JPH05327001A - 受光素子 - Google Patents

受光素子

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JPH05327001A
JPH05327001A JP4151488A JP15148892A JPH05327001A JP H05327001 A JPH05327001 A JP H05327001A JP 4151488 A JP4151488 A JP 4151488A JP 15148892 A JP15148892 A JP 15148892A JP H05327001 A JPH05327001 A JP H05327001A
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JP
Japan
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layer
light
type
light receiving
substrate
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JP4151488A
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English (en)
Inventor
Kiyotsugu Tanaka
清嗣 田中
Akihiko Okuhora
明彦 奥洞
Jiro Kasahara
二郎 笠原
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 受光素子において、受光効率を大幅に向上さ
せる。 【構成】 GaAs基板1上に光吸収層としてGe層2
を形成し、その上に電極5、6を形成する。電極5、6
の間に電圧を印加し、GaAs基板1の裏面からの光の
入射によりGe層2で対生成される電子及び正孔により
電極5、6の間に流れる光電流により受光作用を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、受光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、光通信技術においては、より高速
かつ高密度の伝送を目指して開発が活発に行われてい
る。この光通信において、フォトダイオードなどの光信
号を電気信号に変換する素子(O/E素子)は、電気信
号を光信号に変換する半導体レーザーなどの素子(E/
O素子)とともに、キーデバイスとなる。ここで、この
O/E素子に要求されることは、高速応答、高効率、低
雑音及び集積化に適した構造を有することである。
【0003】従来、このようなO/E素子として、ヒ化
ガリウム(GaAs)基板上に形成された金属−半導体
−金属(MSM)フォトダイオードまたはpinフォト
ダイオードがあり、GaAs電子素子とともに同一基板
上にモノリシックに集積可能であることから、0.85
μmの波長帯の光に対するO/E素子として注目されて
いる(例えば、Appl. Phys. Lett. 47, 1129(1985)) 。
【0004】図10及び図11は従来のMSMフォトダ
イオードの一例を示す。ここで、図11は図10のXI
−XI線に沿っての断面図である。
【0005】図10及び図11に示すように、この従来
のMSMフォトダイオードにおいては、GaAs基板1
01上に光吸収層としてのn- 型GaAs層102が形
成され、このn- 型GaAs層102上に一対のくし型
のショットキー電極103、104が互いに対向して形
成されている。
【0006】この従来のMSMフォトダイオードにおい
ては、ショットキー電極103、104の間に所定の電
圧を印加し、光吸収層としてのn- 型GaAs層102
への光の入射により対生成された電子及び正孔がショッ
トキー電極103、104の間に印加された電圧により
例えばそれぞれショットキー電極104、103に引き
寄せられて光電流が流れることにより受光作用が得られ
る。
【0007】なお、特開昭59−84590号公報にお
いては、第一導電型のゲルマニウム(Ge)基板上に形
成された第一導電型のInGaAs層またはInGaA
sP層中に第二導電型のInGaAs層またはInGa
AsP層を形成し、これを受光部とするGeアバランシ
ェフォトダイオードが提案されている。このGeアバラ
ンシェフォトダイオードはGe基板を光吸収層として用
いるものであるが、Geのバンドギャップよりも大きな
