JPH05332542A - 調理用コンロ - Google Patents

調理用コンロ

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JPH05332542A
JPH05332542A JP16340092A JP16340092A JPH05332542A JP H05332542 A JPH05332542 A JP H05332542A JP 16340092 A JP16340092 A JP 16340092A JP 16340092 A JP16340092 A JP 16340092A JP H05332542 A JPH05332542 A JP H05332542A
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JP
Japan
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cooking stove
acid
aromatic
resin
resin member
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JP16340092A
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English (en)
Inventor
Toshio Inoue
敏夫 井上
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Eneos Corp
Original Assignee
Nippon Petrochemicals Co Ltd
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Publication date
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 携帯性に優れ、かつ視覚および機能にわたる
デザイン性、安全性が良好で、また廃棄後の問題が少な
い調理用コンロを提供する。 【構成】 DSCにより測定される融点が250℃以上
の結晶性熱可塑性樹脂100〜10重量部と無機系充填
剤0〜90重量部とからなり、ASTM D 2863
による酸素指数が30以上、18.6kgf/cm2
荷重たわみ温度が250℃以上である樹脂部材を主部材
とすることを特徴とする調理用コンロ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特定の結晶性熱可塑性
樹脂により形成される樹脂部材を主部材とする調理用コ
ンロに関し、さらに詳しくは、特に携帯性に優れること
に加え、視覚、機能にわたるデザイン性、安全性が良好
で、また廃棄後の問題が少ない調理用コンロに関する。
【0002】
【従来の技術】食生活の充実は、有史以来、人々が常に
追求してきたものであり、特に、煮る、焼く、蒸す等の
調理法を経た料理を暖かなうちに賞味することは、現代
においては不可欠のことである。一般の家庭、飲食店で
は、調理場で料理したものをすぐに配膳できるので、こ
のことに関し特に問題は生じない。しかし、多人数が参
加する宴席や登山、キャンプ等の野外活動の場で暖かな
料理を賞味するためには、個々の膳に固形燃料をセット
した調理用コンロを配したり、小型ガスボンベとガスバ
ーナーをセットした調理用コンロを携帯して対応してき
た。
【0003】しかしながら、現在これらの目的に使用さ
れているものに関しては、幾つかの問題があり、更なる
改良が望まれている。
【0004】つまり、宴席等の屋内で使用される固形燃
料をセットした携帯用の調理用コンロに関しては、主部
材が鋳鉄類であるために、以下の問題がある。
【0005】 重くて持ち運びに不便で、携帯者の身
体に落下した場合に危険である。 形態や色彩に関する視覚的要素、および空気取入れ
口や固形燃料の設置場所等の機能要素の両面に亘ってデ
ザイン性の制約がある。 熱伝導性が良いため手が触れると火傷の危険があ
