JPH0533138A - 酸化膜の製造方法 - Google Patents

酸化膜の製造方法

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JPH0533138A
JPH0533138A JP3189999A JP18999991A JPH0533138A JP H0533138 A JPH0533138 A JP H0533138A JP 3189999 A JP3189999 A JP 3189999A JP 18999991 A JP18999991 A JP 18999991A JP H0533138 A JPH0533138 A JP H0533138A
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oxide film
silane gas
stress
flow rate
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JP3189999A
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Akira Saito
明 斎藤
Makoto Koguchi
信 虎口
Yasuaki Nagao
泰明 長尾
Masahiko Toki
雅彦 土岐
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Fuji Electric Co Ltd
Fujitsu Ltd
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Fuji Electric Co Ltd
Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ECRプラズマCVD法において、供給する
シランガスと酸素ガスの流量比を制御して、熱処理によ
り応力変化が発生しない酸化膜を製造すること。 【構成】 RF付加ECRプラズマCVD装置1におい
て、第1の磁気コイル11が発生する磁界と矩形導波管
5から注入されたマイクロ波とによって電子サイクロト
ロン共鳴領域12が形成されており、供給管6から供給
された酸素ガスは、反応種を発生する。発生した反応種
は、第1の磁気コイル11が形成する発散磁界13によ
って、プラズマ流となって、反応室3の内部の半導体基
板7に向けて引き出されると共に、供給管9から供給さ
れるシランガスと反応して、半導体基板7の表面上にシ
リコン酸化膜を堆積する。ここで、酸素ガスに対するシ
ランガスの流量比は、約0.7〜約1.1に設定されて
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体集積デバイスにお
ける層間絶縁膜または保護膜に代表される酸化膜の製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体集積回路素子において、酸化膜の
代表的な利用方法としては、多層配線構造における層間
絶縁膜としての利用がある。この多層配線構造によれ
ば、層間絶縁膜を介して配線層を半導体基板表面側に多
層に積層することができるので、素子形成可能領域を拡
大できると共に、配線長を短縮することもできる。
【0003】かかる層間絶縁膜の形成は、一般に、グロ
ー放電等により反応ガスを励起させて、酸化膜を堆積し
ていくプラズマCVD法が採用されているが、さらに、
新たな酸化膜形成プロセスとして、電子サイクロトロン
共鳴プラズマCVD法(以下、ECRプラズマCVD法
と称す。)が提案されている。このECRプラズマCV
D法においては、電子サイクロトロン共鳴源により電子
サイクロトロン共鳴領域(以下、ECR領域と称す。)
と発散磁界とを形成し、ECR領域で効率よくプラズマ
を発生すると共に、発散磁界によりプラズマを半導体基
板に向けて引き出す。従って、低ガス濃度でも高濃度の
プラズマを発生できると共に、基板温度を低く設定した
条件下でも緻密な酸化膜を形成できる。しかも、プラズ
マ流が方向性を有しているので、酸化膜の形成に方向性
をもたすこともできる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ECR
プラズマCVD法においては、常温CVD法または減圧
CVD法と異なり、反応過程には多くのラジカルやイオ
ン等の反応種が関与し、その反応過程の詳細が十分に理
解されていないため、堆積した酸化膜の組成を確実に制
御できる状況に至っていない。従って、ECRプラズマ
CVD法のような新規なプラズマCVD法に、一般のプ
