JPH05334649A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH05334649A
JPH05334649A JP4141642A JP14164292A JPH05334649A JP H05334649 A JPH05334649 A JP H05334649A JP 4141642 A JP4141642 A JP 4141642A JP 14164292 A JP14164292 A JP 14164292A JP H05334649 A JPH05334649 A JP H05334649A
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JP
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magnetic
recording medium
resin
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JP4141642A
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English (en)
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Noboru Koyama
▲のぼる▼ 小山
Takao Nishikawa
卓男 西川
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、模倣が困難で購買者にも正
当な市販品であることが容易に識別でき、したがい海賊
版防止が出来、しかもくり返し使用においても充分な耐
久性を備え、かつ製品コストの安価な磁気テープを提供
することにある。 【構成】 本発明の上記目的は、非磁性支持体上に設け
られた磁気記録層と非磁性層である着色層を有する磁気
記録媒体において、放射線照射により架橋または重合可
能な化合物およびビニル系モノマーを少なくともいずれ
かの層に含み、かつ該着色層が前記磁気記録層とは異な
る色に着色されていることを特徴とする磁気記録媒体に
より達成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】磁気記録媒体において、結合剤と
して塩化ビニル−酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル−塩化
ビニリデン樹脂、セルロース系樹脂、アセタール系樹
脂、ウレタン樹脂、アクリロニトリルブタジエン樹脂な
どの熱可塑性樹脂を単独あるいは混合して用いる方法が
あるが、この方法では、耐摩耗性が劣り、くり返し使用
の場合には磁性層の削れ、剥離性等が発生してしまう。
【0002】また、尿素樹脂、メラミン樹脂等の熱硬化
性樹脂を用いる方法あるいは上記熱可塑性樹脂に化学反
応による架橋性の結合剤、たとえばイソシアネート化合
物、エポキシ環を有する化合物などを添加する方法が知
られている。しかし、上記の架橋性の結合剤を用いる
と、 1)磁性塗料の貯蔵安定性に難があり、塗液物性の均一
性を保持できない 2)磁性塗料の塗布乾燥後に膜を硬化させるために、熱
処理工程が不可欠であり、しかも処理時間がかなり長い などの欠点を有している。
【0003】これらの欠点を防止する為、アクリル酸エ
ステル系のオリゴマーとモノマーを結合剤として用い、
乾燥後に放射線照射によって硬化せしめる磁気記録媒体
の製造方法が特公昭47-12423号、特開昭47-13639号、特
開昭47-15104号、特開昭50-77433号、特開昭56-25231号
等に開示されている。しかしながら、上記特許公報に開
示された製造方法では、高度な電磁変換特性と耐久性を
有する磁気記録媒体は得られなかった。
【0004】また、複数の磁性層を有する重合可能なビ
ニル系モノマーを含む磁気記録媒体が特開平1-235021に
開示されている。しかしながら前記特許公報に開示され
た磁気記録媒体では購買者に正当な市販品であることが
容易には識別できず、したがって海賊版防止が出来ずし
かも製品コストが高くなってしまう。
【0005】
【発明の目的】本発明の目的は、模倣が困難で購買者に
も正当な市販品であることが容易に識別でき、したがい
