JP2523492B2 - 保護眼鏡レンズの製造方法 - Google Patents
保護眼鏡レンズの製造方法Info
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- JP2523492B2 JP2523492B2 JP61099144A JP9914486A JP2523492B2 JP 2523492 B2 JP2523492 B2 JP 2523492B2 JP 61099144 A JP61099144 A JP 61099144A JP 9914486 A JP9914486 A JP 9914486A JP 2523492 B2 JP2523492 B2 JP 2523492B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、特定の遮光機能を有する保護眼鏡レンズの
製造方法に関する。
製造方法に関する。
〈従来の技術〉 生体組織が放射線に作用されたとき、生体組織はこれ
らを吸収し、その吸収特性は放射線の波長及び生体組織
部位により異なるが、眼の組織では可視光線および赤外
線は網膜まで達し、長時間もしくは強度に作用するとき
は、虹彩、網膜、脈絡膜などに重いそして持続的な傷害
をおこすことは知られている。また、紫外線は角膜、水
晶体で良く吸収され、長時間もしくは強度に作用すると
きにはゆきめ、電気性眼炎の原因となり、白内障の遠因
であるとの推定もある。また放射線の眼組織への影響度
は、生体がさらされている環境によつても相違するが、
例えば、職業的に航空パイロツトは高高度を飛行する
時、長時間にわたり、地上とは比較にならない量の光線
を浴びている。飛行機のコクピツト内での光線量は、コ
クピツトの窓によつても遮光されているが、上空では地
上とは比較にならない程の光線量があるので、光線の絶
対量は、コクピツト内といえども、地上のそれを上回る
とされる。このように通常の太陽光のもとでの生活環境
と比較して強い光線のもとで労働に従事する人々には、
目の保護のためにそのさらされている環境に即した保護
眼鏡を装用することが好ましい。
らを吸収し、その吸収特性は放射線の波長及び生体組織
部位により異なるが、眼の組織では可視光線および赤外
線は網膜まで達し、長時間もしくは強度に作用するとき
は、虹彩、網膜、脈絡膜などに重いそして持続的な傷害
をおこすことは知られている。また、紫外線は角膜、水
晶体で良く吸収され、長時間もしくは強度に作用すると
きにはゆきめ、電気性眼炎の原因となり、白内障の遠因
であるとの推定もある。また放射線の眼組織への影響度
は、生体がさらされている環境によつても相違するが、
例えば、職業的に航空パイロツトは高高度を飛行する
時、長時間にわたり、地上とは比較にならない量の光線
を浴びている。飛行機のコクピツト内での光線量は、コ
クピツトの窓によつても遮光されているが、上空では地
上とは比較にならない程の光線量があるので、光線の絶
対量は、コクピツト内といえども、地上のそれを上回る
とされる。このように通常の太陽光のもとでの生活環境
と比較して強い光線のもとで労働に従事する人々には、
目の保護のためにそのさらされている環境に即した保護
眼鏡を装用することが好ましい。
その保護眼鏡用レンズの素材となる合成樹脂レンズは
ジエチレングリコールビスアリルカーボネートを主成分
とするものが知られており、ガラスレンズに比較して、
軽量性、耐衝撃性、染色性において優れた特性を有して
おり、安全性の高いレンズとして普及している。また保
護眼鏡レンズは、その機能として前記合成樹脂レンズ
に、紫外線吸収剤を添加し、紫外線遮蔽効果を有する機
能を付加したものが、特開昭52-150492号公報に提案さ
れている。更に紫外線の光を吸収し、防眩効果の目的で
特定の染料と紫外線吸収剤を使用した合成樹脂レンズが
特公昭53-39910号公報に提案されている。また、市販の
サングラスは、その機能として可視光線の遮光を主眼に
したものがほとんどありその材質は上記樹脂以外にアク
リル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ガラス等が使用
されており、素材モノマーに着色顔料を混入して、重合
したものや、その色調は多彩である。
ジエチレングリコールビスアリルカーボネートを主成分
とするものが知られており、ガラスレンズに比較して、
軽量性、耐衝撃性、染色性において優れた特性を有して
おり、安全性の高いレンズとして普及している。また保
護眼鏡レンズは、その機能として前記合成樹脂レンズ
に、紫外線吸収剤を添加し、紫外線遮蔽効果を有する機
能を付加したものが、特開昭52-150492号公報に提案さ
れている。更に紫外線の光を吸収し、防眩効果の目的で
特定の染料と紫外線吸収剤を使用した合成樹脂レンズが
特公昭53-39910号公報に提案されている。また、市販の
サングラスは、その機能として可視光線の遮光を主眼に
したものがほとんどありその材質は上記樹脂以外にアク
リル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ガラス等が使用
されており、素材モノマーに着色顔料を混入して、重合
したものや、その色調は多彩である。
〈発明が解決しようとする問題点〉 このように、既存のサングラスはガラス製及びプラス
チツク製ともに可視光線を遮光することが主眼であり、
かつフアツシヨン面での要求を満たす事も不可欠の要件
である為、紫外線、可視光線、赤外線といつた各種光線
からの眼の保護という要件について必ずしも満足できる
