JPH0533013U - 磁性流体型傾斜角度検出器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 種々の傾斜角度を測定することのできる磁性
流体型傾斜角度検出器を提供することを目的としてい
る。 【構成】 垂直方向下方に円弧状に湾曲された非磁性体
製の筒体１と、この筒体１内に磁性流体２とともに挿入
された磁石３と、前記筒体１の長手方向に沿って所定の
間隔に配置された複数の磁気センサー４と、これらの各
磁気センサーに接続され、各磁気センサーの磁気検知状
態を検出する磁気検出回路５とを備えた構成になってい
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、磁性流体中に保持した磁石の移動を利用して傾斜角度を検出する 磁性流体型傾斜角度検出器に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、この種の磁性流体型傾斜角度検出器としては、実開昭６３−１４２７１ ３に提供されているものが知られている。この装置は、ある特定の傾斜角度のみ を検出するように構成されたものである。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

すなわち、上記従来の磁性流体型傾斜角度検出器においては、特定の傾斜角度 に達した場合にのみ機能するものであるため、種々の傾斜角度を測定することが できないという問題があった。

【０００４】 この考案は上記事情に鑑みなされたものであって、種々の傾斜角度を測定する ことのできる磁性流体型傾斜角度検出器を提供することを目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、この考案は、垂直方向下方に円弧状に湾曲された 非磁性体製の筒体と、この筒体内に磁性流体とともに挿入された磁石と、前記筒 体の長手方向に沿って所定の間隔に配置された複数の磁気センサーと、これらの 各磁気センサーに接続され、各磁気センサーの磁気検知状態を検出する磁気検出 回路とを備えたことを特徴としている。

【０００６】

【作用】

上記のように構成された磁性流体型傾斜角度検出器においては、磁石が筒体内 を磁性流体の潤滑作用により自由に動ける状態にあるため、筒体の傾斜角度をそ の円弧方向に変化させると、磁石は筒体の最下位の位置に常に移動する。このた め、筒体の最下位の位置に対応する位置の磁気センサーが磁石の磁気を検知する ことになる。そして、どこの位置の磁気センサーが磁気を検知したかを磁気検出 回路で検出することにより、種々の傾斜角度がわかる。

【０００７】

【実施例】

以下、この考案の一実施例を図１ないし図２を参照して説明する。

【０００８】 図１において、１は筒体であり、この筒体１は例えばアルミニュウムなどの非 磁性体で形成した円筒を円弧状に湾曲させたものである。この筒体１は、全体が 垂直方向下方に垂れ下がるように検出器本体（図示せず）に設置されている。こ の筒体１内には、磁性流体２とともに磁石３が１個挿入されている。磁石３は、 磁性流体２の潤滑作用によって筒体１内を自由に移動できる大きさの球状に形成 されたものである。さらに、筒体１の外周には、筒体１の円弧の中心Ｏにおいて 等角度となる位置に磁気センサー４が９個設けられている。

【０００９】 磁気センサー４は、ホール素子により構成されたものであり、磁気の作用によ り所定の起電力を発生するようになっている。これらの磁気センサー４は、それ ぞれ位置検出回路５の入力端子６に接続されている。位置検出回路５は、ＩＣに より構成されたものであり、各入力端子６に入力される磁気センサー４の電圧か ら磁気を検知した磁気センサー４を位置を検出し、その磁気センサー４の位置に 相当する信号を出力端子７から４ビットのバイナリーコードで出力するようにな っている。この位置検出回路５は、電源８から供給される電力によって作動する ようになっている。

【００１０】 上記のように構成された磁性流体型傾斜角度検出器においては、筒体１がその 円弧に沿う方向に傾斜すると、磁石１は重力によって筒体１の最下位の位置に移 動する。このため、筒体１の傾斜角度がいかに変化しても、磁石１は常に筒体１ の最下位の位置に位置することになり、この位置の磁気センサー３に起電力が発 生する。すなわち、図２に示すように、位置検出回路５のに接続された磁気セ ンサー４にＶｉｎの起電力が発生し位置検出回路５ののみがＯＮ状態になる。 そうすると、に対応する磁気センサー４の位置の信号が出力端子７からバイナ リーコードで出力される。

【００１１】 上記のように構成された磁性流体型傾斜角度検出器においては、９通りの傾斜 角度を検出し、その角度をバイナリーコードで出力することができる。したがっ て、傾斜角度が常に変化する場合であっても、その都度種々の傾斜角度を測定す ることができる。しかも、傾斜角度がバイナリーコードで出力されるので、この 傾斜角度を直接コンピュータで処理することができ、傾斜角度をもとに他の機器 等を制御するのにとても便利である。

【００１２】 なお、上記実施例においては、筒体１は円筒状のものを円弧状に形成したもの であるが、この筒体１は四角柱その他多角柱状の筒体のものを円弧状に形成した ものであってもよいことはいうまでもない。そして、四角柱状の筒体で形成した 場合には、この中に入る磁石は円柱状に形成したものであってもよい。

【００１３】

【考案の効果】

この考案によれば、垂直方向下方に円弧状に湾曲された非磁性体製の筒体と、 この筒体内に磁性流体とともに挿入された磁石と、前記筒体の長手方向に沿って 所定の間隔に配置された複数の磁気センサーと、これらの各磁気センサーに接続 され、各磁気センサーの磁気検知状態を検出する磁気検出回路とを備えているの で、磁気センサーの個数に応じた分解能で種々の傾斜角度を測定することができ るというすぐれた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施例として示した磁性流体型傾
斜角度検出器の説明図。

【図２】同磁性流体型傾斜角度検出器の作用を説明する
説明図。

【符号の説明】

１ 筒体 ２ 磁性流体 ３ 磁石 ４ 磁気センサー ５ 磁気検出回路

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 垂直方向下方に円弧状に湾曲された非磁
   性体製の筒体と、この筒体内に磁性流体とともに挿入さ
   れた磁石と、前記筒体の長手方向に沿って所定の間隔に
   配置された複数の磁気センサーと、これらの各磁気セン
   サーに接続され、各磁気センサーの磁気検知状態を検出
   する磁気検出回路とを備えたことを特徴とする磁性流体
   型傾斜角度検出器。