海賊版防止が出来、しかもくり返し使用においても充分
な耐久性を備え、かつ製品コストの安価な磁気テープを
提供することにある。
【0006】
【発明の構成】本発明の上記目的は、非磁性支持体上に
設けられた磁気記録層と非磁性層である着色層を有する
磁気記録媒体において、放射線照射により架橋または重
合可能な化合物およびビニル系モノマーを少なくともい
ずれかの層に含み、かつ該着色層が前記磁気記録層とは
異なる色に着色されていることを特徴とする磁気記録媒
体により達成される。
【0007】好ましい態様としては前記最上層以外の層
に含まれる前記ビニル系モノマーの含有量は、最上層の
含有量より少ないか、もしくは含有されていない磁気記
録媒体である。
【0008】更に好ましい態様としては、前記異なる色
がCIE 1976L*、a*、b*において定規されるΔE*
abの値としてその差が5.0以上である磁気記録媒体であ
る。
【0009】以下に本発明の磁気記録媒体について詳述
する。
【0010】−非磁性支持体− 前記非磁性支持体を形成する材料としては、たとえばポ
リエチレンテレフタレート、ポリエチレン-2,6-ナフタ
レート等のポリエステル類、ポリプロピレン等のポリオ
レフィン類、セルローストリアセテート、セルロースダ
イアセテート等のセルロース誘導体、ポリアミド、ポリ
カーボネート等のプラスチックなどを挙げることができ
る。
【0011】前記非磁性支持体の形態は特に制限はな
く、主にテープ状、フィルム状、シート状、カード状、
ディスク状、ドラム状などがある。
【0012】非磁性支持体の厚みには特に制約はない
が、たとえばフィルム状やシート状の場合は通常3〜10
0μm、好ましくは5〜50μmであり、ディスクやカード
状の場合は30μm〜10mm程度、ドラム状の場合はレコー
ダー等に応じて適宜に選択される。
【0013】なお、この非磁性支持体は単層構造のもの
であっても多層構造のものであってもよい。また、この
非磁性支持体は、たとえばコロナ放電処理等の表面処理
を施されたものであってもよい。
【0014】なお、非磁性支持体上の上記磁性層が設け
られていない面(裏面)には、磁気記録媒体の走行性の
向上、帯電防止および転写防止などを目的として、バッ
クコート層を設けるのが好ましく、また磁性層と非磁性
支持体との間には、下引き層を設けることもできる。
【0015】−本発明の磁性層に用いる磁性粉− 本発明の磁性層に用いられる強磁性粉末としては、γ-
Fe23、Co含有γ-Fe23、Co被着γ-Fe
23、Fe34、Co含有Fe34、Co被着Fe
34、Co含有磁性FeOx(3/2>x>4/3)、
CrO2等の酸化物磁性体が挙げられる。また、バリウ
ムフェライト等の六方晶フェライト、窒化鉄も使用され
る。
【0016】強磁性金属粉末も使用可能であり、この例
としてはFe、Ni、Coをはじめ、Fe-Al系、F
e-Al-Ca系、Fe-Al-Ni系、Fe-Al-Zn
系、Fe-Al-Co系、Fe-Ni系、Fe-Ni-Co
系、Fe-Ni-Si-Al-Mn系、Fe-Ni-Si-A
l-Zn系、Fe-Al-Si系、Fe-Ni-Zn系、F
e-Ni-Mn系、Fe-Ni-Si系、Fe-Mn-Zn
系、Fe-Co-Ni-P系、Co-Ni系等、Fe、N
i、Co等を主成分とするメタル磁性粉等が挙げられ、
更にこれらの金属磁性体に添加剤としてCu、Cr等の
元素またはこれらの化合物を含ませてもよい。
【0017】次に本発明に係る磁性層(特に上層)に用
いる放射線照射により架橋または重合可能なビニル系モ
ノマーについて述べる。
【0018】該ビニル系モノマーは炭素−炭素不飽和結
合を分子中に1個以上有する化合物であり、(メタ)ア
クリル酸エステル類、(メタ)アクリルアミド類、アリ
ル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、ビニ
ル異節環化合物、N-ビニル化合物、スチレン類、アクリ
ル酸、メタクリル酸、クロトン酸類、イタコン酸類、オ
レフィン類等が例としてあげられる。これらのうち好ま
しいものとしてメタクリロイル基を2個以上含む下記の
化合物があげられる。具体的には、ジエチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ
(メタ)アクリレートなどのポリエチレングリコールの
(メタ)アクリレート類、トリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ
(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ
(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ
(メタ)アクリレート、トリス(β-(メタ)アクリロ
イロキシエチル)イソシアヌレート、ビス(β-(メ
タ)アクリロイロキシエチル)イソシアヌレート、ある
いはポリイソシアネート(2,4-トリレンジイソシアネー
ト、2,6-トリレンジイソシアネート、1,3-キシリレンジ
イソシアネート、1,4-キシリレンジイソシアネート、1,
5-ナフタレンジイソシアネート、m-フェニレンジイソシ
アネート、p-フェニレンジイソシアネート、3,3-ジメチ
ルフェニレンジイソシアネート、4,4-ジフェニルメタン
ジイソシアネート、3,3-ジメチル-4,4-ジフェニルメタ
ンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメ
タンジイソシアネート、トリメチロールプロパン(トリ
レンジイソシアネート3付加物)と ヒドロキシ(メ
タ)アクリレート化合物(2-ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ
ートなど)との反応化合物、あるいはその他の2官能以
上のポリ(メタ)アクリレート類などがある。これらの
モノマーは1種でもよく、また2種以上用いてもよい。
【0019】本発明においては、各層に上記ビニル系モ
ノマーと他に放射線により架橋または重合可能な他の化
合物として、 (A)極性基および炭素炭素不飽和結合を分子中にそれ
ぞれ1個以上含むポリ塩化ビニル系化合物 (B)極性基および炭素炭素不飽和結合を分子中にそれ
ぞれ1個以上含むウレタン系化合物 を適宜組合わせて使用することができる。
【0020】本発明においては各層に用いられる上記ビ
ニル系モノマーおよび化合物(A)及び/又は化合物
(B)の総量は強磁性粉末100に対して50重量%以下、
特に3〜40重量%であることが好ましい。ただし、前記
したように本発明においては、上記ビニル系モノマーの
含有量を下層が最上層より少なくし、また下層にはビニ
ル系モノマーを含まなくてもよい。
【0021】本発明において用いられる極性基および炭
素炭素不飽和結合を分子中にそれぞれ1個以上含むポリ
塩化ビニル系化合物(A)としては、極性基として、CO
2H、OH、SO3M、SO4M、PO3M2、OPO3M2基(Mは水素、ア
ルカリ金属またはアンモニウム)などのうち少なくとも
1種以上の基と炭素炭素不飽和結合を含む塩化ビニル系
重合体、塩化ビニル・酢酸ビニル系共重合体、塩化ビニ
ル・プロピオン酸ビニル系重合体、塩化ビニリデン・酢
酸ビニル系共重合体などの共重合体である。極性基とし
て好ましいものは、CO2H、SO3M基である。これらの極性
基の含有量としてはポリマー1グラムあたり10-7〜10-3
当量程度含むものが好ましく、更に好ましくは10-6〜10
-4当量であり最も好ましくは10-5〜5×10-5当量であ
る。この範囲を外れると強磁性微粉末の分散性が不良と
なり、また電磁変換特性も大幅に低下する。炭素炭素不
飽和結合の平均含有量としては、1分子あたり1〜20で
あり好ましくは2〜15である。分子量としては3,000〜5
0,000好ましくはは8,000〜30,000である。この範囲を外
れると硬化性が不良になったりあるいは耐久性が悪くな
ったりする。
【0022】本発明で用いられる極性基および炭素炭素
不飽和結合を分子中にそれぞれ1 個以上含むウレタン系
化合物(B)としては、主鎖の骨格がポリエステル、ポ
リエーテル、ポリエステルエーテル、ポリカプロラクト
ン、ポリカーボネイトなどのいずれでもよい。最も一般
的に使うことのできるものはポリエステルである。
【0023】本発明で用いるウレタン系化合物の好まし
い極性基の量としてはポリマー1グラムあたり10-7〜10
-3当量含むものが好ましく、更に好ましくは10-6〜10-4
当量であり、最も好ましくは10-5〜5×10-5当量であ
