JP2001043998A - 電磁石、及びそれを用いた円形加速器と円形加速器システム - Google Patents
電磁石、及びそれを用いた円形加速器と円形加速器システムInfo
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Abstract
(57)【要約】
【課題】真空ダクトに流れる渦電流によって生じる不整
磁場の影響を抑制して、荷電粒子ビームに印加される磁
場の強度分布の一様性を向上させることができる電磁石
を提供する。 【解決手段】内部を荷電粒子ビームが通過する真空ダク
ト34を挟んで対向し、かつ荷電粒子ビームの進行方向
に伸びる空間322を有する磁極321a及び磁極32
1bと、磁極321aと磁極321bとを接続するリタ
ーンヨーク324と、磁極321a及び磁極321bに
設けられた空間322に挿入された補正用コイル323
とを備えた。
磁場の影響を抑制して、荷電粒子ビームに印加される磁
場の強度分布の一様性を向上させることができる電磁石
を提供する。 【解決手段】内部を荷電粒子ビームが通過する真空ダク
ト34を挟んで対向し、かつ荷電粒子ビームの進行方向
に伸びる空間322を有する磁極321a及び磁極32
1bと、磁極321aと磁極321bとを接続するリタ
ーンヨーク324と、磁極321a及び磁極321bに
設けられた空間322に挿入された補正用コイル323
とを備えた。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、真空ダクト内を通
過する荷電粒子ビームに磁場を印加することにより荷電
粒子ビームの軌道を調整する電磁石及びそれを用いた円
形加速器と円形加速器システムに係り、特に、真空ダク
トに流れる渦電流によって発生する磁場の影響を抑制し
て、荷電粒子ビームに印加される磁場の強度分布の一様
性を向上させることができる電磁石及びそれを用いた円
形加速器と円形加速器システムに関する。
過する荷電粒子ビームに磁場を印加することにより荷電
粒子ビームの軌道を調整する電磁石及びそれを用いた円
形加速器と円形加速器システムに係り、特に、真空ダク
トに流れる渦電流によって発生する磁場の影響を抑制し
て、荷電粒子ビームに印加される磁場の強度分布の一様
性を向上させることができる電磁石及びそれを用いた円
形加速器と円形加速器システムに関する。
【0002】
【従来の技術】円形加速器に適用される偏向電磁石や四
極電磁石等の電磁石において発生する磁場の強度分布の
一様性を向上させるための技術としては、特開平11−26
198 号公報に記載されているように、電磁石の磁極部分
に穴を設けることにより磁束の流れを調節して、電磁石
が発する磁場の強度分布の一様性を向上させる方法が知
られている。この従来技術によれば、磁場強度の広い範
囲で一様な強度分布を得ることができるため、円形加速
器において荷電粒子ビームのエネルギーの変化に応じて
電磁石の磁場強度を変化させる場合でも、均一な磁場を
電磁石から発生できる。
極電磁石等の電磁石において発生する磁場の強度分布の
一様性を向上させるための技術としては、特開平11−26
198 号公報に記載されているように、電磁石の磁極部分
に穴を設けることにより磁束の流れを調節して、電磁石
が発する磁場の強度分布の一様性を向上させる方法が知
られている。この従来技術によれば、磁場強度の広い範
囲で一様な強度分布を得ることができるため、円形加速
器において荷電粒子ビームのエネルギーの変化に応じて
電磁石の磁場強度を変化させる場合でも、均一な磁場を
電磁石から発生できる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】円形加速器では、荷電
粒子ビームを周回させながら加速するため、荷電粒子ビ
ームのエネルギーが増大するのに応じて偏向電磁石や四
極電磁石で発生する磁場の強度も増大させる。しかしな
がら、荷電粒子ビームの通路を形成する真空ダクトは一
般に導電性物質で作られるため、電磁石から発生する磁
場の強度が変化すると真空ダクトに渦電流が発生し、そ
の渦電流の影響により磁場(不整磁場という)が発生す
る。不整磁場が発生すると、電磁石で発生する磁場の強
度分布の一様性を前述の従来技術によって向上させたと
しても、実際に荷電粒子ビームに印加される磁場の強度
分布の一様性は低下してしまう。特に、不整磁場に含ま
れる多極磁場成分がビームの収束条件を変化させること
によって、ビーム損失が増大するという悪影響が生じ
る。
粒子ビームを周回させながら加速するため、荷電粒子ビ
ームのエネルギーが増大するのに応じて偏向電磁石や四
極電磁石で発生する磁場の強度も増大させる。しかしな
がら、荷電粒子ビームの通路を形成する真空ダクトは一
般に導電性物質で作られるため、電磁石から発生する磁
場の強度が変化すると真空ダクトに渦電流が発生し、そ
の渦電流の影響により磁場(不整磁場という)が発生す
る。不整磁場が発生すると、電磁石で発生する磁場の強
度分布の一様性を前述の従来技術によって向上させたと
しても、実際に荷電粒子ビームに印加される磁場の強度
分布の一様性は低下してしまう。特に、不整磁場に含ま
れる多極磁場成分がビームの収束条件を変化させること
によって、ビーム損失が増大するという悪影響が生じ
る。
【0004】この不整磁場は電磁石が発する磁場の強度
の変化量が大きいほど増加するため、磁場強度の変化量
を小さくすることにより不整磁場を低減することができ
るが、電磁石が発する磁場の強度の変化量を小さくする
には、円形加速器における荷電粒子ビームのエネルギー