ものではなく、また、レンズを通して見る物体の色調
は、レンズの着色により影響を受けるため、濃色着色に
よるレンズは、そのカラーバランスの選択が難しく、交
通標識、メーター類のカラーが明確に識別できない場合
や、計器類等の文字盤が見えにくいといつた問題点を有
するカラーがあり、職業上各種放射線から眼を保護する
ための遮光レンズの用途としては常用できないものもあ
つた。
チツク製ともに可視光線を遮光することが主眼であり、
かつフアツシヨン面での要求を満たす事も不可欠の要件
である為、紫外線、可視光線、赤外線といつた各種光線
からの眼の保護という要件について必ずしも満足できる
ものではなく、また、レンズを通して見る物体の色調
は、レンズの着色により影響を受けるため、濃色着色に
よるレンズは、そのカラーバランスの選択が難しく、交
通標識、メーター類のカラーが明確に識別できない場合
や、計器類等の文字盤が見えにくいといつた問題点を有
するカラーがあり、職業上各種放射線から眼を保護する
ための遮光レンズの用途としては常用できないものもあ
つた。
また紫外線の遮光を目的として紫外線吸収剤を添加
し、レンズを成形することは前述のように知られてい
る。しかして紫外線吸収剤には、多くの種類があり、例
えばベンゾフエノン系紫外線吸収剤でも、種類によつて
波長の吸収特性が異なり、同一使用量においても、紫外
線遮蔽効果が違うことがあげられ、さらに多量に紫外線
吸収剤を使用した場合、レンズ重合を妨げ、レンズ成形
ができなくなること、さらに黄色にレンズが着色して色
調を変えてしまう等の問題点があつた。また前記レンズ
を染色するために用いられる染料は、使用する染料の種
類により色調及び波長の吸収特性が異なり、遮光能力も
異なるといつた問題点があつた。
し、レンズを成形することは前述のように知られてい
る。しかして紫外線吸収剤には、多くの種類があり、例
えばベンゾフエノン系紫外線吸収剤でも、種類によつて
波長の吸収特性が異なり、同一使用量においても、紫外
線遮蔽効果が違うことがあげられ、さらに多量に紫外線
吸収剤を使用した場合、レンズ重合を妨げ、レンズ成形
ができなくなること、さらに黄色にレンズが着色して色
調を変えてしまう等の問題点があつた。また前記レンズ
を染色するために用いられる染料は、使用する染料の種
類により色調及び波長の吸収特性が異なり、遮光能力も
異なるといつた問題点があつた。
本発明は、かかる上記の問題点を解決するためになさ
れたものであり、本発明の目的は、紫外線、特定可視光
線及び赤外線の遮光機能に優れカラーバランスが良好な
保護眼鏡レンズの製造方法を提供することにある。
れたものであり、本発明の目的は、紫外線、特定可視光
線及び赤外線の遮光機能に優れカラーバランスが良好な
保護眼鏡レンズの製造方法を提供することにある。
〈問題点を解決するための手段〉 上述の問題点は、ジエチレングリコールビスアリルカ
ーボネートを主成分とするモノマーに紫外線吸収剤を添
加して重合することにより、合成樹脂レンズを成形し
(レンズ成形工程)、得られた合成樹脂レンズを、ブル
ー系分散染料を12重量%〜35重量%、レッド系分散染料
を40重量%〜80重量%、オレンジ系分散染料を8重量%
〜25重量%で混合調整されたブラウン系の分散染料また
はオレンジ系分散染料を35重量%〜48重量%、レッド系
分散染料を2重量%〜5重量%、ブルー系分散染料を50
重量%〜60重量%で混合調整されたグレー系の分散染料
に浸漬して染色加工し(レンズ染色工程)、更に得られ
た染色レンズに高屈折膜と低屈折膜とを順次積層してコ
ーティング膜を成膜する(レンズコーティング工程)レ
ンズ製造工程により、紫外線、波長域500nm〜620nm付近
でほぼフラットな透過率曲線を有する可視光線域の光
線、及び赤外線に対する遮光機能を有する保護眼鏡レン
ズを製造することによって解消された。
ーボネートを主成分とするモノマーに紫外線吸収剤を添
加して重合することにより、合成樹脂レンズを成形し
(レンズ成形工程)、得られた合成樹脂レンズを、ブル
ー系分散染料を12重量%〜35重量%、レッド系分散染料
を40重量%〜80重量%、オレンジ系分散染料を8重量%
〜25重量%で混合調整されたブラウン系の分散染料また
はオレンジ系分散染料を35重量%〜48重量%、レッド系
分散染料を2重量%〜5重量%、ブルー系分散染料を50
重量%〜60重量%で混合調整されたグレー系の分散染料
に浸漬して染色加工し(レンズ染色工程)、更に得られ
た染色レンズに高屈折膜と低屈折膜とを順次積層してコ
ーティング膜を成膜する(レンズコーティング工程)レ
ンズ製造工程により、紫外線、波長域500nm〜620nm付近
でほぼフラットな透過率曲線を有する可視光線域の光
線、及び赤外線に対する遮光機能を有する保護眼鏡レン
ズを製造することによって解消された。
本発明において、合成樹脂レンズ用モノマーに添加さ
れる紫外線吸収剤としては2,2′−ジヒドロキシ−4−
メトキシベンゾフエノンが特に好ましく、その使用量
は、合成樹脂レンズ素材の主成分のモノマー量に対し、
好ましくは0.01重量%〜4重量%、特に好ましくは、0.
1重量%〜2重量%である。その理由は0.01重量%未満
では、紫外線カツト効果が弱く、さらに4重量%を越え
ると、重合度に影響を与え、レンズがもろくなり、成形
性において好ましくないからである。
れる紫外線吸収剤としては2,2′−ジヒドロキシ−4−
メトキシベンゾフエノンが特に好ましく、その使用量
は、合成樹脂レンズ素材の主成分のモノマー量に対し、
好ましくは0.01重量%〜4重量%、特に好ましくは、0.
