JPH05333544A - 光硬化性アクリル系着色組成物 - Google Patents

光硬化性アクリル系着色組成物

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JPH05333544A
JPH05333544A JP13683192A JP13683192A JPH05333544A JP H05333544 A JPH05333544 A JP H05333544A JP 13683192 A JP13683192 A JP 13683192A JP 13683192 A JP13683192 A JP 13683192A JP H05333544 A JPH05333544 A JP H05333544A
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acrylic monomer
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郁夫 広田
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邦隆 清水
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瑞仁 谷
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 フロン洗浄に代えて高温のIPA蒸気による
洗浄処理を施してもガラス基板に対する密着力が低下せ
ずしかもシミ等のない均一な色彩のパターンを形成でき
る光硬化性アクリル系着色組成物を提供すること。 【構成】 着色顔料、アクリル系モノマー、着色顔料を
アクリル系モノマー中に微粒子状態で均一に分散させる
顔料分散剤、光照射によりアクリル系モノマーの重合反
応を開始させる光重合開始剤、及び、希釈溶媒を主成分
とする光硬化性アクリル系着色組成物において、上記ア
クリル系モノマーが下記構造式(1)で示される官能基
を5以上有するモノマーを含有していることを特徴と
し、官能基を5以上有する上記アクリル系モノマーがア
クリル系モノマーの重合反応により生じたアクリル系ポ
リマーを架橋させて緻密な三次元構造にし、IPA蒸気
に対する耐性を向上させると共にガラス基板に対する密
着力を増大させる。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶ディスプレィ(L
CD)等におけるカラーフィルターのブラックマトリッ
クスを形成する際に適用される光硬化性アクリル系着色
組成物に係り、特に、地球環境に悪影響を及ぼす従来の
フロン洗浄剤に代えてイソプロピルアルコールにより洗
浄処理されてもガラス基板に対する密着力が劣化せずし
かも均一な色彩のパターンが形成できる光硬化性アクリ
ル系着色組成物の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】上記LCD等におけるカラーフィルター
は、所定のガラス基板上に、通常、B(ブルー)、G
(グリーン)、R(レッド)の光三原色に各々着色され
た透明なカラー表示用セル(ピクセル)パターン(ガラ
ス基板の縦横方向にそれぞれ規則的に配列された多数の
微細な矩形状パターン)を備えており、かつ、隣接する
上記ピクセルパターン同志のコントラストを高めてカラ
ー表示の再現性を向上させるため、隣接するピクセルパ
ターンの境界部位に沿って黒色の光硬化性アクリル系着
色組成物によるブラックマトリクスパターンが設けら
れ、更に、このブラックマトリックスパターンの形成面
上に透明なオーバーコート層を設けて適用されている。
【0003】ところで、上記ブラックマトリクスパター
ンを構成する光硬化性アクリル系着色組成物は、一般
に、着色顔料、下記化学式(1)で示される官能基を1
〜3有するアクリル系モノマー、着色顔料をアクリル系
モノマー中に微粒子状態で均一に分散させる顔料分散
剤、光照射によりアクリル系モノマーの重合反応を開始
させる光重合開始剤、及び、希釈溶剤を主成分とし、更
に必要に応じてガラス基板に対する密着性を向上させる
密着性向上剤が適宜添加混合されて成るものであった。
【0004】
