JPH0532895A - 摺動性樹脂組成物 - Google Patents

摺動性樹脂組成物

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JPH0532895A
JPH0532895A JP18892891A JP18892891A JPH0532895A JP H0532895 A JPH0532895 A JP H0532895A JP 18892891 A JP18892891 A JP 18892891A JP 18892891 A JP18892891 A JP 18892891A JP H0532895 A JPH0532895 A JP H0532895A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、潤滑性、耐摩耗性および機械的特
性に優れたポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂
系の摺動性樹脂組成物を耐水性、耐溶剤性も兼ね備えた
ものとして、高温多湿な条件または有機溶媒と共に加圧
されるような過酷な条件においても表面に脹れや発泡現
象を起こさず、その特性を改善向上させることを目的と
する。 【構成】 架橋性ポリフェニレンサルファイド樹脂10
0重量部、四フッ化エチレン樹脂20〜160重量部、
結晶融点がPPS樹脂の溶融成形温度以下(実質上38
0℃以下)で372±1℃における比溶融粘度が1×1
6 ポアズ以下の溶融性フッ素樹脂7〜60重量部およ
び芳香族ポリエステル樹脂7〜80重量部を必須成分と
する摺動性樹脂組成物とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ポリフェニレンサル
ファイド樹脂系の摺動性樹脂組成物に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ポリフェニレンサルファイド(以下PP
Sと略称する)樹脂は、耐熱性、耐薬品性、電気的特性
に優れた樹脂であることはよく知られている。しかし、
このPPS樹脂は自己潤滑性に乏しいため、潤滑性を必
要とする摺動部分の材料として使用するに際しては、別
途潤滑剤などを添加して潤滑性を高める必要があり、た
とえば、四フッ化エチレン樹脂、黒鉛、二硫化モリブデ
ン等との複合材料が開発されている。
【0003】これら複合材料の中で、特に優れた潤滑性
を与える四フッ化エチレン樹脂を配合したものは、機械
的強度が不足するため耐摩耗性が不充分であり、低PV
値以下しか使用することが出来ないことが知られてい
る。この耐摩耗性を向上させるためにガラス繊維や炭素
繊維等の繊維状補強材あるいは、ガラスビーズや炭素粉
のような無機粉体を添加する手法があるが、相手材質が
アルミニウムやステンレスのような軟質材料の場合にこ
れを損傷させ、その損傷にともない自己の摩擦摩耗特性
が急激に悪化する。
【0004】これらの欠点を克服するために、PPS樹
脂にポリイミド樹脂粉末や芳香族ポリエステルなどの耐
熱性有機樹脂粉末を四フッ化エチレン樹脂粉末と併用し
て添加することにより、潤滑性、耐摩耗性に優れた摺動
材組成物とすることも知られている。
【0005】しかし、高温多湿な雰囲気、または水分や
有機溶剤等が比較的多量にありかつ加圧されているよう
な雰囲気のもとでは、耐熱性が著しく低くなることが判
明した。
【0006】この場合の耐熱性の低下とは、具体的には
つぎのようなことをいう。すなわち、上記した雰囲気下
で水分や溶剤等を吸収した樹脂成形品を大気中等で急激
に加熱すると、成形品内部の水分または溶剤が高圧蒸気
になることによって、たとえば成形品が5×(1/2) ×(1
/8) 立方インチのシート状試験片のとき、(1/8) インチ
肉厚面が25μm以上の寸法変化を起こし、表面が脹れ
たり、甚だしくは発泡したりするなどの現象が起こる。
PPS樹脂は、本来、水や溶剤に対する吸収性の小さい
樹脂であり、耐水性または耐溶剤性が必要とされる条件
のもとで、近年よく使用されるが、上記したような過酷