バンドギャップを有するGaAs基板などの半導体基板
上にGeから成る光吸収層を設けた本発明による受光素
子とは、構成も基板を通しての光の入射が不可能である
ことでも大きく異なるものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述の図10及び図1
1に示す従来のMSMフォトダイオードにおいては、こ
のMSMフォトダイオードが感度を有する波長0.85
μm以下の光はGaAs基板101を透過することがで
きないため、GaAs基板101の裏面からの光の入射
は不可能であり、光の入射は表面からに限られる。とこ
ろが、このように表面から光を入射させる場合には、シ
ョットキー電極103、104により入射光が遮られる
ため、受光効率が低下してしまうという問題がある。
【0009】従って、この発明の目的は、受光効率の大
幅な向上を図ることができる受光素子を提供することに
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明による受光素子は、ゲルマニウムのバンド
ギャップよりも大きなバンドギャップを有する半導体基
板(1)と、半導体基板(1)上に設けられたゲルマニ
ウムから成る光吸収層(2)とを有する。
【0011】ここで、半導体基板(1)としては、好適
には、ゲルマニウムのバンドギャップよりも大きなバン
ドギャップを有することに加えて、ゲルマニウムと格子
定数及び熱膨張係数がほぼ等しいものが用いられ、具体
的には例えばGaAs基板が用いられる。
【0012】この発明の好適な一実施例においては、少
なくとも光吸収層(2)上に反射膜が設けられる。
【0013】
【作用】上述のように構成されたこの発明による受光素
子によれば、半導体基板(1)は透過し、光吸収層
(2)では吸収される波長の光に対して感度が得られる
ことから、半導体基板(1)の裏面からの光の入射が可
能となり、このため光吸収層(2)上に設けられる電極
の形状などによらず、受光効率の大幅な向上を図ること
ができる。
【0014】また、光吸収層(2)上に反射膜が設けら
れる場合には、半導体基板(1)の裏面から入射する光
のうち光吸収層(2)で吸収されなかった光がこの反射
膜で反射されて再び光吸収層(2)を通過し、吸収され
るので、受光効率のより一層の向上を図ることができ
る。
【0015】
【実施例】以下、この発明の実施例について図面を参照
しながら説明する。
【0016】図1はこの発明の第一実施例による受光素
子を示す。
【0017】図1に示すように、この第一実施例による
受光素子においては、例えばGaAs基板1上に光吸収
層としてのアンドープのGe層2が形成されている。こ
のGe層2の厚さは例えば500〜600nmである。
このGe層2中には、それぞれくし型の平面形状を有す
るn型領域3及びp型領域4が互いに離れて形成されて
いる。そして、p型領域4とGe層2とn型領域3とに
よりpinフォトダイオード構造が形成されている。こ
れらのn型領域3及びp型領域4の上には、電極5、6
がそれぞれn型領域3及びp型領域4とオーミック接触
して形成されている。これらの電極5、6は例えばAu
Znにより形成される。この場合、これらの電極5、6
は、それぞれn型領域3及びp型領域4と同様なくし型
の平面形状を有する。
【0018】この第一実施例による受光素子において
は、電極5、6の間に所定の電圧を印加し、GaAs基
板1は透過するが、Ge層2では吸収される波長の光、
例えば波長0.9〜1.55μmの光のGaAs基板1
の裏面からの入射によりGe層2で対生成された電子及
び正孔が電極5、6の間に印加された電圧により例えば
それぞれ電極6、5に引き寄せられて光電流が流れるこ
とにより受光作用が得られる。
【0019】この第一実施例による受光素子は、GaA
s基板1上にGe層2をエピタキシャル成長させ、この
Ge層2中に例えばヒ素(As)のようなn型不純物を
選択的に拡散してn型領域3を形成するとともに、例え
ばホウ素(B)のようなp型不純物を選択的にイオン注
入してp型領域4を形成した後、電極5、6を形成する
ことにより製造される。
【0020】ところで、Geの格子定数(5.66Å)
はGaAsの格子定数(5.653Å)とほとんど等し
く、またそれらの熱膨張係数も広い温度範囲で極めて近
い値を有するため、Ge層は結晶性が極めて良好な状態
でGaAs基板上にエピタキシャル成長される。ところ
が、GaAs基板上へのGe層のエピタキシャル成長時