ラズマCVD法の堆積条件を適用すると、形成された酸
化膜は、シリコンと酸素の組成比(シリコン/酸素)が
0.5のSiO2 で示される組成にはならず、また、水
素を酸化膜内部に含むため、SiOx y で示される組
成になってしまう。このため、多層配線構造においてシ
ンタリング等の熱処理を行なうと、酸化膜内部から水素
または酸素が放出され、また、原子ネットワークの結合
状態が変化して、酸化膜の収縮が生じる。この収縮は、
酸化膜内部の応力に大きな変化をもたらし、半導体基板
に反りを発生させる。
【0005】特に、配線層を形成した後の半導体基板に
反りが発生すると、配線層を構成する金属原子のマイグ
レーションが加速され、断線が発生する等、半導体装置
の信頼性が低下する。
【0006】以上の問題点に鑑み、本発明の課題は、E
CRプラズマCVD法における酸化膜の堆積条件によっ
て、酸化膜の組成を制御し、熱処理等により応力変化が
発生しない酸化膜の製造方法を実現することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
めに、電子サイクロトロン共鳴プラズマ源により酸素ガ
スを含むプラズマを発生させ、このプラズマとシランガ
スとを反応させて半導体基板上に酸化膜を成長させる酸
化膜の製造方法において、本発明が講じた手段は、装置
内に供給するシランガスと酸素ガスの流量比(シランガ
ス/酸素ガス)を、約0.7から約1.1までの範囲に
設定することである。
【0008】特に、酸化膜に発生する応力変化を低下さ
せる最適条件として、シランガスと酸素ガスの流量比
(シランガス/酸素ガス)を約0.9に設定することが
好ましい。
【0009】ここで、シランガスまたは酸素ガスには、
Ar+ 等の他のガス成分が混合されていてもよいが、こ
の場合であっても、シランガスと酸素ガスの流量比を上
記の条件に設定すればよい。
【0010】
【作用】ECRプラズマCVD法において、酸素ガスに
対するシランガスの流量比を大きく設定すると、堆積し
た酸化膜内部は、その内部に結合に寄与していない不対
電子を有するシリコン原子、及びSi−H、Si−OH
等の結合を多く含む。このため、酸化膜に対し熱処理を
行なうと、酸化膜内部でシリコン原子間に新たな結合が
発生したり、酸化膜から水素等が脱離し放出されるの
で、酸化膜が収縮する傾向を示す。逆に、酸素ガスに対
するシランガスの流量比を小さく設定すると、Si−O
H結合の割合が増加すると共に、結合ネットワーク間に
結合に関与しない酸素イオンが取り込まれる。このた
め、酸化膜に対し熱処理を行なうと、シリコン原子と酸
素原子の化学量論比(1:2)からのずれに相当する過
剰な水素または酸素が放出され、酸化膜が収縮する傾向
を示す。
【0011】そこで、本発明においては、シランガスと
酸素ガスの流量比(シランガス/酸素ガス)を約0.7
から約1.1までの範囲、特に約0.9に設定し、結合
に関与しないシリコン原子及び酸素イオン、熱的に不安
定なSi−H、Si−OH等の結合が、酸化膜内部に発
生することを防止している。このため、熱処理を行なっ
ても、酸化膜に体積変化が発生しないので、酸化膜内部
の応力が変化せず、半導体基板に反り等が発生しない。
よって、半導体基板表面側に形成された配線層等にも、
応力が加わらないので、信頼性の高い半導体装置を実現
することができる。
【0012】
【実施例】本発明の実施例を、図1を参照して、説明す
る。
【0013】図1は、本例に使用したRF付加ECRプ
ラズマCVD装置の概略断面図である。
【0014】図において、1はRF付加ECRプラズマ
CVD装置であり、内部はプラズマ室2と、プラズマ室
2と連通部3aを介して連通する反応室3に区画形成さ
れている。プラズマ室2の上部開口2aには、アルミナ
窓4を介して矩形導波管5が接続され、矩形導波管5の
先端側にはマイクロ波発生部(図示せず)が接続されて
いる。また、プラズマ室2には、酸素ガスを反応室3の
内部に導入するための供給管6が接続されている。一
方、反応室3の内部には、連通部3aの下方位置で、半
導体基板7を水平に支持する試料台8が配置されてお
り、ここに載置された半導体基板7は、連通部3aから
約170mmの位置で矩形導波管5に対向するようにな
っている。反応室3の側方には、反応室3の内部にシラ
ンガスを導入するための供給管9が接続されており、反
応室3の下部開口は排出口10になっている。
【0015】さらに、プラズマ室2の外周囲には、アル
ミナ窓4の中心から34mmの位置に第1の磁気コイル
11(第1の磁界発生手段)が配置されており、この磁
