JP2825594B2 - 磁気記録媒体に使用する結合剤組成物 - Google Patents

磁気記録媒体に使用する結合剤組成物

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JP2825594B2
JP2825594B2 JP2049130A JP4913090A JP2825594B2 JP 2825594 B2 JP2825594 B2 JP 2825594B2 JP 2049130 A JP2049130 A JP 2049130A JP 4913090 A JP4913090 A JP 4913090A JP 2825594 B2 JP2825594 B2 JP 2825594B2
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chloride copolymer
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野 本発明は、微粉状磁化性顔料(magnetizable pigmen
t)を結合剤中に分散させそして基体上に担持させてな
る磁気記録媒体に関するものである。本発明は特に、結
合剤の性状及びその製法に関する。
従来の技術 磁気記録媒体は一般に基層と、その上に配置された結
合剤分散層とを含有し、しかして該結合剤分散層は結合
剤組成物と顔料とを含有するものであり得、そして該顔
料は該結合剤組成物中に分散状態で存在する。一般に該
顔料は、微細磁性粒子からなる磁性顔料である。或場合
には、前記媒体は裏側被覆層と表側被覆層とを含み、こ
れらの被覆層は縮合剤分散層であり得る。この場合の裏
側被覆層中の顔料は磁性顔料であってもよく、またはな
くてもよい。
磁気記録媒体中に磁性顔料をできるだけ多く配合する
ことが望まれるようになった。結合剤の量を基準として
約70-80重量%の磁性顔料を含有し、単位面積または単
位体積当たりの磁性顔料の量をできるだけ多くなるよう
に構成した結合剤分散物が一般に好ましい。また、比較
的高い比表面積を有する多数の微細粒子を含有する磁性
顔料を配合した結合剤分散物が好ましい。顔料配合量を
多くすることによって、より多くの情報を記録できる高
密度磁気記録媒体の製造が可能になる。
しかしながら従来は、磁性顔料を多量含有する磁気記
録媒体の製造の際に種々の問題が生じた。第1の問題
は、磁性顔料が凝集傾向を有し、結合剤中に顔料全量を
適切に分散させるのが困難であることである。分散促進
のために潤滑剤すなわち分散剤がしばしば使用される。
顔料配合量、すなわち磁性粒子の使用量および重量が多
くなればなるほど、分散剤の所要量がますます多くなる
が、分散剤の大量使用が望ましくないこともあり得る。
種々の理由によって、分散剤の使用量はできるだけ少
なくするのが好ましい。分散剤を大量使用した場合に
は、磁気記録媒体の耐久性が低下することがあり得る。
また、過剰量の分散剤を使用した場合には、結合剤分散
物を硬化させてから若干の時間が経過した後にブルーム
が生じ、磁気ヘッド(記録ヘッド)を汚染することがあ
り、あるいは磁気記録媒体の物理的または化学的特性が
変化することがあり得る。また、大量の分散剤によっ
て、磁性を有する被覆層のモジュラスが低下することも
ある。このモジュラスが極端に低い場合には、あるい
は、比較的粗い表面を有する裏側の被覆層が所望される
場合には、たとえば、磁気テープの高速走行性能の向上
が所望される場合には、テープの巻取時に、裏側の被覆
層の粗い表面のために、表側の磁性を有する被覆層の比
較的平滑な表面上に圧痕が生じることがある。このよう
な圧痕はテープの出力に悪影響を与える。なぜならばテ
ープの表側の被覆層と磁気ヘッドとの間にスペーシング
損失(spacing loss)が生じるからである。分散剤の使
用量を少なくすることによって、磁気記録媒体の生産費
を下げることができる。さらに、分散剤の使用量の減少
によって、結合剤分散物の製造が一層容易になり、製品
の反復生産性も一層よくなる。
この技術分野における別の問題は、磁性顔料の配合量
が増大するにつれて、結合剤分散液の粘度が一般に増大
することである。分散液の粘度が極端に高い場合には、
これを基層上に塗布するのが困難であり、したがって、
磁性顔料を良好な磁気的配向性(magnetic orientatio
n)を以て配列するのが困難であり、すなわちスクエア
ネス比(Br/Bm)を0.75またはそれ以上にするのが困難
である。スクエアネス比(別名:矩形比)は残留飽和誘
導すなわち残留磁気(Br)と飽和誘導すなわち飽和磁気
(Bm)との比を意味し、しかしてこの値は、磁性粒子の
配向性の度合を示す値でもある。ランダムに配向した粒
子の場合には、スクエアネス比は0.5であり、理想的に
完全に配向した粒子の場合にはスクエアネス比は1.0で
ある。操作性の良好な記録媒体の場合には、スクエアネ
ス比は一般に0.75-0.85であり、この値が高いほど、操
作性は一層良好である。スクエアネス比0.75とスクエア
ネス比0.85との差異は、電磁気的特性1デシベルの改善
に相当し、すなわちこれは、信号出力および/またはSN
比(信号対雑音化)のごとき電磁気的特性の約10%の改
善に相当する。一般に、スクエアネス比の改善は粒子の
配向度および電磁気的性質の改善としてあらわれ、スク
エアネス比0.75をスクエアネス比0.80に高めること(す
なわち該比を0.05高めること)は、かなりの実用的効果
を奏するといえよう。
前記の顔料の大量配合時にみられる問題の解決のため
に、内部分散剤を含む結合剤組成物が開発された。該組
成物は、重合体の主鎖(back bone)から垂下したペン
ダント型官能基を含む重合体を含有するものである。こ
のようなペンダント型官能基を含む重合体は、磁性粒子
の分散剤として役立つ。該組成物を使用した場合には、
磁性粒子を結合剤中に分散させるために必要な分散剤の
量を減らすことができる。しかしながら、公知の内部分
散剤含有組成物は充分な効果を奏さず、したがって、顔
料を比較的多量含有し、および/または比較的高い磁性
配向度を有し、すなわち比較的高いスクエアネス比を有
する磁気記録媒体は得られなかった。
この種の公知組成物の一例として、スルホン化ポリウ
レタンを含有する組成物があげられる(たとえば米国特
許第4,152,485号明細書参照)。上記のスルホン化ポリ
ウレタンは低い粘度で効果を奏し、当初の磁性配向度が
良くなるけれども、これは充分に硬化せず、前記の良好
な配向度を長時間保つことは困難であり、耐久性も充分
でない。一般に結合剤の硬化は、配向した磁性顔料をそ
のまま維持できる程度に行うべきものである。
別の種類の内部分散剤を含む結合剤組成物は、ヒドロ
キシル官能性を有するスルホン化ポリウレタンであっ
て、これはたとえば特開昭61-198417号公報に記載され
ている。ヒドロキシル官能性を有するスルホン化ポリウ
レタンは、ヒドロキシル官能基がすぐれた架橋性を有す
るために、硬化性が非常に良好である。しかしながら、
ヒドロキシ官能性を有する公知スルホン化ポリウレタン
を含有する分散液は粘度が高く、当初の磁性粒子の配向
度を良くすることは困難であるかまたは不可能である。
磁気記録媒体の耐久性、走行性および信頼性の向上が
要求されるようになった。この目的の達成のために、顔
料含有結合剤に硬質材料を添加することが提案された。
該硬質材料の例には、内部分散剤を含む塩化ビニル共重
合体があげられ、その具体例には、ペンダント型のカル
ボキシル基またはペンダント型のスルホネート基を含む
塩化ビニル共重合体があげられる。この種の共重合体は
たとえば特開昭61-26932号公報および米国特許第4,731,
292号明細書に開示されている。しかしながら、このよ