には、GaAs基板のGaとGe層のGeとが相互拡散
することによりGe層の電気的特性が変化してしまう
(具体的にはp型化してしまう)という好ましくない現
象が発生することが知られている。しかし、Ge層のエ
ピタキシャル成長を400℃以下の低温でのMBE法を
用いて行うことによりこの相互拡散はほとんど見られな
くなり、非常に急峻なGe/GaAs界面が形成される
ことが報告されている(例えば、J. Appl. Phys. 52, 4
098(1981))。従って、上述のGe層2のエピタキシャル
成長を低温MBE法を用いて行うことにより、結晶欠陥
や相互拡散の発生を抑え、非常に良質のGe層2をGa
As基板1上にエピタキシャル成長させることができ
る。
【0021】以上のように、この第一実施例によれば、
Geよりもバンドギャップが大きいGaAs基板1上に
Ge層2を光吸収層として設けているので、GaAs基
板1を透過する波長0.9〜1.55μmの光に感度を
得ることができる。これによよって、GaAs基板1の
裏面からの光の入射が可能となり、Ge層2上に形成さ
れる電極5、6の形状などによらず、受光効率の大幅な
向上を図ることができる。
【0022】また、この第一実施例による受光素子は、
光通信に用いられる波長が1.3μmや1.55μmな
どの光に感度を有することから、これらの光の受光IC
をGaAs基板上に実現することが可能となる。
【0023】さらに、上述のようにGaAs基板1の裏
面からの光の入射が可能となることにより、この第一実
施例による受光素子及びその他の素子を形成したGaA
s基板を多層重ねることにより、縦方向(基板に垂直な
方向)の信号伝送が可能となる。これによって、三次元
光インターコネクションを実現することができる。
【0024】図3はこの発明の第二実施例による受光素
子を示す。
【0025】図3に示すように、この第二実施例による
受光素子においては、GaAs基板1上に光吸収層とし
てのアンドープのGe層2が形成され、このGe層2の
上に電極5、6がこのGe層2とショットキー接触して
形成されている。そして、これらの電極5、6とGe層
2とにより、MSMフォトダイオード構造が形成されて
いる。なお、これらの電極5、6は、図1に示すと同様
なくし型の平面形状を有する。
【0026】この第二実施例による受光素子の動作は第
一実施例による受光素子と同様であるので、説明を省略
する。
【0027】この第二実施例によっても、GaAs基板
1上に光吸収層としてのGe層2が形成されていること
により、第一実施例と同様な利点を得ることができる。
【0028】図4はこの発明の第三実施例による受光素
子を示す。
【0029】図4に示すように、この第三実施例による
受光素子においては、GaAs基板1上に光吸収層とし
てのGe層2が形成され、さらにこのGe層2上に例え
ばGaAs層やAlGaAs層のようなキャップ層7が
形成されている。ここで、Ge層2の厚さは例えば50
0〜600nmであり、キャップ層7の厚さは例えば1
0〜20nmである。このキャップ層7上には電極5、
6が形成されている。これらの電極5、6はGe層2に
電界を発生させるためのものであるので、オーミック電
極であっても、ショットキー電極であってもよい。ま
た、これらの電極5、6は、図1に示すと同様なくし型
の平面形状を有する。
【0030】この第三実施例による受光素子の動作は第
一実施例による受光素子と同様であるので、説明を省略
する。
【0031】この第三実施例によれば、GaAs基板1
上に光吸収層としてのGe層2が形成されていることに
より第一実施例と同様な利点を得ることができるほか、
Ge層2上に形成されたキャップ層7によりGe層2の
表面準位によるキャリアの表面再結合を有効に防止する
ことができることにより、受光効率のより一層の向上を
図ることができる。
【0032】図5はこの発明の第四実施例による受光素
子を示す。
【0033】図5に示すように、この第四実施例による
受光素子においては、GaAs基板11上にp+ 型Ge
層12、光吸収層としてのp- (π)型Ge層13及び
+型Ge層14が順次形成され、これらのp+ 型Ge
層12、p- 型Ge層13及びn+ 型Ge層14により
pinフォトダイオード構造が形成されている。符号1
5は例えばSiO2 膜のような保護膜を示す。
【0034】この場合、n+ 型Ge層14上のSiO2
膜15の上には反射膜16が形成されている。この反射
膜16の材料としては、金(Au)やアルミニウム(A
l)などの高反射率の金属が好適に用いられる。