る。分子量としては、1,000〜100,000であり、好ましく
は2,000〜50,000、特に好ましくは3,000〜30,000であ
る。極性基の量がこの範囲を外れると強磁性微粉末の分
散性が悪く、電磁変換特性の低下を招いたり、耐久性が
悪化したりする。また炭素炭素不飽和結合の平均含有量
としては1分子あたり、1.5〜10であり、好ましくは2
〜8である。
【0024】前記化合物(A)と化合物(B)との組成
比の好ましい範囲は20〜90重量部/80〜10重量部、特に
好ましくは30〜80部/70〜20部である。(A)で示され
る化合物がこの比率以下であったり(B)で示される化
合物がこの比率以下であると耐久性が得られない。ま
た、前記ビニルモノマーの添加量は前記(A)および
(B)で示される化合物の総和重量部に対して50重量部
以下が好ましく、3〜40重量%が特に好ましい。
【0025】−着色層− 本発明の着色層に用いられる顔料、染料としては例え
ば、アルミナ、酸化チタン等の白色顔料、酸化クロム等
の緑色顔料、クロムイエロー、酸化チタン等の黄色顔
料、ベンガラ等の赤色顔料等が含有される。これらの顔
料の粒径は10〜500nmがよく、10〜300nmであるのが一層
好ましい。
【0026】前記着色層には、上記顔料に代え、或いは
併用して、フタロシアニン染料、アゾ染料、アントラキ
ノン染料、インジゴイド染料、ニトロおよびニトロソ染
料、キノリン染料、メチン染料、チアゾール染料、キノ
ンイミン染料、アジン染料、オキサジン染料、チアジン
染料、アゾイック染料、ジフェニルメタン染料、トリフ
ェニルメタン染料、キサンテン染料、アクリジン染料、
酸化染料、硫化染料、フタレイン染料、アミノケトン染
料、オキシケトン染料等を含有させることができる。
【0027】着色層において、顔料又は染料の含有割合
は、バインダ100 重量部当り 100〜10000 重量部とする
のがよく、 300〜3000重量部が更によい。
【0028】尚本発明に係る非磁性層からなる着色層中
には前述顔料、染料以外に非磁性粉末を含有していても
良い。
【0029】該非磁性粉末としては、この種磁気記録媒
体に使用される公知の各種の非磁性粉末から、前記特性
を備えたものを適宜に選択して使用することができる。
この非磁性粉末としては、例えば、酸化チタン、硫酸バ
リウム、ZnS、MgCO3、CaCO3、ZnO、CaO、γ-酸化鉄、二
酸化タングステン、二酸化モリブテン、窒化ホウ素、Mg
O、SnO2、SiO2、Cr2O3、α-Al2O3、SiC、酸化セリウ
ム、コランダム、人造ダイヤモンド、α-酸化鉄、ザク
ロ石、ガーネット、ケイ石、窒化ケイ素、窒化ホウ素、
炭化ケイ素、炭化モリブデン、炭化ホウ素、炭化タング
ステン、チタンカーバイド、トリボリ、ケイソウ土、ド
ロマイト等を挙げることができる。
【0030】これらの中でも好ましいのは、CaCO3、酸
化チタン、硫酸バリウム、γ-酸化鉄、α-Al2O3、α-酸
化鉄、等の無機粉末やポリエチレン等の有機ポリマー粉
末等である。
【0031】本発明における好ましい非磁性粉末の粒径
としては、通常1〜1000nm、特に1〜500nmである。非
磁性粉末の粒径が前記範囲にあると、平滑な下層を形成
することができ、上層の磁性層の特性を向上させること
ができて好ましい。
【0032】−本発明に用いられるバインダ(結合剤)
− 本発明に用いるバインダとしては、例えば、ポリウレタ
ン、ポリエステル、塩化ビニル系共重合体等の塩化ビニ
ル系樹脂等が代表的なものであり、これらの樹脂は-SO3
M、-OSO3M、-COOMおよび-PO(OM12から選ばれた少な
くとも一種の極性基を有する繰り返し単位を含むことが
好ましい。
【0033】ただし、上記極性基において、Mは水素原
子あるいはNa、K、Li等のアルカリ金属を表わし、また
1は水素原子、Na、K、Li等のアルカリ金属あるいは
アルキル基を表わす。
【0034】上記極性基は強磁性粉末の分散性を向上さ
せる作用があり、各樹脂中の含有率は0.1〜8.0モル%、
好ましくは0.5〜6.0モル%である。この含有率が0.1モ
ル%未満であると、強磁性粉末の分散性が低下し、また
含有率が8.0モル%を超えると、磁性塗料がゲル化し易
くなる。なお、前記各樹脂の重量平均分子量は、15,000
