JPH0533208Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本考案は、板金を所要形状にプレス切断する切
断型の交換装置に関するものである。

＜従来の技術＞ コイル切断ラインにおいては、板金を所要形状
にプレス切断するために、例えば、実開昭62−
35714号で提供されているように、板材の自重を
受け、二つの異なる形状を有する切断下刃を固定
した下型本体と、この切断下刃と噛み合う固定の
切断上刃並びにガイドポストに上下方向に摺動可
能に支持した可動の切断上刃を備えた上型本体
と、この上型本体に吊りボルトにより支持され、
圧縮コイルばねを介して上下方向に移動可能であ
り、切断時に板材を下型本体上に押圧して位置決
めする板押え部材と、前記上型本体に動力手段に
よつて前記可動の切断上刃の移動方向と直交する
方向に進退移動可能に設けられ、切断上刃の上面
に前進して可動の切断上刃を固定の切断上刃と相
対差を持たせるべく下方向に位置決めする規制駒
と、前記可動の切断上刃の下面と対応する下型本
体上に圧縮バネを介して上方向に移動可能に設置
した支持部材とを備えた構成の切断型が用いられ
ている。

＜考案が解決しようとする課題＞ 上記従来の切断型では、板金の切断形状が変わ
る毎にプレス機に対し切断型の入替え交換作業を
行つていた。

コイル切断ラインは一般のプレス生産ラインと
比較すると、生産数が非常に高いため、切断型の
交換は頻繁に行われる。従つて、この切断型の交
換作業に要する時間は生産性に影響する。

生産性向上のためには切断型の交換作業を短時
間におこなわせる必要があるが、上記従来では交
換作業時間を短縮することは難しかつた。

＜課題を解決するための手段＞ 本考案は、上記の課題を解決した切断型の交換
装置を提供するもので、その特徴とする構成は、
上切刃を備えた上型と前記上切刃と対応する下切
刃を備えた下型とからなる一対を１組とする第
１、第２切断型の２組よりなり、第１切断型の上
型を第２切断型の下型に、また第２切断型の上型
を第１切断型の下型に対してそれぞれ昇降動可能
に連結し、前記第１、第２切断型の上型及び下型
の両側端面にピン用穴を設け、前記第１、第２切
断型を載置する型台上の両側に前記ピン用穴に嵌
合する支持ピンが突設された回転プレートとこの
回転プレートを回転駆動する手段とを備えた切断
型回転装置を第１、第２切断型の両側端面に対し
前進後退移動可能に設置し、この切断型回転装置
の前進位置にて切断型回転装置を昇降動させる昇
降動装置を前記型台上の両側に配置したものであ
る。

＜作用＞ 上記の構成により、２組の第１、第２切断型の
何れか一方の組の上型は常にプレス機の昇降動す
る上型が当接する上方に位置し、板金の切断状態
となつている。このとき、他方の組の上型は下方
に位置し、また下型は上方に位置して開口し、板
金の通過を許容している。前記一方の組の上型を
プレス機の上型にて押し下げると、この一方の組
の上型は他方の組の下型に対し相対移動して下降
動され板金を切断する。

他方の組の切断型にて切断する場合は、切断型
回転装置を前進移動させ、支持ピンをピン用穴に
嵌合し、昇降動装置により切断型回転装置を上昇
して第１、第２切断型を型台より持ち上げ、しか
るのちに切断型回転装置により第１、第２切断型
を180度回転し、切断型回転装置を下降動並びに
後退移動して切換作業を完了する。

＜実施例＞ 以下本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。Ａは第１切断型、Ｂは第２切断型である。こ
の第１、第２切断型Ａ，Ｂは次のような構成であ
る。

すなわち、上切刃３ａ，３ｂを備えた上型１
ａ，１ｂと前記上切刃３ａ，３ｂと対応する下切
刃４ａ，４ｂを備えた下型２ａ，２ｂとからな
り、第１切断型Ａは上型１ａと下型２ａとの一対
で１組、第２切断型Ｂは上型１ｂと下型２ｂとの
一対で１組を形成している。また、上型１ａと下
型２ａ並びに上型１ｂと下型２ｂは、ガイドポス
ト５によつて常に開口方向に付勢されている。

そして、第１切断型Ａの上型１ａは第２切断型
Ｂの下型２ｂに対し昇降動可能に連結し、また第
２切断型Ｂの上型１ｂは第１切断型Ａの下型２ａ
に対し昇降動可能に連結されている。その連結構
造は、それぞれの上型１ａ，１ｂの両側端面にコ
の字状の連結部材６，７の一端を固着し、連結部
材６，７の他端はそれぞれの下型２ａ，２ｂの両
側端面に設けた上下方向の長穴８，９に摺動自在
に係合した構成である。

さらに、それぞれの上型１ａ，１ｂ、下型２
ａ，２ｂの両側端面にはピン用穴１０が明けられ
ている。

１１は前記第１、第２切断型Ａ，Ｂが載置され
る型台である。この型台１１上の両側には前記第
１、第２切断型Ａ、Ｂを持ち上げ、かつ回転する
切断型回転装置２２と、この切断型回転装置２２
を昇降動させる昇降動装置２０とが配置されてい
る。尚図面には一側方の切断型回転装置２２と昇
降動装置２０は省略している。