うな塩化ビニル共重合体を普通のスルホン化ポリウレタ
ンと一緒に使用して、あるいはヒドロキシ官能性を有す
るスルホン化ポリウレタンと一緒に使用して結合剤組成
物を製造した場合には、該結合剤組成物を含有する分散
液は比較的高い粘度を有し、その結果得られる磁気記録
媒体は低いスクエアネス比を有する。このように、ペン
ダント型のカルボキシル基またはペンダント型のスルホ
ネート基を含む塩化ビニル共重合体を使用した場合に
は、高品質の磁気記録媒質は得られなかったのである。
また、大なるグリーン強度を有し、すなわち、未硬化
状態の場合に大なる耐摩もう性を有し、高いガラス転移
温度(Tg)を有し、かつ、最終被覆層が高いモジュラス
を有する磁気記録媒体が要求されるようになった。高い
グリーン強度、および最終被覆層の高いモジュラスは好
ましい性質であり、特に、比較的硬質のテープの場合に
は不可欠の性質であり、これらの性質が良好である場合
には録音または録画/再生機におけるテープの操作性が
良くなり、さらにまた、テープの製造または処理の際の
強度が増し、すなわち破損しにくくなる。たとえば、テ
ープの駆動性の改善のために、粗い面を有する裏側被覆
層を使用しなければならないような磁気記録テープの場
合に、上記の性質を与えることが必要になる。
発明の概要 本発明は、磁気記録媒体およびその類似物に使用する
ための低分散粘度を特徴とする結合剤組成物に関するも
のであって、内部分散部分及び交叉結合官能性を包含す
るものである。本発明は磁気顔料のすぐれた分散系を提
供する一方、比較的多量の磁性顔料の装荷条件下でさえ
比較的高い磁気配向[即ち少くとも0.75の直角度比(sq
uareness ratio)]を有する磁気記録媒体を同時に提供
するという利点を有する。低分散粘度を有することと共
に得られる別の利点として、本発明の結合剤組成物はま
た技術上知られている一層粘稠な結合剤組成物よりも記
録媒体の基体に適用するのにより容易であることであ
る。本発明はまた高度のグリーン(green)強度、高い
最終被覆モジュラス及び向上した耐久性を有する磁気記
録媒体を提供するという利点をも有する。
本発明の一面はスルホン化されたヒドロキシ官能性ポ
リウレタン重合体の約10乃至約90重量部を含む硬化性結
合剤組成物に関するものである。このポリウレタン重合
体の脊骨構造から複数のSO3M基が垂下してている。こ
のポリウレタン重合体は約2000-100,000、そして好まし
くは約5,000-30,000のSO3M当量を有する。カチオンM
はH+、Li+、Na+、K+、NR4(ここにRはH+又はアルキル
基であり得る)及びそれらの混合物よりなる群からから
選択される。
ポリウレタン重合体の脊骨構造から複数の交叉結合性
ヒドロキシル基が垂下している。
該ポリウレタン重合体のヒドロキシル当量は約500-1
0,000、好ましくは約1,000-5,000である。ヒドロキシル
基の大部分、好ましくは少なくとも90%、最も好ましく
はすべてのヒドロキシル基はポリウレタン重合体から局
部的に疎水性の位置で垂下している。
前記結合剤組成物はまた、スルホン化された、ヒドロ
キシ官能性を有する塩化ビニル共重合体を約10-90重量
部含有する。塩化ビニル共重合体の脊骨構造から複数の
SO3M基が垂下している。
該塩化ビニル共重合体のSO3M当量は約2,000-100,00
0、好ましくは約5,000-30,000である。該SO3M基中のカ
チオンMは、H+、Li+、Na+、K+、NR4 +(ここにRはH+
たはアルキル基であってよい)およびその混合カチオン
からなる群から選択される。
該塩化ビニル共重合体の脊骨構造から複数の交叉結合
性ヒドロキシル基が垂下している。この塩化ビニル共重
合体は約500乃至約10,000のヒドロキシル当量を有す
る。
本発明の別の一面によれば、磁気記録媒体に使用され
る分散液が提供される。該分散液は前記の結合剤組成物
を含有するものである。磁性顔料が該組成物中に分散さ
れる。
本発明のさらに別の態様によれば、磁気記録用複合体
が提供される。該複合体は、表側の面と裏側の面とを有
する基層を含む。該基層の少なくとも1つの面に前記分
散液が被覆される。該分散液は硬化できる。
本明細書中に官能基(functionality)又は部分(moi
ety)に関して使用される用語「当量」(equivalent we
ight)は官能基のモル又は当量当りの重合体のマス(ma
ss)を指す。
本発明の結合剤組成物は、磁気記録媒体の裏側の面の
被覆層または表側の面の被覆層もしくは両方の面の被覆
層として使用できる。該結合剤は、磁性粒子または非磁
性粒子からなる顔料の分散のために使用できる。もし所
望ならば、前記結合剤組成物は粒子を含有せずに使用で
きる。該結合剤は、ビデオテープ、コンピュータ用テー
プ、データ記録用カートリッジテープ等の磁気テープ、
ディスケット(diskette)(たとえば片面ディスケット
や両面ディスケット)のごとき種々の種類の磁気記録媒
体の製造のために使用できる。
本発明の結合剤組成物は、磁性顔料の分散促進のため
の湿潤剤を必要としないものである。すなわち、分散剤
の無添加下にさいてさえ、結合剤中に顔料70-80重量%
またはそれ以上を含有してなる非常にすぐれた分散液が
得られる。しかしながら本発明では任意成分として、ヘ
ッドクリーニング剤、湿潤剤、滑剤のごとき種々の助剤
が使用できることに留意されたい。この磁性粒子分散液
を有機ポリイソシアネート系架橋剤と共に使用した場合
には、該分散液は長いポットライフを有し、そして硬化
操作の後に、非常に良好な三次元的架橋結合が形成され
る。このようにすぐれた分散性および硬化性を有する結
合剤組成物が得られるから、本発明によれば、高いスク
エアネス比(すなわち、少なくとも約0.75-0.80または
それ以上のスクエアネス比)を有する高密度磁気記録媒
体が製造できる。
本発明の結合剤組成物を使用した場合には、また、高
いグリーン強度を有しかつ最終被覆層のモジュラスが大
である磁気記録媒体が得られる。このような性質を有す
るために、本発明の磁気記録媒体は耐久性、表面平滑
性、電磁気的性質、耐摩もう性が良好であり、かつ高温
高湿条件下における走行安定性も良好であるという特長
を有する。表側の面に磁性をもつ平滑な被覆層を有する
テープに適切なテープ駆動性を与えるために、テープの
裏側に比較的粗い被覆面を形成させなければならないよ
うな場合において、本発明の磁気記録媒体は、該裏側の
被覆層による表側の被覆層上の圧痕形成は非常に少ない
という特長を有する。
発明の詳細な記述 本発明の硬化性結合剤組成物は、スルホン化されてお
りヒドロキシル官能性を有する硬化性ポリウレタン重合
体を約10-90重量部含有する。該ポリウレタン重合体は
複数のセグメントから構成され、各セグメントは、ポリ
オールとポリイソシアネートとの反応の結果として生じ
た構造を有するものである。個々のセグメントは、可溶
性(疎水性)または不溶性(親水性)という特性を有す
る。用語“不溶性”は、当該セグメントのみからなる中
程度の分子量または高分子量のポリウレタン(たとえば
平均分子量約50,000のポリウレタン)を製造した場合に
は、該ポリウレタン重合体はメチルエチルケトン、シク
ロヘキサノン、トルエン、テトラヒドロフランのごとき
有機溶媒に溶解しないという特性を有するポリウレタン
セグメントを意味する用語である。一方、用語“可溶性
(のセグメント)”は、該セグメントのみからなる中程
度の分子量ないし高分子量のポリウレタン(たとえば平
均分子量5,000のポリウレタン)を製造した場合には、
該ポリウレタン重合体は前記溶媒に可溶であるという特
性を有するセグメントを意味する用語である。本発明に
係る好適なポリウレタン重合体は、可溶性セグメントと
