JPH0532828Y2 - - Google Patents

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JPH0532828Y2
JPH0532828Y2 JP1983149918U JP14991883U JPH0532828Y2 JP H0532828 Y2 JPH0532828 Y2 JP H0532828Y2 JP 1983149918 U JP1983149918 U JP 1983149918U JP 14991883 U JP14991883 U JP 14991883U JP H0532828 Y2 JPH0532828 Y2 JP H0532828Y2
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【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本考案は、紫外・赤外の遮光機能及び反射防止
性を有する眼鏡レンズに関する。
(従来の技術) 生体組織が放射線に作用されたとき、生体組織
はこれらを吸収し、その吸収特性は放射線の波長
及び生体組織部位により異なるが、眼組織では可
視光線および赤外線は網膜まで達し、長時間もし
くは強度に作用するときは、虹彩、網膜、脈絡膜
などに重いそして持続的な障害をおこすことは知
られている。また、紫外線は角膜、水晶体で良く
吸収され、長時間もしくは強度に作用するときに
はゆきめ、電気性眼炎の原因となり、白内障の遠
因であるとの推定もある。そこで、これらの光線
から、眼を保護するため保護眼鏡が要望されてお
り、その保護眼鏡に使用される表面処理技術とし
て、例えば、特開昭56−149001号公報には、少な
くとも1層の低屈折率層と、少なくとも1層の中
間的な屈折率層を備え、必要に応じて高屈折率層
を有する層を形成した干渉効果を有する多層反射
防止膜で、この中間的な屈折率層にタンタル酸化
物とアルミニウム酸化物の混合物を使用すること
を特徴とした反射防止膜の製造方法が提案されて
いる。
また、特開昭58−90604号公報には、可視光透
過性基板上に赤外線遮蔽層と干渉反射層とを交互
に複数層積層し、可視光に対しては、良好な透過
性を有し、かつ赤外線及び近赤外線に対しては、
遮蔽可能に改良された、赤外線遮蔽積層体が提案
されている。この発明は特に、前記赤外線遮蔽層
として、代表的にはIn2O3にとSn,W,Mo,Ti
などを添加したITO膜が、干渉反射層としては、
代表的にはTiO2あるいはSiO2が好適に用いられ
ている。
(考案が解決しようとする課題) しかしながら、前述の特開昭56−149001号公報
は、可視域での反射防止膜を開示するもので、眼
の保護に関する知見及び紫外線域、赤外線域遮光
技術についての開示はなく、その効果は、可視域
に限定されるものである。
また、前述の特開昭58−90604号公報は、主と
して、車両用窓ガラス等の分野での透明体薄膜の
改良であり、この方法では、干渉反射による、可
視域での干渉色の発生は避けられず、さらにこの
発明の透過率曲線の図から、副次的な干渉反射が
可視域に多数発生することが認められている。
これは、用途として、窓ガラスのような一般的
な民生品としては、実用上問題のない許容範囲で
あつても、光学用途としての眼鏡レンズにおいて
は、その可視域に発生する多数の干渉反射は特
に、強度レンズの処方になる程、一層、干渉縞を
顕著にさせ、眼鏡レンズとしての装用感や商品価
値を著しく低下させるものになる。本考案は、か
かる課題を解決するためになされたものであり、
その目的は、膜硬度にすぐれ眼に好ましくないと
される紫外線域、赤外線域をカツトしかつ、可視
域において反射防止機能を有する多機能眼鏡レン
ズを提供することにある。
(課題を解決するための手段) 本考案はかかる上記の目的を達成するためにな
されたものであり、基材が、ガラス又は、プラス
チツクからなるレンズに、下記の(イ)高屈折率物質
と(ロ)低屈折率物質とを光学膜厚λ/4(λ=
1000nm〜1300nm)で交互に繰り返し蒸着させ