の変化量も小さく制限しなければならない。よって、荷
電粒子ビームを要求されるエネルギーまで加速するのに
かかる時間が長くなり、円形加速器の利用効率が低下し
てしまう。逆に、加速に要する時間を短くしようとする
と、予めエネルギーの高い荷電粒子ビームを円形加速器
に入射しなければならず、入射器が大型化してしまう。
このように、電磁石から発せられる磁場の強度の変化量
を小さく制限しようとすると、種々の問題が発生する。
の変化量が大きいほど増加するため、磁場強度の変化量
を小さくすることにより不整磁場を低減することができ
るが、電磁石が発する磁場の強度の変化量を小さくする
には、円形加速器における荷電粒子ビームのエネルギー
の変化量も小さく制限しなければならない。よって、荷
電粒子ビームを要求されるエネルギーまで加速するのに
かかる時間が長くなり、円形加速器の利用効率が低下し
てしまう。逆に、加速に要する時間を短くしようとする
と、予めエネルギーの高い荷電粒子ビームを円形加速器
に入射しなければならず、入射器が大型化してしまう。
このように、電磁石から発せられる磁場の強度の変化量
を小さく制限しようとすると、種々の問題が発生する。
【0005】また、電磁石から発せられる磁場の強度の
変化量を小さく制限することなく不整磁場の発生を抑制
するために、真空ダクトの導電率を低下させることが考
えられる。例えば、有機樹脂やセラミックを用いて真空
ダクトを作製したり、真空ダクトを蛇腹状にして抵抗値
をあげることによって、真空ダクトの導電率を低下させ
ることができる。しかしながら、有機樹脂で真空ダクト
を作製する場合には放射線損傷に弱いことや大量のガス
が発生するという問題があり、セラミックにより真空ダ
クトを作製する場合には耐久性が低いという問題があ
る。また、真空ダクトを蛇腹状にする場合には、真空ダ
クトが大型化するため、真空ダクトを挟むように配置さ
れる電磁石の磁極の間隔が広くなり、電磁石に電流を供
給する電磁石電源の負担が大きくなってしまう。
変化量を小さく制限することなく不整磁場の発生を抑制
するために、真空ダクトの導電率を低下させることが考
えられる。例えば、有機樹脂やセラミックを用いて真空
ダクトを作製したり、真空ダクトを蛇腹状にして抵抗値
をあげることによって、真空ダクトの導電率を低下させ
ることができる。しかしながら、有機樹脂で真空ダクト
を作製する場合には放射線損傷に弱いことや大量のガス
が発生するという問題があり、セラミックにより真空ダ
クトを作製する場合には耐久性が低いという問題があ
る。また、真空ダクトを蛇腹状にする場合には、真空ダ
クトが大型化するため、真空ダクトを挟むように配置さ
れる電磁石の磁極の間隔が広くなり、電磁石に電流を供
給する電磁石電源の負担が大きくなってしまう。
【0006】本発明の目的は、導電率の高い材質よりな
る真空ダクトを用いる場合でも、電磁石から発せられる
磁場の強度の変化量を制限することなく、真空ダクトに
流れる渦電流によって生じる不整磁場の影響を抑制し
て、荷電粒子ビームに印加される磁場の強度分布の一様
性を向上させることができる電磁石及びそれを用いた円
形加速器と円形加速器システムを提供することにある。
る真空ダクトを用いる場合でも、電磁石から発せられる
磁場の強度の変化量を制限することなく、真空ダクトに
流れる渦電流によって生じる不整磁場の影響を抑制し
て、荷電粒子ビームに印加される磁場の強度分布の一様
性を向上させることができる電磁石及びそれを用いた円
形加速器と円形加速器システムを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の特徴は、内部を荷電粒子ビームが通過する真空ダク
トを挟んで対向し、かつ荷電粒子ビームの進行方向に伸
びる空間を有する第1磁極及び第2磁極と、前記第1磁
極と前記第2磁極とを接続するリターンヨークと、前記
第1磁極及び前記第2磁極に設けられた前記空間に挿入
されたコイルとを備えたことにある。
明の特徴は、内部を荷電粒子ビームが通過する真空ダク
トを挟んで対向し、かつ荷電粒子ビームの進行方向に伸
びる空間を有する第1磁極及び第2磁極と、前記第1磁
極と前記第2磁極とを接続するリターンヨークと、前記
第1磁極及び前記第2磁極に設けられた前記空間に挿入
されたコイルとを備えたことにある。
【0008】第1磁極及び第2磁極に設けられた空間に
コイルを設けるため、荷電粒子ビームに時間的に変化す
る磁場を印加した場合に真空ダクトに発生する渦電流に
よって発生する磁場を、コイルに電流を流すことで発生
する磁場により打ち消すことができる。従って、導電率
の高い材質よりなる真空ダクトを用いる場合でも、電磁
石から発せられる磁場の強度の変化量を制限することな
く、真空ダクトに流れる渦電流によって生じる不整磁場
の影響を抑制して、荷電粒子ビームに印加される磁場の
強度分布の一様性を向上させることができる。
コイルを設けるため、荷電粒子ビームに時間的に変化す
る磁場を印加した場合に真空ダクトに発生する渦電流に
よって発生する磁場を、コイルに電流を流すことで発生
する磁場により打ち消すことができる。従って、導電率
の高い材質よりなる真空ダクトを用いる場合でも、電磁
石から発せられる磁場の強度の変化量を制限することな
く、真空ダクトに流れる渦電流によって生じる不整磁場
の影響を抑制して、荷電粒子ビームに印加される磁場の
強度分布の一様性を向上させることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の実施
例を詳細に説明する。
例を詳細に説明する。