不溶性セグメントとの両者を含有する。
可溶性(疎水性)セグメントおよび不溶性(親水性)
セグメントは一般に、相対的分子量、鎖長、および/ま
たは極性官能基すなわち極性基の量(相対的な量)によ
って同定でき、すなわち他のセグメントから区別でき
る。この場合におけるセグメント同定方法の1つは、セ
グメントのプレカーサ中の炭素原子の数と極性基の数と
の比を比較することである。ここに使用された用語“極
性基”はヒドロキシル基、スルホネート基、アミノ基、
ウレタン基、尿素基のごとき高極性基を意味し、ただし
エステル基、カーボネート基、エーテル基である官能基
は除外される。一般に、該比が約3:1より低い場合に
は、不溶性セグメントに相当するプレカーサであると同
定される。この方法によれば、たとえばネオペンチルグ
リコール(炭素原子5個/極性基2個)は、不溶性セグ
メントに相当するプレカーサである。ポリカプロラクト
ントリオール[たとえばユニオンカーバイド社製の市販
品“トーン(商標)−0305"(炭素原子約28個/極製基
3個)]は、可溶性セグメントに相当するプレカーサで
ある。一般に、疎水性すなわち可溶性の重合鎖セグメン
トはポリオールの残基からなる。ポリオールのヒドロキ
シル当量は少なくとも約60、好ましくは約100-500であ
る。ポリオールの平均分子量は少なくとも約180、好ま
しくは約200-1000である。該ポリオールは、最も好まし
くはトリオールである。
複数のSO3M基が前記ポリウレタン重合体の主鎖から
垂下しており、すなわち該SO3M基はペンダント型の基
である。該ポリウレタン重合体のSO3M当量は約2,000-1
00,000である。最も好ましくは、該ポリウレタン重合体
のSO3M当量は約5,000-30,000である。カチオンMは、H
+、アルカリ金属のカチオン(すなわちNa+、Li+、K+
およびNR4 +(ここにRは水素またはアルキル基であって
よい)からなる群から選択されたカチオである。好まし
くは、MはH+、Li+、Na+、K+およびその混合カチオンか
らなる群から選択される。最も好ましくは、MはLi+、N
a+、K+およびその混合カチオンからなる群から選択され
る。なぜならば、それに対応する酸類が最終重合体中に
残存するようなものである場合には、分解し易い重合体
が生じる傾向があるからである。一方、SO3M基(ここ
にMはLi+、Na+、K+およびその混合カチオンからなる群
から選択される)は、すぐれた分散性を有する基である
ことが見出された。
前記のSO3M基は、前記ポリウレタンの主鎖中に結合
した芳香族または脂肪族の有機基に付いたペンダント型
の基である。SO3M基が脂肪族基に付いたペンダント型
の基である場合には、この種の基は脂肪族SO3M基と称
される。SO3M基が芳香族基に付いたペンダント型の基
である場合には、この種の基は芳香族SO3M基と称され
る。
好ましくは、SO3M基は芳香族SO3M基であり、MはNa
+である。なぜならばこの種の化合物の少なくとも1種
は市場で容易に入手できるもであり、ポリウレタンの主
鎖に容易に結合でき、しかもその性質は周知であるから
である。好ましい芳香族スルホン酸ナトリウム化合物
は、ジメチルナトリウムスルホイソフタレート(DMSSI
P)である。
前記スルホネート基は疎水性または親水性環境中で存
在し得る。しかしながら、スルホネート基が親水性環境
中に存在する場合には、当該ポリウレタン樹脂の製造の
ために使用される単量体、または該樹脂自体は、或種の
有機溶媒(たとえばメチルエチルケトン、シクロヘキサ
ノン、トルエン、テトラヒドロフラン)に充分に溶解し
ないであろう。
複数の交叉結合性ヒドロキシル基が前記ポリウレタン
重合体の脊骨構造から垂下している。ポリウレタン重合
体のヒドロキシル当量は約500-10,000である。最も好ま
しくは、該ポリウレタン重合体のヒドロキシル基当量は
約1,000-5,000である。前記交叉結合性ヒドロキシル基
の大部分は、好ましくは90%またはそれ以上、最も好ま
しくは該基の全部が、前記ポリウレタン重合体から局部
的に疎水性の位置で垂下する。
用語“局部的に疎水性の位置”とは実質上極性即ち親
水性であるいかなる部分もヒドロキシル基のすぐ隣には
含まない重合体部分から交叉結合性のヒドロキシル基が
垂下していることを意味する用語である。
即ち交叉結合性ヒドロキシル基は可溶性(疎水性)鎖
セグメントから垂下しており、そのセグメントでは、炭
素原子数対極性基の数の比が約3:1より大きい。
各々のヒドロキシル基は、該ヒドロキシル基を最も近
接する極性基から離れて少くとも約5原子の長さを有す
る重合体鎖セグメント中に位置することが好ましい。最
も好ましくは、ヒドロキシ官能性はそのようなフラグメ
ント(fragment)もしくはセグメント内において実質的
に中心部に位置することである。重合体中の部分に言及
するのに使用される場合、用語“交叉結合性”及びその
変形は最終硬化で交叉結合のために利用可能な部分に言
及することを意味する。すべての交叉結合性部分が最終
硬化の間に必ず交叉結合されることを意味したり示唆し
たりはしない。
本発明に従って使用されるポリウレタン重合体の独得
な特徴は、疎水性の環境を含み、大部分の架橋性ヒドロ
キシル基は前記環境中に存在し、該環境は、分散効果を
有するスルホネート基の存在する環境との関連下に存在
することである。この特徴を有するポリウレタンは一般
に、顔料を添加したときに比較的低濃度の分散液を形成
する。たとえば、本発明に従って使用されるポリウレタ
ン重合体は一般に、磁性顔料のごとき顔料類を添加して
分散液としたときの粘度(“分散液粘度”と称する)が
約20,000センチポイズより低く、好ましくは約5,000セ
ンチポイズより低い。分散液濃度が低いという特徴を有
するために、本発明に従って前記ポリウレタン重合体を
使用することによって、高いスクエアネス比を有する磁
気記録媒体が製造できる。
本発明の特徴は分散粘度が低いことであるが、その理
由は未だ充分に解明されていない。本発明者は或特定の
学説に束縛されることを望むものではないけれども、下
記の推論をなすことが可能であると考えられる。実際に
試験を行った結果、ヒドロキシル基と顔料粒子の表面上
の酸化物との相互作用によって粘度が一般に上昇するこ
とが判明した。疎水性環境中では、親水性環境中の場合
よりも、架橋性ヒドロキシル基は顔料粒子の表面に接触
してそこに結合する機会が一層少ないように思われる。
その結果、架橋性ヒドロキシル基と顔料粒子の表面上の
酸化物との相互作用は最少限に少なくなる。さらに、架
橋性の基すなわちヒドロキシル基と、分散効果を有する
基すなわちSO3M基との相互作用も最少限に少なくな
る。かように、本発明に従って使用されるポリウレタン
重合体が奏する効果の少なくとも一部は、架橋性ヒドロ
キシル基と顔料粒子の表面上の酸化物との相互作用が低
下した結果として得られたものであると考えられる。さ
らにまた、スルホネート基と顔料粒子の表面上の酸化物
との相互作用は、磁性顔料の分散を促進すると思われ
る。
本発明に使用されるスルホン化されておりヒドロキシ
官能性を有する硬化性ポリウレタン重合体は、少なくと
も2個の反応性イソシアネート基を有するスルホン化ポ
リイソシアネートと、ポリオールとを反応させることに
よって製造できる。該ポリオールは一般に疎水性のもの
である。少なくとも3個の反応性ヒドロキシル基を有
し、ヒドロキシル当量が少なくとも約60であるポリオー
ルが一般に好ましい。該ポリオールは2個の反応性ヒド
ロキシル基の場所でスルホン化ポリイソシアネートと反
応し、これによって、少なくとも1個のヒドロキシル基
を有するポリウレタン樹脂が得られる。ポリウレタン樹
脂中の少なくとも1個のヒドロキシル基は、その後の該
