JPH05290357A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH05290357A
JPH05290357A JP4082243A JP8224392A JPH05290357A JP H05290357 A JPH05290357 A JP H05290357A JP 4082243 A JP4082243 A JP 4082243A JP 8224392 A JP8224392 A JP 8224392A JP H05290357 A JPH05290357 A JP H05290357A
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JP
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magnetic
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magnetic recording
magnetic layer
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JP4082243A
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English (en)
Inventor
Takao Nishikawa
卓男 西川
Noboru Koyama
▲昇▼ 小山
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、製造工程中に、カレンダー
ロール汚れを起さず、しかも、カレンダーによる磁性層
面の平滑化が有効になされるため、高電磁変換特性を有
することができる磁気記録媒体を提供することにある。 【構成】 本発明は非磁性支持体上に非磁性顔料層と磁
性層をこの順に積層させて成る磁性記録媒体において、
前記磁性層に1mgの負荷をかけたものと、50mgの負荷を
かけた層の夫々の塑性変形量の差が0.5μm以上1.5μm以
下である磁気記録媒体より構成される。好ましい態様と
しては前記磁性層に1mg負荷をかけた時の塑性変形量が
0.5μm以下であり、50mgの負荷をかけた時の塑性変形量
が0.5μm以上である磁気記録場対から構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気ディスク、磁気テー
プ、磁気シート等の磁気記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来技術】近年、磁気記録媒体、特に短波長記録を要
求されるビデオ用磁気記録媒体においては、高い記録密
度と短波長記録における高再生出力が要求されこれに対
し、強磁性粉末として強磁性金属粉末、コバルト被着あ
るいはドープ型のγ−Fe2O3微粒子が使用されるように
なってきた。
【0003】高い記録密度と短波長記録における高再生
出力を有する磁気記録媒体を得るためには、磁性層の表
面平滑性を極限にまで上昇する必要がある。このための
手段として、カレンダー工程において温度及び圧力を可
能な限り高くするため、カレンダーロールの汚れが発生
し、生産効率が悪くなるという状況が発生している。こ
れに対処するために、特開平2−302929号公報では特殊
な官能基をポリウレタンに含ませている。しかし、この
樹脂を用いても必ずしもカレンダー汚れが全面的に解決
するわけではない。すなわち、カレンダーロール汚れは
磁性層の塗膜物性によって決定され、磁性層を構成する
素材で一義的に決定されるものではないからである。
【0004】また、電磁変換特性を向上させるために磁
性層を重層とした場合には、同じ組成の磁性層を単層で
設けた場合には生じなかったカレンダーロール汚れが発
生することがわかった。
【0005】更に、磁性層が重層の場合には、カレンダ
ーロールの圧力が上層の磁性層に集中するために各層の
密度が不均一となり、塗膜物性の異なる2層以上の層を
重ねた場合に、単層で発現されていた性能が重層では却
って発揮されなくなる等の難点もあった。
【0006】
【発明の目的】本発明はの目的は、製造工程中に、カレ
ンダーロール汚れを起さず、しかも、カレンダーによる
磁性層面の平滑化が有効になされるため、高電磁変換特
性を有することができる磁気記録媒体を提供することに
ある。
【0007】
【発明の構成】本発明の上記目的は、非磁性支持体に非
磁性顔料層と磁性層をこの順に積層させて成る磁気記録
媒体において、前記磁性層に1mgの負荷をかけたもの
と、50mgの負荷をかけた時の夫々の塑性変形量の差が0.