1重量%〜2重量%である。その理由は0.01重量%未満
では、紫外線カツト効果が弱く、さらに4重量%を越え
ると、重合度に影響を与え、レンズがもろくなり、成形
性において好ましくないからである。
また、本発明における染色加工の染色条件は、染色濃
度、染色温度及び浸漬時間の各要素技術で異なり、染色
可能な適用範囲は広いが、遮光能力、染色の再現性か
ら、染色濃度は0.01重量%〜5重量%、浸漬時間は10分
〜6時間(好ましくは20分〜3時間)、染色温度は60℃
〜100℃(好ましは80℃〜90℃)であるのが好ましい。
また染色の色調はブラウン系、グレー系である。この色
調の調合には様々な方法があるが、ブラウン系の色調を
得るためには分散染料をブルー系(12重量%〜35重量
%)、レツド系(40重量%〜80重量%)、オレンジ系
(8重量%〜25重量%)の比率で調合すればよく、また
グレー系の色調を得る為には分散染料をオレンジ系(35
重量%〜48重量%)、レツド系(2重量%〜5重量
%)、ブルー系(50重量%〜60重量%)の比率で調合す
ればよいので、本発明では、特にカラーバランスに優れ
た色調としてこの特定ブラウン系、グレー系に限定する
ものである。即ち、分光透過率曲線は色調により波長の
吸収帯が違い、例えば黄は575nm付近に吸収帯を有して
おり、波長域500nm〜620nm付近ではフラツトな透過率曲
線が得られない。従つて波長域500nm〜620nm付近の透過
率曲線の変化の仕方がフラツトに近い色調として前記ブ
ラウン系、グレー系の色彩を選択するものである。この
帯域の透過率は、使用目的によりコントロールすること
ができ、その遮光方法は、染料濃度、染色時間、浸漬時
間等の染色加工の染色条件で調整可能である。
度、染色温度及び浸漬時間の各要素技術で異なり、染色
可能な適用範囲は広いが、遮光能力、染色の再現性か
ら、染色濃度は0.01重量%〜5重量%、浸漬時間は10分
〜6時間(好ましくは20分〜3時間)、染色温度は60℃
〜100℃(好ましは80℃〜90℃)であるのが好ましい。
また染色の色調はブラウン系、グレー系である。この色
調の調合には様々な方法があるが、ブラウン系の色調を
得るためには分散染料をブルー系(12重量%〜35重量
%)、レツド系(40重量%〜80重量%)、オレンジ系
(8重量%〜25重量%)の比率で調合すればよく、また
グレー系の色調を得る為には分散染料をオレンジ系(35
重量%〜48重量%)、レツド系(2重量%〜5重量
%)、ブルー系(50重量%〜60重量%)の比率で調合す
ればよいので、本発明では、特にカラーバランスに優れ
た色調としてこの特定ブラウン系、グレー系に限定する
ものである。即ち、分光透過率曲線は色調により波長の
吸収帯が違い、例えば黄は575nm付近に吸収帯を有して
おり、波長域500nm〜620nm付近ではフラツトな透過率曲
線が得られない。従つて波長域500nm〜620nm付近の透過
率曲線の変化の仕方がフラツトに近い色調として前記ブ
ラウン系、グレー系の色彩を選択するものである。この
帯域の透過率は、使用目的によりコントロールすること
ができ、その遮光方法は、染料濃度、染色時間、浸漬時
間等の染色加工の染色条件で調整可能である。
紫外線、赤外線遮光のための積層膜に用いる高屈折率
膜用物質には、酸化ジルコニウムが特に好ましく、酸化
チタン、酸化セリウム、酸化インジウム、酸化ネオジウ
ム及び酸化タンタルも使用できる。また低屈折率膜用物
質には、酸化珪素が特に好ましく、フツ化マグネシウム
も使用できる。
膜用物質には、酸化ジルコニウムが特に好ましく、酸化
チタン、酸化セリウム、酸化インジウム、酸化ネオジウ
ム及び酸化タンタルも使用できる。また低屈折率膜用物
質には、酸化珪素が特に好ましく、フツ化マグネシウム
も使用できる。
積層させる順番は、高、低、……高、低の順であつて
も低、高、……低、高であつてもよく、その層数は、4
〜20層であれば好ましい効果が得られ、層数と反射波長
域は反比例し、反射率の大きさは比例する。
も低、高、……低、高であつてもよく、その層数は、4
〜20層であれば好ましい効果が得られ、層数と反射波長
域は反比例し、反射率の大きさは比例する。
その光学的膜厚は、λ/4(λは波長)が好ましく、ま
た蒸着物質の積層方法は、特に真空蒸着が好ましいが、
イオンスパツタリング法等も可能である。
た蒸着物質の積層方法は、特に真空蒸着が好ましいが、
イオンスパツタリング法等も可能である。
〈作用〉 本発明の製造方法で得られた保護眼鏡レンズは、紫外
線吸収剤を添加したモノマーを重合して得られる。また
該レンズは、分散染色してグレー系又はブラウン系に染
色され、レンズ表面に染色層が形成されている。更に前
記染色レンズの表面部に高屈折率膜と低屈折率膜とで順
次積層されたコーテイング膜が形成されているので、紫
外線、可視線、赤外線は遮光され、眼に有害な紫外線・
赤外線の眼球への到達量が少なく、光線による眼障害を
未然に防ぐ。また、カラーバランンの損なわない色調で
防眩効果のある濃度に染色されているので、レンズを通
して、安楽に物体を視ることができ、かつ交通標識、メ
ーター類のカラーを、レンズを通さずに見る時と何ら変
化なく識別する事ができる。
線吸収剤を添加したモノマーを重合して得られる。また
該レンズは、分散染色してグレー系又はブラウン系に染
色され、レンズ表面に染色層が形成されている。更に前
記染色レンズの表面部に高屈折率膜と低屈折率膜とで順