た、紫外・赤外線を遮光するための遮光膜と、該
遮光膜上に、可視光の反射防止のための反射防止
膜とを形成してなることを特徴とする眼鏡レンズ
を提供することにある。
イ 高屈折率物質: 酸化チタン、酸化セリウム、酸化ジルコニウ
ム、酸化ネオジウム及び酸化タンタルの1種また
は2種以上 ロ 低屈折率物質: フツ化マグネシウム及び/又は酸化珪素 また、本考案のレンズの遮光膜は低屈折率物質
と高屈折率物質とを交互に繰り返し蒸着させる場
合、その順序はいずれであつてもよく、高屈折率
物質と低屈折率物質の合計の層の数(レアー数)
が4〜20層が好ましく、合計の層が少なくなると
赤外線域1000〜1300nmに於けるピーク層は広が
るが透過率曲線の谷の深さが小となり、反射率が
下がる合計の層数が多くなるとこのピークの幅は
狭くなるが透過率曲線の谷の深さが深くなり反射
率は上がる。
また、反射防止膜は、単層あるいは多層膜でも
よいが蒸着物質は前述の(イ)高屈折率物質と(ロ)低屈
折率物質とから選択されるものを使用するのが好
ましい。
(作用) 本考案の眼鏡レンズは、基材が、ガラス又は、
プラスチツクから形成され、そのレンズには、酸
化チタン、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸
化ネオジウム及び酸化タンタルの1種または2種
以上の高屈折率膜と、フツ化マグネシウム及び/
又は酸化珪素の低屈折率膜とが光学膜厚λ/4
(λ=1000nm〜1300nm)で交互に繰り返し蒸着
され、紫外・赤外線の遮光膜が形成される。この
ため、このレンズに入射した紫外・赤外線は、こ
の遮光膜で遮光される。
さらに、この遮光膜上に可視域の反射防止とし
て、前述の高屈折物質と低屈折物質の蒸着膜が成
膜されるので、前記の紫外・赤外線の遮光膜の副
次的な作用(一般には広義には、薄膜の干渉作用
といわれる。)によるリツプルの発生、反射率の
増加が抑制され、透明性に優れた視野をもたらす
ことができる。
(実施例) 以下、本考案のレンズについて、実施例より説
明する。第1図は、本考案の実施例の眼鏡レンズ
1の部分断面図である。本実施例の眼鏡レンズ1
は、基材2と紫外・赤外を遮光する遮光膜3と可
視光域の反射防止膜4とから構成されている。ま
た、前記基材2には、高屈折率物質からなる高屈
折率膜5と、低屈折率物質からなる低屈折率膜6
とが、交互にそれぞれ、4層ずつ形成された、紫
外・赤外遮光膜3が被覆されており、さらに、そ
の遮光膜3上には、可視光域の反射防止を目的と
する反射防止膜4が形成されている。以下、本考
案の眼鏡レンズ1の製造の実施例を説明する。
(実施例 1) 光学樹脂であるジエチレングリコールビスアリ
ルカーボネート(以下:CR−39という)よりな
り、酸化珪素のレンズを真空槽内に設置し、レン
ズ表面温度を120℃以下としながら、高屈折率物
質として酸化ジルコニウムを低屈折率物質として
酸化珪素を使用して交互に蒸着させ、赤外域の最
大反射波長をλとした場合に各層がλ/4の膜厚
を有する合計12層(酸化ジルコニウム6層、酸化
珪素6層)の紫外、赤外線遮光膜を形成させた。
次いで該紫外線、赤外線遮光膜の表面に酸化ジル
コニウムと酸化珪素との等価膜によるλ/4層の
膜と、酸化ジルコニウム及び酸化珪素の順で、蒸
着層がλ/4の膜厚になるよう蒸着して反射防止
膜を形成させた。
得られた眼鏡レンズは可視域では平均97.5%の
透過率であるが、赤外域の最大反射は85%であ
り、紫外域に於いても380nmの波長での透過率は
45%であり、赤外・紫外線の遮光効果に優れか
つ、可視域に高い透過率を有する眼鏡レンズであ
つた。
(実施例 2) 実施例1と同様のCR−39レンズを、真空槽内
に設置し、温度100℃〜120℃でレンズを加熱しな
がら酸化珪素と酸化セリウムを交互に蒸着し各層
がλ/4の光学的膜厚を有する12層から成る紫
外・赤外線遮光膜を形成した後、更にその上層に
酸化ジルコニウムと酸化珪素を等価膜方式でλ/
4層を蒸着し、更に酸化ジルコニウムと酸化珪素
を各々λ/4の光学的膜厚を有する反射防止膜を
形成した。このレンズは可視域の光に対しては約
2%のみ反射させるにとどまる優れた透過性性と