【化2】 (但し式中Rは水素原子又はメチル基を示す)そして、
この光硬化性アクリル系着色組成物を用いてブラックマ
トリックスパターンを形成するには、まず、上記光硬化
性アクリル系着色組成物をガラス基板上に一様に塗布
し、この塗布された光硬化性アクリル系着色組成物に対
してブラックマトリクス形状のパターン露光処理を施し
そのアクリル系モノマーを重合反応させてパターン状に
硬化させ、かつ、適宜溶剤により現像処理して未露光部
位を除去した後、加熱処理して上記アクリル系モノマー
を完全硬化させることによりブラックマトリクスパター
ンを形成している。
【0005】こうしてブラックマトリクスパターンが形
成されたガラス基板については、アルカリ洗浄と酸洗浄
を経た後、乾燥ムラを防ぐと共に上記オーバーコート層
との密着力を増大させるため、揮発性のフロン洗浄剤に
て洗浄処理されて次工程のオーバーコート層形成工程へ
送られる。
【0006】尚、光硬化性アクリル系着色組成物内に含
まれる上記密着性向上剤は、反応硬化した組成物とガラ
ス基板との密着力を増大させてフロン洗浄に対する耐性
を向上させるもので、従来、ペンタエリスリトールトリ
アクリレートやテトラエチレングリコールジアクリレー
ト等が使用されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来、洗浄
処理に適用されていたフロン洗浄剤は地球のオゾン層を
破壊する等地球環境に悪影響を及ぼすことが問題となっ
ており、近年、このフロンに代えてイソプロピルアルコ
ール(IPA)を洗浄剤として適用する方法が注目を集
めている。
【0008】すなわちこのIPAを適用する洗浄方法
は、上記ブラックマトリクスパターンが形成されたガラ
ス基板をまず市水洗浄し、かつ純水で洗浄し、更に常温
条件でIPA溶液による洗浄を行った後、乾燥ムラを防
ぐため高温(70℃〜90℃)条件でIPA蒸気による
洗浄処理を行う方法である。
【0009】しかし、従来の光硬化性アクリル系着色組
成物はフロン洗浄剤に対し耐性を有するもののIPA蒸
気に対しては反応硬化後においても耐性が低いため、I
PA蒸気による洗浄処理によってガラス基板との間の密
着力が低下し易く、かつ、表面に液だれ状のシミが現れ
易い問題点があった。
【0010】本発明はこのような問題点に着目してなさ
れたもので、その課題とするところは、フロン洗浄に代
えて高温のIPA蒸気による洗浄処理を施してもガラス
基板に対する密着力が低下せず、しかも、シミ等のない
均一な色彩のパターンを形成できる光硬化性アクリル系
着色組成物を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】すなわち請求項1に係る
発明は、着色顔料、アクリル系モノマー、着色顔料をア
クリル系モノマー中に微粒子状態で均一に分散させる顔
料分散剤、光照射によりアクリル系モノマーの重合反応
を開始させる光重合開始剤、及び、希釈溶媒を主成分と
する光硬化性アクリル系着色組成物を前提とし、上記ア
クリル系モノマーが下記化学式(1)で示される官能基
を5以上有するモノマーを含有していることを特徴とす
るものである。
【0012】
【化3】 (但し式中Rは水素原子又はメチル基を示す)このよう
な技術的手段において上記アクリル系モノマーは、光照
射やその前後の加熱処理によって互いに重合してアクリ
ル系ポリマーを生成すると共に、着色顔料を微粒子状態
で均一に保持する作用を有するものである。
【0013】そして、これらのアクリル系モノマーのう
ち上記官能基を5以上有するアクリル系モノマーはアク
リル系モノマーの重合反応により生じた上記アクリル系
ポリマーを架橋させて緻密な三次元構造にし、IPA蒸
気に対する耐性を向上させると共にガラス基板に対する
密着力を増大させる作用を有するもので、IPA蒸気に
よる洗浄処理に際しガラス基板に強固に密着されたシミ
のない均一な着色パターンの形成を可能にするものであ
る。
【0014】このような官能基を5以上有しているアク
リル系モノマーとしては、下記構造式(2)で示される
ジペンタエリスリトールペンタアクリレートや、下記構
造式(3)で示されるジペンタエリスリトールヘキサア
クリレートの単体及びこれ等の混合体が適用できる。
【0015】
【化4】