5μm以上1.5μm以下である磁気記録媒体より構成され
る。
【0008】好ましい態様としては、前記磁性層に1mg
の負荷をかけた時の塑性変形層が0.5μm以下であり、50
mgの負荷をかけた時の塑性変形量が0.5μm以上である磁
気記録媒体により達成される。
【0009】又、他の好ましい態様としては前記非磁性
顔料層中の非磁性顔料のX線により測定した粒径が10nm
〜250nmであり又該顔料の前記非磁性層中の濃度が75〜9
9%である磁気記録媒体。
【0010】更に他の好ましい態様としては前記非磁性
層顔料層と前記磁性層がウェット・オン・ウェット塗布
方式で製造される磁気記録媒体である。
【0011】本発明者らは、磁気記録媒体の電磁変換特
性を高める目的で、磁性層の表面平滑度を上げた場合に
発生するカレンダーロールの汚れを防ぐ方策を種々検討
した結果、塑性変形量を特定の範囲に調整することで、
このトラブルが解決されることを見出したものである。
【0012】本発明に係る塑性変形量の測定法について
説明すると、下記の圧子を用い、下記の条件下で圧電ア
クチュエータにより、ダイアモンド三角錐針を押し込
む。
【0013】圧子形状 : 対稜角80°三角圧子 荷重 : 最大50mg 押込み速度 : 1〜25nm/sec 測定環境 : 20〜30℃/40〜80%RH 押込み深さ : 表面から1.5 μm以内 即ち、圧子を荷重が50mg,1mgになるまで上記条件で押
込んだ後、押込み速度と同じ速度で荷重を解除してゆ
き、荷重0となったときの深さ夫々d50,d1をフォト
ニックセンサーで計測する。(荷重50mgのときd50、荷
重1mgのときd)押込み開始時に荷重が掛り始まる深
さをdoとするとき、夫々塑性変形量はd50−do,
1−do(単位μm)で表される。即ち、試料が完全弾
性体であれば、塑性変形量は0μmとなる。なお、本発
明の塑性変形量の差とは、d50−d1のことである。
【0014】上記塑性変形量は、当然圧子形状の異なる
場合、例えば四角圧子、その他のものを使用することも
可能である。この場合にも、荷重、押込み速度、温度、
湿度条件及び押込み深さを上記と同じにした場合には、
ほぼ同様の結果が得られる。
【0015】本発明に係る磁性層は、適度の塑性を有す
るため、カレンダー工程における強い力による塗膜の破
壊(すなわち、カレンダーロール汚れ)を塑性的に変形
することにより力を緩和することができるため、高電磁
変換特性を維持したままカレンダーロールの汚れを防ぐ
ことが可能である。
【0016】本発明に係る磁性層の塑性変形量は1mgの
負荷をかけた時0.5μm以下であり、50mgの負荷をかけた
時、0.5μm以上であることが好ましく、更には、1mgの
負荷をかけた時50mgの負荷をかけた時の夫々の塑性変形
量の差が、0.5μm以上であることが好ましい。
【0017】1mgの負荷は磁性層表面の塗膜物を示し50
mgの負荷は磁性層全体の塗膜物性を示す。磁性層全体の
塑性変形量が0.5μm以上ある場合、カレンダーロールに
よる圧力を緩和し、カレンダーロール汚れを防ぐ。しか
し塗膜全体が塑性的になると極度に塗膜の変形がしやす
い為に、カレンダー時の下層の充填性は向上するが、上
層の充填性は向上しない。
【0018】これは変形しやすい下層に応力が集中する
為と考えられる。
【0019】一方、磁性層全体の塑性変形量が0.5μm未
満の場合、カレンダーロールの圧力を塗膜全体で緩和で
きない為、破壊状態となり、カレンダー汚れを起こす。
【0020】磁性層表面の塑性変形量が0.5μm以上ある
場合、カレンダーロールの圧力を緩和し上層の充填性は
向上しない。
【0021】つまり上層は弾性的、上層以外は塑性的で
あることが望ましい。
【0022】これによりカレンダーロールの汚れを防ぎ
つつ高電磁性変換特性の磁気記録媒体を提供することが
出来る。
【0023】前記の、磁性層の塑性変形量を上記の範囲
に設定するためには、後述の、結合剤として用いる樹脂
の結晶化温度(Tg)を−30〜80℃に調整する方法があ
る。この結晶化温度を調整するためには、例えばポリウ
レタン樹脂の場合には、成分中のイソシアネート量を変
化することで達成できる。
【0024】また、別の方法としては、結合剤用樹脂に
後述の陽極官能基を導入して、磁性粉の分散性を高める
ことによって調整する方法がある。