【0010】(実施例1)図2は、本発明の好適な一実
施例である円形加速器システムの構成を示す。なお、本
実施例の円形加速器システムは、荷電粒子ビーム(以
下、ビームという)を加速する円形加速器としてシンク
ロトロンを用い、シンクロトロンから任意のエネルギー
のビームを出射してビーム利用系に輸送する円形加速器
システムである。
施例である円形加速器システムの構成を示す。なお、本
実施例の円形加速器システムは、荷電粒子ビーム(以
下、ビームという)を加速する円形加速器としてシンク
ロトロンを用い、シンクロトロンから任意のエネルギー
のビームを出射してビーム利用系に輸送する円形加速器
システムである。
【0011】図2において、前段加速器1は荷電粒子を
発生し、ビームを出射する。前段加速器1から出射され
たビームは、低エネルギー輸送系2の偏向電磁石21及
び四極電磁石22が発生する磁場によりその軌道が調節
されて、シンクロトロン3の入射器31に導かれる。
発生し、ビームを出射する。前段加速器1から出射され
たビームは、低エネルギー輸送系2の偏向電磁石21及
び四極電磁石22が発生する磁場によりその軌道が調節
されて、シンクロトロン3の入射器31に導かれる。
【0012】シンクロトロン3において、入射器31
は、低エネルギー輸送系2によって輸送されてきたビー
ムをシンクロトロン3に入射する。シンクロトロン3に
入射されたビームは、偏向電磁石32が発生する磁場に
より偏向されて軌道が制御されると共に、四極電磁石3
3が発生する磁場によりチューンが制御されることによ
って、真空ダクト34内を安定に周回する。なお、偏向
電磁石32及び四極電磁石33にはそれぞれに電源(図
示せず)が設けられており、それぞれの電磁石で発生す
る磁場の強度は、電源から供給される電流によって制御
される。
は、低エネルギー輸送系2によって輸送されてきたビー
ムをシンクロトロン3に入射する。シンクロトロン3に
入射されたビームは、偏向電磁石32が発生する磁場に
より偏向されて軌道が制御されると共に、四極電磁石3
3が発生する磁場によりチューンが制御されることによ
って、真空ダクト34内を安定に周回する。なお、偏向
電磁石32及び四極電磁石33にはそれぞれに電源(図
示せず)が設けられており、それぞれの電磁石で発生す
る磁場の強度は、電源から供給される電流によって制御
される。
【0013】真空ダクト34内を周回するビームに対し
て高周波加速空洞35は高周波の電圧を印加し、高周波
電圧が印加されたビームはエネルギーが増大する。すな
わち、ビームは加速される。なお、ビームのエネルギー
増加に伴って、偏向電磁石32及び四極電磁石33で発
せられる磁場の強度も増加させられ、そのことによりビ
ームは真空ダクト34内を安定に周回する。
て高周波加速空洞35は高周波の電圧を印加し、高周波
電圧が印加されたビームはエネルギーが増大する。すな
わち、ビームは加速される。なお、ビームのエネルギー
増加に伴って、偏向電磁石32及び四極電磁石33で発
せられる磁場の強度も増加させられ、そのことによりビ
ームは真空ダクト34内を安定に周回する。
【0014】高周波加速空洞35によりビームのエネル
ギーが目標とするエネルギーまで加速されたら、ビーム
の加速を終了する。その後、六極電磁石36によりビー
ムに六極磁場を印加してビームに共鳴を発生させ、共鳴
により振動振幅が大きくなったビームを出射器37によ
りシンクロトロン3から出射する。ビームを出射し終え
たシンクロトロン3では、偏向電磁石32が発する磁場
の強度が低下させられる。いわゆる、減速が行われる。
ギーが目標とするエネルギーまで加速されたら、ビーム
の加速を終了する。その後、六極電磁石36によりビー
ムに六極磁場を印加してビームに共鳴を発生させ、共鳴
により振動振幅が大きくなったビームを出射器37によ
りシンクロトロン3から出射する。ビームを出射し終え
たシンクロトロン3では、偏向電磁石32が発する磁場
の強度が低下させられる。いわゆる、減速が行われる。
【0015】シンクロトロン3から出射されたビーム
は、高エネルギー輸送系4の偏向電磁石41及び四極電
磁石42が発生する磁場によりその軌道が調節されて、
ビーム利用系5に輸送される。なお、ビーム利用系5と
は、工業利用であれば工業用サンプル等にビームを照射
する装置、また医療利用であれば患者にビームを照射す
る装置のことをさす。
は、高エネルギー輸送系4の偏向電磁石41及び四極電
磁石42が発生する磁場によりその軌道が調節されて、
ビーム利用系5に輸送される。なお、ビーム利用系5と
は、工業利用であれば工業用サンプル等にビームを照射
する装置、また医療利用であれば患者にビームを照射す
る装置のことをさす。
【0016】本実施例の円形加速器システムでは、以上
説明した動作が繰返し行われる。なお、シンクロトロン
3ではビームが入射されるたびに目標とするエネルギー
が設定され、その設定値に応じてビームが加速された
後、出射される。
説明した動作が繰返し行われる。なお、シンクロトロン
3ではビームが入射されるたびに目標とするエネルギー
が設定され、その設定値に応じてビームが加速された
後、出射される。
【0017】図1は、シンクロトロン3の偏向電磁石3
2の構造図であり、図1(a)は偏向電磁石32の縦断
面図を示し、図1(b)は偏向電磁石32を図1(a)
のA方向から見た図である。なお、高エネルギー輸送系
4の偏向電磁石41も同様の構造である。
2の構造図であり、図1(a)は偏向電磁石32の縦断
面図を示し、図1(b)は偏向電磁石32を図1(a)
