JPH0533171A - 酸洗促進剤、酸洗促進剤を含んだ酸洗液組成物およびこれを用いる金属の酸洗促進方法 - Google Patents

酸洗促進剤、酸洗促進剤を含んだ酸洗液組成物およびこれを用いる金属の酸洗促進方法

Info

Publication number
JPH0533171A
JPH0533171A JP18896191A JP18896191A JPH0533171A JP H0533171 A JPH0533171 A JP H0533171A JP 18896191 A JP18896191 A JP 18896191A JP 18896191 A JP18896191 A JP 18896191A JP H0533171 A JPH0533171 A JP H0533171A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carbon atoms
acid
pickling
chemical formula
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP18896191A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3042912B2 (ja
Inventor
Takashi Wakabayashi
孝史 若林
Hiroshi Sasaki
浩 佐々木
Kazuyuki Fujiwara
和志 藤原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Chemical Co Ltd
Asahi Kagaku Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Co Ltd
Asahi Kagaku Kogyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Chemical Co Ltd, Asahi Kagaku Kogyo Co Ltd filed Critical Asahi Chemical Co Ltd
Priority to JP3188961A priority Critical patent/JP3042912B2/ja
Publication of JPH0533171A publication Critical patent/JPH0533171A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3042912B2 publication Critical patent/JP3042912B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Detergent Compositions (AREA)
  • Cleaning And De-Greasing Of Metallic Materials By Chemical Methods (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 金属の酸洗工程において、金属母材の腐食を
抑制して酸洗速度を促進する。 【構成】 スルフィン酸およびその誘導体、ハロゲン化
スルフェニル、ジスルフォキシド、ジスルホンの中から
選ばれた少なくとも1種から成る酸洗促進剤、これを酸
洗原液に添加した酸洗液組成物およびこれらを用いる金
属の酸洗促進方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属の表面に付着して
いる酸化物皮膜(錆、熱延ミルスケール等)および熱交
換器の表面に付着するスケール(金属酸化物と硬度成分
の混合物)の除去の際の酸洗液に添加する酸洗促進剤お
よび酸洗促進剤を含んだ酸洗液組成物ならびにこれらを
用いる金属の酸洗促進方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に金属の熱延材料(熱延鋼板など)
や熱処理を施した金属材料表面には、酸化物皮膜(ミル
スケールなど)が付着しており、後工程(冷延、メッキ
工程など)に供するためにこの酸化物皮膜を除去する必
要がある。
【0003】また、発電プラント、化学プラントなどの
ボイラーや熱交換器には、金属酸化物を主体としその他
硬度成分を含んだスケールが、プラントの稼働と共に生
成する。スケールが金属表面に付着生成するとプラント
の熱効率を悪化させたり伝熱管の異常加熱を引き起こし
危険であるためスケールを除去する必要がある。
【0004】これら金属の表面に付着している酸化物皮
膜および熱交換器表面に付着しているスケールの除去に
は、酸、たとえば、硫酸、塩酸、燐酸、スルファミン
酸、硝酸、フッ酸、シユウ酸、クエン酸のような無機酸
または有機酸およびこれらの混酸等の水溶液による洗
浄、いわゆる酸洗が行われている。
【0005】なお、これらの酸は、酸洗時において酸化
物皮膜やスケールを溶解するのみならず金属素地も同時
に溶解するため、従来から素地腐食の防止のために腐食
抑制剤が使用されている。
【0006】酸洗において、強固に付着した酸化物皮膜
は、除去しがたく、これを完全に除去するには、かなり
長時間の酸洗時間が必要である。また、母材保護のため
使用されている腐食抑制剤の多くは、酸洗速度を遅らせ
るという欠点を有している。このため、さらに長時間の
酸洗時間が必要となり作業能率の低下が避けられないの
が実状である。
【0007】このため、腐食抑制剤の性能低下が起きな
い範囲内で酸濃度を高めたり酸洗液の温度を高めたりし
て酸化物皮膜を除去する時間を短縮する方法で対処して
いるのが実状である。
【0008】したがって、母材の腐食を抑えながら酸洗
を促進し、酸洗に要する時間を短縮することは工業的に
重要であり強い要請のあるところである。
【0009】従来、これらの問題点の解決にあたって界
面活性剤を添加する方法(特開昭57−19827
3)、酸化剤と腐食抑制剤を添加する方法(特開昭63
−203780)、あるいは還元剤を添加する方法(特
開昭47−34122)などが提案されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術では、充分な促進効果が発揮されない、酸洗作業
中に有毒ガスを発生し作業環境を悪化する、腐食抑制剤
の素地腐食防止効果に悪影響を与えるなどの問題点があ
る。このため上記の酸洗促進剤およびこれを用いた酸洗
促進方法は使用されることがほとんどないのが実状であ
る。
【0011】たとえば、特開昭57−198273号公
報には、含フッ素系界面活性剤および炭化水素系界面活
性剤から成る酸洗促進剤が記載されているが充分な促進
効果が認められない。また、特開昭63−203780
号公報の酸化剤と腐食抑制剤を添加する方法では、鉄の
溶解反応を促進し電気化学的作用により金属の表面に付
着している酸化物皮膜の溶解を促進するものであるが腐
食抑制剤を添加していても酸化剤添加によって金属素地
の腐食の増加は避けられない。特開昭47−34122
号公報には、還元性を有する無機または有機化合物を添
加する方法が記載されているが、アスコルビン酸、ヒド
ラジンなど有機還元剤では、充分な促進効果が認められ
ない。亜硫酸塩、チオ硫酸塩などの無機還元剤では、酸
化物皮膜の溶解促進作用があるものの酸洗液にこれらを
添加する時および酸洗中に、きわめて有毒な亜硫酸ガス
や硫化水素ガスを発生し作業環境維持の立場からして好
ましいものではない。さらに、腐食抑制剤の素地腐食の
防止効果に悪影響を与えるという問題点がある。
【0012】本発明は、上記の従来技術の問題点である