前記切断型回転装置２２の構成は次の通りであ
る。型台１１上に設けられたガイドレール１３上
を案内され、第１、第２切断型Ａ，Ｂの両側端面
に対し前進後退移動する移動台１２と、この移動
台１２を進退移動させる送りねじ１４と、前記移
動台１２上に回転自在に軸承され、前記ピン用穴
１０に嵌合する支持ピン１７を備えた回転プレー
ト１６から構成されている。１５は送りねじ１４
を手動で回転するハンドルであるが、アクチユエ
ータによつて自動的に回転させることも可能であ
る。

１８は前記回転プレート１６を大歯車とし、こ
れに噛み合う小歯車であり、ハンドル１９にて手
動回転される。これもアクチユエータによつて自
動回転させることも可能である。

前記昇降動装置２０は油圧シリンダ等によるも
のであり、前記移動台１２の前進端位置で移動台
１２の下方で昇降動し、移動台１２を上昇並びに
下降動するよう配置されている。

次に上記構成の動作について説明する。図示で
は第１切断型Ａが板金を切断する状態であり、上
型１ａの上面にはワンタツチで取り付けられるウ
レタン付のブロツク２３が装着され、このブロツ
ク２３にプレス機（図示省略）の上型が当接して
上型１ａを押し下げる。このとき、上型１ａは第
２切断型Ｂの下型２ｂ（第２切断型Ｂの下型２ｂ
は上方に位置している。）に対し連結部材６が長
穴８を摺動して相対移動が許容される。また、第
２切断型Ｂの下型２ｂと上型１ｂはガイドポスト
５により開口状態を保持し、第１切断型Ａで切断
する板金を通過させる。

次に第２切断型Ｂによつて板金を切断する場合
の切断型の交換動作は次の通りである。先ず後退
端に退避している切断型回転装置２２を前進端ま
で移動する。これにより支持ピン１７がピン用穴
１０に嵌合される。次いで昇降動装置２０により
移動台１２を上昇させる。これにより切断型回転
装置２２は持ち上げられ、第１、第２切断型Ａ，
Ｂを型台１１より回転可能な高さＨだけ上昇す
る。この上昇位置で回転プレート１６を180度回
転させることにより、第１、第２切断型Ａ，Ｂは
反転し、第２切断型Ｂの上型１ｂがプレス機の上
型の下降位置で上方位置される。その後、昇降動
装置２０を下降して切断型回転装置２２を下降動
させ、反転した第１、第２切断型Ａ，Ｂを再び型
台１１上に載置し、切断型回転装置２２を後退端
に戻すことにより切断型の交換サイクルを完了す
るものである。尚、このとき、ウレタン付のブロ
ツク２３を上型１ａより取り外して上型１ｂに付
け換える。

＜考案の効果＞ 以上のように本考案によると、それぞれ異なつ
た切断形状の切刃を備えた２組の切断型を互いに
上型と下型とを相対位置関係に配置してそれぞれ
の上型をそれぞれの下型に対し昇降動を許容して
一体的に連結し、これを型台上の両側に進退移動
可能に設けた切断型回転装置と昇降動装置とによ
つて前記切断型を型台より持ち上げ、かつ180度
回転するようにした構成であるから、プレス機内
にて２種類の切断型の交換が得られ、交換作業が
短時間で完了する。これにより切断生産の向上が
図られると共に、従来のように切断型をプレス機
に出し入れするクレーンを不要とし、かつ安全に
交換作業ができる利点を有している。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示す斜視図である。 Ａ……第１切断型、Ｂ……第２切断型、１ａ，
１ｂ……上型、２ａ，２ｂ……下型、３ａ，３ｂ
……上切刃、４ａ，４ｂ……下切刃、５……ガイ
ドポスト、６，７……連結部材、８，９……長
穴、１０……ピン用穴、１１……型台、１２……
移動台、１４……送りねじ、１６……回転プレー
ト、１７……支持ピン、２０……昇降動装置、２
２……切断型回転装置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上切刃を備えた上型と前記上切刃と対応する下
   切刃を備えた下型とからなる一対を１組とする第
   １、第２切断型の２組よりなり、第１切断型の上
   型を第２切断型の下型に、また第２切断型の上型
   を第１切断型の下型に対してそれぞれ昇降動可能
   に連結し、前記第１、第２切断型の上型及び下型
   の両側端面にピン用穴を設け、前記第１、第２切
   断型を載置する型台上の両側に前記ピン用穴に嵌
   合する支持ピンが突設された回転プレートとこの
   回転プレートを回転駆動する手段とを備えた切断
   型回転装置を第１、第２切断型の両側端面に対し
   前進後退移動可能に設置し、この切断型回転装置
   の前進位置にて切断型回転装置を昇降動させる昇
   降動装置を前記型台上の両側に配置したことを特
   徴とする板金切断型の交換装置。