重合体樹脂の硬化工程において架橋反応のために使用で
きる基である。ポリオールの使用量は、反応性イソシア
ネート基の量を基準とし、その少なくとも約67%過剰の
反応性ヒドロキシル基を充分提供できるような量である
べきである。
前記ポリオールは一般にトリオールである。好ましい
トリオールは、約180より高い分子量を有するトリオー
ルである。分子量約200-1,000のトリオールが最も好ま
しい。好適な種類のトリオールはポリカプロラクトント
リオールである。特に有用なトリオールは、ヒドロキシ
ル当量が約180であるポリカプロラクトントリオールで
ある(分子量約540)。この程度の高い分子量を有する
トリオールの一例として、ユニオン、カーバイド社から
“トーン(商標)−0305"なる商品名で市販されている
ものがあげられる。他の有用なトリオールの例にはポリ
プロピレンオキサイドトリオールがあげられ、さらにま
た、ポリカプロラクトントリオール以外のポリエステル
トリオール(たとえばブチレンアジペートトリオール)
があげられる。
トリオール中のヒドロキシル基は、好ましくは第1級
ヒドロキシル基である。第1ヒドロキシル基は、硬化剤
との迅速な反応によって重合体を生成させる作用を促進
する。この第1アルコールとジフェニルメタンジイソシ
アネートのごときジイソシアネート化合物との反応は、
約45-70℃の温度において比較的速やかに進行する。或
場合には、反応促進のためにジブチル錫ジラウレートま
たはジメチル錫ジラウレートのごとき触媒を使用でき
る。しかしながら、容易に理解されるように、本発明に
係る組成物に或種の第2トリオールを使用することも可
能である。さらにまた、容易に理解されるように、種々
のトリオールの混合物も使用できる。
スルホン化ポリイソシアネートは、スルホン化ジオー
ルと過剰量のポリイソシアネートとを反応させることに
よって製造できる。スルホン化ジオール中のヒドロキシ
官能基の数を基準として、ポリイソシアネート中のイソ
シアネート官能基の数を少なくとも30%過剰にするのが
好ましい。
前記反応は一般に次式で表わされる。
広範囲にわたる種々の種類のポリイソシアネートが、
本発明に係る前記重合体の製造のために使用できる。周
知でありかつ特に有用なポリイソシアネートは、ジイソ
シアネート(たとえばジフェニルメタンジイソシアネー
ト)である。他の有用なジイソシアネートの例にはイソ
ホロンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、
ヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイ
ソシアネート、p−フェニレンジイソシアネートがあげ
られる。種々のジイソシアネートの混合物もまた使用で
きる。
好ましい種類のスルホン化ジオール単量体は、ジメチ
ルナトリウムスルホイソフタレート(DMSSIP;別名:ス
ルホイソフタル酸ジメチルナトリウム)1当量と、適当
なジオール約2−4当量とを反応させることによって製
造できる。該イソフタレートは2個のエステル基を含
み、該エステル基は2当量のジオールとの反応によって
容易に“エステル化”でき、これによって、芳香族スル
ホネート基を含む伸長したジオール構造を有する生成物
が生じる。或場合には、反応促進のためにチタン酸テト
ラブチルのごとき触媒が使用できる。
種々の種類のジオールが使用できる。また、種種のジ
オールの混合物も使用できる。好ましいジオールは、ヒ
ドロキシル当量約200-2,000のポリカプロラクトンジオ
ールである。この種のジオールの例には、ユニオンカー
バイド社から市販されている“トーン(商標)−0210"
があげられる。“トーン(商標)−0210"は、ヒドロキ
シル当量約415のポリカプロラクトンである。1当量のD
MSSIPを約4当量の“トーン(商標)−0210"と反応させ
ることによって、ヒドロキシル当量が約603であり分子
の中央に芳香族スルホネート基が存在するスルホン化ジ
オールが得られる。
本発明に係る前記重合体の製造原料として使用される
スルホン化単量体の合成のためにDMSSIPとの反応に供し
得るジオールの別の例には、ポリエーテルジオール(た
とえばポリテトラメチレングリコールおよびポリプロピ
レングリコール)、ポリカーボネートジオール[たとえ
ば、米国ペンシルバニア州ピッツバーグ(15272)のPPG
インダスリース社から“ズラカルブ−120"なる商品名で
市販されているポリカーボネートジオール]、ポリエス
テルジオール(たとえばアジピン酸とブタンジオールと
の反応生成物であるポリエステルジオール)があげられ
る。さらに、ナトリウムジメチル−5−スルホイソフタ
レートを別のジエステルまたはジ酸と共に使用すること
も可能であり、このジエステルの例にはイソフタル酸ジ
メチル、テレフタル酸ジメチル、アジピン酸ジメチルが
あげられる。また、スルホネート基を含むコポリエステ
ルジオールの製造のために、前記スルホイソフタレート
をジオールと共に使用することもできる。このようなジ
オールの例にはエチレングリコール、プロピレングリコ
ール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、
1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオ
ペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ジプロピ
レングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジ
オール、1,4−シクロヘキサンジメチロールがあげら
れ、さらにまた、ビスフェノールAとエチレンオキサイ
ドおよび/またはプロピレンオキサイドとのアダクト、
水素化ビスフェノールAとエチレンオキサイドおよび/
またはプロピレンオキサイドとのアダクト、ポリエチレ
ングリコール、ポリプロピレングリコールおよびポリテ
トラメチレングリコールがあげられる。
好ましい性質をポリウレタン重合体に与えるために、
他のポリオールを該ポリウレタン重合体の製造の際に任
意成分として使用することが好ましい場合もあり得る。
たとえば、柔軟性および強度特性の改善のためにポリウ
レタン主鎖に連鎖伸長剤を結合させることができる。前
記ポリオールは一般にジオールであり、したがって、こ
のようなポリオールを任意成分としてポリウレタン重合
体の製造の際に使用した場合には、その後の架橋反応の
ために利用できる未反応ヒドロキシル基を比較的少量含
むポリウレタン重合体が得られる。該ポリオールの例に
はネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、1,6
−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、エ
チレングリコール、ポリエステルポリオール[たとえば
既述の市販品である“トーン(商標)−0210"および
“トーン(商標)−0230"があげられ、これらは本明細
書中で“非スルホン化ジオール”と称される。生成物に
好適な特性を与えるために、分子量の多少低いスルホネ
ート基非含有ジオール(たとえば分子量約120未満のジ
オール)を使用するのが好ましい。また、生成物に好適
な特性を与えるために、分子量が比較的大きい非スルホ
ン化ジオールが使用でき、該ジオールの例には前記のポ
リカプロラクトンジオール[たとえば前記の市販品“ト
ーン(商標)−0210"および“トーン(商標)−0230"]
があげられる。また、既述の反応体のために前記物質の
混合物を使用することも可能である。
本発明に係るポリウレタン重合体の好ましい製造方法
は、既述の3種の必須成分、すなわちスルホン化ジオー