酸洗時において有害ガスを発生することなしに金属母材
の腐食を抑えつつ金属表面に付着している酸化物皮膜や
スケールの除去速度を促進する酸洗促進剤および酸洗促
進剤を含む酸洗液組成物ならびにこれを用いる酸洗促進
方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、金属の酸洗工
程において、化1、化2、化3および化4で表わされる
化合物から選ばれた少なくとも1種を無機酸および/ま
たは有機酸の水溶液に添加することによって金属の酸洗
速度を促進することを特徴とする酸洗促進剤である。
【0014】
【化1】R1−SO−R21は、炭素数1〜14のアルキル基、炭素数6〜20
のアリール基または複素環化合物基を示す。
【0015】R2は、 (a)OH、 (b)OMe、 Meは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、亜鉛、銅、
クロム、マンガンまたは鉄を示す。
【0016】(c)ONR3456、 R3,R4,R5およびR6は、水素、炭素数1〜14のア
ルキル基、炭素数6〜20のアリール基または複素環化
合物基をそれぞれ示し、R3,R4,R5およびR6は、そ
れぞれ同一であってもよく異なっていてもよい。
【0017】(d)OR7、R7は、炭素数1〜14のア
ルキル基または炭素数6〜20のアリール基を示す。
【0018】(e)X、 Xは、ハロゲンを示す。
【0019】(f)NR89、R8およびR9は、水素、
炭素数1〜16のアルキル基、炭素数6〜20のアリー
ル基または複素環化合物基をそれぞれ示し、R8および
9は、それぞれ同一であってもよく異なっていてもよ
い。
【0020】
【化2】R10−S−X、 R10は、炭素数1〜14のアルキル基、炭素数6〜20
のアリール基または複素環化合物基を示す。
【0021】Xは、ハロゲンを示す。
【0022】
【化3】R11−S−SO2−R12または R11およびR12は、炭素数1〜14のアルキル基、炭素
数6〜20のアリール基または複素環化合物基をそれぞ
れ示し、R11およびR12は、それぞれ同一であってもよ
く異なっていてもよい。
【0023】
【化4】R13−SO2−SO2−R1413およびR14は、炭素数1〜14のアルキル基、炭素
数6〜20のアリール基または複素環化合物基をそれぞ
れ示し、R13およびR14は、それぞれ同一であってもよ
く異なっていてもよい。
【0024】また本発明は、請求項1記載の化1、化
2、化3および化4で表わされる化合物が、
【0025】
【化1】(a)ブタンスルフィン酸、ベンゼンスルフィ
ン酸、トルエンスルフィン酸、ピリジンスルフィン酸 (b)ベンゼンスルフィン酸およびトルエンスルフィン
酸のアルカリ金属塩 (c)ベンゼンスルフィン酸アンモニウム、トルエンス
ルフィン酸アンモニウム (d)ベンゼンスルフィン酸エチル (e)塩化ベンゼンスルフィニル (f)N−メチルベンゼンスルフィニルアミド
【0026】
【化2】ブタンスルフェニルクロリド、塩化ベンゼンス
ルフェニル、ピリジンスルフェニルクロリド
【0027】
【化3】ブタンジスルホキシド、ベンゼンスルホキシ
ド、ピリジンスルホキシド
【0028】
【化4】ブタンジスルホン、ジフェニルジスルホンまた
はジピリジンスルホンであることを特徴とする酸洗促進
剤である。
【0029】また本発明は、無機酸および/または有機
酸の少なくとも1種の水溶液から成り、酸の含有量が1
〜50%、化1、化2、化3および化4で表わされる化
合物から選ばれた少なくとも1種の含有量が0.001
%以上であることを特徴とする酸洗促進剤を含んだ酸洗
液組成物である。
【0030】
【化1】R1−SO−R21は、炭素数1〜14のアルキル基、炭素数6〜20
のアリール基または複素環化合物基を示す。
【0031】R2は、 (a)OH、 (b)OMe、 Meは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、亜鉛、銅、
クロム、マンガンまたは鉄を示す。
【0032】(c)ONR3456、 R3,R4,R5およびR6は、水素、炭素数1〜14のア
ルキル基、炭素数6〜20のアリール基または複素環化
合物基をそれぞれ示し、R3,R4,R5およびR6は、そ
れぞれ同一であってもよく異なっていてもよい。
【0033】(d)OR7、 R7は、炭素数1〜14のアルキル基または炭素数6〜
20のアリール基を示す。
【0034】(e)X、 Xは、ハロゲンを示す。
【0035】(f)NR89、 R8およびR9は、水素、炭素数1〜16のアルキル基、
炭素数6〜20のアリール基または複素環化合物基をそ
れぞれ示し、R8およびR9は、それぞれ同一であっても
よく異なっていてもよい。
【0036】
【化2】R10−S−X、 R10は、炭素数1〜14のアルキル基、炭素数6〜20
のアリール基または複素環化合物基を示す。
【0037】Xは、ハロゲンを示す。
【0038】
【化3】R11−S−SO2−R12または R11およびR12は、炭素数1〜14のアルキル基、炭素
数6〜20のアリール基または複素環化合物基をそれぞ
れ示し、R11およびR12は、それぞれ同一であってもよ
く異なっていてもよい。
【0039】
【化4】R13−SO2−SO2−R1413およびR14は、炭素数1〜14のアルキル基、炭素
数6〜20のアリール基または複素環化合物基をそれぞ
れ示し、R13およびR14は、それぞれ同一であってもよ
く異なっていてもよい。
【0040】また本発明は、有機酸の少なくとも1種か
ら成る酸の含有量が99.99未満と、化1、化2、化
3および化4で表わされる化合物から選ばれた少なくと
も1種の含有量が0.01%以上と残部が水であること
を特徴とする酸洗促進剤を含んだ酸洗液組成物である。
【0041】
【化1】R1−SO−R21は、炭素数1〜14のアルキル基、炭素数6〜20
のアリール基または複素環化合物基を示す。
【0042】R2は、 (a)OH、 (b)OMe、 Meは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、亜鉛、銅、
クロム、マンガンまたは鉄を示す。
【0043】(c)ONR3456、 R3,R4,R5およびR6は、水素、炭素数1〜14のア
ルキル基、炭素数6〜20のアリール基または複素環化
合物基をそれぞれ示し、R3,R4,R5およびR6は、そ
れぞれ同一であってもよく異なっていてもよい。
【0044】(d)OR7、 R7は、炭素数1〜14のアルキル基または炭素数6〜
20のアリール基を示す。
【0045】(e)X、 Xは、ハロゲンを示す。
【0046】(f)NR89、 R8およびR9は、水素、炭素数1〜16のアルキル基、
炭素数6〜20のアリール基または複素環化合物基をそ
れぞれ示し、R8およびR9は、それぞれ同一であっても
よく異なっていてもよい。
【0047】
【化2】R10−S−X、 R10は、炭素数1〜14のアルキル基、炭素数6〜20
のアリール基または複素環化合物基を示す。
【0048】Xは、ハロゲンを示す。
【0049】
【化3】R11−S−SO2−R12またはR11およびR12
は、炭素数1〜14のアルキル基、炭素数6〜20のア
リール基または複素環化合物基をそれぞれ示し、R11
よびR12は、それぞれ同一であってもよく異なっていて
もよい。
【0050】
【化4】R13−SO2−SO2−R1413およびR14は、炭素数1〜14のアルキル基、炭素
数6〜20のアリール基または複素環化合物基をそれぞ
れ示し、R13およびR14は、それぞれ同一であってもよ
く異なっていてもよい。
【0051】また本発明は、無機酸が硫酸、塩酸、リン