気コイル11が発生する磁界と、矩形導波管5から注入
されたマイクロ波との相互作用によって電子サイクロト
ロン共鳴領域12が形成されており、ここでサイクロイ
ド運動する電子により、供給管6から供給された酸素ガ
スは、イオン等の反応種を発生する。発生した反応種
は、第1の磁気コイル11が形成する発散磁界13によ
って、プラズマ流となって、プラズマ室2から反応室3
の内部の試料台8の上の半導体基板7に向けて引き出さ
れる。ここで、反応室3には、供給管9からシランガス
が供給されており、シランガスはプラズマ流内で、シリ
コンイオン等の反応種を生成し、酸素ガスから生成され
た反応種と反応して、半導体基板7の表面上に酸化膜
(シリコン酸化膜)を堆積可能になっている。そして、
反応室3の下方位置には、第2の磁気コイル14(第2
の磁界発生手段)が配置されており、第2の磁気コイル
14が発生する磁力線の方向は、第1の磁気コイル11
が発生する発散磁界13の磁力線の方向とは逆方向にな
っている。このため、発散磁界13はさらに外周側に引
き出され、半導体基板7の表面上に堆積される酸化膜の
膜質が均一化される。また、半導体基板7の表面近傍に
は、磁力線の密度分布が形成されている。従って、この
磁力線の密度分布を利用して、半導体基板7の表面に対
するスパッタエッチング速度を調整可能になっている。
【0016】かかる構成のRF付加ECRプラズマCV
D装置1を使用して、多層配線構造を形成していく工程
を、図2を参照して、説明する。
【0017】図2は、多層配線構造を有する半導体装置
の工程断面図である。
【0018】ここで、RF付加ECRプラズマCVD装
置1におけるシリコン酸化膜の堆積条件は、シランガス
の流量が12sccm、酸素ガスの流量が13.3sc
cm(シランガスと酸素ガスの流量比は0.9)、μ波
電力が400w、RF電力が600wに設定されてい
る。また、第1の磁気コイル11のソレノイド電流は1
55A、第2の磁気コイル14のソレノイド電流は14
0Aに設定されている。
【0019】まず、図2(a)において、21は半導体
基板であり、その表面側には、線幅が約5000Å、厚
さが約5000Å、配線間隔が約5000Åのアルミニ
ウム配線層たる第1の配線層22が形成されている。そ
の表面側には、RF付加ECRプラズマCVD装置1に
よりスパッタ形成された第1のシリコン酸化膜23が、
堆積されている。ここで、第1のシリコン酸化膜23の
表面には、第1の配線層22による凹凸が反映されてい
る。
【0020】次に、図2(b)に示すように、凹凸を有
する第1のシリコン酸化膜23の表面上に流動性酸化膜
24を塗布して、表面の凹凸を緩和した後、流動性酸化
膜24を硬化させる。この後、流動性酸化膜24の表面
側からエッチバックを施し、図2(c)に示すように、
表面を平坦化する。
【0021】次に、図2(d)に示すように、平坦化さ
れた流動性酸化膜24の表面上に、第2のシリコン酸化
膜25をRF付加ECRプラズマCVD装置1を利用し
てスパッタ形成する。
【0022】しかる後に、アルミニウム層を被着した
後、パターニングして、図2(e)に示すように、第2
の配線層26を形成する。その後に、上記の工程を繰り
返し、多層配線構造を備える半導体装置が形成される。
【0023】この構成の半導体装置の製造工程において
は、シリコン酸化膜23,25及び流動性酸化膜24に
より構成される層間絶縁膜の安定化のために、さらに、
配線層22,26の接続性、及び半導体領域と第1の配
線層22との接合部の安定性のために、約400℃の熱
処理(シンタリング)が行なわれる。ここで、シリコン
酸化膜23,25は、RF付加ECRプラズマCVD装
置1において、シランガスと酸素ガスの流量比(シラン
ガス/酸素ガス)を最も安定な組成のシリコン酸化膜が
得られる条件、すなわち約0.9に設定してスパッタ形
成された層である。従って、シリコン酸化膜内部には、
結合に関与しないシリコン原子、酸素イオン、熱的に不
安定なSi−H、Si−OH等の結合の発生が抑えられ
ているため、熱処理を行なってもシリコン酸化膜に発生
する体積変化が極めて小さいので、シリコン酸化膜内部
に応力変化が発生しない。それ故、半導体基板1に反り
等が発生せず、配線層22,26に応力が加わらないの
で、配線層22,26を構成するアルミニウム原子のマ
イグレーション等が発生せず、信頼性の高い半導体装置
を実現することができる。
【0024】次に、RF付加ECRプラズマCVD装置
1において、酸素ガス流量を20sccmに固定し、シ
ランガスの流量を10〜20sccmに変えて、半導体
基板表面にシリコン酸化膜を1μmをスパッタ形成し、
