JPH05334655A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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Publication number
JPH05334655A
JPH05334655A JP16697092A JP16697092A JPH05334655A JP H05334655 A JPH05334655 A JP H05334655A JP 16697092 A JP16697092 A JP 16697092A JP 16697092 A JP16697092 A JP 16697092A JP H05334655 A JPH05334655 A JP H05334655A
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JP
Japan
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vinyl
unit
parts
units
copolymer
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Pending
Application number
JP16697092A
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English (en)
Inventor
Kyoichi Imai
京一 今井
Masahiko Ichihana
征彦 一花
Yoshiyuki Yasuhara
喜之 安原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissin Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Nissin Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
Application filed by Nissin Chemical Industry Co Ltd filed Critical Nissin Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 超微粒子の強磁性粉末に対する分散性が高く
高充填が可能で、ポリウレタン樹脂との相溶性が良く、
ポリイソシアネート系硬化剤との反応性に優れ、ゲル分
率の高い、塗膜物性の良い結合剤を与える共重合体を開
発し、これによって優れた特性を有する新規な磁気記録
媒体を提供する。 【構成】 非磁性支持体上に強磁性微粉末を結合剤中に
分散せしめた磁性層を設けてなる磁気記録媒体におい
て、該結合剤が(イ)塩化ビニル単位、(ロ)脂肪酸ビ
ニル単位、(ハ)ビニルアルコール単位、(ニ)エポキ
シ基含有モノマー単位および(ホ)アミン変性ビニル単
位を必須構成成分としてなる過硫酸塩重合開始剤の存在
下に共重合して得られる塩化ビニル系共重合体を主剤と
することを特徴とする磁気記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、強磁性粉末の結合剤と
して優れた性能を示す、塩化ビニルを主体とし特殊な反
応を加えてなる共重合体を用いた、改良された磁気記録
媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】磁気テープや磁気カード等の磁気記録媒
体は、一般にポリエステルフィルムなどの支持体表面に
磁性粉末と結合剤(合成樹脂)とからなる塗膜(磁性
層)を設けることによりつくられている。近年磁気記録
媒体の記録密度の向上やS/N、C/N比の改良要求に
伴って磁性粉末はこれまでより一層微粒子化され、また
非常に大きな磁気モーメントを有しているため粒子が互
いに凝集を起こしやすく、この結果、磁性粉を均一に塗
料中に分散させ平滑で充填度の高い磁性層を形成させて
磁気記録媒体としての性能の向上を達成するためには、
結合剤の分散性能が決定的に重要な要因となる。
【0003】このような強磁性粉末の素材は酸化鉄から
コバルトイオンを吸着もしくはドープした酸化鉄へと移
行しており、さらには鉄、ニッケル、コバルトのような
強磁性の金属あるいはこれらを含む合金が使用されるよ
うになってきた。
【0004】一方、強磁性粉末の分散性向上を目的とし
た合成樹脂結合剤としては、塩化ビニル−酢酸ビニル系