次積層されたコーテイング膜が形成されているので、紫
外線、可視線、赤外線は遮光され、眼に有害な紫外線・
赤外線の眼球への到達量が少なく、光線による眼障害を
未然に防ぐ。また、カラーバランンの損なわない色調で
防眩効果のある濃度に染色されているので、レンズを通
して、安楽に物体を視ることができ、かつ交通標識、メ
ーター類のカラーを、レンズを通さずに見る時と何ら変
化なく識別する事ができる。
〈実施例〉 以下、本発明の実施例を詳細に説明する。
〈実施例1〉 第1図は本発明の実施例の製造方法で得られた保護眼
鏡レンズ1の部分拡大断面図であり、保護眼鏡レンズ1
はジエチレングリコールビスアリルカーボネートを主成
分とするモノマーを、これに紫外線吸収剤を添加した
後、重合して得た合成樹脂レンズを染色加工した染色合
成樹脂レンズ2に酸化ジルコニウムからなる高屈折率膜
3と酸化ケイ素からなる低屈折率膜4が積層されてい
る。
鏡レンズ1の部分拡大断面図であり、保護眼鏡レンズ1
はジエチレングリコールビスアリルカーボネートを主成
分とするモノマーを、これに紫外線吸収剤を添加した
後、重合して得た合成樹脂レンズを染色加工した染色合
成樹脂レンズ2に酸化ジルコニウムからなる高屈折率膜
3と酸化ケイ素からなる低屈折率膜4が積層されてい
る。
また前記染色合成樹脂レンズ2の表面層には分散染料
でブラウンに染色された染色層2aが形成されている。
でブラウンに染色された染色層2aが形成されている。
また、前記高屈折率膜3、低屈折率膜4の光学的膜厚
はλ/4であり、例えば12層に積層されている。
はλ/4であり、例えば12層に積層されている。
次に、本発明の実施例の製造方法について説明する。
合成樹脂レンズモノマーとしてジエチレングリコール
ビスアリルカーボネート99.85重量%、紫外線吸収剤と
して2,2′−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフエノン
0.15重量%を撹拌機で充分に撹拌し、重合開始剤として
ジイソプロピルパーオキシカーボネート(IPP)をモノ
マー100に対し3の割合で添加、撹拌し、混合液を得
た。次に、ガラス型と樹脂製シールよりなる、レンズ成
型用型内に前記混合液を注入し、電気炉にてキヤスト重
合を行つて、合成樹脂レンズを得た。
ビスアリルカーボネート99.85重量%、紫外線吸収剤と
して2,2′−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフエノン
0.15重量%を撹拌機で充分に撹拌し、重合開始剤として
ジイソプロピルパーオキシカーボネート(IPP)をモノ
マー100に対し3の割合で添加、撹拌し、混合液を得
た。次に、ガラス型と樹脂製シールよりなる、レンズ成
型用型内に前記混合液を注入し、電気炉にてキヤスト重
合を行つて、合成樹脂レンズを得た。
ダイアニツクス レツド ACE(三菱化成(株)
製)、レゾリン オレンジ 3GL(バイエル社製)、ダ
イアニツクス ブルー RN−E(三菱化成(株)製)を
それぞれ60%、20%、20%の比率で調合して得た混合分
散染料5g(0.5重量%)を水1に加えてブラウン色の
染色液を調整し、該染色液に更に界面活性剤(染色安定
剤、ホーヤ(株)製ホーヤ スタビライザー)2g(0.2
重量%)を添加した後、上で得られた合成樹脂レンズを
染色温度85℃で30分間浸漬し、染色層2aを有する合成樹
脂レンズ2を得た。染色合成樹脂レンズ2の色はブラウ
ンであつた。
製)、レゾリン オレンジ 3GL(バイエル社製)、ダ
イアニツクス ブルー RN−E(三菱化成(株)製)を
それぞれ60%、20%、20%の比率で調合して得た混合分
散染料5g(0.5重量%)を水1に加えてブラウン色の
染色液を調整し、該染色液に更に界面活性剤(染色安定
剤、ホーヤ(株)製ホーヤ スタビライザー)2g(0.2
重量%)を添加した後、上で得られた合成樹脂レンズを
染色温度85℃で30分間浸漬し、染色層2aを有する合成樹
脂レンズ2を得た。染色合成樹脂レンズ2の色はブラウ
ンであつた。
次に、真空蒸着法により前記染色合成樹脂レンズ2を
真空蒸着装置を使用し、真空槽内に設置し、レンズ表面
温度を120℃以下としながら、高屈折率膜3の物質とし
て酸化ジルコニウムを、低屈折率膜4の物質として酸化
珪素を使用して交互に蒸着させ、赤外域の最大反射波長
をλとした場合に各層がλ/4の膜厚を有する合計12層
(酸化ジルコニウム6層、酸化珪素6層)の紫外、赤外
線遮断膜を形成させ保護眼鏡レンズ1を得た。ここで膜
厚制御は単色測光法を用いモニターガラスを監視するこ
とにより行つた。その単色フイルタ波長は550nmを用
い、蒸着は電子ビーム加熱法である。
真空蒸着装置を使用し、真空槽内に設置し、レンズ表面
温度を120℃以下としながら、高屈折率膜3の物質とし
て酸化ジルコニウムを、低屈折率膜4の物質として酸化
珪素を使用して交互に蒸着させ、赤外域の最大反射波長
をλとした場合に各層がλ/4の膜厚を有する合計12層
(酸化ジルコニウム6層、酸化珪素6層)の紫外、赤外
線遮断膜を形成させ保護眼鏡レンズ1を得た。ここで膜
厚制御は単色測光法を用いモニターガラスを監視するこ
とにより行つた。その単色フイルタ波長は550nmを用
い、蒸着は電子ビーム加熱法である。
前記保護眼鏡レンズ1の分光透過率曲線(日立製作所
製340自記分光度計を使用して測定した)は第2図に示
す通りである。