酸、スルファミン酸、フッ酸または硝酸であり、有機酸
が酢酸、シュウ酸、クエン酸、ギ酸、酒石酸、リンゴ
酸、ヒドロキシ酸またはグルコン酸であることを特徴と
する酸洗促進剤を含んだ酸洗組成物である。
【0052】また本発明は、無機酸および/または有機
酸の水溶液から成る酸洗液1lに、化1、化2、化3お
よび化4で表わされる化合物から選ばれた少なくとも1
種を10mg以上、好ましくは100mg〜4,000
mg添加した液を用いることを特徴とする金属、特に鉄
鋼、銅およびこれらの金属の合金の酸洗促進方法であ
る。
【0053】
【化1】R1−SO−R21は、炭素数1〜14のアルキル基、炭素数6〜20
のアリール基または複素環化合物基を示す。
【0054】R2は、 (a)OH、 (b)OMe、 Meは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、亜鉛、銅、
クロム、マンガンまたは鉄を示す。
【0055】(c)ONR3456、 R3,R4,R5およびR6は、水素、炭素数1〜14のア
ルキル基、炭素数6〜20のアリール基または複素環化
合物基をそれぞれ示し、R3,R4,R5およびR6は、そ
れぞれ同一であってもよく異なっていてもよい。
【0056】(d)OR7、 R7は、炭素数1〜14のアルキル基または炭素数6〜
20のアリール基を示す。
【0057】(e)X、 Xは、ハロゲンを示す。
【0058】(f)NR89、 R8およびR9は、水素、炭素数1〜16のアルキル基、
炭素数6〜20のアリール基または複素環化合物基をそ
れぞれ示し、R8およびR9は、それぞれ同一であっても
よく異なっていてもよい。
【0059】
【化2】R10−S−X、 R10は、炭素数1〜14のアルキル基、炭素数6〜20
のアリール基または複素環化合物基を示す。
【0060】Xは、ハロゲンを示す。
【0061】
【化3】R11−S−SO2−R12または R11およびR12は、炭素数1〜14のアルキル基、炭素
数6〜20のアリール基または複素環化合物基をそれぞ
れ示し、R11およびR12は、それぞれ同一であってもよ
く異なっていてもよい。
【0062】
【化4】R13−SO2−SO2−R1413およびR14は、炭素数1〜14のアルキル基、炭素
数6〜20のアリール基または複素環化合物基をそれぞ
れ示し、R13およびR14は、それぞれ同一であってもよ
く異なっていてもよい。
【0063】また本発明は、無機酸が硫酸、塩酸、リン
酸、スルファミン酸、フッ酸または硝酸であり、有機酸
が酢酸、シュウ酸、クエン酸、ギ酸、酒石酸、リンゴ
酸、ヒドロキシ酸またはグルコン酸であることを特徴と
する金属の酸洗促進方法である。
【0064】
【作用】本発明に従えば、スルフィン酸および、その誘
導体ハロゲン化スルフェニル、ジスルホキシド、ジスル
ホンである化1、化2、化3および化4で表わされる化
合物から選ばれた少なくとも1種を、金属の酸洗である
無機酸および/または有機酸の水溶液に添加することに
よって、有毒ガスを発生せずに、また金属の素地を腐食
させずにその酸洗速度を促進することである。
【0065】化1、化2、化3および化4で表わされる
化合物および入手し易い好ましい化合物としては、次の
ものがある。
【0066】
【化1】R1−SO−R21は、炭素数1〜14のアルキル基、アリール基また
は複素還化合物基を示す。
【0067】R2は、 (a)OH(スルフィン酸類)、特に、ブタンスルフィ
ン酸、ベンゼンスルフィン酸、トルエンスルフィン酸ま
たはピリジンスルフィン酸が好ましい。
【0068】(b)OMe(スルフィン酸の金属塩
類)、 Meは、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、マ
グネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属、亜
鉛、銅、クロム、マンガンまたは鉄を示す。
【0069】特に、ベンゼンスルフィン酸およびトルエ
ンスルフィン酸のアルカリ金属塩が好ましい。
【0070】(c)ONR3456(スルフィン酸の
アンモニウム塩または第4級アンモニウム塩類) R3,R4,R5およびR6は、水素、炭素数1〜14のア
ルキル基、炭素数6〜20のアリール基または複素環化
合物基をそれぞれ示し、R3,R4,R5およびR6は、そ
れぞれ同一であってもよく異なっていてもよい。
【0071】特に、ベンゼンスルフィン酸アンモニウ
ム、トルエンスルフィン酸アンモニウムが好ましい。
【0072】(d)OR7(スルフィン酸エーテル
類)、 R7は、炭素数1〜14のアルキル基または炭素数6〜
20のアリール基を示す。
【0073】特に、ベンゼンスルフィン酸エチルが好ま
しい。
【0074】(e)X(ハロゲン化スルフィニル類)、 Xは、塩素、臭素などのハロゲンを示す。
【0075】特に、塩化ベンゼンスルフィニルが好まし
い。
【0076】(f)NR89(スルフィン酸アミド類) R8およびR9は、水素、炭素数1〜16のアルキル基、
炭素数6〜20のアリール基または複素環化合物基をそ
れぞれ示し、R8およびR9は、それぞれ同一であっても
よく異なっていてもよい。
【0077】特に、N−メチルベンゼンスルフィニルア
ミドが好ましい。
【0078】
【化2】R10−S−X(ハロゲン化スルフェニル類)、 R10は、炭素数1〜14のアルキル基、炭素数6〜20
のアリール基または複素環化合物基を示す。
【0079】Xは、塩素、臭素などのハロゲンを示す。
【0080】特に、ブタンスルフェニルクロリド、塩化
ベンゼンスルフェニルまたはピリジンスルフェニルクロ
リドが好ましい。
【0081】
【化3】R11−S−SO2−R12(ジスルホキシド類) R11、R12は、炭素数1〜14のアルキル基、炭素数6
〜20のアリール基または複素環化合物基をそれぞれ示
し、R11およびR12は、それぞれ同一であってもよく異
なってもよい。
【0082】特に、ブタンジスルホキシド、ベンゼンス
ルホキシドまたはピリジンスルホキシドが好ましい。
【0083】
【化4】R13−SO2−SO2−R14(ジスルホン類) R13およびR14は、炭素数1〜14のアルキル基、炭素
数6〜20のアリール基または複素環化合物基をそれぞ
れ示し、R13およびR14は、それぞれ同一であってもよ
く異なってもよい。
【0084】特に、ブタンジスルホン、ジフェニルジス
ルホンまたはジピリジンジスルホンが好ましい。
【0085】さらに好ましい化合物としては、ベンゼン
スルフィン酸、トルエンスルフィン酸およびこれらのナ
トリウム塩、アンモニウム塩がある。
【0086】また本発明の酸洗促進剤の添加量は、酸洗
液1lに対し、10mg以上、好ましくは100mg以
上、4,000mg以下である。添加量が10mg/l
未満では、酸洗促進剤の作用はない。特に、添加量が1
00mg/l以上で顕著な酸洗促進作用を示し、4,0
00mg/lを超えてもその作用はほとんど増加しな
い。
【0087】また本発明の酸洗促進剤は、使用に際して
酸洗液に添加してもよく、また予め酸洗原液に添加して
酸洗液組成物とし、酸洗時にそのままでまたはこれを水
で希釈して用いることもできる。この場合酸洗原液とし
て、硫酸、塩酸、リン酸、スルファミン酸、フッ酸また
は硝酸もしくはこれらの混酸、これらと有機酸の混酸を
用いるときは、酸の含有量を1〜50%とすることが好
ましい。これは無機酸の濃度が50%を超えると、本発
明の酸洗促進剤の一部が分解するおそれがあるためであ
る。酸洗原液が酢酸、シユウ酸、クエン酸、ギ酸、酒石
酸、リンゴ酸、ヒドロキシ酢酸またはグルコン酸などの
有機酸であるときは、本発明の酸洗促進剤は安定であ
り、上記のような分解をするおそれはないから、99.