のA方向から見た図である。なお、高エネルギー輸送系
4の偏向電磁石41も同様の構造である。
【0018】図1(a)に示すように、偏向電磁石32
は、真空ダクト34を挟んで対向する2つの磁極321
a,321bと、磁極321aと磁極321bを接続し
て磁路を形成するリターンヨーク324と、磁極321
a,321bの周囲を囲む様に配置された励磁用主コイ
ル325とを有する。また、磁極321a,321bに
は、ビームの進行方向に伸びる空間322がそれぞれ設
けられており、その空間322には補正用コイル323
が挿入されている。そして、図1(b)に示すように、
補正用コイル323は偏向電磁石32の外側で電源装置
326に接続されている。
は、真空ダクト34を挟んで対向する2つの磁極321
a,321bと、磁極321aと磁極321bを接続し
て磁路を形成するリターンヨーク324と、磁極321
a,321bの周囲を囲む様に配置された励磁用主コイ
ル325とを有する。また、磁極321a,321bに
は、ビームの進行方向に伸びる空間322がそれぞれ設
けられており、その空間322には補正用コイル323
が挿入されている。そして、図1(b)に示すように、
補正用コイル323は偏向電磁石32の外側で電源装置
326に接続されている。
【0019】偏向電磁石32において、励磁用主コイル
325には電源装置(図示せず)から電流が供給され、励
磁用主コイル325に電流が流されることにより磁極32
1a,321b間には磁場が発生する。図1(a)におい
て、ビームは真空ダクト34内の点Oを軌道中心として
磁極321a,321b間を通過し、磁極321a,3
21b間に発生する磁場により偏向される。なお、磁極
321a、321b間で発生する磁場の強度分布は、磁
極321a,321bに空間322が設けられることに
よって一様に保たれる。すなわち、本実施例では、従来
技術と同様に、磁極321a,321bに設けた空間3
22により磁極321a,321bにおける磁束の流れ
を調節し、磁極321a,321b間に生じる磁場の強
度分布の一様性を向上させている。
325には電源装置(図示せず)から電流が供給され、励
磁用主コイル325に電流が流されることにより磁極32
1a,321b間には磁場が発生する。図1(a)におい
て、ビームは真空ダクト34内の点Oを軌道中心として
磁極321a,321b間を通過し、磁極321a,3
21b間に発生する磁場により偏向される。なお、磁極
321a、321b間で発生する磁場の強度分布は、磁
極321a,321bに空間322が設けられることに
よって一様に保たれる。すなわち、本実施例では、従来
技術と同様に、磁極321a,321bに設けた空間3
22により磁極321a,321bにおける磁束の流れ
を調節し、磁極321a,321b間に生じる磁場の強
度分布の一様性を向上させている。
【0020】前述したように、シンクロトロン3におい
てビームが加速される過程では、偏向電磁石32で発生
する磁場の強度をビームのエネルギーに応じて増大させ
なければならないため、励磁用主コイル325に供給す
る電流をビームのエネルギーに応じて増加させる。励磁
用主コイル325に供給する電流を増加し、磁極321a,
321b間に発生する磁場の強度を増大させると、磁場
強度の変化量に応じて真空ダクト34には渦電流が発生
する。
てビームが加速される過程では、偏向電磁石32で発生
する磁場の強度をビームのエネルギーに応じて増大させ
なければならないため、励磁用主コイル325に供給す
る電流をビームのエネルギーに応じて増加させる。励磁
用主コイル325に供給する電流を増加し、磁極321a,
321b間に発生する磁場の強度を増大させると、磁場
強度の変化量に応じて真空ダクト34には渦電流が発生
する。
【0021】図3は、真空ダクト34に流れる渦電流の
向きとその渦電流により発生する磁場の分布、及び補正
用コイル323に流す電流の向きとその電流により発生
する磁場の分布を示す。図3(a)において、真空ダク
ト34内のビームには、励磁用主コイル325に電流が
流されたことにより、磁極321a,321b間で発生
した磁場(以下、偏向磁場と呼ぶ)が図中の矢印aの向
きで印加される。そして、前述のように、その偏向磁場
の強度をビームエネルギーの増加に応じて増大させてい
くと、その磁場強度の変化量に応じて真空ダクト34に
は図に示す向きの渦電流が流れ、その渦電流により矢印
bの向きの磁場(以下、不整磁場と呼ぶ)が図3(b)に示
す強度分布で発生する。一例として、ダクト外径の長辺
が150〔mm〕,短辺が50〔mm〕,厚みが3〔mm〕の
アルミ製の真空ダクトを用いて、磁場の時間変化率を2
5〔キロガウス/sec〕とした場合を仮定すると、図3
(b)の磁場強度分布におけるBcの値は、−13
〔ガウス〕程度になる。
向きとその渦電流により発生する磁場の分布、及び補正
用コイル323に流す電流の向きとその電流により発生
する磁場の分布を示す。図3(a)において、真空ダク
ト34内のビームには、励磁用主コイル325に電流が
流されたことにより、磁極321a,321b間で発生
した磁場(以下、偏向磁場と呼ぶ)が図中の矢印aの向
きで印加される。そして、前述のように、その偏向磁場
の強度をビームエネルギーの増加に応じて増大させてい
くと、その磁場強度の変化量に応じて真空ダクト34に
は図に示す向きの渦電流が流れ、その渦電流により矢印
bの向きの磁場(以下、不整磁場と呼ぶ)が図3(b)に示
す強度分布で発生する。一例として、ダクト外径の長辺
が150〔mm〕,短辺が50〔mm〕,厚みが3〔mm〕の