製340自記分光度計を使用して測定した)は第2図に示
す通りである。
第2図に示す分光透過率曲線より本実施例の保護眼鏡
レンズの紫外線、可視光線、赤外線の遮光性能は、下記
の通りである。すなわち、紫外線(I)(約400nm以
下)では、ほぼ100%近く遮光しており、この紫外線は
角膜、水晶体に影響を及ぼすことは前述の通りであるの
で、その予防効果として優れている。
レンズの紫外線、可視光線、赤外線の遮光性能は、下記
の通りである。すなわち、紫外線(I)(約400nm以
下)では、ほぼ100%近く遮光しており、この紫外線は
角膜、水晶体に影響を及ぼすことは前述の通りであるの
で、その予防効果として優れている。
次に可視光線(II)(約400nm〜約780nm)について述
べる。第3図は人間の眼の光に対する感度の波長による
変化を表わす比視感度曲線で、波長555nmを1として他
の波長の視感度を対比させたもので、波長域(IV)約50
0nm〜約620nm付近が人間が最も光の輝度を感じるところ
であり、色調においても敏感な帯域である。また同じ可
視光線でも波長約500nm未満、波長約620nmを超える波長
帯域では光線透過率と輝度感とが直接関係しかないこと
がわかる。即ち光線透過率が多くても輝度感をあまり感
じない帯域である。そこで、第3図の比視感度曲線と第
2図の本実施例の透過率曲線を合成して第4図を作成
し、本実施例の透過率曲線と人間の眼の比視感度曲線を
比較し、実際の人間の眼が感じる眩輝作用と本実施例の
保護眼鏡レンズを対比させると、その約50nm〜約620nm
の波長域(III)では優れた遮光効果があることがわか
る。
べる。第3図は人間の眼の光に対する感度の波長による
変化を表わす比視感度曲線で、波長555nmを1として他
の波長の視感度を対比させたもので、波長域(IV)約50
0nm〜約620nm付近が人間が最も光の輝度を感じるところ
であり、色調においても敏感な帯域である。また同じ可
視光線でも波長約500nm未満、波長約620nmを超える波長
帯域では光線透過率と輝度感とが直接関係しかないこと
がわかる。即ち光線透過率が多くても輝度感をあまり感
じない帯域である。そこで、第3図の比視感度曲線と第
2図の本実施例の透過率曲線を合成して第4図を作成
し、本実施例の透過率曲線と人間の眼の比視感度曲線を
比較し、実際の人間の眼が感じる眩輝作用と本実施例の
保護眼鏡レンズを対比させると、その約50nm〜約620nm
の波長域(III)では優れた遮光効果があることがわか
る。
次に、カラーバランスについて述べる。第5図は太陽
光のスペクトルの分布を示しており、この第5図の波長
域500nm〜620nmの透過率曲線の変化の仕方はほぼフラツ
トな曲線を示している。同様に、第2図の本実施例の保
護眼鏡レンズの透過率曲線は、前記波長域(500nm〜650
nm)において、太陽光とほぼ同様にフラツトな透過率曲
線の変化を示しており、自然光と近い透過率曲線の変化
を示しているのでカラーバランスを損うことなく遮光効
果を奏している。従つて、前記保護眼鏡レンズから見る
物体の色調は(光量としては波長域500nm〜620nmにおい
ては、70%〜80%程度遮光されているが)、ほぼ自然光
とほぼ同様なカラーバランスの状態で像を見ることがで
き、交通標識、計器類等の表示カラーもカラーバランス
を損うことなく見ることができる。
光のスペクトルの分布を示しており、この第5図の波長
域500nm〜620nmの透過率曲線の変化の仕方はほぼフラツ
トな曲線を示している。同様に、第2図の本実施例の保
護眼鏡レンズの透過率曲線は、前記波長域(500nm〜650
nm)において、太陽光とほぼ同様にフラツトな透過率曲
線の変化を示しており、自然光と近い透過率曲線の変化
を示しているのでカラーバランスを損うことなく遮光効
果を奏している。従つて、前記保護眼鏡レンズから見る
物体の色調は(光量としては波長域500nm〜620nmにおい
ては、70%〜80%程度遮光されているが)、ほぼ自然光
とほぼ同様なカラーバランスの状態で像を見ることがで
き、交通標識、計器類等の表示カラーもカラーバランス
を損うことなく見ることができる。
また、レーリーの散乱理論によれば、波長λの自然光
が小球に入射した時、散乱角θで小球からの距離lでの
散乱光強度Eは であり、πは円周率、Hは小球の誘電率あるいは屈折率
で定まる常数である。
が小球に入射した時、散乱角θで小球からの距離lでの
散乱光強度Eは であり、πは円周率、Hは小球の誘電率あるいは屈折率
で定まる常数である。
散乱光の強度は波長の4乗に逆比例しており、従つ
て、波長の短い光は強く散乱される。一方、散乱光は物
体を視認する際の外乱作用を有し特に遠方の物体の視認
の妨げとなる。特に航空パイロツトに望まれる遮光レン
ズ機能しては、遠方の物体の視認が良好である事が望ま
れ、散乱光をカツトする事が必要とされ、特に短波長
(400〜500nm)の光をカツトする事が重要である。
て、波長の短い光は強く散乱される。一方、散乱光は物
体を視認する際の外乱作用を有し特に遠方の物体の視認
の妨げとなる。特に航空パイロツトに望まれる遮光レン
ズ機能しては、遠方の物体の視認が良好である事が望ま
れ、散乱光をカツトする事が必要とされ、特に短波長
(400〜500nm)の光をカツトする事が重要である。
本実施例の保護眼鏡レンズは、500〜620nmにおいて、
ほぼ平坦な分光透過率を有し、400〜500nmの短波長の可
視光線においては短波長ほど小さい透過率を有してお