99%未満の酸洗原液に本発明の酸洗促進剤0.01%
以上を添加したものを酸洗液組成物とすることができ
る。
【0088】酸洗促進剤を含んだ酸洗組成物は、そのま
ままたはこれを水で希釈して用いることもできるし、ま
た、従来からある酸洗液にこれを混ぜ、水で濃度調整し
て使用することもできる。
【0089】また本発明の酸洗促進剤およびこれを含ん
だ酸洗組成物は、金属一般の酸洗に用いて、顕著な酸洗
促進作用を示すが、その対象金属として、鉄、炭素鋼、
ステンレスなどの特殊鋼、銅、真鍮などの銅合金を挙げ
ることができる。
【0090】また、本発明の酸洗促進剤およびこれを含
んだ酸洗液組成物は、酸洗促進作用の他に、腐食抑制作
用を持っているために、単独で使用してもよく、またさ
らに母材の腐食を抑制するために従来から使用されてい
る腐食抑制剤と併用してもよい。
【0091】さらに酸洗液との混合をよくするために界
面活性剤と併用してもよい。これらの腐食抑制剤や界面
活性剤は、予め本発明の酸洗促進剤と混合しておいても
よく、別々に酸洗液に添加してもよい。
【0092】酸洗促進剤およびこれを含んだ酸洗液組成
物についてその作用を説明したが、本発明の作用はこれ
らを用いた金属の酸洗促進方法についても同様である。
【0093】
【実施例】
実施例1〜22 1l中に硫酸100gと第1鉄イオン50gを含む酸洗
液に、本発明の酸洗促進剤を2g添加し、この液を60
℃まで加温した後、黒皮付きの熱間圧延鋼板(JIS
G 3131)を浸漬し、表面の黒皮、錆の除去に要す
る時間を測定した。
【0094】その結果を表1に示す。
【0095】比較例1 実施例1と同じ条件で実験を行った。ただし酸洗促進剤
は用いていない。その結果を表1に示す。
【0096】
【表1】
【0097】実施例23〜27 酸洗液の温度を95℃にしたこと以外は、実施例1,
3,4,6,7と同じ条件で実験を行った。その結果を
表2に示す。
【0098】比較例2 酸洗液の温度を95℃にしたこと以外は、比較例1と同
じ条件で実験を行った。その結果を表2に示す。
【0099】
【表2】
【0100】実施例28〜31 1l中に塩酸100gと第1鉄イオン50gを含む酸洗
液に、本発明の酸洗促進剤を2g添加し、この液を90
℃まで加温した後、黒皮付きの熱間圧延鋼板を浸漬し、
表面の黒皮、錆の除去に要する時間を測定した。その結
果を表3に示す。
【0101】比較例3 実施例28と同じ条件で実験を行った。ただし酸洗促進
剤は用いていない。その結果を表3に示す。
【0102】実施例32〜34 酸洗液の温度を30℃にしたこと以外は、実施例28〜
30と同じ条件で実験を行った。その結果を表3に示
す。
【0103】比較例4 酸洗液の温度を30℃にしたこと以外は、比較例3と同
じ条件で実験を行った。その結果を表3に示す。
【0104】
【表3】
【0105】実施例35 1l中にリン酸50gを含む酸洗液に、本発明の酸洗促
進剤の1種であるベンゼンスルフィン酸を2g添加し、
この液を60℃まで加温した後、黒皮付きの熱間圧延鋼
板を浸漬し、表面の黒皮、錆の除去に要する時間を測定
した。その結果を表4に示す。
【0106】比較例5 実施例35と同じ条件で実験を行った。ただし酸洗促進
剤は用いていない。その結果を表4に示す。
【0107】実施例36,37 1l中にスルファミン酸50gを含む酸洗液に、本発明
の酸洗促進剤の1種であるベンゼンスルフィン酸または
トルエンスルフィン酸を2g添加し、この液を60℃ま
で加温した後、黒皮付きの熱間圧延鋼板を浸漬し、表面
の黒皮、錆の除去に要する時間を測定した。その結果を
表4に示す。
【0108】比較例6 実施例36と同じ条件で実験を行った。ただし酸洗促進
剤は用いていない。その結果を表4に示す。
【0109】実施例38 1l中にクエン酸アンモニウム30gを含む酸洗液に、
本発明の酸洗促進剤の1種であるトルエンスルフィン酸
ナトリウムを2g添加し、この液を90℃まで加温した
後、黒皮付きの熱間圧延鋼板を浸漬し、表面の黒皮、錆
の除去に要する時間を測定した。その結果を表4に示
す。
【0110】比較例7 実施例38と同じ条件で実験を行った。ただし酸洗促進
剤は用いていない。その結果を表4に示す。
【0111】実施例39〜42 1l中に塩酸100gを含む液と1l中に硫酸100g
とを含む液を混ぜた酸洗液に、本発明の酸洗促進剤2g
添加し、この液を60℃まで加温した後、黒皮付きの熱
間圧延鋼板を浸漬し、表面の黒皮、錆の除去に要する時
間を測定した。その結果を表4に示す。
【0112】比較例8 実施例39と同じ条件で実験を行った。ただし酸洗促進
剤は用いていない。その結果を表4に示す。
【0113】実施例43 1l中に硫酸100gを含む液と1l中にギ酸100g
を含む液を混ぜた酸洗液に、本発明の酸洗促進剤の1種
であるベンゼンスルフィン酸を2g添加し、この液を6
0℃まで加温した後、黒皮付きの熱間圧延鋼板を浸漬
し、表面の黒皮、錆の除去に要する時間を測定した。そ
の結果を表4に示す。
【0114】比較例9 実施例43と同じ条件で実験を行った。ただし酸洗促進
剤は用いていない。その結果を表4に示す。
【0115】実施例44 1l中にヒドロキシ酢酸100gを含む液と1l中にギ
酸100gを含む液を混ぜた酸洗液に、本発明の酸洗促
進剤の1種であるベンゼンスルフィン酸を2g添加し、
この液を90℃まで加温した後、黒皮付きの熱間圧延鋼
板を浸漬し、表面の黒皮、錆の除去に要する時間を測定
した。その結果を表4に示す。
【0116】比較例10 実施例44と同じ条件で実験を行った。ただし酸洗促進
剤は用いていない。その結果を表4に示す。
【0117】
【表4】
【0118】実施例45〜47 1l中に硫酸100gと第1鉄イオン50gを含む酸洗
液に、本発明の酸洗促進剤を2g添加し、この液を60
℃まで加温した後、上記実施例1〜44で黒皮を除去し
た熱間圧延鋼板を浸漬し腐食量を求めた。その結果を表
5に示す。ただし、腐食量は浸漬前後の鋼板の重量差を
鋼板の表面積と浸漬時間で除した量である。
【0119】比較例11〜13 実施例45〜47と同じ条件で実験を行った。ただし、
酸洗促進剤は用いず、または本発明の酸洗促進剤の代わ
りにチオ硫酸アンモニウムまたは亜硫酸アンモニウムを
用いた。その結果を表5に示す。
【0120】実施例48〜50 酸洗液の温度を95℃にしたこと以外は、実施例45〜
47と同じ条件で実験を行った。その結果を表5に示
す。
【0121】比較例14 実施例48と同じ条件で実験を行った。ただし、酸洗促
進剤は用いていない。その結果を表5に示す。
【0122】実施例51 1l中に塩酸100gと第1鉄イオン50gを含む酸洗
