JPH05331015A - 抗菌抗黴剤 - Google Patents

抗菌抗黴剤

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JPH05331015A
JPH05331015A JP4142747A JP14274792A JPH05331015A JP H05331015 A JPH05331015 A JP H05331015A JP 4142747 A JP4142747 A JP 4142747A JP 14274792 A JP14274792 A JP 14274792A JP H05331015 A JPH05331015 A JP H05331015A
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JP
Japan
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silver
acid
tbz
solution
antifungal agent
Prior art date
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Pending
Application number
JP4142747A
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English (en)
Inventor
Takanori Tanaka
孝典 田中
Yoko Sato
陽子 佐藤
Tadashi Watanabe
正 渡辺
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Kose Corp
Original Assignee
Kose Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 2−(4−チアゾリル)ベンズイミダゾール
と銀を反応させて得られる化合物を有効成分とする抗菌
抗黴剤。 【効果】 本発明の抗菌抗黴剤は広い抗菌スペクトルを
有し、しかも安定で、長期間保存しても化学変化を受け
て黒化することがないので、広範囲の分野に使用するこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は幅広い抗菌スペクトルを
有する抗菌抗黴剤、更に詳細には、2−(4−チアゾリ
ル)ベンズイミダゾール(以下、TBZと略称する)の
銀配位化合物を有効成分とする抗菌抗黴剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、銀イオンが抗菌力を有するこ
とは公知であり、例えば硝酸銀水溶液等の形態で消毒剤
として広く利用されている。しかし、硝酸銀は水溶液の
形態に限定されるが、これは溶液状のために取り扱いが
不便であると共に、用途が限定されるという欠点があっ
た。
【0003】また、銀は放置しておくだけで化学変化を
受けて黒化する不安定なものであるので、銀及び銀化合
物は活性炭、アルミナ、シリカゲル、ゼオライト等の吸
着剤に吸着させて殺菌剤として使用している。しかしな
がら、このものも、長期間保存すると、全体が黒変する
ことは避けられないという問題点があった。
【0004】他方、TBZは抗黴作用を有するが、それ
単独では抗菌スペクトルが狭く、抗菌抗黴剤としては不
充分であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、抗菌スペクト
ルが広く、長期間保存しても変色することのない抗菌抗
黴剤の開発が望まれていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】斯かる実情において、本
発明者は鋭意研究を行った結果、TBZに銀を反応させ
て得られる化合物が上記目的を具備することを見出し、
本発明を完成した。
【0007】すなわち、本発明は、TBZと銀を反応さ
せて得られる化合物を有効成分とする抗菌抗黴剤を提供
するものである。
【0008】本発明において、銀源としては、水に溶解
する銀塩、例えば硝酸銀、乳酸銀、過塩素酸銀等が使用
される。銀とTBZの反応比は、銀1モルに対しTBZ
を1〜2モル反応させるのが好ましい。
【0009】銀とTBZを反応させる溶媒としては、有
機溶媒、酸溶液等が挙げられる。有機溶媒としては、例
えばジメチルスルフォキシド、ジメチルアセトアミド、
ジメチルホルムアミド、メチルエチルケトン、メタノー