【0035】n+ 型Ge層14の上には、保護膜15に
形成された開口を通じてリング状のn電極17が形成さ
れている。また、p- 型Ge層13が形成されていない
部分のp+ 型Ge層12の上にはp電極18が形成され
ている。
【0036】さらに、GaAs基板11の裏面の上には
反射防止膜18が形成されている。この反射防止膜18
の材料としては、例えば窒化シリコン(Si3 4 )、
二酸化シリコン(SiO2 )、酸化アルミニウム(Al
2 3 )などが好適に用いられる。
【0037】この第四実施例による受光素子は、p電極
18及びn電極17の間に所定の電圧を印加し、GaA
s基板11の裏面からの光の入射によりp電極18及び
n電極17の間に光電流が流れて受光作用が得られるの
は第一実施例による受光素子と同様であるが、この場合
には、GaAs基板11の裏面から入射した光のうちp
- 型Ge層13などで吸収されずに反射膜16に到達し
た光はこの反射膜16により反射されて再びp- 型Ge
層13などを通過し、吸収されるようになっている。
【0038】反射膜16としては、上述のような高反射
率の金属膜だけでなく、図6に示すように、それぞれλ
/4(λ:入射光の波長)の膜厚を有する高屈折率の膜
H及び低屈折率の膜Lを交互に積層した多層膜を用いる
こともできる。ここで、高屈折率の膜Hの材料としては
例えば酸化チタン(TiO2 )を用いることができ、低
屈折率の膜Lの材料としては例えばSiO2 を用いるこ
とができる。
【0039】以上のように、この第四実施例によれば、
GaAs基板11上に光吸収層としてのp- 型Ge層1
3が形成されていることにより第一実施例と同様な利点
を得ることができるほか、p- 型Ge層13の上側に設
けられた反射膜16により入射光のうちp- 型Ge層1
3で吸収されなかった光が反射されて再びp- 型Ge層
13に入射し、吸収されるため、受光効率のより一層の
向上を図ることができる。あるいは、同一の受光効率を
得るのに必要な光吸収層としてのp- 型Ge層13の厚
さを反射膜16を設けない場合の約1/2に低減するこ
とができ、これによってp- 型Ge層13のエピタキシ
ャル成長のスループットの向上を図ることができる。さ
らに、このようにp- 型Ge層13の厚さを小さくする
ことができることにより、動作時にこのp- 型Ge層1
3を空乏化させるために必要な電圧を従来の約1/4に
低減することができ、これによって受光素子の低消費電
力化を図ることができる。
【0040】図7はこの発明の第五実施例による受光素
子を示す。
【0041】図7に示すように、この第五実施例による
受光素子においては、第三実施例による受光素子と同様
に、GaAs基板21上に光吸収層としてのGe層22
が形成され、このGe層22の上に例えばGaAs層や
AlGaAs層のようなキャップ層23が形成されてい
る。符号24、25はキャップ層23とオーミック接触
またはショットキー接触した電極である。
【0042】この場合、キャップ層23の上と光入射部
を除いた部分のGaAs基板21の裏面の上とには反射
膜26が形成されている。そして、光入射部におけるG
aAs基板21の裏面の上には反射防止膜27が形成さ
れている。ここで、反射膜26としては、第四実施例に
よる受光素子における反射膜16と同様に、高反射率の
金属膜や図6に示すような多層膜を用いることができ
る。また、反射防止膜27としては、第四実施例による
受光素子における反射膜18と同様に、例えばSi3
4 膜、SiO2 膜、Al2 3 膜などを用いることがで
きる。
【0043】この第五実施例による受光素子において
は、GaAs基板21の裏面への光の入射方向は、基板
裏面に対して垂直な方向から傾ける。このようにする
と、反射防止膜27を介してGaAs基板21の裏面に
入射する光は、キャップ層23の上に形成された反射膜
26とGaAs基板21の裏面の上に形成された反射膜
26とにより多重反射される。その結果、この入射光は
光吸収層としてのGe層22を多数回繰り返し通過する
ため、受光効率の極めて大幅な向上を図ることができ、
これによってGe層22の厚さを非常に小さくすること
ができる。
【0044】ところで、光増倍型受光素子としてアバラ
ンシェフォトダイオードがあるが、このアバランシェフ
ォトダイオードは、信号光電流に対する増幅作用を有す
るため、微弱信号を受信する素子として必要不可欠なも
のである。しかし、このアバランシェフォトダイオード
は、pinフォトダイオードに比べて雑音が本質的に大