液に、本発明の酸洗促進剤を2g添加し、この液を30
℃まで加温した後、上記実施例1〜44で黒皮を除去し
た熱間圧延鋼板を浸漬し腐食量を求めた。その結果を表
5に示す。
【0123】比較例15 実施例51と同じ条件で実験を行った。ただし、酸洗促
進剤は用いていない。その結果を表5に示す。
【0124】実施例52 1l中にスルファミン酸50gを含む酸洗液に、本発明
の酸洗促進剤を2g添加し、この液を60℃まで加温し
た後、上記実施例1〜44で黒皮を除去した熱間圧延鋼
板を浸漬し腐食量を求めた。その結果を表5に示す。
【0125】比較例16 実施例52と同じ条件で実験を行った。ただし、酸洗促
進剤は用いていない。その結果を表5に示す。
【0126】
【表5】
【0127】実施例53〜64および比較例17 1l中に硫酸100gと第1鉄イオン50gを含む酸洗
液に、本発明の酸洗促進剤の1種であるベンゼンスルフ
ィン酸を0mg〜10,000mgの範囲で添加し、こ
の液を60℃まで加温した後、黒皮付きの熱間圧延鋼板
と黒皮を除去した熱間圧延鋼板を浸漬した。前者から表
面の黒皮および錆の除去に要する時間を測定し、後者か
ら30分浸漬の腐食量を測定した。この結果を表6に示
す。
【0128】
【表6】
【0129】実施例65〜70および比較例18 1l中に塩酸100gと第1鉄イオン50gを含む酸洗
液に、本発明の酸洗促進剤の1種であるベンゼンスルフ
ィン酸を0mg〜10,000mgの範囲で添加し、こ
の液を30℃まで加温した後、黒皮付きの熱間圧延鋼板
と黒皮を除去した熱間圧延鋼板を浸漬した。前者から表
面の黒皮および錆の除去に要する時間を測定し、後者か
ら30分浸漬の腐食量を測定した。この結果を表7に示
す。
【0130】
【表7】
【0131】実施例71 1l中に硫酸250gと第1鉄塩60gを含む酸洗液
に、本発明の酸洗促進剤の1種であるベンゼンスルフィ
ン酸を1gで添加し、この液を95℃に加温した後、2
時間の間に有毒ガスの発生はなかった。
【0132】比較例19 実施例と同じ酸洗液に、従来の酸洗促進剤である亜硫酸
アンモニウムを1g添加し、この液を95℃に加温した
後、2時間の間に亜硫酸ガスが90ml発生した。
【0133】比較例20 実施例と同じ酸洗液に、従来の酸洗促進剤であるチオ硫
酸アンモニウムを1g添加し、この液を95℃に加温し
た後、2時間の間に硫化水素ガスが50ml発生した。
【0134】実施例72,73 本発明の酸洗促進剤の1種であるベンゼンスルフィン酸
を0.1%含んだ25%硫酸から成る酸洗液組成物を製
造し、直ちにまたは1週間経過後、この組成物を水で5
倍に希釈し、60℃に加温した後、黒皮付きの熱間圧延
鋼板を浸漬し、表面の黒皮、錆の除去に要する時間を測
定した。その結果を表8に示す。
【0135】比較例21 25%硫酸を水で5倍に希釈し、60℃に加温した後、
黒皮付きの熱間圧延鋼板を浸漬し、表面の黒皮、錆の除
去に要する時間を測定した。その結果を表8に示す。
【0136】実施例74,75 本発明の酸洗促進剤の1種であるベンゼンスルフィン酸
2%とクエン酸98%とから成る酸洗液組成物を製造
し、直ちにまたは1週間経過後、水で20倍に希釈し、
90℃に加温した後、黒皮付きの熱間圧延鋼板を浸漬
し、表面の黒皮、錆の除去に要する時間を測定した。そ
の結果を表8に示す。
【0137】比較例22 純クエン酸を水で20倍に希釈し、90℃に加温した
後、黒皮付きの熱間圧延鋼板を浸漬し、表面の黒皮、錆
の除去に要する時間を測定した。その結果を表8に示
す。
【0138】実施例77 本発明の酸洗促進剤の1種であるベンゼンスルフィン酸
を2%とヒドロキシ酢酸49%およびギ酸49%とから
成る酸洗液組成物を製造し、直ちにまたは1週間経過
後、水で20倍に希釈し、90℃に加温した後、黒皮付
きの熱間圧延鋼板を浸漬し、表面の黒皮、錆の除去に要
する時間を測定した。その結果を表8に示す。
【0139】比較例24 ヒドロキシ酢酸50%とギ酸50%の混合物を水で20
倍に希釈し、90℃に加温した後、黒皮付きの熱間圧延
鋼板を浸漬し、表面の黒皮、錆の除去に要する時間を測
定した。その結果を表8に示す。
【0140】
【表8】
【0141】実施例78 1l中に硫酸100gを含む酸洗液に、本発明の酸洗促
進剤の1種であるベンゼンスルフィン酸を2g添加し、
この液を60℃に加温した後、銅の酸洗を行い、表面の
黒皮、錆の除去に要した時間を測定した。その結果を表
9に示す。
【0142】比較例25 実施例78と同じ条件で実験を行った。ただし酸洗促進
剤は用いていない。その結果を表9に示す。
【0143】実施例79 1l中にフッ酸50gを含む酸洗液に、本発明の酸洗促
進剤の1種であるベンゼンスルフィン酸を2g添加し、
この液を60℃に加温した後、銅の酸洗を行い、表面の
黒皮、錆の除去に要した時間を測定した。その結果を表
9に示す。
【0144】比較例26 実施例79と同じ条件で実験を行った。ただし酸洗促進
剤は用いていない。その結果を表9に示す。
【0145】実施例80 1l中に塩酸50gを含む酸洗液に、本発明の酸洗促進
剤の1種であるベンゼンスルフィン酸を2g添加し、こ
の液を60℃に加温した後、真鍮の酸洗を行い、表面の
黒皮、錆の除去に要した時間を測定した。その結果を表
9に示す。
【0146】比較例27 実施例80と同じ条件で実験を行った。ただし酸洗促進
剤は用いていない。その結果を表9に示す。
【0147】実施例81 1l中に塩酸50gを含む酸洗液に、本発明の酸洗促進
剤の1種であるベンゼンスルフィン酸を2g添加し、こ
の液を60℃に加温した後、高炭素鋼の酸洗を行い、表
面の黒皮、錆の除去に要した時間を測定した。その結果
を表9に示す。 比較例28 実施例81と同じ条件で実験を行った。ただし酸洗促進
剤は用いていない。その結果を表9に示す。
【0148】
【表9】
【0149】
【発明の効果】実施例1〜22と比較例1および表1か
ら明らかなように、酸洗液として100g/lで硫酸+
50g/lFe2+を用い60℃の酸洗条件では、本発明
の酸洗促進剤の2g/lの添加は、金属の酸洗促進に顕
著な効果がある。
【0150】同様に実施例23〜44と比較例2〜10
および表2〜表4から、塩酸、リン酸、スルファミン酸
などの無機酸およびクエン酸、ギ酸、ヒドロキシ酢酸な
どの有機酸ならびにこれらの酸の混酸にも、本発明の酸
洗促進剤の2g/lの添加は、金属の酸洗促進に顕著な
効果がある。
【0151】また実施例45〜50と比較例11〜50
および表5から明らかなように、酸洗液として100g
/lで硫酸+50g/lFe2+を用い60℃の酸洗条件
