JPH053348U - 先端打撃杭打工法における杭先端装置 - Google Patents

先端打撃杭打工法における杭先端装置

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JPH053348U
JPH053348U JP5850291U JP5850291U JPH053348U JP H053348 U JPH053348 U JP H053348U JP 5850291 U JP5850291 U JP 5850291U JP 5850291 U JP5850291 U JP 5850291U JP H053348 U JPH053348 U JP H053348U
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 先端シューの強度を高め、その打ち込みの曲
がりと、先端シューの変形による筒体の変形損傷を防止
する。 【構成】 杭1の先端部周囲に狭小間隙を保持して嵌合
可能な鋼製筒体3の下端に先端シュー2を取付け、この
筒体3の内周面の上端部及び中間部に支持ガイド4,
4’を突設し、先端シュー2は円形底板2aとその底面
に中心において交差して取付けた円錐形の補強板2bと
から構成し、さらに杭1の先端面に複数のスペーサー6
を取付けるか、スペーサー6の下面を先端シュー2の底
板2aに溶接して筒体と切り離してなることを特徴とし
ている。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案は、先端部に先端シューをスライド自在に嵌挿した中空杭を削孔内に 挿入し、先端シューを打撃により貫入させると共に、杭に圧入力を作用させて圧 入するようにした先端打撃杭打工法に用いる杭先端装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、先端シューを取付けた鋼製筒体を先端部周囲にスライド自在に嵌挿した 中空杭を削孔内に挿入し、先端シューをドロップハンマーの打撃により貫入させ ると共に、杭に圧入力を作用させて圧入し、先端シューを支持地盤に支持した後 、先端シューと杭の中空部内に硬化材料を充填して固結一体化するようにした先 端打撃杭打工法が知られている。
【0003】 ところで、この先端打撃杭打工法において先端シューの打ち込み時にハンマー の打撃位置の偏心や、地盤の状況により先端シューが曲がって打ち込まれ易いが 、従来の先端シューの筒体は、杭の先端部外周又は筒体の内周面に設けたゴム等 の弾性材からなる環状シール部材を介して杭にスライド自在にかつ液密的に嵌挿 されているため、先端シューが杭に対して曲がって打ち込まれる際に環状シール 部材が弾性変形して筒体と共に先端シューの曲がりを許容し、その結果その後に 杭が圧入されるとき杭先端が筒体内周面に当接して圧入が困難となると共に、シ ール材が環状部の片側に過度に変形してシール性が損なわれるなどの欠点がある 。
【0004】 また従来の先端シューには、その底板と杭先端との間に硬化材料を充填する間 隙を保持させるための複数のスペーサーが周方向に間隔を置いて取付けられてい るが、このスペーサーは先端シュー及び筒体に溶接により固着されているため、 先端シューの底板が打撃により変形したとき、これに追従してスペーサー共に筒 体が変形し、亀裂等を生じて筒体内部に水が侵入する等の問題があった。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
この考案は、従来の先端装置における先端シューが曲がって打ち込まれ、また スペーサーと共に筒体が変形損傷するという課題を解決することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この考案は、杭1の先端部周囲に狭小間隙を保持して嵌合可能な鋼製筒体3の 下端に先端シュー2を取付け、この筒体3の内周面の上端部及び中間部に支持ガ イド4,4’を突設し、先端シュー2は円形底板2aとその底面に中心において 交差して取付けた円錐形の補強板2bとから構成し、さらに杭1の先端面に複数 のスペーサー6を取付けるか、先端シュー2の底板2aに、筒体3と切り離され た複数のスペーサー6の下面を溶接してなる先端装置を提案するものである。
【0007】
【作用】
ハンマー9の打撃により先端シュー2が曲がって打ち込まれようとするとき、 筒体3の内周面の上端部及び中間部に取付けた支持ガイド4,4’が抵抗して常 に筒体3を杭1に対してセンタリングし、シール材の片側への過度の変形を防止 すると共に、先端シュー2の曲がりを防止する。