る。 廃棄後の粉砕やリサイクルが困難である。
【0006】野外活動用の小型ガスボンベとガスバーナ
ーをセットした調理用コンロには、上記、、の問
題があり、特にで述べた問題は、携行性が重要視され
る分野であるだけに強く改善が求められている。また、
野外で廃棄された場合は、環境美観を大きく損なう。
【0007】なお、野外活動用の調理用コンロとして
は、小型で比較的軽量の金属製容器に固形燃料を充填し
たものもあるが、の問題は解決されるが、の問題が
依然として大きく残っている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これらの課
題を解決するもので、携帯性に優れ、かつ視覚および機
能にわたるデザイン性、安全性が良好で、また廃棄後の
問題が少ない調理用コンロを提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために鋭意検討の結果、特定の結晶性熱可塑性
樹脂により形成される樹脂部材を主部材とする調理用コ
ンロが、特に携帯性に優れることに加え、デザイン性、
安全性が良好で、廃棄後の問題も少ないことを見い出
し、本発明に到達した。
【0010】すなわち、本発明は、DSCにより測定さ
れる融点が250℃以上の結晶性熱可塑性樹脂100〜
10重量部と無機系充填剤0〜90重量部とからなり、
ASTM D 2863による酸素指数が30以上、1
8.6kgf/cm2の荷重たわみ温度が250℃以上
である樹脂部材を主部材とすることを特徴とする調理用
コンロに関するものである。
【0011】以下、本発明を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の調理用コンロの一例を示す透視斜視図、
図2は図1の調理用コンロの使用状態を示す一部切り欠
き側面図、そして、図3は図1の調理用コンロの樹脂部
材部分の断面図である。各図において、1は調理用コン
ロ、2は樹脂部材、3は金属プレート、4は空気取入
口、5は固形燃料、6は調理容器をそれぞれ示す。
【0012】各図に示されるように、本発明の調理用コ
ンロ1は樹脂部材2を主部材とする。また、樹脂部材2
には空気取り入れ用の空気取入口4が設けられている。
実際の使用においては、図2に示されるように、調理用
コンロの中心部に、金属プレート3を介して固形燃料5
が載置されており、この固形燃料5を着火、燃焼させる
ことによって調理容器6を加熱する。
【0013】この樹脂部材2は、結晶性熱可塑性樹脂、
またはこれと無機系充填剤からなる。結晶性熱可塑性樹
脂は、DSC(Differential Scann
ing Calorimetry:示差走差熱量測定)
により測定される融点が250℃以上であることが必要
であり、この融点が250℃未満の樹脂は、無機系充填
剤等で補強しても耐熱性が不足するので好ましくない。
【0014】結晶性熱可塑性樹脂として、具体的には、
ナイロン等のポリアミド;ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル;ポ
リフェニレンスルファイド;ポリエーテルエーテルケト
ン等が例示される。特に、ハイドロキノン、ビフェノー
ル、ビスフェノールA等の芳香族アルコール;フタル
酸、ヒドロキシ安息香酸等の芳香族酸;ジアミノジフェ
ニールメタン等の芳香族アミン;芳香族スルフォン;芳
香族サルファイド等の多官能性芳香族モノマーを構成単
位とするポリマーが好ましい。
【0015】さらに、この結晶性熱可塑性樹脂は、サー
モトロピック液晶ポリマーであることが好ましい。
【0016】本発明でいうサーモトロピック液晶ポリマ
ーとは、溶融時に光学的異方性を示し、熱可塑性であ
り、かつ溶融可能なポリマーである。このように溶融時
に光学的異方性を示すポリマーは、溶融状態でポリマー
分子鎖が規則的な平行配列をとる性質を示す。光学的異
方性溶融相の性質は、直交偏光子を利用した通常の偏光
検査法により確認することができる。
【0017】上記液晶ポリマーとしては、例えば、液晶
性ポリエステル、液晶性ポリカーボネート、液晶性ポリ