では、本発明の酸洗促進剤の2g/lの添加は、金属の
腐食抑制に顕著な効果がある。また従来の酸洗と比較し
ても同一の添加量で顕著な効果がある。
【0152】同様に実施例51,52と比較例15,1
6および表5から、塩酸、スルファミン酸などの酸に
も、本発明の酸洗促進剤の2g/lの添加は、金属の腐
食抑制に顕著な効果がある。
【0153】また実施例53〜70と比較例17,18
および表6から明らかなように、酸洗液に対する本発明
の酸洗促進剤の効果は、その添加量が10mg/l以上
で効果がある。また、100mg/lで顕著な効果があ
り、4,000mg/l以上にしてもその効果はほとん
ど変わらない。
【0154】また実施例71と比較例19,20より明
らかなように本発明の酸洗促進剤は、従来の酸洗促進剤
のように酸洗期間中に有毒ガスの発生がない。
【0155】また実施例72,73,76と比較例2
1,23および表8から明らかなように無機酸および/
または有機酸の少なくとも1種の水溶液であって、酸の
含有量が1〜50%であるものに本発明の酸洗促進剤を
0.05%以上添加した酸洗組成物は、組成物製造後も
安定であり、これを水で所要の濃度に希釈して使っても
顕著な効果がある。
【0156】また実施例74,75と比較例22,24
および表8から明らかなように、有機酸の少なくとも1
種から成る酸の含有量が99.99%未満であるものに
本発明の酸洗促進剤を0.01%以上添加した酸洗組成
物は、組成物製造後も安定であり、これを水で所要の濃
度に希釈して使っても顕著な効果がある。
【0157】また実施例78〜81と比較例25〜28
および表9より明らかなように、本酸洗促進剤を酸洗液
に添加したものは、銅、銅合金である真鍮および高炭素
鋼、圧延鋼、ステンレスなどの特殊鋼の酸洗に用いて顕
著な効果がある。
【0158】以上のように本発明によれば、本発明の酸
洗促進剤および酸洗促進組成物ならびに酸洗促進方法
は、金属の母材の腐食を抑制しながら表面酸化物皮膜、
汚染物等の除去に必要な時間を大幅に短縮できる。しか
も、本発明の酸洗促進剤および酸洗促進剤を含んだ酸洗
液組成物ならびに酸洗促進方法は、有害ガスが発生しな
いため新たな除外装置などの設備などを必要としないた
め工業的価値が大きい。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属の酸洗工程において、化1、化2、
    化3および化4で表わされる化合物から選ばれた少なく
    とも1種を無機酸および/または有機酸の水溶液に添加
    することによって金属の酸洗速度を促進することを特徴
    とする酸洗促進剤。 【化1】R1−SO−R21は、炭素数1〜14のアルキル基、炭素数6〜20
    のアリール基または複素環化合物基を示す。 R2は、 (a)OH、 (b)OMe、 Meは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、亜鉛、銅、
    クロム、マンガンまたは鉄を示す。 (c)ONR3456、 R3,R4,R5およびR6は、水素、炭素数1〜14のア
    ルキル基、炭素数6〜20のアリール基または複素環化
    合物基をそれぞれ示し、R3,R4,R5およびR6は、そ
    れぞれ同一であってもよく異なっていてもよい。 (d)OR7、 R7は、炭素数1〜14のアルキル基または炭素数6〜
    20のアリール基を示す。 (e)X、 Xは、ハロゲンを示す。 (f)NR89、 R8およびR9は、水素、炭素数1〜16のアルキル基、
    炭素数6〜20のアリール基または複素環化合物基をそ
    れぞれ示し、R8およびR9は、それぞれ同一であっても
    よく異なっていてもよい。 【化2】R10−S−X、 R10は、炭素数1〜14のアルキル基、炭素数6〜20
    のアリール基または複素環化合物基を示す。Xは、ハロ
    ゲンを示す。 【化3】R11−S−SO2−R12または R11およびR12は、炭素数1〜14のアルキル基、炭素
    数6〜20のアリール基または複素環化合物基をそれぞ
    れ示し、R11およびR12は、それぞれ同一であってもよ
    く異なっていてもよい。 【化4】R13−SO2−SO2−R1413およびR14は、炭素数1〜14のアルキル基、炭素
    数6〜20のアリール基または複素環化合物基をそれぞ
    れ示し、R13およびR14は、それぞれ同一であってもよ
    く異なっていてもよい。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の化1、化2、化3および
    化4で表わされる化合物が、 【化1】(a)ブタンスルフィン酸、ベンゼンスルフィ
    ン酸、トルエンスルフィン酸、ピリジンスルフィン酸 (b)ベンゼンスルフィン酸およびトルエンスルフィン
    酸のアルカリ金属塩 (c)ベンゼンスルフィン酸アンモニウム、トルエンス
    ルフィン酸アンモニウム (d)ベンゼンスルフィン酸エチル (e)塩化ベンゼンスルフィニル (f)N−メチルベンゼンスルフィニルアミド 【化2】ブタンスルフェニルクロリド、塩化ベンゼンス
    ルフェニル、ピリジンスルフェニルクロリド 【化3】ブタンジスルホキシド、ベンゼンスルホキシ
    ド、ピリジンスルホキシド 【化4】ブタンジスルホン、ジフェニルジスルホンまた
    はジピリジンスルホンであることを特徴とする請求項1
    記載の酸洗促進剤。
  3. 【請求項3】 無機酸および/または有機酸の少なくと
    も1種の水溶液から成り、酸の含有量が1〜50%、化
    1、化2、化3および化4で表わされる化合物から選ば
    れた少なくとも1種の含有量が0.001%以上である
    ことを特徴とする酸洗促進剤を含んだ酸洗液組成物。 【化1】R1−SO−R21は、炭素数1〜14のアルキル基、炭素数6〜20
    のアリール基または複素環化合物基を示す。 R2は、 (a)OH、 (b)OMe、 Meは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、亜鉛、銅、
    クロム、マンガンまたは鉄を示す。 (c)ONR3456、 R3,R4,R5およびR6は、水素、炭素数1〜14のア
    ルキル基、炭素数6〜20のアリール基または複素環化
    合物基をそれぞれ示し、R3,R4,R5およびR6は、そ
    れぞれ同一であってもよく異なっていてもよい。 (d)OR7、 R7は、炭素数1〜14のアルキル基または炭素数6〜