り、自然光に近い色調でかつ、外乱作用の大きい散乱光
をカツトして物体を視認できる効果を有する。また赤外
線の750nm〜1200nm付近は、網膜、脈絡膜に影響を及ぼ
すとされ、細胞内に熱が貯留することによつて起こると
いわれているが、本実施例においてこの帯域は1100nm付
近を中心に65%前後遮光されており、大きな遮光効果を
奏しているので、眼に有害とされる赤外線の特定波長域
を遮光することができる。
ほぼ平坦な分光透過率を有し、400〜500nmの短波長の可
視光線においては短波長ほど小さい透過率を有してお
り、自然光に近い色調でかつ、外乱作用の大きい散乱光
をカツトして物体を視認できる効果を有する。また赤外
線の750nm〜1200nm付近は、網膜、脈絡膜に影響を及ぼ
すとされ、細胞内に熱が貯留することによつて起こると
いわれているが、本実施例においてこの帯域は1100nm付
近を中心に65%前後遮光されており、大きな遮光効果を
奏しているので、眼に有害とされる赤外線の特定波長域
を遮光することができる。
次のこの保護眼鏡レンズのその他の性能評価(外観検
査、付着性テスト、耐溶剤性)を下記の方法で行なつた
が、結果はすべて満足するものであつた。
査、付着性テスト、耐溶剤性)を下記の方法で行なつた
が、結果はすべて満足するものであつた。
(I) 外観検査 蛍光灯を光源とする照明装置を用い、目視にて下記の
1)〜4)を満足するかどうかを観察した。
1)〜4)を満足するかどうかを観察した。
1) 透明であること 2) 表面の不規則性がないこと 3) 脈理のないこと 4) 表面にキズのないこと (II) 付着性テスト(クロスカツト−セロハンテープ
剥離テスト) コーテイング膜に1mm間隔に基材に達する切断線を
縦、横それぞれに11本、ナイフで入れて1mm2の目数を1
00個つくり、その上にセロハンテープを貼りつけ、急激
にはがす。このセロハンテープの貼りつけ、はがしの操
作を同一個所で3回くり返し剥離目のないかどうかを観
察した。
剥離テスト) コーテイング膜に1mm間隔に基材に達する切断線を
縦、横それぞれに11本、ナイフで入れて1mm2の目数を1
00個つくり、その上にセロハンテープを貼りつけ、急激
にはがす。このセロハンテープの貼りつけ、はがしの操
作を同一個所で3回くり返し剥離目のないかどうかを観
察した。
(III) 耐溶剤性 アセトンを含ませた布によりレンズをふき、レンズ表
面に変化がないかどうかを観察した。
面に変化がないかどうかを観察した。
〈実施例2〉 ダイアニツクス オレンジ BSE(三菱化成(株)
製)48%、パラニール RUBINE BN(BASF社製)2%、
スミカロン ブルー ER(住友化学(株)製)25%、ダ
イアニツクス ブルー ACE(三菱化成(株)製)25%
の比率で使用してグレー色の染色液を調整、使用した以
外はすべて、実施例1と同様の方法で行い、グレーの色
調を有する保護眼鏡レンズを得た。その分光透過率曲線
は第6図に示す通りである。
製)48%、パラニール RUBINE BN(BASF社製)2%、
スミカロン ブルー ER(住友化学(株)製)25%、ダ
イアニツクス ブルー ACE(三菱化成(株)製)25%
の比率で使用してグレー色の染色液を調整、使用した以
外はすべて、実施例1と同様の方法で行い、グレーの色
調を有する保護眼鏡レンズを得た。その分光透過率曲線
は第6図に示す通りである。
前記レンズを実施例1と同様に(I)〜(III)の性
能評価を行つたがすべて満足するものであり、また透過
率曲線からの紫外線、可視光線、赤外線の遮光効果及び
カラーバランスにおいて実施例1と同様に優れたもので
あつた。
能評価を行つたがすべて満足するものであり、また透過
率曲線からの紫外線、可視光線、赤外線の遮光効果及び
カラーバランスにおいて実施例1と同様に優れたもので
あつた。
〈比較例1〉 合成樹脂レンズ素材モノマーとしてジエチレングリコ
ールビスアリルカーボネート99.97重量%、紫外線吸収
剤として2,2′−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベン
ソフエノンを0.03重量%添加し、実施例1と同様の重合
方法で、合成樹脂レンズを製造し、さらに、前記合成樹
脂レンズを、分散染料フアスト オレンジ(三菱化成
(株)製)を使用した以外は、実施例1と同様の染色条
件で、染色加工して、染色レンズを得た。その分光透過
率曲線は第7図の曲線に示す通りであり、波長340nm〜4
00nm付近の近紫外線域において極大の透過率が約7%で
ある。この近紫外線域は、網膜障害、角膜損傷あるいは
水晶体へ影響を与える有害波長域であり、光量が強くな
つた場合、わずかな透過光においても影響力が強く、有
害光となり、眼を保護する為の保護眼鏡レンズとして遮
光機能が充分でない。また赤外線域において全く遮光効
果を奏していない。また400nm〜500nmの可視光を全て遮
光しているため、青色を視認することができない。
ールビスアリルカーボネート99.97重量%、紫外線吸収
剤として2,2′−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベン
ソフエノンを0.03重量%添加し、実施例1と同様の重合
方法で、合成樹脂レンズを製造し、さらに、前記合成樹
脂レンズを、分散染料フアスト オレンジ(三菱化成
(株)製)を使用した以外は、実施例1と同様の染色条