エステルイミド等であり、具体的には、(全)芳香族ポ
リエステル、ポリエステルアミド、ポリアミドイミド、
ポリエステルカーボネート、ポリアゾメチン等が挙げら
れる。
【0018】サーモトロピック液晶ポリマーは、一般に
細長く、偏平な分子構造からなり、分子の長鎖に沿って
剛性が高く、同軸または平行のいずれかの関係にある複
数の連鎖伸長結合を有するモノマーから製造される。
【0019】本発明で用いるサーモトロピック液晶ポリ
マーには、一つの高分子鎖の一部が異方性溶融相を形成
するポリマーのセグメントで構成され、残りの部分が異
方性溶融相を形成しない熱可塑性樹脂のセグメントによ
り構成されるポリマーも含まれる。また、複数のサーモ
トロピック液晶ポリマーを複合したものも含まれる。
【0020】上記のように光学的異方性溶融相を形成す
るポリマーの構成成分としては、(A)芳香族ジカルボ
ン酸の少なくとも1種、(B)芳香族ヒドロキシカルボ
ン酸系化合物の少なくとも1種、(C)芳香族ジオール
系化合物の少なくとも1種、(D)(D1)芳香族ジチ
オール、(D2)芳香族チオフェノール、(D3)芳香族
チオールカルボン酸化合物の少なくとも1種、(E)芳
香族ヒドロキシアミン、芳香族ジアミン系化合物の少な
くとも1種等の芳香族化合物が挙げられる。
【0021】これらは単独で用いられる場合もあるが、
多くは(A)と(C):(A)と(D);(A)、
(B)と(C);(A)、(B)と(E);あるいは
(A)、(B)、(C)と(E)等のように組合わせて
構成される。
【0022】上記(A)芳香族ジカルボン酸系化合物と
しては、テレフタル酸、4,4′−ジフェニルジカルボ
ン酸、4,4′−トリフェニルジカルボン酸、2,6−
ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボ
ン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルエ
ーテル−4,4′−ジカルボン酸、ジフェノキシエタン
−4,4′−ジカルボン酸、ジフェノキシブタン−4,
4′−ジカルボン酸、ジフェニルエタン−4,4′−ジ
カルボン酸、イソフタル酸、ジフェニルエーテル−3,
3′−ジカルボン酸、ジフェノキシエタン−3,3′−
ジカルボン酸、ジフェニルエタン−3,3′−ジカルボ
ン酸、1,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカ
ルボン酸、またはクロロテレフタル酸、ジクロロテレフ
タル酸、プロモテレフタル酸、メチルテレフタル酸、ジ
メチルテレフタル酸、エチルテレフタル酸、メトキシテ
レフタル酸、エトキシテレフタル酸等で代表される上記
芳香族ジカルボン酸のアルキル、アルコキシまたはハロ
ゲン置換体が挙げられる。
【0023】(B)芳香族ヒドロキシカルボン酸系化合
物としては、4−ヒドロキシ安息香酸、3−ヒドロキシ
安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、6−ヒド
ロキシ−1−ナフトエ酸等の芳香族ヒドロキシカルボン
酸、または3−メチル−4−ヒドロキシ安息香酸、、
3,5−ジメチル−4−ヒドロキシ安息香酸、2,6−
ジメチル−4−ヒドロキシ安息香酸、3−メトキシ−4
−ヒドロキシ安息香酸、3,5−ジメトキシ−4−ヒド
ロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−5−メチル−2−ナ
フトエ酸、6−ヒドロキシ−5−メトキシ−2−ナフト
エ酸、2−クロロ−4−ヒドロキシ安息香酸、3−クロ
ロ−4−ヒドロキシ安息香酸、2,3−ジクロロ−4−
ヒドロキシ安息香酸、3,5−ジクロロ−4−ヒドロキ
シ安息香酸、2,5−ジクロロ−4−ヒドロキシ安息香
酸、3−プロモ−4−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロ
キシ−5−クロロ−2−ナフトエ酸、6−ヒドロキシ−
7−クロロ−2−ナフトエ酸、6−ヒドロキシ−5,7
−ジクロロ−2−ナフトエ酸等の芳香族ヒドロキシカル
ボン酸のアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体が
挙げられる。
【0024】(C)芳香族ジオールとしては、4,4′
−ジヒドロキシジフェニル、3,3′−ジヒドロキシジ
フェニル、4,4′−ジヒドロキシトリフェニル、ハイ
ドロキノン、レゾルシン、2,6−ナフタレンジオー
ル、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル、ビス
(4−ヒドロキシフェノキシ)エタン、3,3′−ジヒ
ドロキシジフェニルエーテル、1,6−ナフタレンジオ
ール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン等の芳香族
ジオール、またはクロロハイドロキノン、メチルハイド
ロキノン、tert−ブチルハイドロキノン、フェニル
ハイドロキノン、メトキシハイドロキノン、フェノキシ
ハイドロキノン、4−クロロレゾルシン、4−メチルレ
ゾルシン等の芳香族ジオールのアルキル、アルコキシま
たはハロゲン置換体が挙げられる。
【0025】(D1)芳香族ジチオールとしては、ベン
ゼン−1,4−ジチオール、ベンゼン−1,3−ジチオ
ール、2,6−ナフタレン−ジチオール、2,7−ナフ
タレン−ジチオール等が挙げられる。
【0026】(D2)芳香族チオフェノールとしては、
4−メルカプトフェノール、3−メルカプトフェノー
ル、6−メルカプトフェノール等が挙げられる。
【0027】(D3)芳香族チオールカルボン酸として
は、4−メルカプト安息香酸、3−メルカプト安息香
酸、6−メルカプト−2−ナフトエ酸、7−メルカプト
−2−ナフトエ酸等が挙げられる。
【0028】(E)芳香族ヒドロキシアミン、芳香族ジ
アミン系化合物としては、4−アミノフェノール、N−
メチル−4−アミノフェノール、1,4−フェニレンジ
アミン、N−メチル−1,4−フェニレンジアミン、
N,N′−ジメチル−1,4−フェニレンジアミン、3
−アミノフェノール、3−メチル−4−アミノフェノー
ル、2−クロロ−4−アミノフェノール、4−アミノ−
1−ナフトール、4−アミノ−4′−ヒドロキシジフェ
ニル、4−アミノ−4′−ヒドロキシジフェニルエーテ
ル、4−アミノ−4′−ヒドロキシジフェニルメタン、
4−アミノ−4′−ヒドロキシジフェニルスルファイ
ド、4,4′−ジアミノフェニルスルフィド(チオジア
ニリン)、4,4′−ジアミノジフェニルスルホン、
2,5−ジアミノトルエン、4,4′−エチレンジアニ
リン、4,4′−ジアミノジフェノキシエタン、4,
4′−ジアミノジフェニルメタン(メチレンジアニリ
ン)、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル(オキシ
ジアニリン)等が挙げられる。
【0029】本発明で用いるサーモトロピック液晶ポリ
マーは、上記化合物から溶融アシドリシス法やスラリー
重合法等の多様なエステル形成法により製造することが
できる。
【0030】これら全芳香族ポリエステルの中で好まし
くは、少なくとも一般式(1)で表わされるモノマー単
位を含む(共)重合体が用いられる。具体的には式
(2)および(3)等である。
【0031】
【化1】
【0032】
【化2】
【0033】
【化3】
【0034】すなわち、本発明における特に好ましい全
芳香族ポリエステルは、p−ヒドロキシ安息香酸、フタ
ル酸およびビフェノールの3種の化合物からそれぞれ誘
導される繰返し単位を有するポリエステル、またはp−
ヒドロキシ安息香酸およびヒドロキシナフトエ酸の2種
の化合物からそれぞれ誘導される繰返し単位を有するポ
リエステルである。
【0035】特に、上記式(2)で表わされ、DSCに
より測定される融点が360℃以上の全芳香族ポリエス
テルを使用すると、熱変形温度、高温領域における剛
性、耐衝撃性およびさらに広範の性能が改良される。
【0036】上記サーモトロピック液晶ポリマーは、本
発明の調理用コンロの主部材に要求される物性である機
械的強度および耐熱性に優れ、さらに樹脂自身が難燃性