ルと、ポリイソシアネートと、トリオールとの反応を包
含するものである。前記の好ましい方法は、本明細書中
では“プレポリマー合成法”と称する。この方法によれ
ば、重合体中の疎水性セグメントのプレカーサであるト
リオールに含まれるペンダント型ヒドロキシル基が、確
実に重合体中の未反応ヒドロキシル基(すなわち、最終
硬化反応に利用できるヒドロキシル基)の実質的に全部
を占めるものになる。前記ジオールもまた疎水性(すな
わち可溶性)物質である場合には、重合体中の未反応ヒ
ドロキシル基の全部をトリオールから確実に供給するこ
とは、必らずしも必要ではない。
第1段階において、スルホン化ジオールおよび他のポ
リオール(任意成分)(たとえば非スルホン化ジオー
ル)を過剰量のポリイソシアネートと反応させて、スル
ホン化ポリイソシアネートを生成させる。ジオールのヒ
ドロキシル基を実質的に完全に反応させるために、充分
に過剰量のイソシアネート官能基を使用すべきである。
たとえば、前記ジオールおよび任意添加成分であるポリ
オール中のヒドロキシル官能基の数を基準として、ポリ
イソシアネート中の反応性イソシアネート官能基を少な
くとも30%過剰使用すべきである。これによって、その
後の架橋反応に利用できる反応性ヒドロキシ官能基を比
較的少量しか含まないスルホン化ポリイソシアネートが
得られる。
第1段階で得られたスルホン化ポリイソシアネート生
成物を、第2段階において過剰量のトリオールと反応さ
せる。トリオール反応体は一般に比較的高い分子量を有
するものであり、すなわち分子量は少なくとも約180、
好ましくは約200-1,000である。該トリオールはヒドロ
キシル基以外の極性官能基を少量しか含まず、かつ該ト
リオール中のヒドロキシル基は相互にかなりの間隔をお
いて配列したものであるべきである。この反応では、ス
ルホン化ポリイソシアネート中のイソシアネート官能基
の数を基準として、トリオール中のヒドロキシ官能基が
少なくとも67%過剰になるように、これらの反応体を使
用するのが好ましい。
前記の“プレポリマー合成法”の好ましい一具体例に
ついて説明する。スルホネートジオール単量体とネオペ
ンチルグリコールとジフェニルメタンジイソシアネート
とをメチルエチルケトン溶媒中で混合する。この混合
は、当初のイソシアネート基の数対ヒドロキシル基の数
の比が約1.3になるように行う。反応に関与し得るヒド
ロキシル基が全部反応した後に、余剰のイソシアネート
基を含むプレポリマーが得られる。次いで該プレポリマ
ーと疎水性トリオールとを、イソシアネート基対ヒドロ
キシル基の比が約0.3ないし0.6になるように反応させ
る。その結果得られるポリウレタン重合体生成物は、疎
水性重合鎖セグメントに垂下している交叉結合性ヒドロ
キシル基を含むものである。
本発明の硬化性結合剤組成物はまた、スルホン化され
ておりヒドロキシ官能性を有する硬化性塩化ビニル共重
合体を約10-90重量部含有する。この塩化ビニル共重合
体は、塩化ビニル単量体と、ペンダント型のSO3M基を
含むスルホン化単量体と、任意成分であるペンダント型
のエポキシ基を含む単量体と、任意成分である他種の共
重合可能単量体とを共重合させることによって製造でき
る。前記の“他種の単量体”は、ビニル基を含むものが
好ましい。得られるべき塩化ビニル共重合体の性質を所
望通りに最適にするため、前記の共重合用単量体の混合
態様は種々変えることができる。硬化性塩化ビニル共重
合体を本発明の結合剤組成物の硬質成分として使用し、
そして該共重合体を、前記硬化性組成物の軟質成分とし
て使用される前記硬化性ポリウレタン重合体と組合わせ
るのが好ましい。
前記塩化ビニル共重合体は種々の重合方法によって製
造でき、たとえば乳濁重合、溶液重合、懸濁重合、ブロ
ック重合方法等によって製造できる。どの重合方法の場
合でも、分子量制御剤、重合開始剤および共重合用単量
体を、必要に応じて間欠的または連続的に添加できる。
塩化ビニル共重合体中の塩化ビニル単量体ユニットの
量を少なくとも60重量%にするのに充分な量の塩化ビニ
ル単量体を存在させるのが好ましい。
共重合反応に関与し得るペンダント型のSO3M基を含
む適当なスルホン化単量体の例には次のものがあげられ
る。
CH2=CHSO3M、 CH2=CHCH2SO3M、 CH2=C(CH3)CH2SO3M、 CH2=CHCH2OCOCH(CH2COOR)SO3M、 CH2=CHCH2OCH2CH(OH)CH2SO3M、 CH2=C(CH3)COOC2H4SO3M、 CH2=CHCOOC4H8SO3M、 CH2=CHCONHC(CH3)2CH2SO3M。
上式において、MはH+、アルカリ金属のカチオン(す
なわちNa+、Li+、K+)およびNR4 +(ここにRは水素また
はアルキル基であってよい)からなる群から選択された
カチオンである。好ましくは、MはH+、Li+、Na+、K+
およびその混合カチオンからなる群から選択される。最
も好ましくは、MはNa+、Li+、K+およびその混合カチオ
ンからなる群らか選択される。なぜならば、それに対応
する酸が最終共重合体中に存在した場合には、この酸の
ために、共重合体全体が分解し易いものになる傾向があ
るからである。MがLi+、Na+、K+およびその混合カチオ
ンからなる群から選択されたカチオンであるSO3M基
は、すぐれた分散効果を有する基であることが見出され
た。Rはアルキル基、好ましくは炭素原子1-20個を有す
るアルキル基である。
あるいはスルホネート基は、ペンダント型のヒドロキ
シル基を有する塩化ビニル共重合体中に、次式の反応に
よって導入できる。
上記の反応式において、Rは炭化水素基を表わす。
前記のスルホン化単量体の使用量は、次の条件をみた
す塩化ビニル共重合体を生成させるのに充分な量である
べきであり、すなわち、複数のペンダント型SO3M基を
含み、SO3M当量が約2,000-100,000であるという条件を
みたす塩化ビニル共重合体を生成させるのに充分な量で
あるべきである。SO3M当量が約5,000-30,000である塩
化ビニル共重合体が最も好ましい。
前記のポリウレタン重合体および塩化ビニル共重合体
の両者において、SO3M当量が極端に小さい場合には、
磁性粉末を分散させる作用を充分に有しないであろう。
一方、SO3M当量が極端に大きい場合には、その結果得
られる重合体は親水性が極端に大きく、有機溶媒に充分
に溶解せず、被覆層にしたときの耐水性が低く、かつ磁
性粉末が凝固し、その結果として、分散性が悪くなるこ
とがあり得る。
複数の架橋性ドロキシル基を含み、該ヒドロキシル基
が塩化ビニル共重合体の主鎖から垂下したペンダント型
の基であるという条件をみたす塩化ビニル共重合体を提
供するという目的のために、該塩化ビニル共重合体はペ
ンダント型のヒドロキシル基を有する単量体ユニットを
含有する。該単量体ユニットの存在量は、該塩化ビニル
共重合体のヒドロキシル当量を約500-10,000にするのに
充分な量であるべきである。ペンダント型のヒドロキシ
ル基を含む適当な単量体の例には、炭素原子2−4個の
β−不飽和酸のアルカノールエステル(たとえばメタク
リル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロ
キシプロピルまたはその類似物)、不飽和ジカルボン酸
のアルカノールエステル(たとえば2−ヒドロキシプロ
ピルモノマレエート、2−ヒドロキシプロピルジマレエ
ート、2−ヒドロキシブチルモノイタコネートまたはそ
の類似物)、オレフィン型アルコール(たとえば3−ブ
テン−1−オール、5−ヘキセン−1−オールまたはそ
の類似物)、アルカノールビニルエーテル(たとえば2
−ヒドロキシエチルビニルエーテル、2−ヒドロキシプ
ロピールビニルエーテルまたはその類似物)、アクリル
アミド(たとえばN−メチロールアクリルアミド、N−