    20のアリール基を示す。 (e)X、 Xは、ハロゲンを示す。 (f)NR89、 R8およびR9は、水素、炭素数1〜16のアルキル基、
    炭素数6〜20のアリール基または複素環化合物基をそ
    れぞれ示し、R8およびR9は、それぞれ同一であっても
    よく異なっていてもよい。 【化2】R10−S−X、 R10は、炭素数1〜14のアルキル基、炭素数6〜20
    のアリール基または複素環化合物基を示す。Xは、ハロ
    ゲンを示す。 【化3】R11−S−SO2−R12または R11およびR12は、炭素数1〜14のアルキル基、炭素
    数6〜20のアリール基または複素環化合物基をそれぞ
    れ示し、R11およびR12は、それぞれ同一であってもよ
    く異なっていてもよい。 【化4】R13−SO2−SO2−R1413およびR14は、炭素数1〜14のアルキル基、炭素
    数6〜20のアリール基または複素環化合物基をそれぞ
    れ示し、R13およびR14は、それぞれ同一であってもよ
    く異なっていてもよい。
  4. 【請求項4】 有機酸の少なくとも1種から成る酸の含
    有量が99.99未満と、化1、化2、化3および化4
    で表わされる化合物から選ばれた少なくとも1種の含有
    量が0.01%以上と残部が水であることを特徴とする
    酸洗促進剤を含んだ酸洗液組成物。 【化1】R1−SO−R21は、炭素数1〜14のアルキル基、炭素数6〜20
    のアリール基または複素環化合物基を示す。 R2は、 (a)OH、 (b)OMe、 Meは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、亜鉛、銅、
    クロム、マンガンまたは鉄を示す。 (c)ONR3456、 R3,R4,R5およびR6は、水素、炭素数1〜14のア
    ルキル基、炭素数6〜20のアリール基または複素環化
    合物基をそれぞれ示し、R3,R4,R5およびR6は、そ
    れぞれ同一であってもよく異なっていてもよい。 (d)OR7、 R7は、炭素数1〜14のアルキル基または炭素数6〜
    20のアリール基を示す。 (e)X、 Xは、ハロゲンを示す。 (f)NR89、 R8およびR9は、水素、炭素数1〜16のアルキル基、
    炭素数6〜20のアリール基または複素環化合物基をそ
    れぞれ示し、R8およびR9は、それぞれ同一であっても
    よく異なっていてもよい。 【化2】R10−S−X、 R10は、炭素数1〜14のアルキル基、炭素数6〜20
    のアリール基または複素環化合物基を示す。Xは、ハロ
    ゲンを示す。 【化3】R11−S−SO2−R12または R11およびR12は、炭素数1〜14のアルキル基、炭素
    数6〜20のアリール基または複素環化合物基をそれぞ
    れ示し、R11およびR12は、それぞれ同一であってもよ
    く異なっていてもよい。 【化4】R13−SO2−SO2−R1413およびR14は、炭素数1〜14のアルキル基、炭素
    数6〜20のアリール基または複素環化合物基をそれぞ
    れ示し、R13およびR14は、それぞれ同一であってもよ
    く異なっていてもよい。
  5. 【請求項5】 無機酸が硫酸、塩酸、リン酸、スルファ
    ミン酸、フッ酸または硝酸であり、有機酸が酢酸、シュ
    ウ酸、クエン酸、ギ酸、酒石酸、リンゴ酸、ヒドロキシ
    酸またはグルコン酸であることを特徴とする請求項3ま
    たは請求項4記載の酸洗促進剤を含んだ酸洗組成物。
  6. 【請求項6】 無機酸および/または有機酸の水溶液か
    ら成る酸洗液1lに、化1、化2、化3および化4で表
    わされる化合物から選ばれた少なくとも1種を10mg
    以上添加した液を用いることを特徴とする金属の酸洗促
    進方法。 【化1】R1−SO−R21は、炭素数1〜14のアルキル基、炭素数6〜20
    のアリール基または複素環化合物基を示す。 R2は、 (a)OH、 (b)OMe、 Meは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、亜鉛、銅、
    クロム、マンガンまたは鉄を示す。 (c)ONR3456、 R3,R4,R5およびR6は、水素、炭素数1〜14のア
    ルキル基、炭素数6〜20のアリール基または複素環化
    合物基をそれぞれ示し、R3,R4,R5およびR6は、そ
    れぞれ同一であってもよく異なっていてもよい。 (d)OR7、 R7は、炭素数1〜14のアルキル基または炭素数6〜
    20のアリール基を示す。 (e)X、 Xは、ハロゲンを示す。 (f)NR89、 R8およびR9は、水素、炭素数1〜16のアルキル基、
    炭素数6〜20のアリール基または複素環化合物基をそ
    れぞれ示し、R8およびR9は、それぞれ同一であっても
    よく異なっていてもよい。 【化2】R10−S−X、 R10は、炭素数1〜14のアルキル基、炭素数6〜20
    のアリール基または複素環化合物基を示す。Xは、ハロ
    ゲンを示す。 【化3】R11−S−SO2−R12または R11およびR12は、炭素数1〜14のアルキル基、炭素
    数6〜20のアリール基または複素環化合物基をそれぞ
    れ示し、R11およびR12は、それぞれ同一であってもよ
    く異なっていてもよい。 【化4】R13−SO2−SO2−R1413およびR14は、炭素数1〜14のアルキル基、炭素
    数6〜20のアリール基または複素環化合物基をそれぞ
    れ示し、R13およびR14は、それぞれ同一であってもよ
    く異なっていてもよい。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の金属の酸洗方法であっ
    て、化1、化2、化3および化4で表わされる化合物か
    ら選ばれた少なくとも1種を酸洗液1lに100〜4,
    000mg添加した液を用いることを特徴とする金属の
    酸洗促進方法。
  8. 【請求項8】 無機酸が硫酸、塩酸、リン酸、スルファ
    ミン酸、フッ酸または硝酸であり、有機酸が酢酸、シュ
    ウ酸、クエン酸、ギ酸、酒石酸、リンゴ酸、ヒドロキシ
    酸またはグルコン酸であることを特徴とする請求項6記
    載の金属の酸洗促進方法。
  9. 【請求項9】 無機酸および/または有機酸の水溶液か
    ら成る酸洗液1lに、化1、化2、化3および化4で表
    わされる化合物から選ばれた少なくとも1種を10mg