であるので好適に用いられる樹脂である。
【0037】さらに、本発明の調理用コンロは固形燃料
を使用する。固形燃料は通常燃焼の際には溶解し液状と
なって燃焼する。また、固形燃料は各種の化学薬品から
なる。固形燃料の液状化の際には高温であることもあっ
て、接触する可能性のある部材は液状の化学薬品により
腐食されることがある。上記樹脂はそれ自体でかかる高
温液状にある固形燃料等の各種化学薬品に対して耐食性
を有する。
【0038】本発明の調理用コンロの主部材たる樹脂部
材は、結晶性熱可塑性樹脂のみで形成してもよいが、無
機系充填剤を加えてもよい。これら無機系充填剤を添加
することにより、機械的強度が向上し、荷重たわみ温度
で代表される耐熱性も向上し、高比重化することにより
携帯用コンロとしての座りの安定性、廃棄後の粉砕が容
易となり、廃棄後の焼却時の低発熱量化、すなわち、廃
棄後の焼却が容易となり、難燃性あるいは不燃性が向上
する。
【0039】無機系充填剤としては、ガラス繊維、ガラ
ス粉、ガラスフレーク、炭酸カルシウム、硫酸バリウ
ム、マイカ、珪酸マグネシウム、各種ウィイスカー等が
例示される。これら無機系充填剤は、結晶性熱可塑性樹
脂と無機系充填剤との合計を100重量部としたとき
に、0〜90重量部、好ましくは5〜80重量部添加さ
れる。
【0040】この樹脂部材には、必要に応じて難燃化剤
が添加される。難燃化剤の種類は特に限定されず公知の
ものから任意に選択される。特に臭素系難燃剤、塩素系
難燃剤、ホウ素系難燃剤等の熱分解温度の高い耐熱性の
良いものが好ましく用いられる。アンチモン系化合物、
ジルコニウム系化合物を難燃助剤として併用することも
できる。
【0041】本発明の調理用コンロの主部材を構成する
樹脂部材は、ASTM D 2863による酸素指数が
30以上、好ましくは40以上であることが必要であ
る。酸素指数が30未満の場合、調理用コンロの部材で
あるところから火災等の危険があるので好ましくない。
【0042】また、この樹脂部材は、ASTM D 6
48による18.6kgf/cm2の荷重たわみ温度が
250℃以上、好ましくは300℃以上であることが必
要である。この樹脂部材は調理用コンロの主部材である
ため、調理中は当然にもある程度の温度に上昇する。か
かる高温域においても、コンロは調理容器の荷重を支持
する必要がある。荷重たわみ温度が250℃未満では調
理容器の荷重を支持することが困難となるので好ましく
ない。
【0043】このような樹脂部材の酸素指数、荷重たわ
み温度等の各条件は、適切な結晶性熱可塑性樹脂を選択
し、必要に応じて無機系充填剤や難燃化剤を選択するこ
とにより容易に達成することができる。
【0044】本発明の調理用コンロは、前記結晶性熱可
塑性樹脂等からなる樹脂部材を主部材として構成され
る。例えば、公知の射出成形方法、圧縮成形方法等によ
り容易に成形することができる。とりわけ、サーモトロ
ピック液晶ポリマーは、荷重下における粘度が低いので
射出成形が容易である。
【0045】本発明の調理用コンロは、その燃料として
例えばアセトアルデヒドの4量体等の固形燃料を使用す
る。通常、固形燃料は加熱により液化した後に燃焼す
る。燃焼は特に高温であり、また燃焼時には固形燃料は
液化するので、液溜の目的も兼ねて固形燃料の収納部を
金属製容器、例えば金属製プレートを設ける。
【0046】本発明の調理用コンロは、上記したように
樹脂部材を主部材とするが、上記固形燃料収納用の金属
製容器としての金属部材の他、機械的補強の目的で樹脂
部材に加えて、適宜に金属部材を併用してもよい。金属
部材の併用は、射出成形におけるインサート成形、金属
部材と樹脂部材とのネジ止め、接着等の方法により併用
することができる。無機系充填剤を配合した場合にはメ
ッキ処理を施すことができ、調理用コンロとしての商品
価値が容易に高められる。また、適宜、支持用脚等をつ
けた形態としても用いられる。
【0047】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明をさらに具体的
に説明する。