メチロールメタクリルアミドまたはその類似物)があげ
られる。
あるいは、塩化ビニル単量体ユニットおよび酢酸ビニ
ル単量体ユニットを含む塩化ビニル共重合体は部分的に
加水分解でき、これによって、ペンダント型の架橋性ヒ
ドロキシル基(すなわち、イソシアネートと反応し得る
ヒドロキシル基)を含む塩化ビニル共重合体が得られ
る。このような塩化ビニル共重合体は、次式 のユニットのごとき単量体ユニットを含むであろう。
前記酢酸ビニル基のうちの一部の基の加水分解によっ
て生じた架橋性ヒドロキシ官能基は、硬化剤による架橋
反応に関与し得るものである。
好ましくは、塩化ビニル共重合体は、次式 の基のごときペンダント型のエポキシ基を含む。この
ようなエポキシ単量体を含む塩化ビニル共重合体中の単
量体ユニットは、たとえば次式 (ここに、XはSO3M基を含む単量体ユニットの一部
を表わす) のユニットである。
ペンダント型のエポキシ基を含む単量体を使用するこ
とによって、塩化ビニル共重合体の熱安定性、柔軟性、
耐摩もう性等の諸性質が改善できる。
分散性の結合剤組成物にエポキシ基が存在する場合に
は、このエポキシ基によって、磁性粒子含有層の脱塩素
が最小限に抑制される。塩化ビニル共重合体のエポキシ
当量を種々変えることによって、エポキシ基はまた結合
剤組成物の可塑化作用およびガラス転移温度(Tg)の調
節のために役立つ。
ペンダント型のエポキシ基を有する適当な単量体の例
には不飽和アルコールのグリシジルエーテル(たとえば
アリルグリシジルエーテルまたはメタリルグリシジルエ
ーテル)、不飽和酸のグリシジルエステル[たとえばア
クリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、p−ビ
ニル安息香酸グリシジル、イタコン酸メチルグリシジ
ル、エチルマレイン酸グリシジル、ビニルスルホン酸グ
リシジル、アリル(またはメタリル)スルホン酸グリシ
ジル、またはその類似物]、エポキシドオレフィン(た
とえばブタジエンモノオキサイド、ビニルシクロヘキセ
ンモノオキサイド、2−メチル−5,6−エポキシヘキセ
ンまたはその類似物)があげられる。
前記の単量体の使用量は、塩化ビニル共重合体のエポ
キシ当量が約500-30,000、好ましくは約1,000-10,000に
なるような量である。エポキシ当量が約30,000より大き
い値である場合には、共重合体の耐熱性が低下するであ
ろう。
共重合反応に関与し得る他種の単量体の例には、種々
の種類のビニルエステル(たとえば酢酸ビニル)、塩化
ビニリデン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、
スチレン、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エス
テル(たとえばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、
アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アク
リル酸2−エチルヘキシル)、メタクリル酸エステル
(たとえばメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、
メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、
メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−ヘキシル、
メタクリル酸ラウリル)、および他の種々の不飽和単量
体(たとえばビニルエーテル、アリールエーテル、アリ
ールエステル、アクリルアミド、メタクリルアミド、マ
レイン酸、マレイン酸エステル、モノオレフィン、ジオ
レフィン)があげられる。
本発明の分散液は一般に、結合剤組成物と、該結合剤
組成物中に分散状態で存在する顔料とを含有してなるも
のである。結合剤組成物は、既述の硬化性ポリウレタン
重合体と、硬化性塩化ビニル共重合体との混合物であ
る。顔料は磁性または非磁性顔料であってよい。結合剤
中への顔料の分散は、既述の結合スルホネート基によっ
て促進される。その結果得られた分散液は容易に基層に
塗布でき、そして残留せる架橋性ヒドロキシル基の反応
を通じて硬化できる。
本発明に従って特徴づけられたポリウレタンを用いる
ことを包含する顔料粉末の分散液の製造操作は、比較的
単純な操作である。1インチ当たりのフラックスの変化
(flux changes)が少なくとも約30,000であるような高
密度磁気媒体の製造の場合に使用される磁性顔料を比較
的多量含有する分散液、すなわち結合剤の量を基準とし
て磁性顔料を約70-80重量%含有する分散液を調製する
ときでさえ、湿潤剤すなわち分散剤の添加は一般に省略
できる。種々の種類の顔料が使用でき、その例には酸化
鉄、ガンマ酸化鉄、酸化クロム、鉄、鉄−コバルト、コ
バルト、ニッケル、コバルト−ニッケル、コバルト−
燐、バリウムフェライト等の顔料があげられる。
容易に理解されるように、顔料配合量、密度、溶媒系
等は種々変えることができる。製造方法の一例を示す。
表面積50m2/g、粉末時の保磁力780エルステッドの微粉
状顔料(Co-γ‐Fe2O3)100部、結合剤30部および溶媒2
14部を混合し、鋼製媒体を含む容量0.5lのサンドミルに
入れ、8時間にわたって動かして混合する。これによっ
て得られた分散液は、ナイフコーチング方法によって重
合体質基層(たとえばポリエチレンテレフタレートから
なる基層)に容易に被覆できる。
或種の被覆操作(たとえば裏側の面への被覆操作)の
場合には、結合剤中への磁性粒子の配合は不必要である
こともあり得る。
前記分散物は多官能性イソシアネート系硬化剤(たと
えばトリイソシアネート系架橋剤)の作用下に容易に硬
化できる。顔料、溶媒および結合剤を含む分散液の調製
後に、架橋剤すなわち硬化剤(curative)が添加でき
る。硬化剤の例には、トルエンジイソシアネートとメリ
メチロールプロパンとの3:1アダクトのごときトリイソ
シアネートからなるものがあげられる。この種の硬化剤
の例には、モーベイ社製の市販品“モンダー(商標)CB
-75"があげられる。硬化剤は、結合剤の重量を基準とし
て約1-20%添加するのが好ましい。分散液を被覆し乾燥
した後に、室温または高温(50-60℃)において硬化さ
せる(分散液およびその乾燥物を、“分散物”と総称す
る)。
本発明の有用な分散液には、種々の種類の助剤が配合
できる。助剤の例にはヘッドクリーニング剤および滑剤
があげられる。湿潤剤や分散剤も使用できるけれども、
本発明の結合剤には一般に不必要である。
前記の結合剤を磁気記録媒体の裏側の面の被覆物とし
て使用する場合には、該被覆物は非磁性顔料を含有し
得、しかして非磁性顔料の例にはカーボンブラック、グ
ラファイト、酸化アルミニウム、二酸化チタン、酸化亜
鉛、シリカゲル、炭酸カルシウム、硫酸バリウムがあげ
られる。
前記の結合剤は、テープ(たとえばビデオテープ、コ
ンピュータテープ、データカートリッジテープ)、ディ
スケット(片面ディスケットと両面ディスケットとの両
者を包含する)のごとき磁気記録媒体の製造のために使
用できる。
(a)磁性粒子を含む分散液の粘度、および(b)被
覆層のスクエアネス比の両者に関する本発明の効果を具
体的に例示するために、次に実施例を示す。
実施例 本発明の結合剤組成物の効果をみるために、重合物質
である結合剤を5種使用した。
結合剤A: スルホン化されておりヒドロキシ官能性およびエポキシ
官能性を有する塩化ビニル共重合体。