〜50,000の範囲が好ましい。
【0035】結合剤の磁性層における含有率は、強磁性
粉末100重量部に対して通常、1〜40重量部、好ましく
は1〜25重量部である。
【0036】結合剤は一種単独に限らず、二種以上を組
み合わせて用いることができるが、この場合、ポリウレ
タンおよび/またはポリエステルと塩化ビニル系樹脂と
の比は、重量比で通常、90:10〜10:90であり、好まし
くは70:30〜30:70の範囲である。
【0037】本発明に結合剤として用いられる極性基含
有塩化ビニル系共重合体は、たとえば塩化ビニル−ビニ
ルアルコール共重合体など、水酸基を有する共重合体と
下記の極性基および塩素原子を有する化合物との付加反
応により合成することができる。
【0038】Cl-CH2CH2SO3M、 Cl-CH2CH2OSO3M、 Cl-CH2C
OOM、Cl-CH2-P(=O)(OM1)2 これらの化合物から Cl-CH2CH2SO3Na を例にとり、上記
付加反応を説明すると、次のようになる。
【0039】-(CH2C(OH)H)-+ ClCH2CH2SO3Na → -(CH2
C(OCH2CH2SO3Na)H)- また、前記極性基含有塩化ビニル系共重合体は、極性基
を含む繰り返し単位が導入される不飽和結合を有する反
応性モノマーを所定量オートクレーブ等の反応容器に仕
込み、一般的な重合開始剤、たとえばBPO(ベンゾイ
ルパーオキシド)、AIBN(アゾビスイソブチロニト
リル)等のラジカル重合開始剤、レドックス重合開始
剤、カチオン重合開始剤などを用いて重合反応を行なう
ことにより、得ることができる。
【0040】スルホン酸又はその塩を導入するための反
応性モノマーの具体例としては、例えばビニルスルホン
酸、アリルスルホン酸、メタクリルスルホン酸、p-スチ
レンスルホン酸等の不飽和炭化水素スルホン酸及びこれ
らの塩を挙げることができる。
【0041】カルボン酸もしくはその塩を導入するとき
は、例えば(メタ)アクリル酸やマレイン酸等を用い、
リン酸もしくはその塩を導入するときは、例えば(メ
タ)アクリル酸-2-リン酸エステルを用いればよい。
【0042】塩化ビニル系共重合体にはエポキシ基が導
入されていることが好ましい。このようにすると、重合
体の熱安定性が向上するからである。
【0043】エポキシ基を導入する場合、エポキシ基を
有する繰り返し単位の共重合体中における含有率は、1
〜30モル%が好ましく、1〜20モル%がより好ましい。
【0044】エポキシ基を導入するためのモノマーとし
ては、たとえばグリシジルアクリレートが好ましい。
【0045】なお、塩化ビニル系共重合体への極性基の
導入技術に関しては、例えば特開昭57-44227号、同58-1
08052号、同59-8127号、同60-101161号、同60-235814
号、同60-238306号、同60-238371号、同62-121923号、
同62-146432号、同62-146433号等の公報に記載があり、
本発明においてもこれらを利用することができる。
【0046】次に、本発明に用いるポリエステル樹脂と
ポリウレタン樹脂の合成について述べる。
【0047】一般に、ポリエステル樹脂はポリオールと
多塩基酸との反応により得られる。
【0048】該公知の方法を用いて、ポリオールと一部
に極性基を有する多塩基酸から、極性基を有するポリエ
ステル(ポリオール)樹脂を合成することができる。
【0049】極性基を有する多塩基酸の例としては、5-
スルホイソフタル酸、2-スルホイソフタル酸、4-スルホ
イソフタル酸、3-スルホフタル酸、5-スルホイソフタル
酸ジアルキル、2-スルホイソフタル酸ジアルキル、4-ス
ルホイソフタル酸ジアルキル、3-スルホイソフタル酸ジ
アルキルおよびこれらのナトリウム塩、カリウム塩を挙
げることができる。
【0050】ポリオールの例としては、トリメチロール
プロパン、ヘキサントリオール、グリセリン、トリメチ
ロールエタン、ネオペンチルグリコール、ペンタエリス
リトール、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘ
キサンジオール、ジエチレングリコール、シクロヘキサ
ンジメタノール等を挙げることができる。
【0051】なお、他の極性基を導入したポリエステル
樹脂も公知の方法で合成することができる。