アルミ製の真空ダクトを用いて、磁場の時間変化率を2
5〔キロガウス/sec〕とした場合を仮定すると、図3
(b)の磁場強度分布におけるBcの値は、−13
〔ガウス〕程度になる。
【0022】真空ダクト34に発生する渦電流による不
整磁場を打ち消すために、本実施例では、補正用コイル
323に図(a)に示す向きの電流を流す。そのことに
より、矢印cの向きの磁場(以下、補正磁場と呼ぶ)が
図3(c)に示す強度分布で発生する。図3(b),
(c)に示す通り、不整磁場と補正磁場とは磁場の向き
が反対であるので、補正磁場により不整磁場を打ち消す
ことができ、不整磁場による悪影響を抑制できる。な
お、補正磁場の強度分布は、磁極1a,1bにおける補
正用コイル323の水平方向位置x1,x2及び上下方
向位置gと、補正用コイル323に流す電流によって制
御することが可能であるので、真空ダクト34に発生す
る渦電流とその渦電流により生じる不整磁場を予め計算
により求め、その計算により得られた不整磁場を打ち消
せるように補正用コイル323の位置及び電流を計算に
よって決定する。
整磁場を打ち消すために、本実施例では、補正用コイル
323に図(a)に示す向きの電流を流す。そのことに
より、矢印cの向きの磁場(以下、補正磁場と呼ぶ)が
図3(c)に示す強度分布で発生する。図3(b),
(c)に示す通り、不整磁場と補正磁場とは磁場の向き
が反対であるので、補正磁場により不整磁場を打ち消す
ことができ、不整磁場による悪影響を抑制できる。な
お、補正磁場の強度分布は、磁極1a,1bにおける補
正用コイル323の水平方向位置x1,x2及び上下方
向位置gと、補正用コイル323に流す電流によって制
御することが可能であるので、真空ダクト34に発生す
る渦電流とその渦電流により生じる不整磁場を予め計算
により求め、その計算により得られた不整磁場を打ち消
せるように補正用コイル323の位置及び電流を計算に
よって決定する。
【0023】図4は、シンクロトロン3の運転周期と、
補正用コイル323に電流を流すタイミングとの関係を
示す。図4(a)に示すように、ビームのエネルギー
は、シンクロトロン3に入射された後、加速時に増加
し、出射時に一定に保たれた後、減速時に低下する。偏
向電磁石32における偏向磁場の強度は、図4(b)に
示すように、ビームエネルギーの変化に応じて、増加し
た後一定に保たれ、その後低下する。前述のように、真
空ダクト34に発生する渦電流は、偏向電磁石32で発
生する偏向磁場の強度の変化量に依存するため、図4
(c)に示す通り、偏向磁場の強度の増加時及び低下時
に逆位相で発生する。
補正用コイル323に電流を流すタイミングとの関係を
示す。図4(a)に示すように、ビームのエネルギー
は、シンクロトロン3に入射された後、加速時に増加
し、出射時に一定に保たれた後、減速時に低下する。偏
向電磁石32における偏向磁場の強度は、図4(b)に
示すように、ビームエネルギーの変化に応じて、増加し
た後一定に保たれ、その後低下する。前述のように、真
空ダクト34に発生する渦電流は、偏向電磁石32で発
生する偏向磁場の強度の変化量に依存するため、図4
(c)に示す通り、偏向磁場の強度の増加時及び低下時
に逆位相で発生する。
【0024】前述のように、補正用コイル323に流す
電流により発生させる補正磁場は、渦電流により生じる
不整磁場を打ち消すことが目的であるので、図4(d)
に示すように、不整磁場と逆位相になるように、加速時
及び減速時に発生させる。つまり、加速時及び減速時に
逆位相の電流を補正用コイル323に供給する。なお、
出射時にシンクロトロン3内の全てのビームを出射した
場合、或いは減速時にはビーム損失が起こっても構わな
い場合には、減速時に不整磁場を打ち消す必要がないた
め、図4(e)に示すように、減速時には補正用コイル
323による補正磁場を発生させなくても良い。つま
り、減速時には補正用コイル323への電流の供給を行
わない。更に、図4(b)に示すように、加速時におけ
る偏向磁場強度の変化率が一定である場合には、発生す
る不整磁場も一定であり、偏向磁場強度が増加するのに
従って、偏向磁場強度に対する不整磁場強度の割合は小
さくなっていく。そのため、偏向磁場強度に対する不整
磁場強度の割合が大きい加速初期時のみ図4(f)に示
すように補正磁場を発生させても良い。
電流により発生させる補正磁場は、渦電流により生じる
不整磁場を打ち消すことが目的であるので、図4(d)
に示すように、不整磁場と逆位相になるように、加速時
及び減速時に発生させる。つまり、加速時及び減速時に
逆位相の電流を補正用コイル323に供給する。なお、
出射時にシンクロトロン3内の全てのビームを出射した
場合、或いは減速時にはビーム損失が起こっても構わな
い場合には、減速時に不整磁場を打ち消す必要がないた
め、図4(e)に示すように、減速時には補正用コイル
323による補正磁場を発生させなくても良い。つま
り、減速時には補正用コイル323への電流の供給を行
わない。更に、図4(b)に示すように、加速時におけ
る偏向磁場強度の変化率が一定である場合には、発生す
る不整磁場も一定であり、偏向磁場強度が増加するのに
従って、偏向磁場強度に対する不整磁場強度の割合は小
さくなっていく。そのため、偏向磁場強度に対する不整
磁場強度の割合が大きい加速初期時のみ図4(f)に示
すように補正磁場を発生させても良い。
【0025】以上説明したように、本実施例では、偏向
磁場の変化に伴って真空ダクト34に発生する渦電流に
よる不整磁場を、補正用コイル323に電流を流すこと