な雰囲気、例えばエアコンの冷媒中のような状態におい
ては、耐熱性の低下が見られ、表面に脹れ等が生じるこ
とがあった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、潤滑性、
耐摩耗性および機械的特性に優れたPPS樹脂系の摺動
性樹脂組成物をさらに耐水性、耐溶剤性をも兼ね備えた
ものとして、高温多湿な条件または有機溶剤と共に加圧
されるような過酷な条件においても表面に脹れ等が生じ
ることなく、その特性を改善向上させることを課題とし
ている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、この発明は、ポリフェニレンサルファイド樹脂1
00重量部、四フッ化エチレン樹脂20〜160重量
部、溶融性フッ素樹脂7〜60重量部および芳香族ポリ
エステル樹脂7〜80重量部を必須成分として成る摺動
性樹脂組成物とする手段を採用したものである。以下、
その詳細を述べる。
【0009】まず、この発明におけるPPS樹脂は、式
【0010】
【化1】
【0011】で示されるものである。
【0012】上記したPPS樹脂の代表例としては、式
【0013】
【化2】
【0014】で表される重合体が挙げられる。このもの
は、たとえば硫化ナトリウムとP−ジクロルベンゼンを
N−メチルピロリドン、ジメチルアセトアミドなどのア
ミド系溶媒もしくはスルホランなどのスルホン系溶媒中
で反応させて得られ、この段階のPPS樹脂を重合上り
としている。この重合上がりの低分子量PPS樹脂を熱
処理等の工程にかけて、樹脂中に交差結合が全くないも
のから部分的交差結合(以下架橋と記す。)を有するも
のに至るまで各重合度のものを自由に製造することによ
り、目的の溶融ブレンドに適正な溶融粘度特性を有する
ものを任意に選択使用することが可能である。また、架
橋構造をとらない直鎖状PPS樹脂も使用できる。
【0015】このように、上記したPPS樹脂として好
ましいものは、架橋性PPS樹脂であって、かつ重合上
りの溶融粘度が350〜3000ポアズか、特に好まし
くは500〜1000ポアズのものである。なぜなら
ば、重合上りの溶融粘度が350ポアズ未満のPPS樹
脂を架橋させた架橋性PPS樹脂は、機械的強度、特に
柔軟性に劣るため、衝撃強度やスナップフィット性等の
じん性を要求されるような用途には適さないからであ
る。また、3000ポアズを越える場合には、高温での
クリープ性が劣るため、PPS樹脂の耐熱性を生かした
高温での使用性が大きく阻害される。
【0016】一方、前記した直鎖状のPPS樹脂を使用
すると、添加した四フッ化エチレン樹脂がPPS樹脂中
で充分に繊維化されず、潤滑性、耐摩耗性が低下し、特
に配合割合を充分に高めると、機械的強度が大きく低下
する。
【0017】重合上りのPPS樹脂を架橋するには、前
記した架橋方法と同様に熱処理等で処理する。具体的に
は空気中における融点以下での加熱かまたは架橋剤、分
岐剤を添加することによって行なう。このようにして生
成した架橋性PPS樹脂の溶融粘度は、1000〜40
000ポアズの範囲にあればよく、望ましくは1200
〜20000ポアズの範囲にあればよい。なぜなら、溶
融粘度が1000ポアズ未満の架橋性PPS樹脂は、1
50℃以上の高温域で耐クリープ特性などの機械的特性
が低下して変形しやすく、40000ポアズを越える架
橋性PPS樹脂は、架橋前の溶融粘度が350〜300
0ポアズであっても成形性が著しく劣り、また柔軟性が
少し低下するため好ましくないからである。上記した条
件を満足する架橋性PPS樹脂としては、たとえばトー
プレン社製T−4(2)、TX004、TX007など
が挙げられる。なお、前記の溶融粘度の測定条件は下記
のとおりである。
【0018】測定温度 : 300℃ オリフィス: 穴径1mm、長さ10mm 測定荷重 :200kg/cm2 測定機 :高化式フローテスター この発明における四フッ化エチレン樹脂は、成形用の粉
末であっても、またいわゆる固体潤滑剤用の微粉末であ
ってもよく、たとえば三井・デュポン・フロロケミカル
社製:テフロン7J、旭硝子社製:フルオンG163、
