JPH053348Y2

JPH053348Y2 -

Info

Publication number: JPH053348Y2
Application number: JP1985194118U
Authority: JP
Priority date: 1985-12-16
Filing date: 1985-12-16
Publication date: 1993-01-27
Anticipated expiration: 2000-12-16
Also published as: JPS62102588U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案は、シヤープペンシルの改良に関する。

（従来技術）従来、ノツクキヤツプを繰り返し短く押して軸
筒から筆記芯の芯出しが行われ、長く押して突出
する筆記芯を軸筒内に引込むシヤープペンシル
（実公昭57−24538号公報参照）や、キヤツプを軸
筒の周りに一方向へ回して筆記部が軸筒から突出
され、反対方向へ回して筆記部を軸筒内へ引込む
ボールペン（市販品）や、ノツクキヤツプを軸筒
の周りに一方向へ回すとボールペンの筆記部が軸
筒から突出され、反対方向へ回すと該筆記部が軸
筒内に引込まれ、代わつてシヤープペンシルの先
端部が軸筒から突出され、この状態でノツクキヤ
ツプを繰り返し短く押して筆記芯の芯出しが行わ
れる筆記具（市販品）などが広く知られている。

（考案が解決しようとする課題）しかしながら、これらの筆記具は、それなりの
利点があつて重宝しているが、回転操作と押動操
作との操作機構を共に具備していて、自由に操作
選択できる筆記具ではなかつた。そして、細芯用
シヤープペンシルにおいては、単なる回動操作や
押動操作では細芯であるために芯折れしてしまう
などの操作に困難性があつた。最近は、ノツクキ
ヤツプの回動操作或いは押動操作の選択が自由
で、選択した操作を行なうと、軸筒からの芯出し
を行ない得、かつノツクキヤツプの押動操作で軸
筒から突出する筆記芯を軸筒内に引込まさせ得
る、芯折れの心配が少ない新規な細芯用シヤープ
ペンシルの提供が望まれている。

本考案は、上記要望に対して提案するものであ
つて、その目的とするところは、芯出しのための
回動操作或いは押動操作を自由に選択でき、芯出
し時や芯引込み時に、芯折れの心配が少ない細芯
用の新規なシヤープペンシルを提供することにあ
る。

（課題を解決するための手段）この目的を達成するための本願の技術手段であ
るシヤープペンシルは、前軸に被せた後軸内に、
押動部が形成された繰出管を圧入固定し、該繰出
管に縦向切割が形成された導管を貫通し、その導
管が座部を介して前軸に固定され、導管の縦向切
割に挿通し、かつ前記押動部に係合する突起が突
設されたカラーを芯ケースに嵌入し、該芯ケース
に連結したチヤツクが常時引込み方向に付勢され
る引込ばねを前記芯ケース鍔縁と中具間に介装
し、チヤツクを締リングに嵌合せしめ、移動リン
グ及びこのリング用の押戻ばねを前軸の先端部内
にチヤツク側から順次に嵌合配置してなる後軸に
よる操作が回動操作と押動操作とのいずれをも選
択操作できるのもである。

（作用効果）本考案は、上記技術手段からなるので、後軸を
回動することによつて芯ケースを繰出管の押動部
の軸方向寸法分押動せしめるか、或いは後軸を押
動することによつて、カラーを押動し、後軸の回
動での繰出管の押動部の軸方向寸法分と同寸法分
芯ケースを押動せしめるかの操作が選択され、そ
の選択された操作を、繰返せば、チヤツクが締リ
ングに繰返し嵌合脱出して前軸から芯出しを行な
い得る。そして、前軸から突出した筆記芯を引込
める場合は、芯ケースに嵌められたカラーの突起
が導管の座部（固定部）に達するまで引込ばねを
圧縮せしめながら後軸を押し動かせば、チヤツク
が締リングから脱出されて移動リングに移り、該
リングともども押戻ばねを圧縮することになる。
芯ケースにはめられたカラーの突起が導管の座部
（固定部）に達して芯ケースの押動が停止される
と、圧縮されていた押戻ばねが弾発して移動リン
グを押戻す。該移動リングは内面の擂鉢状斜面形
状によつて押戻されながら停止中のチヤツクを
徐々にすぼめ、芯折れを起こす心配が少なく、筆
記芯をしつかりチヤツキングせしめる。