によって発生する補正磁場によって打ち消すため、導電
率の高い材質よりなる真空ダクトを用いる場合でも、電
磁石から発せられる磁場の強度の変化量を制限すること
なく、不整磁場によるビームへの悪影響を抑制すること
ができ、荷電粒子ビームに印加される磁場の強度分布の
一様性を向上できる。なお、不整磁場によるビームへの
悪影響を抑制するとは、不整磁場の発生に起因するビー
ム損失の増大を抑制することである。
磁場の変化に伴って真空ダクト34に発生する渦電流に
よる不整磁場を、補正用コイル323に電流を流すこと
によって発生する補正磁場によって打ち消すため、導電
率の高い材質よりなる真空ダクトを用いる場合でも、電
磁石から発せられる磁場の強度の変化量を制限すること
なく、不整磁場によるビームへの悪影響を抑制すること
ができ、荷電粒子ビームに印加される磁場の強度分布の
一様性を向上できる。なお、不整磁場によるビームへの
悪影響を抑制するとは、不整磁場の発生に起因するビー
ム損失の増大を抑制することである。
【0026】また、本実施例では、前述のようにシンク
ロトロン3の偏向電磁石32及び高エネルギー輸送系4
の偏向電磁石41として、図1に示す偏向電磁石を適用
し、一方、低エネルギー輸送系2の偏向電磁石21に
は、磁極に空間及び補正用コイルを設けない従来の偏向
電磁石を適用する。これは、偏向電磁石32,41は任
意のエネルギーのビームを偏向するために偏向磁場強度
の変化が必要とされ、そのために真空ダクトに渦電流が
発生するが、偏向電磁石21は前段加速器1から出射さ
れるエネルギー一定のビームを偏向するため偏向磁場強
度は一定で良く、真空ダクトにおける渦電流が発生しな
いためである。図1に示す偏向電磁石は、磁極に空間を
設け、更にその空間に補正用コイルを設置するため、製
作コストが磁極及び補正用コイルを設けない従来の偏向
電磁石よりも高く、よって、渦電流を考慮しなくても良
い偏向電磁石21は空間及び補正用コイルを設けない従
来の偏向電磁石とすることにより、無駄なコストアップ
を避けることができる。
ロトロン3の偏向電磁石32及び高エネルギー輸送系4
の偏向電磁石41として、図1に示す偏向電磁石を適用
し、一方、低エネルギー輸送系2の偏向電磁石21に
は、磁極に空間及び補正用コイルを設けない従来の偏向
電磁石を適用する。これは、偏向電磁石32,41は任
意のエネルギーのビームを偏向するために偏向磁場強度
の変化が必要とされ、そのために真空ダクトに渦電流が
発生するが、偏向電磁石21は前段加速器1から出射さ
れるエネルギー一定のビームを偏向するため偏向磁場強
度は一定で良く、真空ダクトにおける渦電流が発生しな
いためである。図1に示す偏向電磁石は、磁極に空間を
設け、更にその空間に補正用コイルを設置するため、製
作コストが磁極及び補正用コイルを設けない従来の偏向
電磁石よりも高く、よって、渦電流を考慮しなくても良
い偏向電磁石21は空間及び補正用コイルを設けない従
来の偏向電磁石とすることにより、無駄なコストアップ
を避けることができる。
【0027】(実施例2)次に、本発明の他の実施例に
ついて、図5を用いて説明する。なお、本実施例は、偏
向電磁石32が磁極の両端にシム部と呼ばれる突起を設
ける点で実施例1と異なる。以下、実施例1と異なる点
について説明する。
ついて、図5を用いて説明する。なお、本実施例は、偏
向電磁石32が磁極の両端にシム部と呼ばれる突起を設
ける点で実施例1と異なる。以下、実施例1と異なる点
について説明する。
【0028】図5(a)に示すように、本実施例の磁極
321aは両端にシム部326を設けている。なお、図
示していないが、磁極321bにも同様にシム部が設け
られる。このシム部326の位置と大きさを調節するこ
とにより、磁極321a,321b間に発生する偏向磁
場の強度分布を制御することができる。本実施例では、
磁極が飽和に達するような高磁場を磁極321a,32
1b間に発生させた場合に、図5(b)のB1に示すよ
うな均一な強度分布の偏向磁場が得られるように、シム
部326の位置と大きさを決定する。なお、偏向磁場の
向きは図5(a)の矢印aの向きである。
321aは両端にシム部326を設けている。なお、図
示していないが、磁極321bにも同様にシム部が設け
られる。このシム部326の位置と大きさを調節するこ
とにより、磁極321a,321b間に発生する偏向磁
場の強度分布を制御することができる。本実施例では、
磁極が飽和に達するような高磁場を磁極321a,32
1b間に発生させた場合に、図5(b)のB1に示すよ
うな均一な強度分布の偏向磁場が得られるように、シム
部326の位置と大きさを決定する。なお、偏向磁場の
向きは図5(a)の矢印aの向きである。
【0029】しかしながら、本実施例のように、磁極が
飽和に達するような高磁場を発生させる場合に合わせて
シム部326の位置と大きさを決定すると、低磁場を発
生させる場合に図5(b)のB2に示すように磁極32
1aの中心付近の磁場強度が端部に比べて低くなり、磁
場強度の分布一様性が悪くなってしまう。
飽和に達するような高磁場を発生させる場合に合わせて
シム部326の位置と大きさを決定すると、低磁場を発
生させる場合に図5(b)のB2に示すように磁極32
1aの中心付近の磁場強度が端部に比べて低くなり、磁
場強度の分布一様性が悪くなってしまう。
【0030】そこで本実施例では、空間322に設けた
補正用コイル323に図5(a)に示す向きの電流を流
すことにより、図5(c)に示す強度分布を有する補正
磁場を図5(a)の矢印dの向きで発生させる。なお、