【0008】 先端シュー2は、円形底板2aとその底面に中心において交差して取付けた円 錐形の補強板2bとから構成されているため、打撃による変形を防止すると共に 、地盤への貫入が円滑となる。
【0009】 スペーサー6を杭先端面に取付けるか、先端シュー2の底板2aのみに固着し て筒体3と切り離すことにより、先端シュー2の底板2aの変形にスペーサー6 が追従して変形することが防止される。
【0010】
【実施例】
図1に示すように中空杭1の先端部周囲に、先端に先端シュー2を取付けた鋼 管製筒体3がスライド自在に挿嵌されている。
【0011】 先端シュー2は図2、図3に示すように、円形の鋼製底板2aとその底面に中 心において交差して取付けた円錐形の補強板2bとから構成されている。
【0012】 筒体3には図1及び図4に示すように、その内周面の上端部に金属、その他の 硬質材からなる無収縮性の突起状支持ガイド4及び中間部に硬質ゴム等多少の弾 性を有する(半硬質)突起状支持ガイド4’が、それぞれ周方向に所定間隔を置 いて、かつ上下に所要間隔を保持して複数取付けられ、これらによって筒体3を 杭1に対して常に平行な隙間を保ち、曲がりを生ずることなく常に同芯的にスラ イドするように支持している。
【0013】 さらに、支持ガイド4の近辺の筒体3の内周面には、ゴム等の比較的柔軟な弾 性材からなる環状のシール材5が1又は2以上取付けられ、筒体3の内部をシー ルしている。
【0014】 上部支持ガイド4は、その近辺のシール材4が片側に過度に変形するのを防止 するように、硬質材を持って杭1の外周面から若干の間隙を保持して突設され、 また下部支持ガイド4’は、先端シュー2が曲がって貫入しようとするとき杭1 に対して噛み込むことなく、しかも過剰に圧縮変形することなく比較的固めの弾 性で曲がりを抑えるように、半硬質材料をもって杭1の外周面に近接して突設さ れている。
【0015】 杭1の先端面には図1に示すように、複数の方形板体又は方形ブロック状のス ペーサー6が突設され、先端シュー2の貫入後、杭1を圧入することによりスペ ーサー6の先端を先端シュー2の底板2a上に圧接させ、硬化材料充填用の隙間 を保持させるようになっている。
【0016】 なお、上記のようにスペーサー6を杭1に取付けることによって先端シュー2 の底板2aがハンマーの打撃によって不規則に変形してもこれに追従してスペー サー6が変形することを防止できるが、このスペーサー6をその下面において先 端シュー2の底板2aに溶接し、筒体3には溶接せずに切り離しておくことによ り、同様に変形を防止することができる。
【0017】 施工に際しては、上記構成の先端シュー2を杭1の先端部に挿嵌し、図5に示 すように清水又はベントナイト泥水を用いてオーガー7により支持地盤まで削孔 した後、図6に示すようにオーガー7の先端からセメントミルク等の根固め液を 充填しながらオーガー7を引き上げ、図7に示すようにこの削孔8内に杭1を先 端シュー2と共に建込む。
【0018】 そして、図8に示すように杭1中にモンケン等のハンマー9を挿入し、杭1に 圧入機10により圧入力を作用しながら先端シュー2を打撃して支持地盤に貫入 し、次いで図9に示すようにその貫入分だけ杭1を圧入する。
【0019】 次に、図10に示すように杭1の中空部からコンクリート等の硬化材料11を 投入し、これをスペーサー6により杭1の先端と先端シュー2との間に生じた間 隙及び杭1の中空部の下部内に充填して硬化させる。
【0020】 上記硬化材料11の投入方法として、図11〜図14図に示すように、杭1内 にグラウトホース12を挿入し、硬化材料11がセンサー13に検出されるまで 充填する方法、あるいは図15〜図18図に示すように開閉式バケット14内に 硬化材料11を所定量充填して杭1内に吊り降ろし、開閉蓋を開放してバケット 14を引き上げながら充填する方法などを採用することができる。
【0021】 この開閉式バケット14は図19、図20に示すように、底面に設けた開口部 15とその下方に突設した排出筒体16内に、開口部を閉鎖可能な蓋板17の周 面下方に取付けた複数本のロッド18を排出筒体16の内周面に接してスライド 自在に挿嵌し、バケット14内に硬化材料11を充填してこれを空中に吊り下げ ているときには、その重量で蓋板17を押圧下降させて開口部15を閉鎖するよ うに構成されている。
【0022】 そして、この閉鎖状態でバケット14を吊り降ろし、ロッド18の下端を先端 シュー2の底板2a上に支持した状態でさらにバケット14を下降させると、蓋 板17が開口部15から離れて開口部15を開放し、硬化材料11が排出筒体1 6からその下方に流下し、この状態で充填高さに対応させながら徐々にバケット 14を引き上げることにより、開口部15を開放したままの状態で硬化材料11 を流出させて充填することができる。
【0023】
【考案の効果】
以上の通りこの考案によれば、ハンマーの打撃により先端シューが曲がって打 ち込まれようとするとき、筒体の内周面の上端部及び中間部に取付けた支持ガイ ドが適度に抵抗して常に筒体を杭に対してセンタリングし、先端シューの打ち込 みの曲がりを防止すると共に、シール材の片側への変形によって止水性効果が失 われることを防止することができる。
【0024】 先端シューは、円形底板とその底面に中心において交差して取付けた円錐形の 補強板とから構成されているので、打撃による変形を防止すると共に、地盤への 貫入が円滑となる。
【0025】 スペーサーを杭先端面に取付けるか、下面を先端シューの底板に固着し、筒体 と分離させることにより、先端シューの底板の変形にスペーサーと共に筒体が追 従して変形することを防止し、筒体の損傷による水の侵入を防止することができ る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案の先端装置の縦断側面図。
【図2】この考案に係る先端シューの側面図。
【図3】この考案に係る先端シューの底面図。
【図4】この考案に係る筒体の上部の拡大縦断側面図。
【図5】この考案の先端装置を用いた杭打ち施工の態様
を示す縦断側面図。
【図6】この考案の先端装置を用いた杭打ち施工の態様
を示す縦断側面図。
【図7】この考案の先端装置を用いた杭打ち施工の態様
を示す縦断側面図。
【図8】この考案の先端装置を用いた杭打ち施工の態様
を示す縦断側面図。
【図9】この考案の先端装置を用いた杭打ち施工の態様
を示す縦断側面図。
【図10】この考案の先端装置を用いた杭打ち施工の態
様を示す縦断側面図。
【図11】この考案に係る杭打ち施工における硬化材料
の投入方法の一態様を示す縦断側面図。
【図12】この考案に係る杭打ち施工における硬化材料
の投入方法の一態様を示す縦断側面図。
【図13】この考案に係る杭打ち施工における硬化材料
の投入方法の一態様を示す縦断側面図。
【図14】この考案に係る杭打ち施工における硬化材料
の投入方法の一態様を示す縦断側面図。
【図15】この考案に係る杭打ち施工における硬化材料
の投入方法の他の態様を示す縦断側面図。
【図16】この考案に係る杭打ち施工における硬化材料
の投入方法の他の態様を示す縦断側面図。
【図17】この考案に係る杭打ち施工における硬化材料
の投入方法の他の態様を示す縦断側面図。
【図18】この考案に係る杭打ち施工における硬化材料
の投入方法の他の態様を示す縦断側面図。
【図19】この考案に係る杭打ち施工における硬化材料
の投入装置の態様を示す斜視図。
【図20】この考案に係る杭打ち施工における硬化材料
の投入装置の態様を示す斜視図。
【符号の説明】
1 中空杭 2 先端シュー 2a 底板 2b 補強板 3 筒体 4 支持ガイド 4’ 支持ガイド 5 シール材 6 スペーサー 7 オーガー 8 削孔 9 ハンマー 10 圧入機 11 硬化材料 12 グラウトホース 13 センサー 14 バケット 15 開口部 16 排出筒体 17 蓋板 18 ロッド

Claims (4)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 杭先端部周囲に狭小間隙を保持して嵌合
    可能な鋼製筒体の下端に先端シューを取付け、前記筒体
    の内周面の上端部及び中間部に支持ガイドを突設してな
    ることを特徴とする先端打撃杭打工法における杭先端装
    置。
  2. 【請求項2】 先端シューは、円形底板とその底面に中
    心において交差して取付けた円錐形の補強板とからなる
    ことを特徴とする「請求項1」記載の先端打撃杭打工法
    における杭先端装置。
  3. 【請求項3】 杭先端面に複数のスペーサーを取付けて
    なることを特徴とする「請求項1」又は「請求項2」記
    載の先端打撃杭打工法における杭先端装置。
  4. 【請求項4】 先端シューの底板に、筒体と切り離され
    た複数のスペーサーの下面を溶接してなることを特徴と
    する「請求項2」記載の先端打撃杭打工法における杭先
    端装置。
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JP2017002498A (ja) * 2015-06-05 2017-01-05 システム計測株式会社 杭の先端シュー及び杭構造

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