【0025】以下に本発明の磁気記録媒体について詳述
する。
【0026】−非磁性支持体− 前記非磁性支持体を形成する材料としては、たとえばポ
リエチレンテレフタレート、ポリエチレン-2,6-ナフタ
レート等のポリエステル類、ポリプロピレン等のポリオ
レフィン類、セルローストリアセテート、セルロースダ
イアセテート等のセルロース誘導体、ポリアミド、ポリ
カーボネート等のプラスチックなどを挙げることができ
る。
【0027】前記非磁性支持体の形態は特に制限はな
く、主にテープ状、フィルム状、シート状、カード状、
ディスク状、ドラム状などがある。
【0028】非磁性支持体の厚みには特に制約はない
が、たとえばフィルム状やシート状の場合は通常3〜10
0μm、好ましくは5〜50μmであり、ディスクやカード
状の場合は30μm〜10mm程度、ドラム状の場合はレコー
ダー等に応じて適宜に選択される。
【0029】なお、この非磁性支持体は単層構造のもの
であっても多層構造のものであってもよい。また、この
非磁性支持体は、たとえばコロナ放電処理等の表面処理
を施されたものであってもよい。
【0030】なお、非磁性支持体上の上記磁性層が設け
られていない面(裏面)には、磁気記録媒体の走行性の
向上、帯電防止および転写防止などを目的として、バッ
クコート層を設けるのが好ましく、また磁性層と非磁性
支持体との間には、下引き層を設けることもできる。
【0031】本発明の磁性層は、磁性粉として六方晶フ
ェライト粉末又は強磁性金属粉末を含有する。
【0032】六方晶系フェライト粉末としては電磁特性
を調え易い六方晶Ba-フェライトが主体となる。
【0033】好ましい六方晶Ba-フェライト粉末として
は、Ba-フェライト粉の、Feの一部が少なくともCoおよ
びZnで置換された平均粒径(六方晶系フェライトの板面
の対角線の長さ)300〜900Å、板状比(六方晶系フェラ
イトの板面の対角線の長さを板厚で除した値)2.0〜10.
0、保磁力(Hc)450〜1500のBa-フェライトを挙げるこ
とができる。
【0034】Ba-フェライト粉は、FeをCoで一部置換す
ることにより、保磁力が適正な値に制御されており、さ
らにZnで一部置換することにより、Co置換のみでは得ら
れない高い飽和磁化を実現し、高い再生出力を有する電
磁変換特性に優れた磁気記録媒体を得ることができる。
また、さらにFeの一部をNbで置換することにより、より
高い再生出力を有する電磁変換特性に優れた磁気記録媒
体を得ることができる。また、本発明に用いられるBa-
フェライトは、さらにFeの一部がTi、In、Mn、Cu、Ge、
Sn等の遷移金属で置換されていても差支えない。
【0035】なお、この発明に使用するBa−フェライ
トは次の一般式で表わされる。
【0036】BaO・n((Fe1-m Mm )2 O3 ) 〔ただし、m>0.36(但し、Co+Zn=0.08〜0.3、Co/Z
n=0.5〜10) であり、nは5.4〜11.0であり、好ましく
は5.4〜6.0であり、Mは置換金属を表わし、平均個数が
3となる2種以上の元素の組合せになる磁性粒子が好ま
しい。〕この発明において、Ba-フェライトの平均粒
径、板状比、保磁力が前記範囲内にあると好ましいとす
るその理由は、次のようである。すなわち、平均粒径30
0Å未満の場合は、磁気記録媒体としたときの再生出力
が不十分となり、逆に900Åを越えると、磁気記録媒体
としたときの表面平滑性が著しく悪化し、ノイズレベル
が高くなりすぎることがあり、また、板状比が2.0未満
では、磁気記録媒体としたときに高密度記録に適した垂
直配向率が得られず、逆に板状比が6.0を越えると磁気
記録媒体としたときの表面平滑性が著しく悪化し、ノイ
ズレベルが高くなりすぎ、さらに、保磁力が350 Oe未満
の場合には、記録信号の保持が困難になり、2000 Oeを
越えると、ヘッド限界が飽和減少を起こし記録が困難に
なることがあるからである。
【0037】本発明に用いられるBa-バリウムフェライ
ト磁性粉は、磁気特性である飽和磁化量(σS )が通
常、50emu/g以上であることが望ましい。この飽和磁
化量が50emu/g未満であると、電磁変換特性が劣化す
ることがあるからである。
【0038】さらに本発明においては、記録の高密度化
に応じて、BET法による比表面積が30m2/g以上のBa