補正用コイル323に流す電流値は、図5(b)のB2
で示される磁場強度の分布と図5(c)に示される磁場
強度の分布とを重ね合せたときに均一な磁場強度分布が
得られるように、予め計算により求められて、磁極32
1a,321b間に低磁場を発生させる場合に補正用コ
イル323に流される。
補正用コイル323に図5(a)に示す向きの電流を流
すことにより、図5(c)に示す強度分布を有する補正
磁場を図5(a)の矢印dの向きで発生させる。なお、
補正用コイル323に流す電流値は、図5(b)のB2
で示される磁場強度の分布と図5(c)に示される磁場
強度の分布とを重ね合せたときに均一な磁場強度分布が
得られるように、予め計算により求められて、磁極32
1a,321b間に低磁場を発生させる場合に補正用コ
イル323に流される。
【0031】本実施例によれば、シム部326の位置と
高さを高磁場の偏向磁場を発生させるときに合わせて決
めた場合において、低磁場を発生させるときに生じる偏
向磁場強度分布の不均一を補正磁場により解消すること
ができる。なお、本実施例ではシム部326の位置と高
さを高磁場の偏向磁場を発生させるときに合わせて決め
た場合について説明したが、シム部326の位置と高さ
を低磁場の偏向磁場を発生させるときに合わせて決めた
場合において高磁場を発生させるときに生じる偏向磁場
の強度分布の不均一も、本実施例と同様に補正磁場によ
り解消することが可能である。
高さを高磁場の偏向磁場を発生させるときに合わせて決
めた場合において、低磁場を発生させるときに生じる偏
向磁場強度分布の不均一を補正磁場により解消すること
ができる。なお、本実施例ではシム部326の位置と高
さを高磁場の偏向磁場を発生させるときに合わせて決め
た場合について説明したが、シム部326の位置と高さ
を低磁場の偏向磁場を発生させるときに合わせて決めた
場合において高磁場を発生させるときに生じる偏向磁場
の強度分布の不均一も、本実施例と同様に補正磁場によ
り解消することが可能である。
【0032】以上説明した各実施例では、偏向電磁石に
本発明を適用した場合について説明したが、四極電磁石
等の他の電磁石にも本発明は適用可能である。
本発明を適用した場合について説明したが、四極電磁石
等の他の電磁石にも本発明は適用可能である。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、荷電粒子ビームに時間
的に変化する磁場を印加した場合に真空ダクトに発生す
る渦電流によって発生する磁場を、磁極に設けられた空
間に挿入されたコイルに電流を流すことで発生する磁場
により打ち消すことができる。従って、導電率の高い材
質よりなる真空ダクトを用いる場合でも、電磁石から発
せられる磁場の強度の変化量を制限することなく、真空
ダクトに流れる渦電流によって生じる不整磁場の影響を
抑制して、荷電粒子ビームに印加される磁場の強度分布
の一様性を向上させることができる。
的に変化する磁場を印加した場合に真空ダクトに発生す
る渦電流によって発生する磁場を、磁極に設けられた空
間に挿入されたコイルに電流を流すことで発生する磁場
により打ち消すことができる。従って、導電率の高い材
質よりなる真空ダクトを用いる場合でも、電磁石から発
せられる磁場の強度の変化量を制限することなく、真空
ダクトに流れる渦電流によって生じる不整磁場の影響を
抑制して、荷電粒子ビームに印加される磁場の強度分布
の一様性を向上させることができる。
【図1】本発明の好適な一実施例である円形加速器シス
テムに用いる偏向電磁石の構造図である。
テムに用いる偏向電磁石の構造図である。
【図2】本発明の好適な一実施例である円形加速器シス
テムの構成図である。
テムの構成図である。
【図3】図1の偏向電磁石32及び真空ダクト34にお
いて、真空ダクト34に流れる渦電流の方向,補正用コ
イル323に流す電流の方向,真空ダクト34に流れる
渦電流により発生する磁場の強度分布、及び補正用コイ
ル323に流す電流により発生する磁場の強度分布を示
す図である。
いて、真空ダクト34に流れる渦電流の方向,補正用コ
イル323に流す電流の方向,真空ダクト34に流れる
渦電流により発生する磁場の強度分布、及び補正用コイ
ル323に流す電流により発生する磁場の強度分布を示
す図である。
【図4】シンクロトロン3におけるビームエネルギーの
時間変化,偏向電磁石32における偏向磁場強度の時間
変化,真空ダクト34に流れる渦電流により発生する不
整磁場の強度の時間変化、及び補正用コイル323に流
す電流により発生する補正磁場の強度の時間変化を示す
図である。
時間変化,偏向電磁石32における偏向磁場強度の時間
変化,真空ダクト34に流れる渦電流により発生する不
整磁場の強度の時間変化、及び補正用コイル323に流
す電流により発生する補正磁場の強度の時間変化を示す
図である。
【図5】本発明の好適な他の実施例である円形加速器シ
ステムに用いる偏向電磁石の構造図である。
ステムに用いる偏向電磁石の構造図である。
1…前段加速器、2…低エネルギー輸送系、3…シンク
ロトロン、4…高エネルギー輸送系、5…ビーム利用
系、21,32,41…偏向電磁石、22,33,42
…四極電磁石、31…入射器、34…真空ダクト、35
…高周波加速空洞、36…六極電磁石、37…出射器、
321a,321b…磁極、322…空間、323…補
正用コイル、324…リターンヨーク、325…励磁用
主コイル。
ロトロン、4…高エネルギー輸送系、5…ビーム利用
系、21,32,41…偏向電磁石、22,33,42
…四極電磁石、31…入射器、34…真空ダクト、35