約400℃、30分間の熱処理前後においてシリコン酸
化膜内部に発生する応力と、シランガス流量との関係を
調査した。なお、応力は、酸化膜を形成した半導体基板
にレーザ光を照射し、半導体基板表面からの反射光と基
準面からの反射光を利用して、半導体基板に発生した反
り量から求めた。ここで、使用した半導体基板は、直径
が6インチ、厚さが0.65mmのシリコン基板であ
る。
【0025】その結果を、図3〜図5に示す。
【0026】図3は、RF付加ECRプラズマCVD装
置1に導波されるμ波電力を400wとした場合におけ
るシランガス流量と、シリコン酸化膜に発生した応力の
関係を示すグラフである。また、図4はμ波電力を60
0wとした場合、さらに、図5はμ波電力を800wと
した場合におけるシランガス流量と、酸化膜に発生した
応力の関係を示すグラフである。
【0027】まず、図3において、実線31はスパッタ
形成直後のシリコン酸化膜に存在している応力を示し、
実線32は熱処理後のシリコン酸化膜に発生した応力を
示す。図において、酸化膜内に発生している応力が圧縮
応力の場合には負として示す一方、引張応力の場合には
正として示す。ここで、図における実線31と実線32
との差が、熱処理により発生するシリコン酸化膜の体積
変化に起因する応力変化、すなわち、半導体基板に反り
等を発生させて配線層に応力を与える程度を示し、この
熱処理前後の応力の変化が小さい程、熱処理に対し安定
なシリコン酸化膜であることを示す。なお、圧縮応力
は、半導体基板とシリコン酸化膜との境界面でシリコン
酸化膜に対して収縮しようとする作用、換言すれば、半
導体基板に対しては拡張しようとする作用をもたらす。
従って、半導体基板は、シリコン酸化膜を形成した面が
凸面に変形する方向の応力を受ける。逆に、引張応力
は、シリコン酸化膜の収縮によって発生し、半導体基板
とシリコン酸化膜との境界面でシリコン酸化膜に対して
拡張しようとする作用、換言すれば、半導体基板に対し
ては収縮しようとする作用をもたらす。この結果、半導
体基板は、シリコン酸化膜を形成した面が凹面に変形す
る方向の応力を受ける。
【0028】図3に示すように、酸化膜をスパッタ形成
した直後、酸化膜内に発生している応力は、シランガス
流量に係わらず1.4〜1.6×109 dyne/cm
2 の圧縮応力である。これに対し、熱処理後において、
シランガス流量が10sccmの条件では、0.8×1
9 dyne/cm2 の引張応力が発生し、熱処理前後
で約2.3×109 dyne/cm2 の応力変化が発生
している。この条件から、シランガス流量を増加してい
くと、シランガス流量が12〜14sccmの条件で、
引張応力から圧縮応力に反転し、さらに、シランガス流
量を増加して、シランガス流量を18sccmとする
と、熱処理後においても、約1.3×109 dyne/
cm2 の圧縮応力に変化するに止まる。すなわち、シラ
ンガス流量が18sccmの条件では、熱処理前後にお
ける圧力変化を約0.2×109 dyne/cm2 に抑
えることができる。さらに、シランガス流量を20sc
cmにまで増加すると、逆に、約0.5×109 dyn
e/cm2 の圧縮応力になり、熱処理前後における圧力
変化は約0.6×109 dyne/cm2 になるが、圧
縮応力から引張応力にまで反転するには至らない。
【0029】同様に、図4に、μ波電力600wにおけ
る熱処理前の応力を実線33で、熱処理後の応力を実線
34で示す。μ波電力400wの結果と同様に、シラン
ガス流量が14〜20sccmの条件範囲では、熱処理
後の応力は反転せずに圧縮応力の状態であり、また、シ
ランガス流量が18sccmの条件において、熱処理前
後の応力変化が最も圧縮されている。
【0030】さらに、図5に、μ波電力800wにおけ
る熱処理前の応力を実線35で、熱処理後の応力を実線
36で示す。μ波電力800wにおいては、熱処理前の
応力は前述のμ波電力400w,600wと同レベルで
あるが、熱処理後の応力は、シランガス流量が14〜1
6sccmの間で圧縮応力から引張応力に反転してい
る。一方、熱処理前後の応力変化が最も圧縮される条件
は、μ波電力400w,600wと同様に、シランガス
流量が18sccmの条件である。
【0031】なお、図3〜図5において、シランガス流
量が22sccmの条件における応力は、シランガス流
量が18sccmから20sccmの延長線上にあるも
のと推定され、シランガス流量が14〜16sccmの
条件と同等レベルを示すものと推定される。
【0032】以上のとおり、μ波電力400〜800w
の条件下で評価した結果、シランガスと酸素ガスの流量