L169、ダイキン工業社製:ポリフロンM12、ルブ
ロンL5などを例示することができる。このうち特に好
ましくは、未焼成で分子量100万以上の高分子量のも
のがよい。なぜなら高分子量で未焼成の四フッ化エチレ
ン樹脂を用いると、溶融ブレンド時や成形時に組成物の
高温せん断力によって繊維化が促進され、機械的強度、
耐摩耗製に優れたものとなるからである。四フッ化エチ
レン樹脂の分子量Mnは、その比重ρとの間に以下の関
係式、 ρ=−0.0579log Mn+2.6113 が成り立つことが知られており、この式に基づいて比重
から分子量を求めることができる。
【0019】この発明の溶融性フッ素樹脂は、その結晶
融点がPPSの溶融成形温度以下(実質上380℃以
下)で、372±1℃における比溶融粘度が1×106
ポアズ以下の溶融成形可能なものである。ここでフッ素
樹脂の熱的性質を限定する理由は、PPS樹脂の成形温
度で充分に溶融しないフッ素樹脂を使用すると成形体表
面の脹れや発泡防止性を大きく改善することができない
からである。このようなフッ素樹脂の代表例としては、
エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(以下ET
EEと略称する)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフ
ルオロプロピレン共重合体(以下FEPと略称する)、
テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニル
エーテル共重合体(以下PFAと略称する)、テトラフ
ルオロエチレン−フルオロアルキルビニルエーテル−フ
ルオロオレフィン共重合体(以下EPEと略称する)、
ポリトリクロロフルオロエチレンおよびポリフッ化ビニ
リデンなどが挙げられる。これらの中では、ETFEが
成形体表面の脹れ・発泡防止性の改善度が大きい点で好
ましい。市販の溶融性フッ素樹脂としては、たとえばE
TFEとして三井・デュポンフロロケミカル社製:テフ
ゼル、旭硝子社性:アフロンCOP、FEPとしては、
三井・デュポンフロロケミカル社性:テフロンFEP−
J、ダイキン工業社製:ネオフロンFEP、PFAとし
ては、三井・デュポンフロロケミカル社製:テフロンP
FA−J、MP−10、ヘキスト社製:ホスタフロンT
FA、またEPEとしては三井・デュポンフロロケミカ
ル社製:テフロンEPE−Jなどを挙げることができ
る。
【0020】この発明における芳香族ポリエステル樹脂
は、つぎに示す(A)、(B)および(C)で表わされ
る繰り返し構造単位からなるものであり、特に(A)の
繰り返し構造単位を有するものが好ましい。
【0021】
【化3】
【0022】上記した芳香族ポリエステルについては、
特公昭47−47870号公報に記載されており、製造
法については、特公昭46−6796号公報、特開昭5
4−46287号公報に開示された方法であってよい。
【0023】なお、この発明に用いる芳香族ポリエステ
ルは、摺動特性の点から平均粒径が6μm〜20μmの
ものが好ましい。なぜなら5μm以下では耐摩耗性に劣
り、20μmを超えると摩擦係数が大きくなるからであ
る。市販の芳香族ポリエステルとしては、住友化学工業
社製エコノールE101、E1000、E5000等が
挙げられる。
【0024】また、この発明において、四フッ化エチレ
ン樹脂の配合量をPPS樹脂100重量部に対して20
〜160重量部とする理由は、20重量部量より少ない
と潤滑特性が悪く、160重量部をこえると著しく成形
性が損なわれるからである。溶融フッ素樹脂の量を7〜
60重量に限定する理由は、7重量部未満では脹れ・発
泡防止性の改善度が低く、60重量部をこえると、耐摩
耗性が悪くなるからである。さらに芳香族ポリエステル
樹脂を7〜80重量部に限定する理由は、7重量部未満
では脹れ・発泡防止性が悪く、80重量部をこえると機
械的強度が低下して好ましくないからである。
【0025】ここで、上記した原材料を混合する方法
は、特に限定するものではなく、通常広く用いられてい
