となってい
る。また、スキュー電磁石6は傾いた4極成分の磁場を
発生させ、4極電磁石3や偏向電磁石2の設置誤差によ
る傾きにより生じるリニアカップリングを抑えている。
【0015】さらに、真空チェンバ1の直線部に設けら
れたヘルムホルツコイル7に励磁電流を通電することに
より、ヘルムホルツコイル7が励磁され、ヘルムホルツ
コイル7に発生する磁場により、偏向電磁石2の軌道軸
方向の磁場成分Bsが原因で生じるリニアカップリング
が抑えられる。
【0016】このように、上記実施例1によれば、真空
チェンバ1の直線部のそれぞれにヘルムホルツコイル7
を設けているので、ヘルムホルツコイル7を励磁して、
偏向電磁石2の軌道軸方向の磁場成分Bsが原因で生じ
るリニアカップリングが抑えられ、荷電粒子を安定して
加速することができ、質のよい荷電粒子ビームが得られ
る。
【0017】実施例2.この実施例2は、この発明の第
2の発明に係る一実施例である。図2はこの発明の実施
例2を示す荷電粒子蓄積装置のリニアカップリング補正
方法のフローチャート、図3はこの発明の実施例2を示
す荷電粒子蓄積装置の概略構成図であり、図において8
はヘルムホルツコイル7の電磁石電源、9は電磁石電源
8を駆動するコンピュータである。
【0018】つぎに、上記実施例2の動作について説明
する。まず、あらかじめ軌道平面に垂直な偏向電磁石2
の磁場成分Byの軌道軸方向の磁場分布を測定し(10
1)、データベースに保存する。そこで、コンピュータ
9により、データベースに保存されたByの軌道軸方向
の磁場分布に基づいて、マクセル方程式を解くことによ
り、軌道軸方向の偏向電磁石2の磁場成分Bsを算出す
る(102)。さらに、算出された磁場成分Bsからリ
ニアカップリング係数を算出する(103)。その後、
リニアカップリング係数をゼロとするようなヘルムホル
ツコイル7にかける励磁電流値を計算し(104)、電
磁石電源8を介してヘルムホルツコイル7に励磁電流を
通電する(105)。
【0019】その結果、ヘルムホルツコイル7は励磁さ
れ、所定量の磁場が発生され、偏向電磁石2の磁場成分
Bsにより生じるリニアカップリングが補正される。
【0020】このように、上記実施例2によれば、ヘル
ムホルツコイル7に通電する励磁電流を算出するカップ
リング係数が、測定された軌道平面に垂直な偏向電磁石
2の磁場成分Byの軌道軸方向の磁場分布に基づいて算
出された偏向電磁石2の軌道軸方向の磁場成分Bsから
算出されるので、偏向電磁石2の軌道軸方向の磁場成分
Bsが簡便に正確に得られ、偏向電磁石2の軌道軸方向
の磁場成分Bsが原因で生じるリニアカップリングを高
精度に抑えることができる。
【0021】なお、Bs成分の影響で発生するリニアカ
ップリングは、荷電粒子蓄積装置が鏡面対称な磁石配置
であると小さくすることができる。例えば、図1の荷電
粒子蓄積装置の配置構成であれば、4極電磁石3を真空
チャンバ1の直線部の中心に配置してやればよい。これ
は、偏向電磁石2の入口と出口とでリニアカップリング
係数がほぼ打ち消すされることに起因する。しかしなが
ら、小型のリングを設計する場合、4極電磁石3を真空
チェンバ1の直線部の中心に配置すると、他の機器の配
置に非常に制約を与えるので望ましくない。
【0022】
【発明の効果】この発明は、以上のように構成されてい
るので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0023】この発明の第1の発明に係る荷電粒子蓄積
装置は、レーストラック形状の真空チェンバと、真空チ
ェンバの曲線部に設けられた偏向電磁石と、真空チェン
バの直線部に設けられた4極電磁石と、真空チェンバの
直線部に設けられたヘルムホルツコイルとを備えている
ので、ヘルムホルツコイルを励磁して、偏向電磁石の軌
道軸方向の磁場成分Bsが原因で生じるリニアカップリ
ングが抑えられ、荷電粒子を安定して加速することがで
き、質のよい荷電粒子ビームが得られる。
【0024】また、この発明の第2の発明に係る荷電粒
子蓄積装置のリニアカップリング補正方法は、軌道平面
に垂直な偏向電磁石の磁場成分の軌道軸方向の磁場分布
を測定し、測定された軌道平面に垂直な偏向電磁石の磁
場成分の軌道軸方向の磁場分布に基づいて偏向電磁石の
軌道軸方向の磁場成分を算出し、算出された偏向電磁石
の軌道軸方向の磁場成分からカップリング係数を算出
し、カップリング係数からヘルムホルツコイルの励磁電
流を算出し、励磁電流を前記ヘルムホルツコイルに通電
しているので、偏向電磁石の軌道軸方向の磁場成分Bs
が簡便に正確に得られ、偏向電磁石の軌道軸方向の磁場
成分Bsが原因で生じるリニアカップリングを高精度に
抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1を示す荷電粒子蓄積装置の
概略構成図である。
【図2】この発明の実施例2を示す荷電粒子蓄積装置の
リニアカップリング補正方法のフローチャートである。
【図3】この発明の実施例2を示す荷電粒子蓄積装置の
概略構成図である。
【図4】従来の荷電粒子蓄積装置の一例を示す概略構成
図である。
【図5】偏向電磁石の軌道平面に垂直な磁場成分の軌道
軸方向の磁場分布を示す図である。
【符号の説明】
1 真空チェンバ 2 偏向電磁石 3 4極電磁石 7 ヘルムホルツコイル

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーストラック形状の真空チェンバと、
    前記真空チェンバの曲線部に設けられた偏向電磁石と、
    前記真空チェンバの直線部に設けられた4極電磁石と、
    前記真空チェンバの直線部に設けられたヘルムホルツコ
    イルとを備えたことを特徴とする荷電粒子蓄積装置。
  2. 【請求項2】 レーストラック形状の真空チェンバと、
    前記真空チェンバの曲線部に設けられた偏向電磁石と、
    前記真空チェンバの直線部に設けられた4極電磁石と、
    前記真空チェンバの直線部に設けられたヘルムホルツコ
    イルとを備えた荷電粒子蓄積装置において、軌道平面に
    垂直な前記偏向電磁石の磁場成分の軌道軸方向の磁場分
    布を測定し、測定された軌道平面に垂直な前記偏向電磁
    石の磁場成分の軌道軸方向の磁場分布に基づいて前記偏
    向電磁石の軌道軸方向の磁場成分を算出し、算出された
    前記偏向電磁石の軌道軸方向の磁場成分からカップリン
    グ係数を算出し、前記カップリング係数から前記ヘルム
    ホルツコイルの励磁電流を算出し、前記励磁電流を前記
    ヘルムホルツコイルに通電することを特徴とする荷電粒
    子蓄積装置のリニアカップリング補正方法。
JP14151692A 1992-06-02 1992-06-02 荷電粒子蓄積装置およびそのリニアカップリング補正方法 Pending JPH05335100A (ja)

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