【化5】 また、上記官能基を5以上有しているアクリル系モノマ
ーと共に使用できる他のアクリル系モノマーとしては、
上記官能基を1〜3有しているアクリル系モノマーが使
用できる。このようなアクリル系モノマーとしては、例
えば、ブチルメタクリレート、アクリル酸、メタクリル
酸、ヒドロキシエチルアクリレート、メチルメタクリレ
ート、ベンジルメタクリレート、及び、ジメチルアミノ
エチルメタクリレート、下記化学式(4)で示されるト
リメチロールプロパントリアクリレート、下記化学式
(5)で示されるトリメチロールプロパンPO変性(n
=1)トリアクリレート、下記化学式(6)で示される
トリメチロールプロパンPO変性(n=2)トリアクリ
レート、下記化学式(7)で示されるトリス(アクリロ
イルオキシエチル)イソシアヌレート、及び、下記化学
式(8)で示されるイソシアヌール酸EO(n=3)・
ε−カプロラクトン変性トリアクリレート等のアクリル
系モノマーから選択される一又は二以上のモノマーの混
合物が適用できる。
【0016】
【化6】
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】 また、請求項1に係る光硬化性アクリル系着色組成物に
メトキシメチルメラミンから成る密着性向上剤を混合す
ると、上記アクリル系モノマーの重合反応により生じた
アクリル系ポリマーを更に緻密に架橋させて、IPA蒸
気による洗浄処理に際しガラス基板に強固に密着された
シミのない均一な着色パターンの形成を可能にする。
【0017】請求項2に係る発明はこのような技術的背
景に基づきなされており上記請求項1に係る光硬化性ア
クリル系着色組成物を前提とし、メトキシメチルメラミ
ンから成る密着性向上剤を含むことを特徴とするもので
ある。
【0018】この請求項2に係る発明において、上記メ
トキシメチルメラミンはアクリル系モノマーの重合反応
により生じたアクリル系ポリマーを更に緻密に架橋させ
てIPA蒸気に対する耐性を向上させると共にガラス基
板に対する密着力を増大させる作用を有するものであ
る。そして、本発明に係る光硬化性アクリル系着色組成
物の硬化が最適の条件で行われなかった場合において
も、上記メトキシメチルメラミンの作用によりIPA蒸
気による洗浄処理に際しガラス基板に強固に密着された
シミのない均一な着色パターンの形成を可能にするもの
である。
【0019】次に、請求項1〜2に係る発明において上
記着色顔料としては、ホワイト、ブルー、グリーン、レ
ッド、ブラック等の各色を呈する単一顔料の他、各色を
呈する混合系顔料が適用でき、また、LCDにおけるカ
ラーフィルターのブラックストライプパターンを形成す
る場合には、カーボンブラック等単独で黒色を呈する単
一顔料の他、ブルー、グリーン、レッドの各顔料を混合
し全体として黒色を呈する混合系黒色顔料を適用しても
よい。
【0020】また、この着色顔料を上記アクリル系モノ
マー中に微粒子状態で均一に分散させ、かつ、硬化反応
後においてムラのない着色パターンを形成させる顔料分
散剤としては、例えば、ナフタレンベンゼンスルフォン
酸ナトリウムやポリオキシエチレンノニルフェニルエー
テル等の界面活性剤が適用できる。
【0021】また、請求項1〜2に係る発明において光
照射によりアクリル系モノマーの重合反応を開始させる
上記光重合開始剤としては、例えば、下記化学式(9)
で示されるベンゾフェノン、下記化学式(10)で示さ
れる4,4’−ジクロロベンゾフェノン、下記化学式
(11)で示される2,4−ジエチルチオキサントン、
下記化学式(12)で示される2,2−ジメトキシ−2
−フェニルアセトフェノン、及び、下記化学式(13)
で示される3,3’−ジクロロ−4−メトキシベンゾフ
ェノン等が適用でき、また、希釈溶媒としてはシクロヘ
キサノン等の適用が可能である。
【0022】
【化11】
【化12】
【化13】
【化14】
【化15】 次に、請求項1〜2に係る光硬化性アクリル系着色組成
物については、着色顔料3.0〜10.0重量%、アク
リル系モノマー5.0〜10.0重量%、顔料分散剤
0.5〜1.0重量%、光重合開始剤1.0〜5.0重
量%、希釈溶媒80.0〜90.0重量%、及び、メト
キシメチルメラミンから成る密着性向上剤0.0〜1.