-フェライト磁性粉を用いることが望ましい。
【0039】本発明に用いられる六方晶系の磁性粉を製
造する方法としては、たとえば目的とするBa-フェライ
トを形成するのに必要な各元素の酸化物、炭酸化物を、
たとえばホウ酸のようなガラス形成物質とともに溶融
し、得られた融液を急冷してガラスを形成し、ついでこ
のガラスを所定温度で熱処理して目的とするBa-フェラ
イトの結晶粉を析出させ、最後にガラス成分を熱処理に
よって除去するという方法のガラス結晶化法の他、共沈
−焼成法、水熱合成法、フラックス法、アルコキシド
法、プラズマジェット法等が適用可能である。
【0040】本発明においては、該六方晶フェライト粉
末の最上層中の含有量は、通常50〜99重量%であり、好
ましくは60〜99重量%である。
【0041】次に、最上層に用いられる強磁性金属粉末
としては、Fe、Coをはじめ、Fe-Al系、Fe-Al-Ni系、Fe-
Al-Zn系、Fe-Al-Co系、Fe-Al-Ca系、Fe-Ni系、Fe-Ni-Al
系、Fe-Ni-Co系、Fe-Ni-Si-Al-Mn系、Fe-Ni-Si-Al-Zn
系、Fe-Al-Si系、Fe-Al-Co系、Fe-Ni-Zn系、Fe-Ni-Mn
系、Fe-Ni-Si系、Fe-Mn-Zn系、Fe-Co-Ni-P系、Ni-Co
系、Fe、Ni、Co等を主成分とするメタル磁性粉等の強磁
性粉が挙げられる。中でも、Fe系金属粉が電気的特性に
優れる。
【0042】他方、耐蝕性および分散性の点から見る
と、Fe-Al系、Fe-Al-Ca系、Fe-Al-Ni系、Fe-Al-Zn系、F
e-Al-Co系、Fe-Ni-Si-Al-Zn系、Fe-Ni-Si-Al-Mn系、Fe-
Al系金属粉が好ましい。
【0043】本発明においては、非磁性支持体の上に非
磁性顔料層が形成されており該非磁性層には非磁性顔料
が含有されている。
【0044】該非磁性顔料としては、この種の磁気記録
媒体に使用される公知の各種の非磁性顔料から、前記特
性を備えたものを適宜に選択して使用することができ
る。この非磁性顔料としては、例えば、カーボンブラッ
ク、グラファイト、酸化チタン、硫酸バリウム、ZnS、M
gCO3、CaCO3、ZnO、CaO、γ-酸化鉄、二酸化タングステ
ン、二酸化モリブテン、窒化ホウ素、MgO、SnO2、Si
O2、Cr2O3、α-Al2O3、SiC、酸化セリウム、コランダ
ム、人造ダイヤモンド、α-酸化鉄、ザクロ石、ガーネ
ット、ケイ石、窒化ケイ素、炭化ケイ素、炭化モリブデ
ン、炭化ホウ素、炭化タングステン、チタンカーバイ
ド、トリボリ、ケイソウ土、ドロマイト等を挙げること
ができる。
【0045】これらの中でも好ましいのは、カーボンブ
ラック、CaCO3、酸化チタン、硫酸バリウム、γ-酸化
鉄、α-Al2O3、α-酸化鉄、等の無機粉末やポリエチレ
ン等の有機ポリマー粉末等である。
【0046】本発明における好ましい非磁性顔料の粒径
としては、通常1〜1000nm、好ましくは1〜500nm、更
に好ましくは10〜250nmである。非磁性粉末の粒径が前
記範囲にあると、平滑な下層を形成することができ、上
層の磁性層の特性を向上させることができて好ましい。
【0047】本発明における結合剤は、ポリウレタン、
ポリエステル、塩化ビニル系樹脂等であり、好ましくは
これらの樹脂が−SO3M、−OSO3M、−COOM及び−PO(O
M′)2からなる群より選ばれた少なくとも1種の極性基
を有する繰り返し単位を含有する(但し、M′は水素原
子或いはNa、K、Li等のアルカリ金属原子を表し、ま
た、Mは水素原子、Na、K、Li等のアルカリ金属原子或
いはアルキル基である)。
【0048】上記の極性基は磁性粉の分散を向上させる
作用があり、その含有率は0.1 〜8.0 モル%(より好ま
しくは、0.5 〜6.0 モル%)である。含有率が0.1 モル
%より少ないと分散性が低下し、8.0 モル%より多いと
磁性塗料がゲル化し易くなる。また、重量平均分子量は
好ましくは15,000〜50,000である。
【0049】結合剤の磁性層中の含有率は強磁性粉末10
0 重量部に対して、通常は10〜40重量部(好ましくは15
〜30重量部)の範囲とする。この場合、ポリウレタン及
び/又はポリエステルと塩化ビニル系樹脂との比は重量
比で通常は90:10〜10:90(好ましくは70:30〜30:7