…高周波加速空洞、36…六極電磁石、37…出射器、
321a,321b…磁極、322…空間、323…補
正用コイル、324…リターンヨーク、325…励磁用
主コイル。
Claims (4)
- 【請求項1】内部を荷電粒子ビームが通過する真空ダク
トを挟んで対向し、かつ荷電粒子ビームの進行方向に伸
びる空間を有する第1磁極及び第2磁極と、前記第1磁
極と前記第2磁極とを接続するリターンヨークと、前記
第1磁極及び前記第2磁極に設けられた前記空間に挿入
されたコイルとを備えたことを特徴とする電磁石。 - 【請求項2】内部を荷電粒子ビームが通過する真空ダク
トと、 前記真空ダクトを挟んで対向しかつ荷電粒子ビームの進
行方向に伸びる空間を有する第1磁極及び第2磁極、前
記第1磁極と前記第2磁極とを接続するリターンヨー
ク、及び前記第1磁極及び前記第2磁極に設けられた前
記空間に挿入されたコイルを有し、前記真空ダクト内を
通過する荷電粒子ビームを偏向する偏向電磁石と、 荷電粒子ビームを加速する高周波加速空洞とを備えたこ
とを特徴とする円形加速器。 - 【請求項3】前記高周波加速空洞により荷電粒子ビーム
を加速しているときに、前記コイルに電流を供給するこ
とを特徴とする請求項2記載の円形加速器。 - 【請求項4】第1の偏向電磁石及び内部を荷電粒子ビー
ムが通過する第1の真空ダクトを備え、かつ前段加速器
から出射されて前記第1の真空ダクト内を通過する荷電
粒子ビームを前記第1の偏向電磁石により偏向して輸送
する第1のビーム輸送系と、 内部を荷電粒子ビームが通過する第2の真空ダクト、前
記第2の真空ダクト内を通過する荷電粒子ビームを偏向
する第2の偏向電磁石、荷電粒子ビームを加速する高周
波加速空洞、及び前記高周波加速空洞により加速された
荷電粒子ビームを出射する出射器を有する円形加速器
と、 第3の偏向電磁石を備え、かつ前記出射器より出射され
た荷電粒子ビームを前記第3の偏向電磁石により偏向し
て輸送する第2のビーム輸送系とを備えた円形加速器シ
ステムにおいて、 前記第2の偏向電磁石及び前記第3の偏向電磁石は、前
記真空ダクトを挟んで対向しかつ荷電粒子ビームの進行
方向に伸びる空間を有する第1磁極及び第2磁極と、前
記第1磁極と前記第2磁極とを接続するリターンヨーク
と、前記第1磁極及び前記第2磁極に設けられた前記空
間に挿入されたコイルとを有することを特徴とする円形
加速器システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11216339A JP2001043998A (ja) | 1999-07-30 | 1999-07-30 | 電磁石、及びそれを用いた円形加速器と円形加速器システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11216339A JP2001043998A (ja) | 1999-07-30 | 1999-07-30 | 電磁石、及びそれを用いた円形加速器と円形加速器システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001043998A true JP2001043998A (ja) | 2001-02-16 |
Family
ID=16687007
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11216339A Pending JP2001043998A (ja) | 1999-07-30 | 1999-07-30 | 電磁石、及びそれを用いた円形加速器と円形加速器システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001043998A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010049965A (ja) * | 2008-08-22 | 2010-03-04 | Mitsubishi Electric Corp | 荷電粒子ビーム加速器およびその加速器を用いた粒子線照射医療システム |
WO2013121503A1 (ja) | 2012-02-13 | 2013-08-22 | 三菱電機株式会社 | セプタム電磁石および粒子線治療装置 |
-
1999
- 1999-07-30 JP JP11216339A patent/JP2001043998A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010049965A (ja) * | 2008-08-22 | 2010-03-04 | Mitsubishi Electric Corp | 荷電粒子ビーム加速器およびその加速器を用いた粒子線照射医療システム |
WO2013121503A1 (ja) | 2012-02-13 | 2013-08-22 | 三菱電機株式会社 | セプタム電磁石および粒子線治療装置 |
CN103370991A (zh) * | 2012-02-13 | 2013-10-23 | 三菱电机株式会社 | 切割电磁铁及粒子射线治疗装置 |
US8884256B2 (en) | 2012-02-13 | 2014-11-11 | Mitsubishi Electric Corporation | Septum magnet and particle beam therapy system |
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