【0048】実施例1 DSCによる融点が285℃のポリフェニレンスルファ
イド樹脂(大日本インキ化学(株)製、銘柄F2114
0)60重量部とガラス40重量部とを混合し、これを
樹脂部材として射出成形によって図1〜3に示すような
調理用コンロを作成した。この樹脂部材のASTM D
2863による酸素指数は46、18.6kgf/c
2の荷重たわみ温度は270℃であった。
【0049】この調理用コンロを用い、図2のように固
形燃料を燃焼させ、調理用容器内の水を沸騰させた。
【0050】実施例2 結晶性熱可塑性樹脂として、テレフタル酸、4−ヒドロ
キシ安息香酸および4,4′−ジヒドロキシジフェニル
を1:2:1のモル比で含む三元コポリエステルからな
るサーモトロピック液晶ポリマーを用いた。このサーモ
トロピック液晶ポリマーのDSCによる融点は420℃
であった。
【0051】このサーモトロピック液晶ポリマー70重
量部とガラス30重量部とを混合し、これを樹脂部材と
して射出成形によって図1〜3に示すような調理用コン
ロを作成した。この樹脂部材のASTM D 2863
による酸素指数は46、18.6kgf/cm2の荷重
たわみ温度は346℃であった。
【0052】この調理用コンロを用い、図2のように固
形燃料を燃焼させ、調理用容器内の水を沸騰させた。
【0053】実施例3 結晶性熱可塑性樹脂として、テレフタル酸、4−ヒドロ
キシ安息香酸および4,4′−ジヒドロキシジフェニル
を1:3.7:1のモル比で含む三元コポリエステルか
らなるサーモトロピック液晶ポリマーを用いた。このサ
ーモトロピック液晶ポリマーのDSCによる融点は39
0℃であった。
【0054】このサーモトロピック液晶ポリマー70重
量部とガラス30重量部とを混合し、これを樹脂部材と
して射出成形によって図1〜3に示すような調理用コン
ロを作成した。この樹脂部材のASTM D 2863
による酸素指数は42、18.6kgf/cm2の荷重
たわみ温度は266℃であった。
【0055】この調理用コンロを用い、図2のように固
形燃料を燃焼させ、調理用容器内の水を沸騰させた。
【0056】このようにして得られた実施例1〜3の調
理用コンロは、携帯性に優れ、また安全性も良好で、廃
棄後の問題も少ないことを確認した。
【0057】
【発明の効果】本発明の調理用コンロは、従来の携帯コ
ンロに比べて、特に携帯性に優れることに加え、視覚、
機能にわたるデザイン性、安全性が良好で、また廃棄後
の問題も少ない。従って、従来の携帯コンロの用途によ
り機能的に対応できるだけでなく、個人用卓上コーヒー
沸かし等の新規分野への用途も期待できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の調理用コンロの一例を示す透視斜視
図。
【図2】 図1の調理用コンロの使用状態を示す一部切
り欠き側面図。
【図3】 図1の調理用コンロの樹脂部材部分の断面
図。
【符号の説明】
1:調理用コンロ、2:樹脂部材、3:金属プレート、
4:空気取入口、5:固形燃料、6:調理容器。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 DSCにより測定される融点が250℃
    以上の結晶性熱可塑性樹脂100〜10重量部と無機系
    充填剤0〜90重量部とからなり、ASTMD 286
    3による酸素指数が30以上、18.6kgf/cm2
    の荷重たわみ温度が250℃以上である樹脂部材を主部
    材とすることを特徴とする調理用コンロ。
  2. 【請求項2】 前記結晶性熱可塑性樹脂がサーモトロピ
    ック液晶ポリマーである請求項1に記載の調理用コン
    ロ。
  3. 【請求項3】 前記樹脂部材がさらに難燃化剤を含有す
    る請求項1に記載の調理用コンロ。
JP16340092A 1992-06-01 1992-06-01 調理用コンロ Pending JPH05332542A (ja)

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