そこで、後軸を解放してやれば、圧縮されてい
た引込ばねが弾発され、筆記芯をチヤツキングし
ているチヤツクと、そのチヤツクを嵌合している
移動リングとが一緒に引込まれ、該リングは締リ
ングに当接されると押戻ばね上に落下し、チヤツ
クを締リングに移して嵌合せしめ、その締リング
が中具に当接するまで引込んで停止し、次の芯出
し操作に備える。

よつて、芯出し操作を回動操作と押動操作のい
ずれでの操作も選択が可能で、芯折れの心配が少
ない細芯用に好適なシヤープペンシルを提供で
き、所期の目的を達成できる。

（実施例）本考案の実施例を図面について説明すれば、前
軸１に後軸２が回動自在かつ軸方向押動自在に被
せられ、後軸２に尾栓２０１を取外自在に嵌装す
る。繰出管３は、上側の大径管部３０２の中心に
小径管部３０３を下向きに一体突設し、その小径
管部の下端部に押動部３０１を形成し、大径管部
３０２を後軸２内に圧入固定する。繰出管３の押
動部３０１は、複数の下向凸部と同数の上向凹部
とで波形に形成した図示例のほか、小径管部３０
３の下端部を斜截した形状に成形するなど、種々
の形状に成形することが考えられる。導管４は、
下端部に固定部となる座部４０２を形成し、その
座部から上端部まで複数本の縦向切割４０１を切
割り形成せしめ、上端部に外向の係合突縁４０３
を突設する。そして、導管４は、縦向切割４０１
を有するために係合突起４０３がすぼめられなが
ら繰出管３を貫通させることができ、その貫通せ
しめた後に係合突縁４０３を拡げて繰出管３に係
合せしめ、また、座部４０２を前軸１の上端部に
固定せしめる。芯ケース５は、上側にカラー５０
２が嵌められ、そのカラーの外面に突設した突起
５０１を導管４の一本の縦向切割４０１に貫通係
合せしめて、更に、繰出管３の押動部３０１に係
合せしめ、カラー５０２の下端部を芯ケース５の
外向環状突条５０３に係止せしめ、カラー５０２
が芯ケース５と一緒に押動し得るように構成さ
れ、芯ケース５の外面に突起５０１を直接突設し
た構成の場合と同じ作用が発揮される。チヤツク
６は、上端部を芯ケース５の下端部に連結し、前
軸１内に取付けた中具７に貫通せしめて締リング
９に嵌合する。チヤツク６は、二つ割或いは三つ
割に構成し、口端寄りの下半分を周知のチヤツク
よりも軸方向に長くして、全体の長さを周知のチ
ヤツクよりも軸方向に長く（約3.5mm位の長さ）
構成し、口端を前軸１の先端部に近づけ、該口端
から該先端部までの距離を短く構成して、芯折れ
した場合の残芯を短くなし得るように構成する。
中具７と芯ケース５の鍔縁５０４との間に引込ば
ね８を介装し、チヤツク６を常時引込み方向に付
勢せしめて締リング９に嵌合せしめている。

締リング９は、チヤツク６が次第にすぼまつて
筆記芯をチヤツキングし得るように、内面の全部
又は一部が逆擂鉢状の斜面に形成され、かつ上端
部に突設したフランジ９０１が前軸１の段部１０
１と中具７の下端面との間をガタつくことなく往
復されるように構成する。移動リング１０は、チ
ヤツク６が次第にすぼめられて筆記芯をチヤツキ
ングするように、内面の全部又は一部が擂鉢状斜
面に形成され、押戻しばね１１と共に前軸１の先
端部内に嵌合する。移動リング１０及び押戻しば
ね１１は、該リングがチヤツク側となるように前
軸１の先端部内に嵌合配置される。