共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体等が知
られており、これら高分子に−OH、−COOH、−S
3 M、−OSO3 M、−PO32 、−OPO3
2 、−N<、−CON<(ただし、Mは水素原子または
アルカリ金属)等の親水性官能基を1つ以上もつことに
より、磁性粉末の分散に有利となることが先行技術に開
示されている。
【0005】しかし、これらの良好とされる結合剤を選
んでも、高密度記録のために強磁性粉末の粒子サイズを
微細にすればするほど分散が困難になり、磁性塗料を調
製する際の混練分散工程は長時間を要している。また、
磁気記録媒体の耐久性、信頼性を高めるためにポリウレ
タン樹脂等の高分子及び結合剤の一部もしくは全部と反
応して架橋結合を生ずるポリイソシアネート系硬化剤を
磁性塗料中に添加して磁性層を架橋塗膜化することが行
われている。したがって、分散しにくく凝集しやすい超
微粒子の鉄、ニッケル、コバルト等の強磁性粉を高度に
分散、充填し、かつこれらに添加する高分子との相溶性
が良く、硬化剤との適当な反応性を有する結合剤の開発
が望まれていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記のような状況か
ら、本発明は、超微粒子の強磁性粉末に対する分散性が
高く高充填が可能で、ポリウレタン樹脂との相溶性が良
く、ポリイソシアネート系硬化剤との反応性に優れ、ゲ
ル分率の高い、塗膜物性の良い結合剤を与える共重合体
を開発し、これによって優れた特性を有する新規な磁気
記録媒体を提供しようとしてなされたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記の課題
を解決するため鋭意検討の結果、過硫酸塩重合開始剤の
存在下に共重合された、塩化ビニル単位、脂肪酸ビニル
単位、ビニルアルコール単位、エポキシ基含有モノマー
単位およびアミン変性ビニル単位を含有する共重合体が
結合剤用として課題解決の可能性を有することを見出し
て本発明に至った。
【0008】すなわち本発明は、非磁性支持体上に強磁
性微粉末を結合剤中に分散せしめた磁性層を設けてなる
磁気記録媒体において、該結合剤が(イ)塩化ビニル単
位、(ロ)脂肪酸ビニル単位、(ハ)ビニルアルコール
単位、(ニ)エポキシ基含有モノマー単位および(ホ)
アミン変性ビニル単位を必須構成成分としてなる過硫酸
塩重合開始剤の存在下に共重合して得られる塩化ビニル
系共重合体を主剤とすることを特徴とする磁気記録媒
体、を要旨とするものである。
【0009】以下に本発明について詳しく説明する。本
発明で結合剤の主剤として使用する共重合体は、前記の
とおり塩化ビニル単位、脂肪酸ビニル単位、ビニルアル
コール単位、エポキシ基含有モノマー単位およびアミン
変性ビニル単位を必須とする。これらの単位のうち、
(イ)単位の塩化ビニル単位はその量が少なくなってく
ると磁性塗膜の強度が低下するようになるし、多くなる
と溶剤に対する溶解性が低下し磁性塗料の粘度が高くな
って分散性が低下するようになるので、共重合体中の7
0〜95重量%であることが好ましい。
【0010】(ロ)単位の脂肪酸ビニル単位はその量が
少なくなると、有機溶剤に対する溶解性が低下し、逆に
多くなると物理的強度が低下するようになるので、共重
合体中の0.5〜35重量%であることが好ましい。こ
の(ロ)単位を導入するための単量体としては、例えば
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の低級脂肪酸ビニル
があげられる。
【0011】(ハ)単位のビニルアルコール単位は、強
磁性粉末の分散性を向上させると共にポリウレタン樹脂
との相溶性を改良し、さらに硬化剤であるポリイソシア
ネートと反応して架橋し、ゲル分率、ガラス転移温度を
高めて塗膜物性を良好なものにするので、耐熱性、耐久
性の良好な磁気記録媒体を提供する役割を果たす。した
がってその量が少なくなると強磁性粉末の分散性が低下
するようになり、ポリイソシアネート系硬化剤との反応
性も低下するようになるし、多くなると塗料の溶液粘度
が高くなって実用上不利となってくるので、共重合体中
の2〜15重量%であることが好ましい。このビニルア
ルコール単位は脂肪酸ビニルを共重合させてからケン化
することにより導入される。
【0012】(ニ)単位のエポキシ基含有モノマー単位
は、その量が少なくなると塗料樹脂の熱安定性が低下す