5重量%を混合して製造することができる。
【0023】以下、上記光硬化性アクリル系着色組成物
の具体的配合割合を示すと下記の組成例が挙げられる。
【0024】 着色顔料 5.8wt% アクリル系モノマー ブチルメタクリレート 3.5wt% メタクリル酸 1.3wt% ヒドロキシエチルメタクリレート 1.0wt% メチルメタクリレート 0.6wt% ジメチルアミノエチルメタクリレート 0.6wt% ジペンタエリスリトールペンタアクリレート 1.1wt% ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 2.1wt% 顔料分散剤 ナフタレンベンゼンスルフォン酸ナトリウム 0.6wt% 光重合開始剤 2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン 1.3wt% 希釈溶媒 シクロヘキサノン 81.8wt% 密着性向上剤 メトキシメチルメラミン 0.3wt% そして、この請求項1〜2に係る光硬化性アクリル系着
色組成物はLCDにおけるカラーフィルターのブラック
マトリクスパターンを形成するために利用できる他に、
そのカラー表示用セル(ピクセル)を形成するために利
用することができる。いずれの場合も、所定のガラス基
板上に上記光硬化性アクリル系着色組成物を一様に塗布
し、この塗布された光硬化性アクリル系着色組成物に対
して所定形状のパターン露光処理を施しそのアクリル系
モノマー同志を重合反応させてパターン状に硬化させ、
かつ適宜溶剤により現像処理して未露光部位を除去した
後、加熱処理(ポストベーキング)して上記アクリル系
モノマーを完全硬化させることにより上記ブラックマト
リクスパターン又はピクセルを形成することができる。
【0025】尚、上記ポストベーキングは180℃以上
の温度で行えばよいが、IPA蒸気に対する耐性を向上
させてガラス基板に対する密着力を増大させるためには
200〜220℃の温度で行うことが望ましい。もっと
も、200℃未満の温度でポストベーキングした場合、
及び、220℃を越える温度でポストベーキングした場
合にも従来の組成物に比べて優れた密着力を有し、特
に、この組成物がメトキシメチルメラミンから成る密着
性向上剤を含む場合には際立って優れた密着力を有す
る。
【0026】次いで、上記ブラックマトリクスパターン
又はピクセルが形成されたガラス基板については、定法
に従ってまず市水洗浄し、かつ、純水で洗浄し、更に常
温条件でIPA溶液による洗浄処理を行い、乾燥ムラを
防ぐため高温条件[70℃〜90℃]でIPA蒸気によ
る洗浄処理を行った後、次工程に送られる。
【0027】
【作用】請求項1に係る発明によれば、光硬化性アクリ
ル系着色組成物の一部を構成するアクリル系モノマー
が、上記化学式(1)で示される官能基を5以上有する
モノマーを含有しているため、この官能基を5以上有す
るモノマーが、アクリル系モノマーの重合反応により生
じたアクリル系ポリマーを架橋させて緻密な三次元構造
にし、IPA蒸気に対する耐性を向上させると共にガラ
ス基板に対する密着力も増大させる。
【0028】また、請求項2に係る発明によれば、上記
光硬化性アクリル系着色組成物がメトキシメチルメラミ
ンから成る密着性向上剤を含んでおり、このメトキシメ
チルメラミンが上記アクリル系ポリマーを更に緻密に架
橋させるため、光硬化性アクリル系着色組成物の硬化が
最適の条件下においてなされない場合においても、IP
A蒸気に対する耐性を向上させると共にガラス基板に対
する密着力を増大させることが可能となる。
【0029】
【実施例】以下、本発明の実施例について詳細に説明す
る。
【0030】[実施例1]光硬化性アクリル系着色組成
物として下記組成のものを使用した。
【0031】 (光硬化性着色アクリル系組成物) 着色顔料 カーボンブラック 5.78wt% アクリル系モノマー ブチルメタクリレート 3.52wt% メタクリル酸 1.28wt% ヒドロキシエチルメタクリレート 0.96wt% メチルメタクリレート 0.64wt% ジメチルアミノエチルメタクリレート 0.62wt% ジペンタエリスリトールペンタアクリレート 1.12wt% ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 2.08wt% 顔料分散剤 ナフタレンベンゼンスルフォン酸ナトリウム 0.64wt% 光重合開始剤 2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン 1.25wt% 希釈溶媒 シクロヘキサノン 81.47wt% 密着性向上剤 メトキシメチルメラミン 0.64wt% この光硬化性アクリル系着色組成物を、ガラス基板上に
スピンコート法により回転速度500 r.p.m.及び2秒間の
条件でまず塗布し、続いて回転速度750 r.p.m.及び5秒