反面紫外線(380nm)は50%赤外線(1000nm)
は85%を遮光し優れた物性を示した。
(実施例 3) 実施例1と同様のCR−39のレンズ表面に酸化
珪素と酸化ジルコニウムをλ/4の光学的膜厚で
交互に14層の構成で、紫外・赤外線遮光膜を蒸着
形成した後、更にその上に反射防止膜として酸化
ジルコニウムと酸化珪素を等価膜方式により蒸着
して、反射防止効果を有するとともに紫外線及び
赤外線を遮光するレンズを得た。その可視域の反
射は2.5%であり紫外線は55%、赤外線は90%を
遮光し、優れた物性を示した。
(実施例 4) 通常の眼鏡レンズに用いられているクラウンガ
ラスから成るレンズ表面に高屈折率物質として酸
化チタンを低屈折率物質としてフツ化マグネシウ
ムを合計12層になるよう交互蒸着して紫外・赤外
線遮光膜を形成し、更に、その上に酸化珪素と酸
化ジルコニウムを透過膜方式の構造で蒸着した反
射防止膜を形成し、これら紫外線と赤外線とを遮
光する蒸着膜と可視域の光の反射を防止する蒸着
膜を組み合せることによつて赤外線を100%、紫
外線を55%遮断すると共に可視光の反射を2.5%
にした優れたレンズを得た。
(実施例 5) クラウンガラスのレンズ表面に紫外・赤外線遮
光用の蒸着膜として酸化マグネシウムと酸化珪素
を構造体として実施例4と同様に蒸着した後、更
にその上にフツ化マグネシウムをλ/4の光学的
膜厚で、蒸着し反射を3%に減少させると共に紫
外線を45%、赤外線を100%遮光し優れた物性を
示した。
(実施例 6) 実施例1と同様のCR−39のレンズ表面に紫
外・赤外用遮光用蒸着膜の構造物質として酸化タ
ンタルと酸化珪素を、反射防止膜用としてフツ化
マグネシウムを用いて実施例5と同様にして組み
合せた膜構造のレンズは可視光の反射は3%に減
少させ、かつ紫外線55%を、赤外線85%し遮光す
る優れた物性を示した。
(考案の効果) 本考案の眼鏡レンズは、基材が、ガラス又は、
プラスチツクからなるレンズに高屈折率物質と低
屈折率物質とを光学膜厚λ/4(λ/4=1000nm
〜1300nm)で交互に繰り返し蒸着させた、紫
外・赤外線を遮光するための遮光膜と、さらに、
その遮光膜上に可視光の反射防止のための反射防
止膜とを成膜してあるので、目に好ましくないと
される紫外線、赤外線をカツトしかつ、可視域に
おいて反射防止機能を有する多機能眼鏡レンズを
提供することができる。
また、遮光膜上に、反射防止膜が成膜されてい
るので、前記の紫外・赤外線の遮光膜の副次的な
作用(一般的に広義には、薄膜の干渉作用といわ
れる。)によるリツプルの発生、反射率の増加を
抑制することができ、可視域の特性に優れ、強度
の処方レンズにも適した眼鏡レンズを提供すると
ができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本考案の実施例の眼鏡レンズの部分
断面図である。 1……眼鏡レンズ、2……レンズ基材、3……
紫外・赤外遮光膜、4……反射防止膜、5……高
屈折率膜、6……低屈折率膜。

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 基材がガラス又はプラスチツクからなるレンズ
    に、 (イ) 酸化チタン、酸化セリウム、酸化ジルコニウ
    ム、酸化ネオジウム及び酸化タンタルからなる
    群から選択される1種または2種以上の高屈折
    率物質と、 (ロ) フツ化マグネシウム及び酸化珪素からなる群
    から選択される1種または2種の低屈折率物質
    とを、 光学膜厚λ/4(λ=1000nm〜1300nm)で交
    互に繰り返し蒸着させた、紫外・赤外線を遮光す
    るための遮光膜と、該遮光膜上に、可視光の反射
    防止のための反射防止膜とを形成してなることを
    特徴とする眼鏡レンズ。
JP14991883U 1983-09-28 1983-09-28 眼鏡レンズ Granted JPS6059220U (ja)

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