日本ゼオン社製の市販品(商品名“MR-120") スルホネート当量:19,000グラム/グラムモル ヒドロキシ当量:1,900グラム/グラムモル エポキシ当量:5,400グラム/グラムモル 結合剤B: スルホン化されておりヒドロキシ官能性およびエポキシ
官能性を有する塩化ビニル共重合体。
日本ゼオン社製の市販品(商品名“NR-110") スルホネート当量:16,000グラム/グラムモル ヒドロキシル当量:4,250グラム/グラムモル エポキシ当量:1,400グラム/グラムモル 結合剤C: カルボキシ官能性およびヒドロキシ官能性を有する塩化
ビニル共重合体。
ユニオンカーバイド社製の市販品(商品名“ユーカー
マグバインダー528") カルボキシル当量:5,600グラム/グラムモル ヒドロキシル当量:850グラム/グラムモル 結合剤D: ヒドロキシ官能性塩化ビニル共重合体 ユニオンカーバイド社製の市販品(商品名“VAGH") ヒドロキシル当量:740グラム/グラムモル 結合剤E: スルホン化されておりヒドロキシ官能性を有するポリウ
レタン スルホネート当量:12,000グラム/グラムモル ヒドロキシル当量:1,700グラム/グラムモル 結合剤Eの製造 既述の“トーン−0210"67.77kg(164当量)、トルエ
ン8.16kgおよびDMSSIP5.72kg(39当量)を混合し、次い
でトルエンの留出下に80℃に加熱した。残存せるトルエ
ンを真空下に110℃において除去した。窒素の存在下に
真空状態を解放し、チタン酸テトラブチル40gを添加し
た。反応混合物を窒素の存在下に200℃に加熱し、メタ
ノールの留出物を集めながらこの状態を3時間保った。
120℃に冷却した後に、反応混合物を真空吸引し、この
状態を4時間保った。スルホン化ジオール生成物を濾過
によって回収し、冷却した。このスルホン化ジオールの
ヒドロキシル当量は603gであった。スルホネート当量は
3745gであった。
メチルエチルケトン74.84kg、シクロヘキサノン18.14
kg、ネオペンチルグリコール3.97kg(76.2当量)、およ
び前記のスルホン化ジオール15.88kg(29.1当量)を混
合し、次いでメチルエチルケトン9.1kgを留去させた。
ジフェニルメタンジイソシアネート17.15kg(137.2当
量)およびジブチル錫ジラウレート23gを添加した。反
応混合物を35℃に3時間保ち、このプレポリマー溶液
を、清潔でありかつ乾燥した保持容器に入れた。このプ
レポリマーのイソシアネート当量は1,450グラム/当量
であった。反応器にメチルエチルケトン22.68kgおよび
“トーン−0305"12.02kg(66.8当量)を入れて混合し、
この反応混合物の撹拌下に前記プレポリマーを添加し
た。イソシアネートが反応した後に、ジフェニルメタン
ジイソシアネート1.2kgをさらに添加した。得られた生
成物の最終固有粘度(テトラヒドロフラン中)は0.30で
あった。この生成物のヒドロキシ当量は1,700グラム/
当量であり、スルホネート当量は12,000グラム/当量で
あった。
前記の結合剤Eの製造のために使用された市販材料
は、次の組成を有するものであった。
“トーン−0305":ユニオンカーバイド社製の分子量約
540、ヒドロキシル当量約180のポリカプロラクトントリ
オール “トーン−0210":ユニオンカーバイド社製の分子量約
825、ヒドロキシル当量約415のポリカプロラクトンジオ
ール DMSSIP:芳香族スルホン酸のナトリウム塩の一種であ
る分子量約296のジメチルナトリウムスルホイソフタレ
ート 実施例1 下記の量の各成分を用いて本発明の磁気テープを製造
した。 成 分 重量部 Co-γ‐Fe2O3(比表面積50m2/g) 100 結合剤E 17.5 結合剤A 7.5 メチルエチルケトン 186 トルエン 0 シクロヘキサノン 46 前記の組成物を容量0.5lのサンドミル(鋼製媒体を含
む)に入れ、混合、分散操作を8時間行った。得られた
分散液を、ナイフ被覆操作によってポリエチレンテレフ
タレートフィルム(厚み25μm)上に被覆した。得られ
た被覆フィルムを、1400エルステッドの平行磁場内に約
1秒間置いた。得られた磁性層の厚みは約5μmであっ
た。
実施例2 例1記載の製法に従って、下記の量の各成分を用いて
本発明の磁気テープを製造した。 成 分 重量部 Co-γ‐Fe2O3(比表面積50m2/g) 100 結合剤E 12.5 結合剤A 12.5 メチルエチルケトン 186 トルエン 0 シクロヘキサノン 46 実施例3 例1記載の製法に従って、下記の量の各成分を用いて
本発明の磁気テープを製造した。 成 分 重量部 Co-γ‐Fe2O3(比表面積50m2/g) 100 結合剤E 17.5 結合剤B 7.5 メチルエチルケトン 175 トルエン 58 シクロヘキサノン 58 実施例4 例1記載の製法に従って、下記の量の各成分を用いて
本発明の磁気テープを製造した。 成 分 重量部 Co-γ‐Fe2O3(比表面積50m2/g) 100 結合剤E 12.5 結合剤B 12.5 メチルエチルケトン 175 トルエン 58 シクロヘキサノン 58 比較例A 例1の場合と類似の製法に従って、下記の量の各成分
を用いて、例1記載の磁気テープに類似の比較用磁気テ
ープを製造した。例1との唯一の相異点は、結合剤Aの
代わりに結合剤Cを使用したことであった。結合剤C
は、結合剤Aの場合と異なって、スルホネート官能基を
含まないものであった。 成 分 重量部 Co-γ‐Fe2O3(比表面積50m2/g) 100 結合剤E 12.5 結合剤C 7.5 メチルエチルケトン 175 トルエン 58 シクロヘキサノン 58 比較例B 例2の場合と類似の製法に従って、下記の量の各成分
を用いて、例2の磁気テープに類似の比較用磁気テープ
を製造した。例2との唯一の相異点は、結合剤Aの代わ
りに結合剤Cを使用したことであった。結合剤Cは、結
合剤Aの場合と異なって、スルホネート官能性を有しな
いものであった。 成 分 重量部 Co-γ‐Fe2O3(比表面積50m2/g) 100 結合剤E 12.5 結合剤C 12.5 メチルエチルケトン 175 トルエン 58 シクロヘキサノン 58 比較例C 例3の場合と類似の製法に従って、下記の量の各成分
を用いて、例3の磁気テープに類似の比較用磁気テープ
を製造した。例3との唯一の相異点は、結合剤Bの代わ
りに結合剤Dを使用したことであった。結合剤Dは、結
合剤Bの場合と異なって、スルホネート官能性を有しな
いものであった。 成 分 重量部 Co-γ‐Fe2O3(比表面積50m2/g) 100 結合剤E 17.5 結合剤D 7.5 メチルエチルケトン 17.5 トルエン 58 シクロヘキサノン 58 既述の実施例に記載のテープ製造用分散液の粘度を測
定した。また、各実施例において製造された磁気テープ
の磁性粒子含有被覆層のスクエアネス比を測定した。そ
の結果を第1表に示す。
[備考] 1--分散液の粘度(センチポイズ)は、分散液の流動の
し易さを示す尺度である。磁性粒子分散液の粘度は、ブ
ルックフィールド粘度計“型式LVTD"(スピンドルLV-3
を使用)(ブルックフィールド、エンジニアリング、ラ
ボラトリーズ社製)を用いて測定した。一般に、粘度が
比較的高い磁性粒子分散液を、溶媒の少量使用、磁性粒
子の大量配合または高スクエアネス比等の条件下に使用
した場合には、高品質磁気記録媒体を得ることは不可能
である。
2--スクエアネス比すなわち矩形比(Br/Bm)は、残留磁
気(Br)対飽和磁気(Bm)の比である。ランダム配向粒
子の場合にはスクエアネス比は0.5であり、理想的な完
全配向粒子におけるスクエアネス比は1.0である。
第1表のデータから明らかなように、塩化ビニル共重
合体中に−SO3Na基が存在する場合には磁性粒子分散液
の粘度が低下し、かつ、該分散液から作られた磁性粒子
含有被覆層におけるスクエアネス比が高くなる。