きいという問題がある。そこで、この問題を解決するた
めに、図12に示すようなGeアバランシェフォトダイ
オード(例えば、特開昭58−61682号公報)及び
図13に示すようなGeアバランシェフォトダイオード
(例えば、電気通信学会光量子エレクトロニクス研究会
資料、OQE81−87(1981))が提案されてい
る。
【0045】図12に示すGeアバランシェフォトダイ
オードにおいて、符号201はn型Ge基板、202は
i型Ge層、203はp+ 型Ge層、204はp型ガー
ドリング、205はn+ 型チャネルストッパ、206は
SiO2 膜、207は反射防止膜、208はリング状の
p電極、209はn電極を示す。
【0046】図12BにこのGeアバランシェフォトダ
イオードにおける深さ方向の電界E(x)及び光の強度
P(x)の分布を示す。ただし、P0 (x)はx=0
(n型Ge基板201の表面)における入射光の強度、
αは吸収係数を示す。図12B中、黒丸及び白丸はそれ
ぞれ電子及び正孔を示す。
【0047】一方、図13に示すGeアバランシェフォ
トダイオードにおいて、符号301はn- 型Ge基板、
302はn型Ge層、303はp+ 型Ge層、304は
n型ガードリング、305はn+ 型チャネルストッパ、
306はSiO2 膜、307は反射防止膜、308はリ
ング状のp電極、309はn電極を示す。
【0048】図13BにこのGeアバランシェフォトダ
イオードにおける深さ方向の電界E(x)及び光の強度
P(x)の分布を示す。
【0049】上述の図12及び図13に示すGeアバラ
ンシェフォトダイオードは、従来に比べれば雑音が緩和
されるものの、高電界が加わるアバランシェ領域におけ
るトンネル電流の発生などに起因する雑音は依然として
存在する。また、これらのGeアバランシェフォトダイ
オードにおいては、キャリアの表面再結合による受光効
率の低下の問題がある。そこで、次にこのような問題を
解決することができる実施例について説明する。
【0050】図8はこの発明の第六実施例による受光素
子を示す。
【0051】図8に示すように、この第六実施例による
受光素子においては、GaAs基板31に形成されたリ
セス部の上にn+ 型GaAs層32が形成され、このn
+ 型GaAs層32の上に光増倍層としてのp型GaA
s層33及び光吸収層としてのp型Ge層34が順次形
成されている。そして、これらのn+ 型GaAs層3
2、p型GaAs層33及びp型Ge層34により、G
eアバランシェフォトダイオード構造が形成されてい
る。符号35は例えばSiO2 膜のような保護膜を示
す。p型Ge層34の上には、SiO2 膜35に形成さ
れた開口を通じてp電極36が形成されている。また、
+ 型GaAs層32の上にはn電極37が形成されて
いる。
【0052】なお、この場合、上述のGeアバランシェ
フォトダイオードとともに、ゲート電極G、ソース電極
S及びドレイン電極Dを有するGaAsFETがモノリ
シックに集積されている。
【0053】この第六実施例によれば、バンドギャップ
の大きいp型GaAs層33を光増倍層として用いてい
ることにより、高電界が加わるアバランシェ領域におけ
るトンネル電流の発生を抑えることができ、これによっ
てこのトンネル電流に起因する雑音の発生を防止するこ
とができる。また、GaAs基板31上に光吸収層とし
てのp型Ge層34を形成していることにより受光効率
の大幅な向上を図ることができることなどは第一実施例
と同様である。
【0054】図9はこの発明の第七実施例による受光素
子を示す。
【0055】図9に示すように、この第七実施例による
受光素子においては、GaAs基板41上にp+ 型Ga
As層42が形成され、このp+ 型GaAs層42の上
に光吸収層としてのGe層43及び光増倍層としてのp
型GaAs層44が順次形成されている。そして、これ
らのp+ 型GaAs層42、Ge層43及びp型GaA
s層34によりGeアバランシェフォトダイオード構造
が形成されている。また、符号45はp型GaAs層、
46はn+ 型GaAs層、47はn型ガードリング、4
8は例えばSiO2 膜のような保護膜、49はn電極、
50はp電極を示す。
【0056】図9Bにこの受光素子における深さ方向の
電界E(x)及び光の強度P(x)の分布を示す。ここ
で、P0 はx=0(p+ 型GaAs層42の表面)にお
ける入射光の強度、αは吸収係数である。
【0057】この第七実施例によれば、バンドギャップ
の大きいp型GaAs層33を光増倍層として用いてい