件で、染色加工して、染色レンズを得た。その分光透過
率曲線は第7図の曲線に示す通りであり、波長340nm〜4
00nm付近の近紫外線域において極大の透過率が約7%で
ある。この近紫外線域は、網膜障害、角膜損傷あるいは
水晶体へ影響を与える有害波長域であり、光量が強くな
つた場合、わずかな透過光においても影響力が強く、有
害光となり、眼を保護する為の保護眼鏡レンズとして遮
光機能が充分でない。また赤外線域において全く遮光効
果を奏していない。また400nm〜500nmの可視光を全て遮
光しているため、青色を視認することができない。
〈比較例2〉 実施例1と同様のモノマー組成及び重合方法で合成樹
脂レンズを製造し、分散染料のみ変えてダイアニツクス
ブルー ACE(三菱化成(株)製)を使用し、次に、
実施例1と同様の染色条件で、染色加工し、染色レンズ
を得た。その分光透過率曲線は第8図の曲線に示す通り
であり、波長370nm以下の透過率全面カツト域(a)
と、波長370nm〜740nm付近の透過率変化域(b)と、波
長740nm以上の一定透過率域(c)とからなつている。
脂レンズを製造し、分散染料のみ変えてダイアニツクス
ブルー ACE(三菱化成(株)製)を使用し、次に、
実施例1と同様の染色条件で、染色加工し、染色レンズ
を得た。その分光透過率曲線は第8図の曲線に示す通り
であり、波長370nm以下の透過率全面カツト域(a)
と、波長370nm〜740nm付近の透過率変化域(b)と、波
長740nm以上の一定透過率域(c)とからなつている。
染色レンズの分光透過率曲線は、波長420nm付近で極
大の透過率77%を有し、波長が大きくなるにしたがつて
漸減し、波長530nm付近では、透過率25%を示してい
る。
大の透過率77%を有し、波長が大きくなるにしたがつて
漸減し、波長530nm付近では、透過率25%を示してい
る。
従つて波長域(IV)(約500nm〜約620nm)では、透過
率曲線の変化の仕方が激しくカラーバランスが悪い。
率曲線の変化の仕方が激しくカラーバランスが悪い。
さらに赤外線域において全く遮光効果を奏していな
い。
い。
〈発明の効果〉 本発明の製造方法で得られた保護眼鏡レンズは、合成
樹脂モノマーに紫外線吸収剤を混合させ、重合して得た
レンズを、ブラウン系もしくはグレー系の染料で染色
し、更に該レンズ表面に紫外・赤外線の遮光効果を有す
る真空蒸着膜を形成してなるので、紫外・赤外・可視の
各帯域のおいて遮光効果を有している。従つて高高度に
おける強い太陽光のもとで作業する航空パイロツトの眼
の保護において、角膜、網膜等への眼障害に対して予防
効果を有し、強烈な可視光線を遮光することで、作業時
における眩しさを柔らげ、安全な保護眼鏡を提供するこ
とができる。又、ブラウン系、グレー系は、その分光透
過率が可視光域のほぼ500nm〜620nmの波長域において、
平坦であり、紫から青、緑、黄、橙、赤、に至る各色の
光を平均して遮光しているため、通常のカラーバランス
を損うことなく、各色を感じる事ができる。
樹脂モノマーに紫外線吸収剤を混合させ、重合して得た
レンズを、ブラウン系もしくはグレー系の染料で染色
し、更に該レンズ表面に紫外・赤外線の遮光効果を有す
る真空蒸着膜を形成してなるので、紫外・赤外・可視の
各帯域のおいて遮光効果を有している。従つて高高度に
おける強い太陽光のもとで作業する航空パイロツトの眼
の保護において、角膜、網膜等への眼障害に対して予防
効果を有し、強烈な可視光線を遮光することで、作業時
における眩しさを柔らげ、安全な保護眼鏡を提供するこ
とができる。又、ブラウン系、グレー系は、その分光透
過率が可視光域のほぼ500nm〜620nmの波長域において、
平坦であり、紫から青、緑、黄、橙、赤、に至る各色の
光を平均して遮光しているため、通常のカラーバランス
を損うことなく、各色を感じる事ができる。
第1図は、実施例1の保護眼鏡レンズの部分拡大断面
図、第2図は、実施例1の保護眼鏡レンズの透過率曲線
図、第3図は、人間の眼の比視感度曲線図、第4図は第
1図と第3図の合成曲線図、第5図は、太陽光のスペク
トル分布図、第6図は実施例2の保護眼鏡レンズの透過
率曲線図、第7図は比較例1の染色レンズの透過率曲線
図、第8図は比較例2の染色レンズの透過率曲線図であ
る。 1……保護眼鏡レンズ 2……染色合成樹脂レンズ 2a……染色層 3……高屈折率膜 4……低屈折率膜
図、第2図は、実施例1の保護眼鏡レンズの透過率曲線
図、第3図は、人間の眼の比視感度曲線図、第4図は第
1図と第3図の合成曲線図、第5図は、太陽光のスペク
トル分布図、第6図は実施例2の保護眼鏡レンズの透過
率曲線図、第7図は比較例1の染色レンズの透過率曲線
図、第8図は比較例2の染色レンズの透過率曲線図であ
る。 1……保護眼鏡レンズ 2……染色合成樹脂レンズ 2a……染色層 3……高屈折率膜 4……低屈折率膜
Claims (2)
- 【請求項1】ジエチレングリコールビスアリルカーボネ
ートを主成分とするモノマーに紫外線吸収剤を添加して
重合することにより、合成樹脂レンズを成形するレンズ
成形工程と、 前記レンズ成形工程により得られた合成樹脂レンズを、
ブルー系分散染料を12重量%〜35重量%、レッド系分散
染料を40重量%〜80重量%、オレンジ系分散染料を8重
量%〜25重量%で混合調整されたブラウン系の分散染料
またはオレンジ系分散染料を35重量%〜48重量%、レッ
ド系分散染料を2重量%〜5重量%、ブルー系分散染料