る方法、たとえば主成分となる樹脂その他の諸原料をそ
れぞれ個別に、またはヘンシェルミキサー、ボールミ
ル、タンブラーミキサー等の混合機によって適宜乾式混
合した後、溶融混合性のよい射出成形機もしくは溶融押
出成形機に供給するか、または、予め熱ロール、ニー
ダ、バンバリーミキサー、溶融押出機などで溶融混合す
るなどの方法を利用すればよい。さらに、この発明の摺
動性樹脂組成物は、その成形方法を限定するものではな
く、圧縮成形、押出成形、射出成形等の通常の方法を採
用できる。
【0026】なお、この発明のPPS樹脂を主成分とす
る組成物に対して、潤滑性、耐摩耗性および脹れ・発泡
防止等の所期の目的とする特性を悪化させない範囲内に
おいて各種添加剤を配合することもできる。
【0027】
【作用】以上述べたこの発明の組成物は、必須成分とし
てPPS樹脂、四フッ化エチレン樹脂、溶融性フッ素樹
脂および芳香族ポリエステル樹脂を併用し、これらの相
乗作用によって良好な潤滑性、耐摩耗性および機械的強
度を示し、しかも高温多湿な雰囲気または有機溶剤等が
比較的多量にあり、かつ加圧されたような過酷な雰囲気
下における脹れ・発泡防止性を著しく高める。
【0028】
【実施例】この発明の実施例および比較例に使用した原
材料を一括して示せば以下の通りである。なお、PPS
樹脂については重合上りの溶融粘度:P1 、架橋後の溶
融粘度P2 、四フッ化エチレン樹脂については、分子
量:M、芳香族ポリエステル樹脂および芳香族ポリイミ
ド樹脂については平均粒径:Dをそれぞれ併記した。
【0029】1)架橋性PPS樹脂(トープレン社製:
T−4(2)、P1−700ポアズ、P2 =1840ポ
アズ) 2)架橋製PPS樹脂(トープレン社製:K−4、P1
=100ポアズ、P2 =2000ポアズ) 3)直鎖状PPS樹脂(呉羽化学工業社製:KPS−#
214、溶融粘度=1400ポアズ) 4)四フッ化エチレン樹脂(ダイキン工業社製:M−1
2、M=700万) 5)四フッ化エチレン樹脂(ダイキン工業社製:ルブロ
ンL−2、M=30000) 6)溶融フッ素樹脂 ETFE(旭硝子社製:アフロン
COP Z−8820) 7)溶融フッ素樹脂 PFA(三井・デュポンフロロケ
ミカル社製:MP−10) 8)芳香族ポリエステル樹脂(住友化学工業社製:エコ
ノール E101S2、D=10μm) 9)芳香族ポリエステル樹脂(住友化学工業社製:エコ
ノール E101F、D=4.5μm) 10)芳香族ポリイミド樹脂(宇部興産社製:ユーピレッ
クスS、D=10μm) 11)タルク 〔実施例1〜12〕表1に示す割合で諸原材料を配合し
た。組成物の成形にあたっては、まず原材料をヘンシェ
ルミキサーで充分混合し、二軸溶融押出機に供給し、シ
リンダー温度310℃、回転数毎分80回転の溶融混合
条件で押出して造粒し、得られたペレットを樹脂温度3
20℃、射出圧力800kg/cm2 、金型温度130℃の
射出成形条件のもとで成形し、摩擦係数、摩耗係数、脹
れ・発泡防止性、機械的強度を測定し、表2に、結果を
まとめた。なお、摩擦係数、摩耗係数の測定には、内径
17mm、外径21mm、長さ10mmのリング状試験片を用
い、摩擦係数は、滑り速度を毎分10m、荷重10kg/
cm2 の条件でスラスト型摩擦試験機を用いて測定し、摩
耗係数は滑り速度毎分128m、荷重3.9kg/cm2
条件でスラスト摩耗試験機を用いて求め、いずれも相手
材には軸受鋼SUJ−2(焼入れ、研削仕上げ)を使用
した。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】脹れ・発泡防止性については、厚さ3.2
mm、幅12mm、長さ127mmの板材を試験片とし、圧力
容器(容量85cc)に、冷媒(フロンR22)と水を
重量充填比で10:1の割合で封入し、135℃の恒温
槽内で30日間(条件1)、50日間(条件II)放置し
た。なお、この時の冷媒の圧力が30kg/cm2 になるよ
うに冷媒の充填量を調整した。その後、圧力容器から取
り出し、大気圧中で直ちに140℃の恒温炉の中に30
分放置して室温に冷却後、各材料10本中に発生した脹