0)の範囲内とする。
【0050】本発明において、結合剤として塩化ビニル
系共重合体を使用する場合には、例えば塩化ビニル−ビ
ニルアルコール共重合体等、OH基を含有する共重合体と
下記のような極性基及び塩素原子を含有する化合物との
反応により付加して合成することができる。
【0051】ClCH2CH2SO3M ClCH2CH2OSO3M ClCH2PO(OM′)2 ClCH2COOM これらの中からClCH2CH2SO3Naを例として示すと、
【0052】
【化1】
【0053】のようになる。
【0054】また、すべて共重合性モノマーとして共重
合させる方法がある。即ち、極性基を含む繰り返し単位
が導入される不飽和結合を有する反応性モノマーを所定
量オートクレーブ等の反応容器に注入し、一般的な重合
開始剤、例えばBPO(ベンゾイルパーオキサイド)、AIB
N(アゾビスイソブチロニトリル)等のラジカル重合開
始剤やレドックス重合開始剤、アニオン重合開始剤、カ
チオン重合開始剤等の重合開始剤を使用して重合でき
る。例えば、スルホン酸若しくはその塩を導入するため
の反応性モノマーの具体例としては、ビニルスルホン
酸、アリルスルホン酸、メタクリルスルホン酸、p-スチ
レンスルホン酸等の不飽和炭化水素スルホン酸及びこれ
らの塩が挙げられる。更に、2-アクリルアミド-2-メチ
ルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリル酸スルホエチ
ルエステル、(メタ)アクリル酸スルホプロピルエステ
ル等のアクリル酸又はメタクリル酸のスルホアルキルエ
ステル類及びこれらの塩、あるいはアクリル酸-2-スル
ホン酸エチル等を挙げることができる。
【0055】カルボン酸若しくはその塩を導入(COOMの
導入)する時には、(メタ)アクリル酸、マレイン酸等
を、リン酸若しくはその塩を導入する時には、(メタ)
アクリル酸-2-リン酸エステルを用いればよい。
【0056】また、塩化ビニル系共重合体にはエポキシ
基が導入されていることが好ましい。エポキシ基の導入
により塩化ビニル系共重合体の熱安定性が向上する。エ
ポキシ基を導入する場合、エポキシ基を有する繰り返し
単位の共重合体中における含有率は好ましくは1〜30モ
ル%(より好ましくは1〜20モル%)である。導入する
ためのモノマーとしてはグリシジルアクリレートが好ま
しく用いられる。
【0057】なお、塩化ビニル共重合体への極性基の導
入に関しては、特開昭57−44227 号、同58−108052号、
同59−8127号、同60−101161号、同60−235814号、同60
−238306号、同60−238371号、同62−121923号、同62−
146432号、同62−146433号等の公報に記載があり、本発
明においてもこれらを利用することができる。
【0058】次に、本発明における結合剤のうち、ポリ
エステル及びポリウレタン樹脂の合成について述べる。
【0059】一般にポリエステルはポリオールと多塩基
酸の反応により得られる。この公知の方法を利用して、
多塩基酸の一部として極性基を有する多塩基酸を使用し
て極性基を有するポリエステル(ポリオール)を合成す
ることができる。
【0060】多塩基酸の例としては、特願平2−410458
号公報の段落番号0030に挙げるものが使用できる。
【0061】また、他の極性基を導入したポリエステル
に関しても公知の方法で合成することができる。
【0062】また、ポリウレタン樹脂の合成に関しては
一般に利用される方法であるポリオールとポリイソシア
ネートとの反応を用いることができる。ポリオール成分
として、一般には、ポリオール多塩基酸との反応によっ
て得られるポリエステルポリオールが使用されている。
従って、上記の極性基を有するポリエステルポリオール
を原料として利用すれば、極性基を有するポリウレタン
を合成することができる。ポリイソシアネート成分の例
としては、特願平2−410458号明細書の段落番号0032に
挙げるものが使用できる。
【0063】また、ポリウレタンの合成の他の方法とし
て、OH基を有するポリウレタンと極性基及び塩素原子を
含有する次の化合物との反応により付加して合成するこ
とができる。
【0064】ClCH2CH2SO3M、 ClCH2CH2OSO3M、 ClCH2PO(OM′)2、 ClCH2COOM なお、ポリウレタンへの極性基の導入に関しては、特公