ル、エチレングリコール等が挙げられる。また、酸溶液
としては、その酸が銀と反応して水不溶性塩を生成しな
いものであることが必要であり、例えば硝酸、過塩素
酸、ホウフッ化水素酸、ケイフッ化水素酸、硫酸、マロ
ン酸、マレイン酸、スルファニル酸等の酸の水溶液が挙
げられる。これらの酸濃度は0.1〜1モル/lのもの
が好ましい。
【0010】溶媒として有機溶媒を用いる場合、反応
は、TBZを有機溶媒に溶解し、これに上記銀塩の水溶
液又は有機溶媒溶液を加え、室温又は水浴上で加温して
数分〜30分程度攪拌して行なわれる。反応終了後、有
機溶媒を留去することにより、反応物を得ることができ
る。また、溶媒として酸溶液を用いる場合、反応は、T
BZを酸溶液に溶解し、これに上記銀塩の水溶液を加え
て、100℃付近の温度で数分間攪拌することによって
行なわれる。斯くするとき、TBZと銀の反応物は沈澱
するので、濾過等によって単離することができる。溶媒
として、特に、酸溶液を用いると、簡単な操作で目的反
応物が収率良く得られ、また純度の良いものが得られや
すく、好ましい。
【0011】このようにして得られる反応物の詳細は必
ずしも明らかでないが、Ag(TBZ)n +・X-(nは
1又は2、Xは酸基)で示される錯体であると推測され
る。以下これを、TBZ銀配位化合物と称する。
【0012】本発明のTBZ銀配位化合物について、安
定性及び抗菌抗黴活性を試験した結果は次のとおりであ
る。
【0013】試験例1(安定性) 後記実施例1〜10で得たTBZ銀配位化合物(試料)
約0.01gを試験管に秤量し、これに水道水を試料が
浸る程度に加えた後、試験管を2,000ルクスの光照
射下に置き、試料の色の変化を経時的に観察した。対照
として銀とTBZのモル比が1:2になるように硝酸銀
とTBZを混合した粉末についても試料と同様の操作を
同時に行った。その結果は表1のとおりである。
【0014】
【表1】
【0015】試験例2(抗菌抗黴作用) 被検菌及び黴を1〜2×104個/mlとなるように接種
したリン酸緩衝液(pH7.2)70mlに各実施例で得た
TBZ銀配位化合物(試料)1.5g±0.1gを添加
し、25℃±2℃で振とう培養した。6時間後の生菌数
を測定し、下式によって生菌数の減少率を求めた。尚生
菌数の測定用培地には、細菌の場合はNutrient
Agar(Difco社製)を、黴の場合にはポテト
デキストロース寒天培地(栄研社製)を用いた。 生菌数の減少率(%)=B−A/B×100 (A:振とう後の1ml当りの生菌数、B:振とう前の1
ml当りの生菌数)その結果は表2のとおりである。
【0016】
【表2】
【0017】本発明のTBZ銀配位化合物は優れた抗菌
抗黴活性を有し、保存安定性もよいので、抗菌抗黴剤と
して、これを必要とする製品、例えば塗料、建材等に使
用することができる。
【0018】
【発明の効果】本発明の抗菌抗黴剤は広い抗菌スペクト
ルを有し、しかも安定で、長時間保存しても化学変化を
受けて黒化することがないので、広範囲の分野に使用す
ることができる。
【0019】
【実施例】次に実施例を挙げて説明する。
【0020】実施例1 市販の特級メタノール100mlに2.0gのTBZを添
加、水浴上で加温してTBZを溶解し、TBZの溶液を
調製した。この溶液に特級硝酸銀由来の0.05mol/l
の銀メタノール溶液200mlを添加し、30分間攪拌し
た。その後、水浴上で溶媒を蒸発させ、水洗し、乾燥し
てTBZ銀配位化合物1.8gを得た。
【0021】実施例2 市販の特級ジメチルスルフォキシド100mlに5.0g
のTBZを室温で溶解し、TBZの溶液を調製した。こ
の溶液に特級硝酸銀由来の5mol/lの銀水溶液6mlを添
加し、30分間攪拌した。その後、減圧条件下で溶媒を
留去し、水洗乾燥してTBZ銀配位化合物4.9gを得
た。
【0022】実施例3 0.1mol/lの硝酸1lに20.0gのTBZを添加、
混合し、更に水浴上で加温して、TBZを溶解し、TB
Zの溶液を調製した。この溶液に市販の特級硝酸銀由来
の1mol/l銀水溶液50mlを添加し、2〜3分攪拌し
た。生成した沈澱物を吸引ろ過し、水洗後乾燥して、T
BZ銀配位化合物14.5gを得た。このものの赤外線
吸収スペクトルは図2のとおりである。
【0023】実施例4 0.6mol/lの過塩素酸1lに10.0gのTBZを添
加、混合し、更に水浴上で加温して、TBZを溶解し、
TBZの溶液を調製した。この溶液に市販の特級過塩素
酸銀由来の1mol/l銀水溶液25mlを添加し、2〜3分