れの数および発泡の有無を目視観察した。機械的強度に
ついては、ASTM−D790による曲げ強さ(10g
/cm2 )およびASTM−D256(ノッチ付き、1/8
インチ)による衝撃強度を調べた。
【0033】〔比較例1〜6〕表1に示した割合で原材
料を配合したこと以外は実施例1と全く同様にして試験
片を作り、諸特性を求め、得られた結果を表2に併記し
た。
【0034】表2に示す結果から明らかなように、実施
例1〜12は何れも摩擦係数、摩耗係数ともに小さく、
潤滑性および耐摩耗性に優れている。また、脹れ・発泡
防止性について特に条件(I)では全く問題がなく、条
件(II)においてもその発生頻度が非常に小さく、また
機械的強度についても優れていた。さらに詳細にみる
と、PPS樹脂が架橋型でかつ重合上りの溶融粘度が3
50ポアズ未満のものを使用した実施例8は、重合上り
の溶融粘度が350ポアズ以上のPPS樹脂を使用した
以外はこれと全く同様の組成物である実施例7に比べ、
衝撃強度において少し劣るがその他の問題はなかった。
また、PPS樹脂が直鎖状である実施例9は、他類のP
PSを使用した以外は全く同じ組成の実施例7に比べ
て、潤滑性、耐摩耗性に少し劣る程度であった。四フッ
化エチレン樹脂の種類についてみると、分子量が100
万未満のものを使用した実施例10に比較して、分子量
100万以上でかつ未焼成の四フッ化エチレン樹脂を添
加した実施例7の方が、耐摩耗性、機械的強度が一層優
れていた。一方、溶融性フッ素樹脂の種類については、
実施例7と11を比較することにより、溶融性フッ素樹
脂としてETFEを添加したものりが脹れ・発泡防止性
が一層優れていることがわかった。芳香族ポリエステル
の粒径についてみると、直径6μm以上のものを使用し
た実施例7の方が、6μm未満の実施例12により、耐
摩耗性について優れていることがわかった。
【0035】このように実施例1〜12については若干
の差異がみられるがいずれもこの発明の目的を充分に達
し得た。しかし、四フッ化エチレン樹脂の添加量が20
重量部未満の比較例1は摩擦係数が大きく、耐摩耗性に
も劣っていた。溶融性フッ素樹脂を添加しなかった比較
例2、芳香族ポリエステル樹脂を添加しなかった比較例
4、さらに芳香族ポリエステル樹脂を添加しない代り
に、芳香族ポリイミド樹脂またはタルクを添加した比較
例5、比較例6はいずれも脹れ・発泡防止機能に劣って
いた。また、溶融フッ素樹脂の配合量が過量の比較例3
は、耐摩耗性に劣るものであった。
【0036】
【効果】この発明の摺動性樹脂組成物は、以上説明した
ように、優れた潤滑性、耐摩耗性を有すると共にPPS
樹脂の耐熱性を備えて高温で使用される軸受等の材料と
して格好のものであり、しかも脹れ・発泡防止性に優れ
ているため、高温多湿な雰囲気または有機溶剤等が比較
的多量にあり、かつ加圧された過酷な雰囲気、たとえば
エアコン内の摺動材料として格好のものであるといえ
る。また射出成形も可能であり、成形性についても優れ
たものであることから、この発明の意義はきわめて大き
いということができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 67:00) (C08L 27/18 81:02 27:12 67:00)

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 ポリフェニレンサルファイド樹脂100
    重量部、四フッ化エチレン樹脂20〜160重量部、溶
    融性フッ素樹脂7〜60重量部および芳香族ポリエステ
    ル樹脂7〜80重量部を必須成分として成る摺動性樹脂
    組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010006919A (ja) * 2008-06-26 2010-01-14 Pilot Corporation 水性ボールペン用インキ組成物及びそれを用いた水性ボールペン用レフィル

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