昭58−41565 号、特開昭57−92422 号、同57−92423
号、同59−8127号、同59−5423号、同59−5424号、同62
−121923号等の公報に記載があり、本発明においてもこ
れらを利用することができる。
【0065】なお、結合剤は上記の樹脂の他に全結合剤
の20重量%以下で下記の樹脂を使用することができる。
【0066】その例としては、特願平2-410458号明細書
の段落番号0036のものが挙げられる。
【0067】本発明の磁性層の耐久性を向上させるため
に、ポリイソシアネートを含有させることが好ましい。
使用できる芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば
トリレインジイソシアネート(TDI)等と活性水素化合
物との付加体等がある。また、脂肪族ポリイソシアネー
トとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)
等と活性水素化合物との付加体等がある。ポリイソシア
ネートの重量平均分子量としては、100〜3,000 の範囲
のものが好ましい。
【0068】その他必要に応じて、分散剤、潤滑剤、研
磨剤、マット剤、帯電防止剤及びフィラー等の添加剤を
含有させてもよい。
【0069】分散剤としては例えば特願平2−410458号
明細書の段落番号0039に挙げるものが用いられる。これ
らの分散剤は強磁性粉末に対して0.5 〜5重量%の範囲
内で添加されるのがよい。
【0070】潤滑剤としては、例えば特願平2-410458号
明細書の段落番号0040、0041、0042及び0043に示される
ようなものが用いられる。
【0071】研磨剤としては、特願平2-410458号明細書
の段落番号0044に示されるものが用いられる。
【0072】マット剤としては、例えば特開平2-249129
号公報の4ページ右上10行目から4ページ左下4行目に
示されるものが用いられる。
【0073】帯電防止剤としては、例えば特願平2-4104
58号明細書の段落番号0045に示されるものが用いられ
る。
【0074】硬化剤としては、例えば特開平2-132640号
公報の9ページ右上1行目から10ページ左上20行目に示
されるものや特開平3-35415号の公報の6ページ右上8
行目から6ページ右上20行目に示されるものが用いられ
る。
【0075】上記磁性層を形成する塗料に配合される溶
媒としては、特願平2-410458号明細書の段落番号0046の
ものが用いられる。
【0076】本発明において使用される磁性塗料は、強
磁性粉末、結合剤、分散剤、潤滑剤、研磨剤、帯電防止
剤等を溶媒中で混練及び分散して製造される。磁性塗料
の混練及び分散に使用される混練分散機の例としては、
特願平2-410458号明細書の段落番号0047に示されるもの
が用いられる。
【0077】次に、乾燥された各塗布層付きの支持体1
はカレンダーロール38の組み合わせからなるスーパーカ
レンダー装置37に導かれ、ここでカレンダー処理された
後に、巻取ロール39に巻き取られる。
【0078】このようにして得られた磁性フィルムをス
リットして磁気テープを製造する。上記の方法におい
て、各塗料は、図示しないインラインミキサーを通じて
押し出しコータ10、11へと供給してもよい。なお、図
中、矢印Dは非磁性ベースフィルムの搬送方向を示す。
押し出しコータ10、11にはそれぞれ、液溜り部13、14が
設けられ、各コータからの塗料をウェット・オン・ウェ
ット方式で重ねる。
【0079】非磁性支持体上に上記磁性層を形成するた
めの塗布方式の例としては、特願平2-410458号明細書の
段落番号0050に示されるものが挙げられる。
【0080】このウェット・オン・ウェット方式におけ
る重層塗布においては、下層が湿潤状態のままで上層の
磁性層を塗布するので、下層の表面(上層との境界面)
が滑らかになるとともに上層の表面性が良好になり、か
つ、上下層間の接着性も向上する。この結果、特に高密
度記録のために高出力、低ノイズの要求されるたとえば
磁気記録媒体としての要求性能を満たしたものとなる。
また、ウェット・オン・ウェット重層塗布方式により、
ドロップアウトも低減することができ、信頼性も向上す
る。
【0081】上記ウェット・オン・ウェット重層塗布方