間の条件で再度回転させて膜面を均一にした後、70
℃、20分間乾燥処理した。
【0032】次に、この光硬化性アクリル系着色組成物
塗布膜上に、酸化防止のためポリビニルアルコール(P
VA)原液を水で希釈したPVA溶液を、スピンコート
法により回転速度500 r.p.m.及び2秒間の条件で塗布
し、続いて回転速度1000r.p.m.及び10秒間の条件で再度
回転させて膜面を均一にした後、乾燥処理を施した。
【0033】そして、このPVA溶液が塗布された光硬
化性着色アクリル系組成物塗布膜上に5μmの間隔をあ
けて所定パターンのフォトマスクを重ね、100mJ/cm2
露光量で紫外線を照射し、かつ、現像処理した後、加熱
処理(ポストベーキング)を施した。尚、上記露光パタ
ーンは、幅30μmのラインを1mm間隔で有する枡目状
パターンであり、また、上記ポストベーキングは、18
0℃、190℃、200℃、210℃、220℃、23
0℃、240℃の各温度条件下において2時間行った。
【0034】こうして枡目状パターンが形成されたガラ
ス基板について、グリーンライト下で肉眼及び顕微鏡に
より観察してシミの有無を調べたところ、いずれのガラ
ス基板にもシミは一切認められず均一な色彩の枡目状パ
ターンを有していることが確認された。
【0035】次に、この枡目状パターンが形成されたガ
ラス基板について、まずアルカリ洗浄及び酸洗浄を施
し、かつ、市水洗浄、純水洗浄を施した後、常温条件で
IPA溶液中に1分30秒間漬浸して洗浄し、最後に8
3℃の高温条件においてIPA蒸気で2分洗浄した。
【0036】そして、得られた枡目状パターン上の30
mm×30mmの領域(縦30本、横30本の上記ラインを
含む)にセロハンテープを貼付けると共に、このセロハ
ンテープを剥離しこのセロハンテープの剥離に伴って剥
離された枡目の数を数えた(クロスカット法)。この結
果を表1に示す。
【0037】[実施例2]上記光硬化性着色アクリル系
組成物に代えて下記組成の光硬化性着色アクリル系組成
物が適用されている点を除き実施例1と略同一である。
【0038】 (光硬化性着色アクリル系組成物) 着色顔料 カーボンブラック 5.81wt% アクリル系モノマー ブチルメタクリレート 3.55wt% メタクリル酸 1.29wt% ヒドロキシエチルメタクリレート 0.97wt% メチルメタクリレート 0.65wt% ジメチルアミノエチルメタクリレート 0.63wt% ジペンタエリスリトールペンタアクリレート 1.13wt% ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 2.09wt% 顔料分散剤 ナフタレンベンゼンスルフォン酸ナトリウム 0.65wt% 光重合開始剤 2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン 1.26wt% 希釈溶媒 シクロヘキサノン 81.97wt% そして、枡目状パターンが形成されたガラス基板につい
て実施例1と同様、肉眼及び顕微鏡で観察した結果、い
ずれの温度でポストベーキングしたガラス基板にもシミ
は一切認められず、均一な色彩の枡目状パターンを有し
ていた。
【0039】また、クロスカット法による結果を表1に
示す。
【0040】[比較例1]上記光硬化性着色アクリル系
組成物に代えて下記組成の光硬化性着色アクリル系組成
物が適用されている点を除き実施例1と略同一である。
【0041】 (光硬化性着色アクリル系組成物) 着色顔料 カーボンブラック 5.81wt% アクリル系モノマー ブチルメタクリレート 3.55wt% メタクリル酸 1.29wt% ヒドロキシエチルメタクリレート 0.97wt% メチルメタクリレート 0.65wt% ジメチルアミノエチルメタクリレート 0.63wt% ペンタエリスリトールトリアクリレート 3.23wt% 顔料分散剤 ナフタレンベンゼンスルフォン酸ナトリウム 0.65wt% 光重合開始剤 2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン 1.26wt% 希釈溶媒 シクロヘキサノン 81.96wt% なお、上記ペンタエリスリトールトリアクリレートは下
記構造式(14)を有するアクリル系モノマーである。
【0042】
【化16】 そして、枡目状パターンが形成されたガラス基板につい
て実施例1と同様、肉眼及び顕微鏡で観察した結果、い
ずれの温度でポストベーキングしたガラス基板にも液垂
れ状のシミが確認された。
【0043】また、クロスカット法による結果を表1に
示す。
【0044】[比較例2]上記ペンタエリスリトールト
リアクリレートに代えてトリメチロールプロパンPO変
性(n=1)トリアクリレートが適用されている点を除
き比較例1と略同一である。
【0045】そして、枡目状パターンが形成されたガラ