【0052】次に、ポリウレタン樹脂に付いて述べる。
【0053】これは、ポリオールとポリイソシアネート
との反応から得られる。
【0054】ポリオールとしては、一般にポリオールと
多塩基酸との反応によって得られるポリエステルポリオ
ールが使用されている。
【0055】したがって、極性基を有するポリエステル
ポリオールを原料として用いれば、極性基を有するポリ
ウレタン樹脂を合成することができる。
【0056】ポリイソシアネートの例としては、例えば
ジフェニルメタン-4-4′-ジイソシアネート(MD
I)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、
トリレンジイソシアネート(TDI)、1,5-ナフタレン
ジイソシアネート(NDI)、トリジンジイソシアネー
ト(TODI)、リジンイソシアネートメチルエステル
(LDI)等が挙げられる。
【0057】また、極性基を有するポリウレタン樹脂の
他の合成方法として、水酸基を有するポリウレタンと極
性基および塩素原子を有する下記の化合物との付加反応
も有効である。
【0058】Cl-CH2CH2SO3M、 Cl-CH2CH2OSO2M、 Cl-CH2C
OOM、 Cl-CH2-P(=O)(OM1)2 なお、ポリウレタンへの極性基導入に関する技術として
は、例えば特公昭58-41565号、特開昭57-92422号、同57
-92423号、同59-8127号、同59-5423号、同59-5424号、
同62-121923号等の公報に記載があり、本発明において
もこれらを利用することができる。
【0059】本発明においては、結合剤として下記の樹
脂を全結合剤の20重量%以下の使用量で併用すること
ができる。
【0060】該樹脂としては、例えば重量平均分子量が
10,000〜200,000である、塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニ
ル−アクリロニトリル共重合体、ブタジエン−アクリロ
ニトリル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラ
ール、セルロース誘導体(ニトロセルロース等)、スチ
レン−ブタジエン共重合体、フェノール樹脂、エポキシ
樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノキシ樹脂、シリ
コーン樹脂、アクリル系樹脂、尿素ホルムアミド樹脂、
各種の合成ゴム系樹脂等が挙げられる。
【0061】−その他の成分− 本発明では磁性層の品質の向上を図るため、耐久性向上
剤、分散剤、研磨剤、帶電防止剤および充填剤などの添
加剤をその他の成分として含有させることができる。
【0062】耐久性向上剤としては、ポリイソシアネー
トを挙げることができ、ポリイソシアネートとしては、
例えばトリレンジイソシアネート(TDI)等と活性水
素化合物との付加体などの芳香族ポリイソシアネート
と、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)等と
活性水素化合物との付加体などの脂肪族ポリイソシアネ
ートがある。なお、前記ポリイソシアネートの重量平均
分子量は、100〜3,000の範囲にあることが望ましい。
【0063】分散剤としては、例えばカプリル酸、カプ
リン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ス
テアリン酸、オレイン酸などの炭素数12〜18の脂肪酸;
これらのアルカリ金属の塩またはアルカリ土類金属の塩
あるいはこれらのアミド;ポリアルキレンオキサイドア
ルキルリン酸エステル;レシチン;トリアルキルポリオ
レフィンオキシ第四アンモニウム塩;カルボキシル基お
よびスルホン酸基を有するアゾ系化合物などを挙げるこ
とができる。これらの分散剤は、通常、強磁性粉に対し
て0.5〜5重量%の範囲で用いられる。
【0064】次に、研磨剤の具体例としては、例えばα
-アルミナ、溶融アルミナ、酸化クロム、酸化チタン、
α-酸化鉄、酸化ケイ素、窒化ケイ素、炭化タングステ
ン、炭化モリブデン、炭化ホウ素、コランダム、酸化亜
鉛、酸化セリウム、酸化マグネシウム、窒化ホウ素など
が挙げられる。研磨剤としては、平均粒子径が0.05〜0.