式によって形成される上下層間には、明確な境界が実質
的に存在する場合以外に、一定の厚みで以て、両層の成
分が混在してなる境界領域が存在する場合があるが、こ
うした境界領域を除いた上側及び下側の層を上記の磁性
層、非磁性顔料層とするいずれの場合も、本発明の範囲
に含まれる。
【0082】上記磁気記録媒体の支持体としては、特願
平2-410458号明細書の段落番号0048に示されるものが用
いられる。
【0083】本発明の非磁性顔料層と磁性層からなる重
層構造は、ウェット・オン・ウェット方式の重層塗布
(即ち、下層の非磁性顔料層が未乾燥のうちに上層の磁
性層用塗料を塗布すること)により形成される。磁性層
の厚みは上層では0.01〜1.5μmが好ましく、0.1〜0.8μ
mが更に好ましく特に0.1〜0.5nmが好ましい。また、非
磁性顔料層の厚みは0.1〜3.0μmが好ましく、0.2〜1.5
μmが更に好ましい。
【0084】次に、上記した媒体の製造装置の一例を図
1に示す。
【0085】この製造装置においては、本発明の磁気記
録媒体を製造するに当たり、まず供給ロール32から繰出
されたフィルム状支持体1は、押し出しコータ10、11に
より非磁性顔料層、磁性層の塗料を塗布した後、配向用
磁石または垂直配向用磁石33により配向され、乾燥器34
に導入され、ここで上下に配したノズルから熱風を吹き
付けて乾燥する。
【0086】−表面の平滑化− 本発明においては、次にカレンダリングにより表面平滑
化処理を行う。
【0087】その後は、必要に応じてバーニッシュ処理
またはブレード処理を行なってスリッティングされる。
【0088】表面平滑化処理においては、カレンダー条
件として温度、線圧力、C/s(コーティングスピー
ド)等を挙げることができる。
【0089】本発明においては、通常、上記温度を50〜
120℃、上記線圧力を50〜400kg/cm、上記C/sを20〜
600m/分に保持することが好ましい。
【0090】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例につき説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0091】以下に示す成分、割合、操作順序等は、本
発明の精神から逸脱しない範囲において種々変更しう
る。なお、上記の例において『部』はすべて重量部であ
る。
【0092】実施例1 先ず支持体である厚さ14.0μmのポリエチレンテレフタ
レートベースフィルム上に非磁性顔料層及び磁性層をこ
の順で下記の要領で形成した。
【0093】 〈非磁性顔料層用塗料の組成〉 顔料(チタンホワイト) (表1に示す顔料濃度となる量を使用した) スルホン酸金属塩含有塩化ビニル系樹脂(日本ゼオン社製MR-110) 6部 スルホン酸金属塩含有ポリエステルウレタン樹脂 (東洋防績社製UR-8700) 6部 シクロヘキサノン 30部 メチルエチルケトン 30部 トルエン 30部 上記した塗料成分を混練、分散して、非磁性顔料層を調
製した。
【0094】 〈磁性塗料の組成〉 強磁性粉末Co-α-Fe2O3 (HC 800 Oe 比表面積(BET):45m2/g) 100部 α-Al2O3 5部 スルホン酸金属塩含有塩ビ系樹脂(日本ゼオン製MR-110) 10部 スルホン酸金属塩含有ポリエステルポリウレタン樹脂 (東洋防績社製UR-8700) 5部 カーボンブラック 1部 ミリスチン酸 1部 ステアリン酸 1部 ブチルステアレート 1部 シクロヘキサノン 100部 メチルエチルケトン 100部 トルエン 100部 上記の磁性塗料成分を混練分散した後、日本ポリウレタ
ン工業(株)社製のコロネートを5部添加して磁性塗料
とした。
【0095】以上の各塗料を用い、厚さ14.0mmの前記支
持体上にウェット・オン・ウェット方式のエクストルー
ジョンコーターヘッドで塗布し、1/2インチ幅にスリッ
ティングし、試料テープを作成した。尚、磁性層及び非
磁性顔料層の乾燥膜厚は夫々0.5μm、1.5μmであった。
【0096】実施例2〜5、比較例1〜3 実施例1と同様にして表1に示すように塑性変形量を変
化させ、且非磁性層中の顔料粒径、濃度を変化させ、実
施例2〜5、比較例1〜3の試料を作成し以下の評価を
行った。尚、比較例3の磁性層の乾燥膜厚は2.0μmであ
った。