実施例5−6 これらの実施例は、本発明に従って結合剤中に塩化ビ
ニル共重合体を存在させた場合には、該結合剤を用いて
製造された磁気記録媒体の物理的特性が向上することを
具体的に例示したものである。
実施例5、実施例6および比較例Dの結合剤を、下記
の成分を用いて製造した。
容量55ガロンの容器にテトラヒドロフランを入れ、Co
-γ‐Fe2O3、酸化アルミニウム、結合剤Eおよび結合剤
Aを添加し、得られた混合物を容量22lの水平サンドミ
ル(ガラス媒体を使用)に入れて混練操作を約14時間行
った。
得られた分散液を、濾材(市販品、商品名“ニッポ
ン、ローキHT-40")を用いて濾過した。濾過後の分散液
にポリイソシアネート化合物、ミリスチン酸およびステ
アリン酸ブチルを添加した。その結果得られた分散液
を、グラビア被覆手段によってポリエチレンテレフタレ
ートフィルム(厚み11μm)の表側の面に被覆した。該
ポリエチレンテレフタレートフィルムの裏側の面には、
グラビア被覆手段によって、カーボンブラック、酸化ア
ルミニウムおよび結合剤からなる裏側面被覆剤を被覆し
た。裏側の面の被覆操作は、前記の磁性粒子分散液を表
側の面に被覆する前に行った。裏側の面の被覆剤は次の
方法によって調製した。粒子径42nm、比表面積80m2/gの
カーボンブラック100重量部、酸化アルミニウム9重量
部、分散剤(ホスホリル化ポリオール/第四級アンモニ
ウム塩混合物)5重量部、フェノキシ樹脂(ユニオンカ
ーバイド社から“PKHH"なる商品名で市販されている樹
脂)58重量部、ポリウレタン(B.F.グッドリッチ社から
“エスタン−5705"なる商品名で市販されているポリウ
レタン)88重量部を、容量22lの水平サンドミル(ガラ
ス媒体を有する)においてテトラヒドロフラン1473重量
部中に分散させた。被覆操作の前にポリイソシアネート
(既述の“モンダーCB-601")34重量部を前記分散液に
添加した。裏側被覆層の面の粗さ(実効値)は約350nm
であった。
前記の方法によって被覆されたフィルムを3000ガウス
の平行磁場の中に0.1秒間保ち、次いで乾燥器で60-80℃
の温度において乾燥した。乾燥後の被覆層にカレンダ操
作を、金属ロールを用いて行った。かくして得られた磁
性粒子含有層の厚みは約2.5μmであった。カレンダ操
作を行った後の被覆テープを巻取り(被覆テープの全長
1000m)、縦方向に切断して、テープ幅6.35mmのテープ
製品を形成させた。
この方法によって得られたテープの物理的性質を第2
表に示す。
[備考] 1--ガラス転移温度(Tg)は、未硬化状態の試料を“オ
ートビブロン”(autovibron)と称される測定装置で測
定したときの“tan δのピーク”の出る温度を意味す
る。
2--表側の面の被覆層の表面の粗さ(実効値)を、顕微
鏡を用いる干渉測定法(interferometry)によって測定
した。
3--出力は、データカットリッジ用テープレコーダを用
いて、1インチ当たりのフラックス変化(flux change
s)50,000、テープ速度120インチ/秒において測定し
た。
4--硬化率は、硬化状態の試料におけるテトラヒドロフ
ラン中に抽出されなかった結合剤の量と、未硬化状態の
試料におけるテトラヒドロフラン中に抽出された結合剤
の量との比(%)を意味し、これはゲル透過クロマトグ
ラフィ(GPC)によって測定した。試料は、抽出操作の
前に60℃に3日間加熱することによって硬化させた。
第2表のデータから明らかなように、塩化ビニル共重
合体中に−SO3Na基が存在する場合には未硬化状態の試
料のガラス転移温度が上昇し、表側の被覆層の表面の粗
さが減少し、かつ出力が増大する。
当業者には明らかなように、本発明はその要旨および
範囲から逸脱することなく種々多様の態様変化が可能で
ある。したがって本発明の範囲は、決して本明細書中に
具体的に開示された実施態様のみに限定されるものでな
いことが理解されるべきである。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)硬化性でスルホン化されたヒドロキ
    シ−官能性のポリウレタン重合体の10-90重量部であっ
    て、 (i)このポリウレタン重合体の背骨構造から垂下した
    第1の複数のSO3M基[このポリウレタン重合体は2,000
    -100,000のSO3当量を有し、かつMはH+、Li+、Na+
    K+、NR4 +(ここにRはH+又はアルキル基で有り得る)及
    びその混合物からなる群から選択される]及び (ii)第1の複数の交叉結合性ヒドロキシル基[ここに
    ポリウレタン重合体は500-10,000のヒドロキシル当量を
    有し、かつこのヒドロキシル基の少なくとも大部分はこ
    のポリウレタン重合体の脊骨構造から局部的に疎水性の
    位置で垂下している]を含むものと、 (b)硬化性でスルホン化されたヒドロキシ−官能性塩
    化ビニル共重合体の10-90重量部であって、 (i)この塩化ビニル共重合体の脊骨構造から垂下した
    第2の複数のSO3M基[ここに、この塩化ビニル共重合
    体は2000-100,000のSO3M当量を有し、かつMはH+、L
    i+、Na+、K+、NR4 +(ここに、RはH+又はアルキル基で
    あり得る)及びそれらの混合物からなる群から選択され
    る]及び (ii)第2の複数の交叉結合性ヒドロキシル基[塩化ビ
    ニル共重合体は500-10,000のヒドロキシル当量を有す
    る]を含むものとを含むことを特徴とする硬化性結合剤
    組成物。
  2. 【請求項2】(a)表側の面と裏側の面とを有する基体
    と、 (b)この基体の表側上の第1の硬化した被覆であっ
    て、 (i)硬化性でスルホン化されたヒドロキシ官能性のポ
    リウレタン重合体の10-90重量部であって、このポリウ
    レタン重合体の脊骨構造から垂下した第1の複数のSO3
    M基[このポリウレタン重合体は2000-6000のSO3M当量
    を有し、かつMはH+、Li+、Na+、K+、NR4 +(ここにRは
    H+又はアルキル基であり得る)及びそれらの混合物から
    なる群から選択される]及び 第1の複数の交叉結合性ヒドロキシル基[ポリウレタン
    重合体は500-10,000のヒドロキシル当量を有し、かつこ
    のヒドロキシル基の少くとも大部分はこのポリウレタン
    重合体の脊骨構造から局部的に疎水性の位置で垂下して
    いる]を含むものと、 (ii)硬化性でスルホン化されたヒドロキシル−官能性
    塩化ビニル重合体の10-90重量部であって、この塩化ビ
    ニル共重合体脊骨構造から垂下した第2の複数のSO3
    基[ここに、この塩化ビニル共重合体は2,000-100,000
    のSO3M当量を有し、そしてMはH+、Li+、Na+、K+、NR4
    +(ここにRはH+又はアルキル基であり得る)及びそれ
    らの混合物からなる群から選択される]、及び第2の複
    数の交叉結合性ヒドロキシル基[塩化ビニル共重合体は
    500-10,000のヒドロキシル当量を有する]を含むものと
    を含む上記第1の硬化した被覆と、 (c)上記第1の硬化した被覆中に分散した磁化性顔料
    とを含むことを特徴とする磁気記録用複合体。
  3. 【請求項3】塩化ビニル共重合体脊骨構造から垂下した
    複数のエポキシ基をさらに含み、この塩化ビニル共重合
    体が500-30,000のエポキシ当量を有する請求項(2)に
    記載の複合体。
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