6μmのものが好ましく、0.1〜0.3μmのものがより好ま
しい。
【0065】帯電防止剤としては、例えばカーボンブラ
ック、グラファイト等の導電性粉末;第四級アミン等の
カチオン界面活性剤;スルホン酸、硫酸、リン酸、リン
酸エステル、カルボン酸等の酸基を含むアニオン界面活
性剤;アミノスルホン酸等の両性界面活性剤;サポニン
等の天然界面活性剤などを挙げることができる。上述し
た帯電防止剤は、通常、結合剤に対して0.01〜40重量%
の範囲で添加される。
【0066】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。但し本発
明の実施態様はこれらに限定されない。
【0067】以下に示す成分、割合、操作順序等は、本
発明の精神から逸脱しない範囲において種々変更しう
る。なお、下記の例において「部」はすべて重量部であ
る。
【0068】先ず、支持体である厚さ14.0μmのポリエ
チレンテレフタレートベースフィルム上に非磁性着色層
及び磁性層を次の要領で形成した。
【0069】 〈非磁性着色層用塗料Aの組成〉 酸化チタン 100部 フタロシアニン系青色染料 5部 塩化ビニル共重合体アクリレート a部 (分子量20,000,アクリロイル基平均2.8個/分子) ウレタンアクリレート b部 (分子量10,000,アクリロイル基平均3.0個/分子) トリメチロールプロパンアクリレート c部 シクロヘキサノン 80部 メチルエチルケトン 150部 上記した塗料成分を混練、分散して着色層用塗料Aを調
製した。
【0070】 〈磁性塗料Iの組成〉 強磁性粉末Co・FeOx 100部 (X=1.45、Hc:700 Oe、比表面積:40m2/g) α−Al23 5部 塩化ビニル共重合体アクリレート X部 (分子量20,000,アクリロイル基平均2.8個/分子 ) ウレタンアクリレート Y部 (分子量10,000,アクリロイル基平均3.0個/分子) トリメチロールプロパンアクリレート Z部 カーボンブラック 1部 ミリスチン酸 1部 ステアリン酸 1部 ブチルステアレート 1部 シクロヘキサノン 100部 メチルエチルケトン 200部 上記磁性塗料成分を混練分散した後、日本ポリウレタン
工業(株)製のコロネートL5部を添加して磁性塗料I
とした。次いで非磁性着色塗料および磁性塗料各々所望
の膜厚にする為にウエット・オン・ウェット方式(下層
湿潤状態にあるうちに上層を塗布する方式)を用い塗
布、乾燥後カレンダー処理を施こした後に、加速電圧20
0KVで5μradの吸収線量になるように電子線を照射した
後、所望の幅(1/2インチ幅)に裁断した。
【0071】以下に実施例1〜5,比較例1〜5の各組
成、各膜厚の値を示す。
【0072】
【表1】
【0073】次に表2に、各実施例,比較例の評価結果
を示す。尚評価項目、評価方法については表2の後に述
べる。
【0074】
【表2】
【0075】〈評価項目、評価方法〉 *RF-OUT,L-SN:ビデオノイズメーター「Shib
asoku 925 D/1」を用い日本ビクター社製「HR-S7
000」のデッキでリファレンステープに対する値(d
B)で表わした。
【0076】*耐久性:常温常湿(25℃,60%)でテー
プ全長を200pass走行された時完走pass数とその間に出
力レベルが3.0dB以上低下したものを目張り発生として
確認した。
【0077】*接着性:粘着テープを一定面積試料テー
プ表面(磁性面)にハリ合せ、一定のスピード、一定の
力ではがしたとき剥離しないで残った部分の面積の最初
の一定面積との比を%で示した。
【0078】*ドロップアウト:日本ビクター社製ドロ
ップアウトカウンターVD-5Mを使用し、15μsec以上
長く、かつRFエンベロープ出力の20dB以上下がった出
力をドロップアウト1個として、全長測定し、1分間あ
たりの平均値を求めた。
【0079】表2から明らかなように本発明の実施例が
比較例に比して、電磁変換特性、耐久性、接着性、ドロ
ップアウト特性に優れていることが判かる。
【0080】次に、以上に得られた各テープについて、
テープの色を表側と裏側から、カラーアナライザー(村
上色彩社製CMS−1200)で測色し、L*、a*、b*を
求め、色差ΔE*(ΔE裏−ΔE表)を計算した(これ
についてはCIE(Commission Internationale de l'E
clairage)1976年堆奨の表色系:CIELABで示され
る)。結果を下記表3に示した。
【0081】
【表3】
【0082】表3の結果から明らかなように本発明の実
施例が磁性層と着色層の色別も容易に出来ることが判か
る。
【0083】
【発明の効果】本発明の磁気記録媒体によれば、模倣が
困難で、購買者にも正当な市販品であることが容易に識
別が出来、繰り返し使用しても、耐久性に優れている。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体上に設けられた磁気記録層
    と非磁性層である着色層を有する磁気記録媒体におい
    て、放射線照射により架橋または重合可能な化合物およ
    びビニル系モノマーを少なくともいずれかの層に含み、
    かつ該着色層が前記磁気記録層とは異なる色に着色され
    ていることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 最上層以外の層に含まれる前記ビニル系
    モノマーの含有量は、最上層の含有量より少ないか、も
    しくは含有されていないことを特徴とする請求項1記載
    の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記異なる色とは、CIE 1976L*、a
    *、b*において定規されるΔE*(ΔE裏−ΔE表)の
    値としてその差が5.0以上であることを特徴とする請求
    項1記載の磁気記録媒体。
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