ることにより第六実施例と同様にアバランシェ領域にお
けるトンネル電流の発生を抑えることができ、このトン
ネル電流に起因する雑音の発生を防止することができ
る。また、GaAs基板41上に光吸収層としてのGe
層44を形成していることに加えて、p型GaAs層4
4がp- 型Ge層43のキャップ層としても働いてキャ
リアの表面再結合を防止することができることにより、
受光効率の大幅な向上を図ることができる。
【0058】さらに、入射光の吸収係数αに応じてp-
型Ge層43の最適な厚さxを設定することができるた
め、光増倍層としてのp型GaAs層45での電子・正
孔対の生成をなくすことができ、これによって雑音のな
い理想的なGeアバランシェフォトダイオード構造を実
現することができる。
【0059】以上、この発明の実施例につき具体的に説
明したが、この発明は、上述の実施例に限定されるもの
ではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が
可能である。
【0060】例えば、上述の第一実施例、第二実施例及
び第三実施例においては、くし型の平面形状を有する電
極5、6を用いているが、これらの電極5、6の形状は
必要に応じて選ぶことができ、例えば、これらの電極
5、6をそれぞれ直線状に形成し、それらを対向させる
だけでもよい。
【0061】また、上述の第一実施例〜第七実施例にお
いては、GaAs基板を用いているが、バンドギャップ
がゲルマニウムよりも大きければ、GaAs基板以外の
半導体基板を用いることも可能である。具体的には、S
i基板やInP基板などを用いることが可能である。こ
の場合、これらの基板上にGe層を直接エピタキシャル
成長させると格子定数のミスマッチなどにより良好な結
晶性でGe層を形成することが難しい場合には、これら
の基板上に所定のバッファ層を形成し、その上にGe層
をエピタキシャル成長させるようにすればよい。
【0062】また、上述の第一実施例〜第七実施例にお
いては、基板裏面から光を入射させているが、原理的に
は表面から光を入射させることも可能である。
【0063】なお、上述の第四実施例及び第五実施例の
ように、光吸収層上への反射膜の形成は、光吸収層とし
てGe層以外のもの(例えば、InGaAs層)を用い
る受光素子においても適用することが可能である。
【0064】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
受光効率の大幅な向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第一実施例による受光素子を説明す
るための斜視図である。
【図2】図1のII−I1線に沿っての断面図である。
【図3】この発明の第二実施例による受光素子を説明す
るための断面図である。
【図4】この発明の第三実施例による受光素子を説明す
るための断面図である。
【図5】この発明の第四実施例による受光素子を説明す
るための断面図である。
【図6】この発明の第四実施例による受光素子において
反射膜として好適に用いられる多層膜を示す断面図であ
る。
【図7】この発明の第五実施例による受光素子を説明す
るための断面図である。
【図8】この発明の第六実施例による受光素子を説明す
るための断面図である。
【図9】この発明の第七実施例による受光素子を説明す
るための断面図及びグラフである。
【図10】従来のMSMフォトダイオードの一例を説明
するための斜視図である。
【図11】図10のXI−XI線に沿っての断面図であ
る。
【図12】従来のGeアバランシェフォトダイオードの
一例を説明するための断面図及びグラフである。
【図13】従来のGeアバランシェフォトダイオードの
他の例を説明するための断面図及びグラフである。
【符号の説明】
1、11、21、31、41 GaAs基板 2、22 Ge層 5、6 電極 7、23 キャップ層 16、26 反射膜

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゲルマニウムのバンドギャップよりも大
    きなバンドギャップを有する半導体基板と、 上記半導体基板上に設けられたゲルマニウムから成る光
    吸収層とを有する受光素子。
  2. 【請求項2】 少なくとも上記光吸収層上に設けられた
    反射膜をさらに有する請求項1記載の受光素子。
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