比に係わらず、スパッタ形成直後のシリコン酸化膜には
圧縮応力が発生しているが、熱処理後において、シラン
ガス流量が14sccm未満、すなわち、酸素ガスに対
するシランガスの流量比が0.7未満の条件では、シリ
コン酸化膜に大きな応力の変化が生じ、引張応力が発生
する。従って、この条件で形成されたシリコン酸化膜を
多層配線構造に使用した場合には、この配線構造を構成
する配線層は、熱処理によりシリコン酸化膜から大きな
応力を受け、マイグレーションが発生しやすい状態とな
る。これに対し、シランガス流量を14〜22scc
m、すなわち、酸素ガスに対するシランガスの流量比を
0.7〜1.1とした場合には、いずれも圧縮応力のま
まであり、熱処理前後の応力変化が小さいので、配線層
に大きな応力が発生しない。特に、酸素ガスに対するシ
ランガスの流量比を約0.9とした場合には、その効果
は特に顕著である。
【0033】なお、以上の評価は、半導体基板に厚さが
約1μmのシリコン酸化膜を一層スパッタ形成した場合
の結果であるが、上述の傾向はそのまま、多層配線構造
において複数のシリコン酸化膜を形成した場合であって
も同様な効果を示す。また、この方法により形成するシ
リコン酸化膜は、層間絶縁膜に限らず、表面保護膜等に
も適用できるものである。
【0034】さらに、上記のシランガスと酸素ガスの流
量比は、それぞれ単独ガスの流量を設定して、酸化膜形
成を行なったが、例えば酸素ガスにアルゴンガス等を混
合し、スパッタ形成と同時に、スパッタエッチングを行
なう場合であっても、同様な効果を示すものである。
【0035】
【発明の効果】以上のとおり、本発明に係る電子サイク
ロトロン共鳴プラズマCVD法による酸化膜の製造方法
においては、酸素ガスに対するシランガスの流量比を約
0.7から約1.1までの範囲に、特に約0.9に設定
することに特徴を有している。
【0036】従って、本発明によれば、SiO2 で示さ
れる化学量論値に近い組成の酸化膜を形成できるので、
熱処理を行なっても酸化膜に大きな体積変化が発生しな
い。それ故、半導体基板や配線層等に大きな応力が加わ
らないので、信頼性の高い半導体装置を実現することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に使用したRF付加ECRプラ
ズマCVD装置の概略断面図である。
【図2】図1の装置を使用した半導体装置の製造工程の
一部を示す工程断面図である。
【図3】本発明の実施例に係る製造方法において、μ波
電力400wの条件におけるシランガス流量と、熱処理
前後のシリコン酸化膜内部の応力との関係を示すグラフ
である。
【図4】本発明の実施例に係る製造方法において、μ波
電力600wの条件におけるシランガス流量と、熱処理
前後のシリコン酸化膜内部の応力との関係を示すグラフ
である。
【図5】本発明の実施例に係る製造方法において、μ波
電力800wの条件におけるシランガス流量と、熱処理
前後のシリコン酸化膜内部の応力との関係を示すグラフ
である。
【符号の説明】
1・・・RF付加ECRプラズマCVD装置 2・・・プラズマ室 3・・・反応室 7,21・・・半導体基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長尾 泰明 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内 (72)発明者 土岐 雅彦 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子サイクロトロン共鳴プラズマ源によ
    り少なくとも酸素ガスを含むプラズマを発生させ、この
    プラズマとシランガスとを反応させて半導体基板上に酸
    化膜を成長させる酸化膜の製造方法において、前記プラ
    ズマに対し供給すべき酸素ガスに対するシランガスの流
    量比が、約0.7から約1.1までの範囲であることを
    特徴とする酸化膜の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、酸素ガスに対するシ
    ランガスの流量比は、約0.9であることを特徴とする
    酸化膜の製造方法。
JP3189999A 1991-07-30 1991-07-30 酸化膜の製造方法 Pending JPH0533138A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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