るようになり、多くなると磁性塗膜の物理強度が低下す
るようになるので、共重合体中の1.5〜15重量%で
あることが好ましい。この(ニ)単位を導入するための
単量体としては、例えばアリルグリシジルエーテル、メ
タリルグリシジルエーテル等の不飽和アルコールのグリ
シジルエーテル類、グリシジルアクリレート、グリシジ
ルメタクリレート、メチルグリシジルイタコネート、グ
リシジルエチルマレート等の不飽和酸のグリシジルエス
テル類などがあげられる。
【0013】(ホ)単位のアミン変性ビニル単位によっ
て強磁性粉末の分散性が向上すると共に、導入されたア
ミン基がビニルアルコール単位とポリイソシアネート系
硬化剤の架橋反応において反応触媒となり架橋を迅速に
進行させる。また、アミン変性に使用するアミンの種類
を変えることによりポリイソシアネート系硬化剤の反応
速度を自由にコントロールすることが可能となり、分散
性、架橋性の両方に大きな役割を果たす。したがって、
その量が少なくなると強磁性粉末の分散性が低下するよ
うになり、ポリイソシアネート系硬化剤との反応性も低
下するようになるし、多くなるとポリイソシアネート系
硬化剤との反応性が高くなりすぎて塗料のポットライフ
が短くなってくるし、また、塗料の粘度が高くなるため
塗膜の厚みが不均一となりやすいので、共重合体中の
0.1〜2重量%であることが好ましい。
【0014】これら(イ)〜(ホ)単位を含有する共重
合体は平均重合度が低くなると磁性塗膜がもろくなるな
ど物理的強度が低下するようになり、また磁気テープ等
の耐久性も低下するようになるし、逆に平均重合度が高
くなると所定温度における塗料粘度が上昇して作業性が
悪くなり取扱いが困難となってくるので、平均重合度が
200〜800の範囲のものであることが好ましい。
【0015】前記(イ)〜(ホ)単位を含有する共重合
体を得るには、まず、塩化ビニル、脂肪酸ビニルおよび
エポキシ基含有モノマー等を共重合させた共重合体を製
造するとよい。共重合体の製造に際しては、過硫酸塩重
合開始剤を使用するが、この重合開始剤に由来する硫酸
根が導入された共重合体を結合剤の主剤に用いることに
より、強磁性微粉末の分散が良くなり特性が向上する。
過硫酸塩重合開始剤には過硫酸カリウム、過硫酸ナトリ
ウム、過硫酸アンモニウム等があげられるが、過硫酸カ
リウム、過硫酸ナトリウムが好ましいものである。過硫
酸塩重合開始剤の使用量は単量体の合計量に対し0.1
〜10.0重量%とすればよいが、好ましくは0.5〜
5.0重量%である。
【0016】この、塩化ビニル、脂肪酸ビニルおよびエ
ポキシ基含有モノマー等の過硫酸塩重合開始剤を使用し
た共重合は公知の乳化重合法により行うことができる。
乳化共重合に用いる乳化剤としては、アルキルまたはア
ルキルアリル硫酸塩、アルキルまたはアルキルアリルス
ルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩等のアニオン
性乳化剤、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテ
ル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシ
エチレンカルボン酸エステル等のノニオン性乳化剤など
が例示される。重合に際しては、以上に記した単量体、
重合開始剤、乳化剤などを重合開始時に一括して重合系
に添加してもよいし、重合中に分割して添加することも
できる。重合は通常35〜80℃の温度で攪拌下に行う
とよい。
【0017】重合後には公知の塩析法にしたがい、塩化
ナトリウム、塩化カルシウム、硫酸ナトリウムのような
無機塩の水溶液を加えるか、水溶性有機溶剤などを加え
るかして粒子を凝集させたのち、ろ過、水洗し乾燥すれ
ばよい。
【0018】つぎに、得られた塩化ビニル単位、脂肪酸
ビニル単位およびエポキシ基含有モノマー単位を含有す
る共重合体をケン化およびアミン変性すれば(ハ)単位
のビニルアルコール単位と(ホ)単位のアミン変性ビニ
ル単位が導入される。このケン化およびアミン変性の両
反応は同時に行うことができる。変性用のアミンはケン
化反応の触媒ともなり、アミン変性が行われると同時に
ケン化反応が進行する。しかもエポキシ基含有単量体が
共重合されていることにより、強酸、強アルカリを使用
しなくてもケン化反応は容易に進行することが分かっ
た。反応温度は10〜80℃で、所望のケン化度が得ら
れるまで攪拌下に反応させる。
【0019】使用されるアミン化合物としては、脂肪族
アミン、脂環式アミン、芳香族アミンなどが包含され、
具体的にはメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミ
ン、ブチルアミン、シクロヘキシルアミン、エタノール
アミン、ナフチルアミン、アニリン、o−トルイジン、
ジエチルアミン、ジブチルアミン、ジオクチルアミン、
ジイソブチルアミン、ジエタノールアミン、ジアミノプ
ロパン、ヘキサメチレンジアミン、メチルエタノールア
ミン、ジメチルエタノールアミン、ジブチルエタノール
アミン、メチルジエタノールアミン、2−メトキシエチ
ルアミン、ジ−2−メトキシエチルアミン、N−メチル
アニリン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ
ブチルアミン、トリイソブチルアミン、トリデシルアミ
ン、N−メチルジフェニルアミン、トリエタノールアミ
ン、ジメチルベンジルアミン、テトラメチルエチレンジ
アミン、テトラメチル−1,3−ジアミノプロパン、ペ
ンタメチルジエチレントリアミン、ヘキサメチレンテト
ラミン、ピリジン、α−ピコリン、β−ピコリン、γ−
ピコリン、2,4−ルチジン、キノリン、モルホリンな
どが例示される。アミン化合物の使用量は共重合体中に
おけるアミン変性ビニル単位の量が0.1〜2重量%の
範囲となるように定めることが好ましい。
【0020】反応によって導入されるアミンの位置はか
ならずしも明らかではないが、単なる混合物として存在
するのでなく、共重合体に結合していることは共重合体
を有機溶媒に溶解し、再沈殿、精製した共重合体におい
ても窒素が定量できるという事実から認められる。な
お、アミン変性ビニル単位の量はテルミュレン法による
窒素原子分析値から算出したものである。
【0021】また、この共重合体にはバーサチック酸ビ
ニル、アクリル酸またはメタクリル酸のアルキルエステ
ル、スチレン、α−メチルスチレン、アクリロニトリ
ル、無水マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸、クロ
トン酸、イタコン酸、塩化ビニリデン等が必要に応じ若
干量共重合されていてもよい。上述の(イ)〜(ホ)単
位を含有する共重合体を使用すると、強磁性微粉末の分
散がよくなり、かつ熱安定性がよく、さらにケン化とア
ミン変性の両反応によってポリウレタン樹脂との相溶性
が改良され、ポリイソシアネート系硬化剤との反応性も
優れているため、ゲル分率、ガラス転移温度が高くな
り、良好な塗膜物性が得られることが明らかになった。
【0022】磁性塗料液製造時に上記共重合体を結合剤
樹脂として使用する際、必要に応じ他の樹脂が等量以下
の量で併用されてもよく、この併用し得る樹脂としては
ポリウレタン樹脂、ニトロセルローズ、ポリエステル樹
脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、
アルキッド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂等の重合体
または共重合体などの各種樹脂が例示される。これらの
うちでは特にポリウレタン樹脂が好適である。
【0023】さらに、磁性塗膜の物理的強度を増し、耐
摩耗性、耐久性等を付与するためにポリイソシアネート
系硬化剤を併用することは従来と同様でよく、この硬化
剤としてはコロネートL[日本ポリウレタン工業(株)
製商品名]、ディスモジュールL[バイエル社製商品
名]等の3官能性イソシアネート、両末端にイソシアネ
ート基を有するウレタンプレポリマーなどが例示され
る。なお、これら硬化剤の使用量は前記の併用される樹
脂を含めた結合剤樹脂100重量部当り5〜40重量部
とするのが好ましい。
【0024】本発明に使用される強磁性粉末としては、
γ−Fe23 、Fe34 およびこれらにコバルトイ
オンを吸着またはドープしたもの、CrO2 、さらにF
e、Co、Fe−Co、Ni等を含有させた金属または
合金の針状微粒子などをはじめ、その他の従来公知の各
種磁性粉末が例示される。本発明の共重合体を用いると
各種磁性粉末中BET法により測定した表面積が35m
2 /g以上の微粉末において特に顕著な効果を示すので
微粉末に対して好適である。強磁性微粉末と結合剤樹脂
との混合割合は、強磁性微粉末100重量部当り結合剤
樹脂8〜50重量部とすることが望ましい。
【0025】なお、強磁性微粉末と結合剤樹脂とを均一
に分散させるに当り、従来一般に使用されている潤滑
剤、研磨剤、帯電防止剤、分散助剤、防錆剤等を添加す
ること、さらに塗布媒体としてメチルエチルケトン、メ
チルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、トルエン等
のほか各種の有機溶剤を使用することは従来と同様でよ
く、これらの点に特別の制限はない。
【0026】支持体としてはポリエステル、ポリオレフ
ィン、セルロースアセテート、ポリカーボネート等の合
成樹脂類、非磁性金属類、セラミック類などが使用さ
れ、形態はフィルム、テープ、シート、板状体等で使用
される。支持体上に磁性層を形成するための塗布手段と
しては公知の方法を用いればよく、適宜カレンダリング
処理等の平滑化処理を施すことにより、本発明の目的と
する高性能磁気記録媒体が得られる。
【0027】
【実施例】つぎに、共重合体の合成例およびこの共重合
体を用いた具体的実施例ならびに比較例をあげるが、本
発明はこの実施例の範囲に限定されるものではない。な
お例中の部および%はそれぞれ重量部と重量%を示す。
【0028】合成例1(ポリマー1の合成) 攪拌機、コンデンサー、温度計および窒素ガス導入口を
備えた重合容器に、窒素置換後脱イオン水400部、塩
化ビニル80部、酢酸ビニル26部、アリルグリシジル
エーテル14部、過硫酸カリウム1部、ポリオキシエチ
レンノニルフェニルエーテル4部を仕込み、攪拌しなが
ら55℃に加温して反応を開始し、さらに塩化ビニル8
0部を8時間要して連続添加し重合反応させた。さらに
55℃で4時間反応させ重合を完結させた。
【0029】重合終了後、塩化ナトリウム50部、5%
塩酸20部、熱脱イオン水500部を添加して共重合体
を析出させた。析出した共重合体を脱イオン水1200
部/回で5回洗浄−ろ過操作を繰り返したのち乾燥して
共重合体180部を得た。このようにして得た共重合体
180部をメタノール400部、アセトン100部、ジ
メチルエタノールアミン2.7部と共に攪拌装置、ジャ
ケット付き反応器に仕込み、40℃で6時間反応させた
のち、1000部のメタノールで3回洗浄し、さらに1
000部の脱イオン水で2回洗浄し、ろ過乾燥して共重
合体(ポリマー1)162部を得た。このポリマー1
は、塩化ビニル単位84.0%、酢酸ビニル単位1.9
%、ビニルアルコール単位6.0%、アリルグリシジル
エーテル単位7.6%、アミン変性ビニル単位0.5
%、平均重合度350であった。
【0030】合成例2、3(ポリマー2、3の合成) 合成例1と同様にして表1に示される単量体の種類、量
で共重合し、同様の方法で塩析、洗浄、乾燥して共重合
体を得、さらにケン化、アミン化を行って表2に示すと
おりの各組成および重合度を有するポリマー2、3を得
た。
【0031】合成例4(ポリマー4の合成) 重合用単量体として塩化ビニル79部、酢酸ビニル18
部、アリルグリシジルエーテル23部、連続添加塩化ビ
ニル80部、重合開始剤として過硫酸ナトリウム2部を
使用した以外は合成例1と同様にして共重合、塩析、洗
浄、乾燥、ケン化、アミン化を行ない表2に示すとおり
の組成および重合度を有するポリマー4を得た。
【0032】合成例5(ポリマー5の合成) 重合用単量体として塩化ビニル86部、酢酸ビニル16
部、アリルグリシジルエーテル12部、連続添加塩化ビ
ニル86部、過硫酸アンモン1部を使用した以外は合成
例1と同様にして共重合、塩析、洗浄、乾燥、ケン化、
アミン化を行ない表2に示すとおりの組成および重合度
を有するポリマー5を得た。
【0033】合成例6(ポリマー6の合成) 攪拌機、コンデンサー、温度計および窒素ガス導入口を
備えた重合容器に、窒素置換後脱イオン水400部、塩
化ビニル85部、酢酸ビニル28部、アリルグリシジル
エーテル1部、ドデシルメルカプタン4部、ジ(2−エ
チルヘキシル)パーオキシジカーボネート6部および部
分ケン化ポリビニルアルコール2部を仕込み、攪拌しな
がら60℃に加温して反応を開始し、さらに塩化ビニル
86部を8時間要して連続圧入し重合反応させた。
【0034】重合容器内圧が12時間後に0.5kg/
cm2 Gになったので残圧を抜き、冷却し、脱イオン水
1000部/回で3回洗浄−ろ過操作を繰り返して乾燥
することにより共重合体160部を得た。このようにし
て得た共重合体160部をメタノール350部、アセト
ン90部、ジメチルエタノールアミン2部、カセイソー
ダ1部と共に攪拌装置、ジャケット付き反応器に仕込み
40℃で6時間反応させたのち、1000部のメタノー
ルで3回洗浄し、さらに1000部の脱イオン水で2回
洗浄し、ろ過乾燥して共重合体(ポリマー6)144部
を得た。このポリマー6は、塩化ビニル単位91.1
%、酢酸ビニル単位2.0%、ビニルアルコール単位
6.2%、アリルグリシジルエーテル単位0.2%、ア
ミン変性ビニル単位0.5%、平均重合度360であっ
た。
【0035】合成例7(ポリマー7の合成) 攪拌機、コンデンサー、温度計および窒素ガス導入口を
備えた重合容器に、窒素置換後脱イオン水400部、塩
化ビニル80部、酢酸ビニル26部、アリルグリシジル
エーテル14部、過硫酸カリウム1部、ポリオキシエチ
レンノニルフェニルエーテル4部を仕込み、攪拌しなが
ら55℃に加温して反応を開始し、さらに塩化ビニル8
0部を8時間要して連続添加し重合反応させた。さらに
55℃で4時間反応させ重合を完結させた。重合終了
後、塩化ナトリウム50部、5%塩酸20部、熱脱イオ
ン水500部を添加して共重合体を析出させた。析出し
た共重合体を脱イオン水1200部/回で5回洗浄−ろ
過操作を繰り返したのち乾燥して共重合体(ポリマー
7)180部を得た。このポリマー7は、塩化ビニル単
位84.1%、酢酸ビニル単位9.9%、アリルグリシ
ジルエーテル単位6.0%、平均重合度320であっ
た。
【0036】合成例8(ポリマー8の合成) 合成例7と同様にして表1に示される単量体の種類、量
で共重合し、同様の方法で塩析、洗浄、乾燥を行い表2
に示すとおりの組成および重合度を有するポリマー8を
得た。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】実施例1〜5、比較例1〜3 上記のようにして得られたビニル共重合体(ポリマー1
〜8)のゲル分率、ガラス転移温度、フィルム物性、ポ
リウレタン樹脂との相溶性、塗料A液の粘度安定性を調
べ、さらにこれらのビニル共重合体を用いて磁気テープ
を作成し、その塗膜特性および磁気特性を調べた。結果
は表3、表4に示すとおりであった。なお、各特性の測
定は下記のようにして行った。
【0040】a.ゲル分率 ビニル共重合体20部、メチルエチルケトン80部より
なる溶液にポリイソシアネート[日本ポリウレタン工業
(株)製コロネートL]2部を加えた混合物をポリエス
テルフィルム上にバーコーター#75で塗布、風乾後ポ
リエステルフィルムから剥し、60℃で24時間乾燥器
中に放置し架橋反応を行って試料フィルムを作成した。
フィルム試料約1〜1.5g(A)を精秤し、250m
lのメスフラスコに投入してメチルエチルケトンを注入
して250mlの溶液とした後24時間室温に放置し
た。次に、50mlのホールピペットで溶液を採取し、
予め風袋を精秤したアルミコンテナー(B)中に注ぎ、
このアルミコンテナーをホットプレート上に置きメチル
エチルケトンを蒸発させた後105℃の乾燥器中で1時
間乾燥させ重量を精秤した(C)。 ゲル分率(%)=[1−5(C−B)/A]×100 A:フィルム試料重量(g)、B:アルミコンテナー風
袋重量(g)、C:乾燥後の重量(g)
【0041】b.ガラス転移温度 ビニル共重合体20部をテトラヒドロフラン80部に溶
解した溶液をポリエステルフィルム上にバーコーター#
75で塗布し、105℃で60分間乾燥後、ポリエステ
ルフィルムから剥して試料フィルムを作成した。測定は
DSC(SEIKO社製SSC−5000使用)にて昇
温スピード10℃/minで行った。
【0042】c.フィルム物性 ビニル共重合体20部をメチルエチルケトン80部に溶
解した溶液をポリエステルフィルム上にバーコーター#
75で塗布し、105℃で10分間乾燥後、ポリエステ
ルフィルムから剥して試料フィルムを作成した。フィル
ム試料を1cm×30cmに切断し、さらに1昼夜放置
してメチルエチルケトンを完全に除去した後、テンシロ
ン型引張試験機により測定を行い伸び率、抗張力、ヤン
グ率を求めた。
【0043】d.ポリウレタン樹脂との相溶性 メチルエチルケトン/メチルイソブチルケトン/トルエ
ン=1/1/1(部)の混合溶剤を用いたビニル共重合
体の20%溶液100部と各種のポリウレタン樹脂50
部を混合し、スターラーで1時間攪拌後ガラス板上に塗
布、乾燥させ、塗膜のツブの有無、くもり度から相溶性
を目視により3段階評価した。 ○:良、△:可、×:不可
【0044】e.塗料A液の粘度安定性 混練調製したA液の粘度をE型粘度計で測定(初期粘
度)し、残液を密栓下に25℃で48時間放置後に再度
粘度を測定した。初期粘度を100としたときの48時
間後の粘度の比率をもとに4段階で評価した。 ◎:粘度変化のほとんどないもの(110%以下)、
○:少し増粘(120〜200%)、△:増粘大(20
0%以上)、×:ゲル化
【0045】f.光沢 グロスメーター(村上色彩技研製)によりカレンダー処
理前の磁気テープの塗布面の60度反射率を標準ガラス
板と比較した。
【0046】g.残留磁束密度(Br)および角型比 振動試料型磁力計(東栄工業製)を用いて測定した。
【0047】h.耐久性 作成した磁気テープを65℃、相対湿度90%の恒温恒
湿室で168時間放置後、荷重100gをかけ、研磨紙
を貼りつけた回転ドラムに接触させて、150rpmで
2000回回転させ、磁性塗膜が研磨紙に付着した程度
を目視により4段階評価した。 ◎:研磨紙の汚れなし、○:ごく僅かに汚れあり、△:
汚れ少しあり、×:汚れ多い
【0048】なお、磁気テープは下記のようにして作成
した。 磁気塗料の調製 A液 ビニル共重合体(ポリマー1〜8) 18部 金属磁性粉 100部 ポリウレタン樹脂(N−2304: 7部 日本ポリウレタン工業(株)製商品名) カーボンブラック 5部 レシチン 2部 メチルエチルケトン 75部 メチルイソブチルケトン 75部 トルエン 75部 上記成分をラボミキサーで90分間混合し、さらにガラ
スビーズの入ったアイガーミルで3時間混練し塗料A液
を得た。
【0049】 B液 A液 355部 ポリイソシアネート(コロネートL:前出) 5部 メチルエチルケトン/メチルイソブチルケトン=1/1(部) 30部 混合溶剤 上記成分をラボミキサーで90分間混合分散させ塗料B
液を得た。
【0050】磁気テープの作成 ポリエステルフィルム上に上記塗料B液を6μm厚に塗
布し、磁場配向処理を行って乾燥し、ついでスーパーカ
レンダーにて表面処理して磁気テープを作った。
【0051】
【表3】
【0052】
【表4】
【0053】実施例6 合成例1においてケン化、アミン変性する際のアミン化
合物の種類を種々変えた共重合体を合成し、得られたビ
ニル共重合体36部、メチルエチルケトン/メチルイソ
ブチルケトン/トルエン=1/1/1(部)混合溶媒1
44部よりなる溶液にポリイソシアネート[日本ポリウ
レタン工業(株)製コロネートL]7.2部を加えた混
合物の粘度をB型粘度計(ローターNo.2、測定温度
25℃)で測定。その後同一試料を25℃の恒温槽に保
存し粘度の経日変化を測定した。結果は表5に示すとお
りであった。
【0054】
【表5】 上記の結果からもわかるように、アミン化合物の種類を
変えることによりポリイソシアネートとの反応速度を自
由にコントロールすることができる。
【0055】
【発明の効果】本発明により、超微粒子の強磁性粉末が
高分散され、ポリウレタン樹脂との相溶性が改良され、
ポリイソシアネート系硬化剤との架橋反応性に優れ、こ
れらの特性によって塗膜表面の平滑性が良くなり耐摩耗
性が向上し、さらに耐熱性、塗膜の物理特性が向上する
ことにより耐久性、磁気特性が改良された新規な磁気記
録媒体が提供された。本発明で使用する共重合体は塗布
作業に適した磁性塗料を与え、粘度の経時変化も小さ
い。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体上に強磁性微粉末を結合剤
    中に分散せしめた磁性層を設けてなる磁気記録媒体にお
    いて、該結合剤が(イ)塩化ビニル単位、(ロ)脂肪酸
    ビニル単位、(ハ)ビニルアルコール単位、(ニ)エポ
    キシ基含有モノマー単位および(ホ)アミン変性ビニル
    単位を必須構成成分としてなる過硫酸塩重合開始剤の存
    在下に共重合して得られる塩化ビニル系共重合体を主剤
    とすることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記共重合体が(イ)単位70〜95重
    量%、(ロ)単位0.5〜35重量%、(ハ)単位2〜
    15重量%、(ニ)単位1.5〜15重量%(ホ)単位
    0.1〜2重量%および必要に応じ他のビニル単位若干
    量からなる過硫酸塩重合開始剤の存在下に共重合して得
    られる平均重合度200〜800の塩化ビニル系共重合
    体である請求項1に記載の磁気記録媒体。
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