次に使用法を説明すると、第１図示の不使用状
態において、後軸２が時計方向或いは反時計方向
に回され、芯ケース５を繰出管３の押動部３０１
によつて軸方向寸法l₂分押動せしめる操作か、或
いは後軸２がカラー５０２を押し、同様に芯ケー
ス５を軸方向寸法l₂分だけ押動せしめる操作かの
一つを選択して繰返せば、第２図示の如く、チヤ
ツク６が締リング９の嵌合より脱出されて前軸１
から芯出しを行ない得る。（チヤツクは、第１図
示の実線位置と二点鎖線位置（この二点鎖線位置
は、第２図示の実線位置に同じ）とを往復して筆
記芯が突出され、筆記可能ならしめる）。そして、
突出した筆記芯を引込ませる場合は、第３図示の
如く、芯ケース５に嵌められたカラー５０２の突
起５０１を導管４の座部４０２に達するまで（軸
方向寸法l₁＋軸方向寸法l₂分）引込ばね８を圧縮
しながら後軸２を押し動かせば、チヤツク６が締
リング９から脱出して移動リング１０に移り、該
移動リングともども押戻ばね１１を圧縮する。

第３図示のように芯ケース５に嵌められたカラ
ー５０２の突起５０１が導管４の座部４０２に達
せられて芯ケース５の押動を停止すると、圧縮さ
れていた押戻ばね１１が弾発して移動リング１０
を押戻す。該移動リングは押戻されながら、内面
の擂鉢状斜面形状によつて停止中のチヤツク６を
徐々にすぼめ、細芯であつても芯折れの起る恐れ
を少なくし、筆記芯をしつかりチヤツキングす
る。そこで、第４図示のように、後軸２を解放す
れば、圧縮されていた引込ばね８が弾発伸張さ
れ、筆記芯をチヤツキングしているチヤツク６
と、そのチヤツクが嵌合している移動リング１０
とを一緒に引込み、該移動リングが押戻ばね１１
から離れて締リング９に当接し、チヤツク６と移
動リング１０とが締リング９を押戻し、その締リ
ングのフランジ９０１が中具７の下端面に当接さ
れて停止すると、移動リング１０が締リング９か
ら離れて押戻ばね１１上に戻り、チヤツク６が移
動リング１０から締リング９に移され、突出して
いる筆記芯を前軸１内に引込み、第１図のように
なる。

しかして、チヤツク６は、移動リング１０から
締リング９に移る際、両リングの内面形状に沿つ
て少し開くが、引込まれた筆記芯は、前軸１の先
端部内に具備されたゴムリング１２によつて移動
が阻止され、引込まれた状態に止まり、瞬時後
は、チヤツク６が締リング９に移つてすぼめら
れ、再びチヤツキングされるをもつて前軸から再
び突出することはない。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案のシヤープペンシルの不使用
状態を表わした縦断正面図、第２図は、チヤツク
が筆記芯を解放した使用可能直前の状態を表わし
た同正面図、第３図は、チヤツクが筆記芯をチヤ
ツキングした引込み直前の状態を表わした同正面
図、第４図は、チヤツクが筆記芯を引込み、移動
リングから締めリングに移る状態を表わした同正
面図である。図中、１……前軸、２……後軸、３……繰出
管、３０１……押動部、４……導管、４０１……
縦向切割、５……芯ケース、５０１……突起、６
……チヤツク、７……中具、８……引込ばね、９
……締リング、１０……移動リング、１１……押
戻ばね。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

前軸１に被せた後軸２による操作が回動操作と
押動操作とのいずれをも選択操作できるよう、後
軸内に押動部３０１を形成した繰出管３が圧入固
定され、該繰出管３に縦向切割４０１が形成され
た導管４を貫通し、その導管４が座部４０２を介
して前軸１に固定されると共に導管４の縦向切割
４０１に挿通し、かつ前記押動部３０１に係合す
る突起５０１が突設されたカラー５０２を芯ケー
ス５に嵌入し、該芯ケース５に連結したチヤツク
６が常時引込み方向に付勢される引込ばね８を前
記芯ケース５の鍔縁５０４と中具７間に介装し、
内部の全部又は一部が逆擂鉢状斜面に形成された
締リング９にチヤツク６を嵌合せしめ、内面の全
部又は一部が擂鉢状斜面に形成された移動リング
１０及びこの移動リング用の押戻ばね１１を前軸
１の先端部内にチヤツク６側から順次に嵌合配置
してなることを特徴とするシヤープペンシル。