ス基板について実施例1と同様、肉眼及び顕微鏡で観察
した結果、いずれの温度でポストベーキングしたガラス
基板にも液垂れ状のシミが確認された。
【0046】また、クロスカット法による結果を表1に
示す。
【0047】[比較例3]上記ペンタエリスリトールト
リアクリレートに代えてトリメチロールプロパンPO変
性(n=2)トリアクリレートが適用されている点を除
き比較例1と略同一である。
【0048】そして、枡目状パターンが形成されたガラ
ス基板について実施例1と同様、肉眼及び顕微鏡で観察
した結果、いずれの温度でポストベーキングしたガラス
基板にも液垂れ状のシミが確認された。
【0049】また、クロスカット法による結果を表1に
示す。
【0050】[比較例4]上記ペンタエリスリトールト
リアクリレートに代えてトリス(アクリロイルオキシエ
チル)イソシアヌレートが適用されている点を除き比較
例1と略同一である。
【0051】そして、枡目状パターンが形成されたガラ
ス基板について実施例1と同様、肉眼及び顕微鏡で観察
した結果、いずれの温度でポストベーキングしたガラス
基板にも液垂れ状のシミが確認された。
【0052】また、クロスカット法による結果を表1に
示す。
【0053】[比較例5]上記ペンタエリスリトールト
リアクリレートに代えて上記イソシアヌール酸EO(n
=3)・ε−カプロラクトン変性トリアクリレートが適
用されている点を除き比較例1と略同一である。
【0054】そして、枡目状パターンが形成されたガラ
ス基板について実施例1と同様、肉眼及び顕微鏡で観察
した結果、いずれの温度でポストベーキングしたガラス
基板にも液垂れ状のシミが確認された。
【0055】また、クロスカット法による結果を表1に
示す。
【0056】
【表1】 『確認』表1の結果から明らかなように、ジペンタエリ
スリトールペンタアクリレート及びジペンタエリスリト
ールヘキサアクリレートを含有しない光硬化性アクリル
系着色組成物が適用されている各比較例は、ガラス基板
と枡目状パターンの密着力が弱いためクロスカット法で
数多く剥離しているのに対し、ジペンタエリスリトール
ペンタアクリレート及びジペンタエリスリトールヘキサ
アクリレートを含有する光硬化性アクリル系着色組成物
が適用されている各実施例はガラス基板と枡目状パター
ンの密着力が強くクロスカット法でほとんど剥離してな
いことが確認できた。中でも、200〜220℃の温度
でポストベーキングしたものの密着力が特に優れている
ことが分かる。
【0057】また、肉眼及び顕微鏡による観察結果から
比較例の場合には液だれ状のシミが見られるのに対し、
実施例の場合にはこのようなシミが一切なく、均一な色
彩の着色パターンが形成できることも確認できた。
【0058】更に、200℃未満の温度又は220℃を
越える温度条件でポストベーキングした場合、メトキシ
メチルメラミンを含有する実施例1は、メトキシメチル
メラミンを含有しない実施例2に比べてガラス基板と枡
目状パターンの密着力が強くクロスカット法で剥離する
升目が少ないこと、また、ジペンタエリスリトールペン
タアクリレート及びジペンタエリスリトールヘキサアク
リレートを含有しない光硬化性アクリル系着色組成物が
適用されている各比較例と比較してクロスカット法で剥
離する升目が際立って少ないことが確認できた。
【0059】
【発明の効果】請求項1〜2に係る発明によれば、上記
構造式(1)で示される官能基を5以上有するアクリル
系モノマーが、アクリル系モノマーの重合反応により生
じたアクリル系ポリマーを架橋させて緻密な三次元構造
にし、IPA蒸気に対する耐性を向上させると共にガラ
ス基板に対する密着力も増大させる。
【0060】従って、フロン洗浄に代えて高温IPA蒸
気による洗浄処理を施してもガラス基板に対する密着力
が低下せず、しかも、シミのない均一な色彩の着色パタ
ーンを形成できる効果を有している。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】着色顔料、アクリル系モノマー、着色顔料
    をアクリル系モノマー中に微粒子状態で均一に分散させ
    る顔料分散剤、光照射によりアクリル系モノマーの重合
    反応を開始させる光重合開始剤、及び、希釈溶媒を主成
    分とする光硬化性アクリル系着色組成物において、 上記アクリル系モノマーが下記化学式(1)で示される
    官能基を5以上有するモノマーを含有していることを特
    徴とする光硬化性アクリル系着色組成物。 【化1】 (但し式中Rは水素原子又はメチル基を示す)
  2. 【請求項2】メトキシメチルメラミンから成る密着性向
    上剤を含むことを特徴とする請求項1記載の光硬化性ア
    クリル系着色組成物。
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