【0097】実施例6 実施例1の磁性塗料の組成において、Co-rFe2O3にかえ
て、Fe-Al系強磁性粉末(Fe:Al重量比=100:8、平均
長軸長:0.16μm、Hc:1580 Oe σs:120emu/g、結晶サ
イズ170Å、軸化7)100部を用いた以外は実施例1と同
様にして試料テープを作成した。尚塑性変形量は表1に
示す。
【0098】実施例7 実施例1の磁性塗料の組成において、Co-rFe2O3にかえ
てCo置換バリウムフェライト(Hc:1100 Oe BET 45m2/
g、σs:64emu/g、板状比4)100部を用いた以外は実施
例1と同様にして試料テープを作成した。尚塑性変形量
は表1に示す。
【0099】尚実施例6,7の非磁性層、磁性層の乾燥
膜厚は夫々1.5μm、0.4μmであった。評価は前述と同様
の評価を行った。
【0100】
【表1】
【0101】〈評価〉 RF出力及びクロマ出力 カラービデオノイズメータ『シバソク925』を用い、日
本ビクター社製のデンキ『HR-S7000』でリファンステー
プに対する値(dB)で表した。
【0102】ドロップアウト 日本ビクター社製ドロップアウトカウンターVD-5Mを
使用し、15sec以上長く、かつRFエンベロープの出力の2
0dB以上下がった出力をドロップアウト1個として、全
長測定し、1分間あたりの平均値を求めた(個/分)。
【0103】ヘッド目詰まり VHSビデオデッキを改造して、120分テープを50パス、全
長繰り返し走行させ、この間磁気ヘッドの目詰まりで回
数をカウントした。温度及び湿度を変化させ、4種類の
条件で測定した。
【0104】エンベロープ 日本ビクター社製HR-S7000を用いて再生した。信号のエ
ンベロープをオシロスロープで観察し、RFエンベロープ
の最大値と最小値の比をとった。
【0105】評価結果を以下の表2に示す。
【0106】
【表2】
【0107】表2の如く本発明の実施例が比較例に比し
て優れていることがわかる。
【0108】
【発明の効果】本発明の磁気記録媒体は、製造工程中に
カレンダ汚れを起さず、磁気層面を平滑にし、高電磁変
換特性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】磁気記録媒体の製造装置の例である。
【符号の説明】
1 支持体 10、11 押し出しコータ 13、14 液溜り部 32 供給ロール 33 配向用磁石 34 乾燥器 37 スーパーカレンダー装置 38 カレンダーロール 39 巻取りロール

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体上に非磁性顔料層と磁性層
    をこの順に積層させて成る磁気記録媒体において、前記
    磁性層に1mgの負荷をかけたものと、50mgの負荷をかけ
    た時の、夫々の塑性変形量の差が0.5μm以上1.5μm以下
    であることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記磁性層に1mgの負荷をかけた時の塑
    性変形量が0.5μm以下であることを特徴とする請求項1
    記載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記磁性層に50mgの負荷をかけた時の塑
    性変形量が0.5μm以上であることを特徴とする請求項1
    記載の磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 前記非磁性顔料層のX線による粒径測定
    値が10nm〜250nmであることを特徴とする請求項1記載
    の磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 前記非磁性顔料層中の非磁性顔料濃度が
    75〜99%であることを特徴とする請求項1記載の磁気記
    録媒体。
  6. 【請求項6】 前記非磁性顔料層と磁性層がウェット・
    オン・ウェット塗布方式によりもうけられている事を特
    徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。
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