を50重量%〜60重量%で混合調整されたグレー系の分散
染料に浸漬して、染色加工するレンズ染色工程と、 前記染色工程により得られた染色レンズに、高屈折膜と
低屈折膜とを順次積層して、コーティング膜を成膜する
レンズコーティング工程とを含むレンズ製造工程によ
り、 紫外線、波長域500nm〜620nm付近でほぼフラットな透過
率曲線を有する可視光線域の光線、及び赤外線に対する
遮光機能を有する保護眼鏡レンズを製造することを特徴
とする保護眼鏡レンズの製造方法。 - 【請求項2】高屈折膜が酸化ジルコニウム、低屈折膜が
酸化珪素で成膜されることを特徴とする特許請求の範囲
第1項記載の保護眼鏡レンズの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61099144A JP2523492B2 (ja) | 1986-04-28 | 1986-04-28 | 保護眼鏡レンズの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61099144A JP2523492B2 (ja) | 1986-04-28 | 1986-04-28 | 保護眼鏡レンズの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62254119A JPS62254119A (ja) | 1987-11-05 |
JP2523492B2 true JP2523492B2 (ja) | 1996-08-07 |
Family
ID=14239505
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61099144A Expired - Lifetime JP2523492B2 (ja) | 1986-04-28 | 1986-04-28 | 保護眼鏡レンズの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2523492B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001201690A (ja) * | 2000-01-18 | 2001-07-27 | Olympus Optical Co Ltd | 赤外顕微鏡及びそれに用いる観察鏡筒 |
Families Citing this family (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0293422A (ja) * | 1988-09-29 | 1990-04-04 | Hoya Corp | 遮光眼鏡レンズ |
JP2930964B2 (ja) * | 1988-12-26 | 1999-08-09 | ホーヤ 株式会社 | 眼鏡レンズ |
JP2613486B2 (ja) * | 1990-03-30 | 1997-05-28 | 旭光学工業株式会社 | 貼り合わせ眼鏡レンズ及びその製造方法 |
JP3676138B2 (ja) | 1999-09-20 | 2005-07-27 | Hoya株式会社 | 紫外線吸収性に優れたプラスチック眼鏡レンズ及びその製造方法 |
JP4524877B2 (ja) * | 2000-07-17 | 2010-08-18 | コニカミノルタホールディングス株式会社 | 眼鏡用レンズ |
JP4369194B2 (ja) | 2003-09-30 | 2009-11-18 | Hoya株式会社 | プラスチックレンズ及びその製造方法 |
JP5749683B2 (ja) * | 2012-05-11 | 2015-07-15 | 伊藤光学工業株式会社 | 防眩光学要素 |
CN106749806B (zh) * | 2017-01-16 | 2021-03-12 | 中视光学眼镜丹阳有限公司 | 一种防蓝光护眼镜片及其制备方法 |
CN109337104A (zh) * | 2018-09-28 | 2019-02-15 | 镇江奥视达光学有限公司 | 一种彩色树脂镜片的制备方法 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5517156B2 (ja) * | 1974-04-18 | 1980-05-09 | ||
JPS6059220U (ja) * | 1983-09-28 | 1985-04-24 | ホーヤ株式会社 | 眼鏡レンズ |
-
1986
- 1986-04-28 JP JP61099144A patent/JP2523492B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001201690A (ja) * | 2000-01-18 | 2001-07-27 | Olympus Optical Co Ltd | 赤外顕微鏡及びそれに用いる観察鏡筒 |
JP4642178B2 (ja) * | 2000-01-18 | 2011-03-02 | オリンパス株式会社 | 赤外顕微鏡及びそれに用いる観察鏡筒 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS62254119A (ja) | 1987-11-05 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term |