攪拌した。生成した沈澱物を吸引ろ過し、水洗後乾燥し
て、TBZ銀配位化合物9.6gを得た。
【0024】実施例5 0.2mol/lのホウフッ化水素酸溶液1lに10.0g
のTBZを添加、混合し、更に水浴上で加温してTBZ
を溶解し、TBZの溶液を調製した。この溶液に市販の
特級乳酸銀由来の0.2mol/lの銀水溶液125mlを添
加し、2〜3分攪拌した。生成した沈澱物を吸引ろ過
し、水洗後乾燥して、TBZ銀配位化合物9.4gを得
た。
【0025】実施例6 0.4mol/lのケイフッ化水素酸溶液1lに2.0gの
TBZを添加、混合し、更に水浴上で加温してTBZを
溶解し、TBZの溶液を調製した。この溶液に市販の特
級乳酸銀由来の0.2mol/lの銀水溶液25mlを添加
し、2〜3分攪拌した。生成した沈澱物を吸引ろ過し、
水洗後乾燥して、TBZ銀配位化合物2.0gを得た。
【0026】実施例7 0.6mol/lの硫酸1lに10.0gのTBZを添加、
混合し、更に水浴上で加温してTBZを溶解し、TBZ
の溶液を調製した。この溶液に市販の特級硝酸銀由来の
1mol/lの銀水溶液25mlを添加し、2〜3分攪拌し
た。生成した沈澱物を吸引ろ過し、水洗後乾燥して、T
BZ銀配位化合物11.1gを得た。
【0027】実施例8 0.2mol/lのマロン酸溶液1lに10.0gのTBZ
を添加、混合し、更に水浴上で加温してTBZを溶解
し、TBZの溶液を調製した。この溶液に市販の特級乳
酸銀由来の0.2mol/lの銀水溶液125mlを添加し、
2〜3分攪拌した。生成した沈澱物を吸引ろ過し、水洗
後乾燥して、TBZ銀配位化合物3.0gを得た。
【0028】実施例9 0.2mol/lのマレイン酸溶液1lに10.0gのTB
Zを添加、混合し、更に水浴上で加温してTBZを溶解
し、TBZの溶液を調製した。この溶液に市販の特級硝
酸銀由来の1mol/lの銀水溶液25mlを添加し、2〜3
分攪拌した。生成した沈澱物を吸引ろ過し、水洗後乾燥
して、TBZ銀配位化合物10.4gを得た。
【0029】実施例10 0.2mol/lのスルファニル酸溶液1lに10.0gの
TBZを添加、混合し、更に水浴上で加温して、TBZ
を溶解し、TBZの溶液を調製した。この溶液に市販の
特級乳酸銀由来の0.2mol/lの銀水溶液125mlを添
加し、2〜3分攪拌した。生成した沈澱物を吸引ろ過
し、水洗後乾燥して、TBZ銀配位化合物14.0gを
得た。
【図面の簡単な説明】
【図1】TBZの赤外線吸収スペクトルを示す図であ
る。
【図2】実施例3で得られたTBZ銀配位化合物の赤外
線吸収スペクトルを示す図である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2−(4−チアゾリル)ベンズイミダゾ
    ールと銀とを反応させて得られる化合物を有効成分とす
    る抗菌抗黴剤。
  2. 【請求項2】 2−(4−チアゾリル)ベンズイミダゾ
    ールと銀を酸溶液中で反応させて得られる化合物を有効
    成分とする抗菌抗黴剤。
  3. 【請求項3】 酸溶液が、硝酸、過塩素酸、ホウフッ化
    水素酸、ケイフッ化水素酸、硫酸、マロン酸、マレイン
    酸又はスルファニル酸の水溶液である請求項2記載の抗
    菌抗黴剤。
JP4142747A 1992-06-03 1992-06-03 抗菌抗黴剤 Pending JPH05331015A (ja)

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JP4142747A JPH05331015A (ja) 1992-06-03 1992-06-03 抗菌抗黴剤

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JP (1) JPH05331015A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06287315A (ja) * 1993-02-03 1994-10-11 Teijin Ltd 抗菌抗かび性を有する樹脂成形品及びその樹脂成形品の着色防止方法
DE19833134C1 (de) * 1998-07-23 1999-11-11 Daimler Chrysler Ag Verfahren zum Betrieb einer aufgeladenen Brennkraftmaschine

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