    以上添加した液を用いることを特徴とする請求項6記載
    の鉄鋼、銅およびこれらの金属の合金の酸洗促進方法。
JP3188961A 1991-07-29 1991-07-29 酸洗促進剤、酸洗促進剤を含んだ酸洗液組成物およびこれを用いる金属の酸洗促進方法 Expired - Fee Related JP3042912B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3188961A JP3042912B2 (ja) 1991-07-29 1991-07-29 酸洗促進剤、酸洗促進剤を含んだ酸洗液組成物およびこれを用いる金属の酸洗促進方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3188961A JP3042912B2 (ja) 1991-07-29 1991-07-29 酸洗促進剤、酸洗促進剤を含んだ酸洗液組成物およびこれを用いる金属の酸洗促進方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0533171A true JPH0533171A (ja) 1993-02-09
JP3042912B2 JP3042912B2 (ja) 2000-05-22

Family

ID=16232965

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3188961A Expired - Fee Related JP3042912B2 (ja) 1991-07-29 1991-07-29 酸洗促進剤、酸洗促進剤を含んだ酸洗液組成物およびこれを用いる金属の酸洗促進方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3042912B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007332396A (ja) * 2006-06-12 2007-12-27 Toshiba Mitsubishi-Electric Industrial System Corp スケール除去方法
WO2019221091A1 (ja) * 2018-05-17 2019-11-21 株式会社Adeka スケール用洗浄剤、及び該洗浄剤を用いてスケールを除去する方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007332396A (ja) * 2006-06-12 2007-12-27 Toshiba Mitsubishi-Electric Industrial System Corp スケール除去方法
WO2019221091A1 (ja) * 2018-05-17 2019-11-21 株式会社Adeka スケール用洗浄剤、及び該洗浄剤を用いてスケールを除去する方法
JPWO2019221091A1 (ja) * 2018-05-17 2021-07-01 株式会社Adeka スケール用洗浄剤、及び該洗浄剤を用いてスケールを除去する方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3042912B2 (ja) 2000-05-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6407047B1 (en) Composition for desmutting aluminum
US6521028B1 (en) Low hazard corrosion inhibitors and cleaning solutions using quaternary ammonium salts
JPH0242903B2 (ja)
JPH04231484A (ja) フェニルメルカプトテトラゾール/トリルトリアゾール腐食抑制組成物
US4746369A (en) Peroxide selective stripping compositions and method
US2564549A (en) Pickling treatment
JP3053651B2 (ja) 金属表面の酸洗浄法、その酸洗浄液、および洗浄廃液の再生方法
JPH06306652A (ja) 金属腐食抑制剤および金属腐食抑制方法
US4608091A (en) Peroxide selective stripping compositions and method
JP3160051B2 (ja) 酸洗促進剤、酸洗促進剤を含んだ酸洗液組成物およびこれを用いる金属の酸洗促進方法
JPH0533171A (ja) 酸洗促進剤、酸洗促進剤を含んだ酸洗液組成物およびこれを用いる金属の酸洗促進方法
JP5683137B2 (ja) 金属材用酸洗浄液および金属材の酸洗浄方法
CA1209886A (en) Peroxide selective stripping compositions and method
US4108680A (en) Process for removing calcium oxalate scale
JP4028014B2 (ja) 酸洗促進剤、酸洗促進剤を含んだ酸洗液組成物およびこれらを用いる金属の酸洗方法
JPS62235490A (ja) 鉄酸化物の溶解除去法
JP3065280B2 (ja) 鋼材の脱スケール酸洗液および脱スケール酸洗方法
JP2976280B2 (ja) 金属酸洗用組成物
STREICHER Synergistic inhibition of ferric ion corrosion during chemical cleaning of metal surfaces
US6803354B2 (en) Stabilization of hydrogen peroxide in acidic baths for cleaning metals
JPS58110682A (ja) NOx発生を抑制したステンレス鋼の酸洗方法
JPS6345474B2 (ja)
JP2965423B2 (ja) 高Cr含有フェライト系ステンレス鋼板の酸洗法
US6352967B1 (en) Additives for improving acid reactivity and method for controlling acid reactions
JP3092789B2 (ja) ステンレス鋼用酸洗液およびそれを用いたステンレス鋼の酸洗方法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees