JPH0532523A

JPH0532523A - ゲル状パツク料

Info

Publication number: JPH0532523A
Application number: JP21279291A
Authority: JP
Inventors: Yasuhiro Obara; 康弘小原; Masaaki Takahashi; 正明高橋
Original assignee: Pola Chemical Industries Inc
Current assignee: Pola Chemical Industries Inc
Priority date: 1991-07-30
Filing date: 1991-07-30
Publication date: 1993-02-09
Anticipated expiration: 2014-12-13
Also published as: JP2989694B2

Abstract

(57)【要約】【目的】ゲル状パック料を提供する。【構成】本発明のゲル状パック料では、ポリアクリル
酸ナトリウム及び／又はカルボキシビニルポリマーを少
なくとも含む水溶性高分子と無水ケイ酸とソルビトール
とを含有する。更に、好ましい態様としては水溶性高分
子、無水ケイ酸ならびにソルビトールの含有量がそれぞ
れ０．１〜２０重量％、１〜３０重量％ならびに５〜５
０重量％であり、また界面活性剤の存在下で起泡化した
ものであり、更には起泡化率が泡内包率として全体の５
〜３０体積％である。【効果】塗布し易く、閉塞性、吸油性が良好で、且つ
冷感に優れる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はゲル状パック料に関し、
詳しくは塗布し易く、閉塞性、吸油性が良好で、且つ冷
感を有すると共に洗浄可能なゲル状パック料を提供せん
とするものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、パック料の種類としてはポリビニ
ルアルコールを主剤とするフィルミーパック、カオリン
等の無機粉末を主剤としたクレイパック、パラフィン等
を中心とするワックスパック、その他フォームパック、
石コウパックなどが知られている。

【０００３】これらのパック料は、何れも皮膚閉塞作用
による血行促進効果や過剰な皮脂の吸収による清浄効果
を有している。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところが、前記の従来
知られているパック料はいずれも皮膚閉塞作用を利用し
たものであるため、通常塗布時には温熱感が感じられ、
この温熱感は逆に夏場でのパック料使用が嫌われる原因
ともなっている。一方、この温熱感を和らげ冷感を感じ
させるパック料としては、一部アルギン酸ナトリウムを
主剤とするものもあるが、塗布のし易さや感触面などに
難点があった。

【０００５】本発明は斯かる実情に鑑みてなされたもの
であって、従来のパック料と同様に塗布のし易さ、閉塞
性及び吸油性に優れているとともに、皮膚に冷感を付与
し得るパック料を提供することを課題とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するため鋭意研究を行なった結果、特定の水溶性高
分子と無水ケイ酸とから形成されるゲル構造中にソルビ
トールを加えた時に、閉塞性や吸油性を維持しつつ冷感
を付与し得ること、またこれを更に界面活性剤の存在下
で起泡させることにより一層冷感を増強し得ることを見
出し、これに基づいて本発明を完成した。

【０００７】すなわち、本発明は、ポリアクリル酸ナト
リウム及び／又はカルボキシビニルポリマーを少なくと
も含む水溶性高分子と無水ケイ酸とソルビトールとを含
有してなるゲル状パック料であり、好適な態様として
は、上記水溶性高分子、無水ケイ酸ならびにソルビトー
ルの含有量が夫々０．１〜２０重量％、１〜３０重量％
ならびに５〜５０重量％であり、また界面活性剤の存在
下で起泡化したものであり、更にはその起泡化率が泡内
包率として全体の５〜３０体積％であるところのゲル状
パック料に関するものである。

【０００８】以下、本発明を詳細に説明する。

【０００９】本発明に適用される水溶性高分子として
は、ポリアクリル酸ナトリウムとカルボキシビニルポリ
マーの一方、または両者を少なくとも含むものであり、
場合によりその他の水溶性高分子例えばカルボキシメチ
ルセルロース、メチルセルロース等のセルロース誘導
体、キサンタンガム、クインスシード等のガム質、ポリ
ビニルアルコール、アルギン酸ソーダなどと共に用いら
れる。

【００１０】また、水溶性高分子のゲル状パック料に対
する含有量としては０．１〜２０重量％の範囲が選択さ
れ、このうち主剤たるポリアクリル酸ナトリウムまたは
カルボキシビニルポリマーについては０．１〜５重量
％、好ましくは０．１〜１重量％の範囲が、またゲル状
態の安定化を狙いとして用いられるセルロース誘導体や
ガム質については０．１〜５重量％の範囲が、更には皮
膜形成性の付与を狙いとして用いられるポリビニルアル
コールなどについては０．５〜１０重量％の範囲が夫々
選択される。

【００１１】次に、同様に本発明に適用される無水ケイ
酸としては、通常化粧料に用いられているものでよく、
粒径としては０．１〜３０μｍ好ましくは１〜１５μｍ
の範囲であり、好ましくは球状で且つ親水性のものが用
いられる。また、ゲル状パック料に対する含有量は１〜
３０重量％、好ましくは５〜１５重量％である。

【００１２】更に、本発明のゲル状パック料において
は、上記水溶性高分子と無水ケイ酸とから形成されるゲ
ル構造中にソルビトールが５〜５０重量％、好ましくは
２０〜３０重量％の範囲で含有される。

【００１３】本発明では、前記の水溶性高分子と無水ケ
イ酸とソルビトールとを含有せしめることにより良好な
塗布性、閉塞性、吸油性と共に冷感を有するゲル状パッ
ク料が得られるが、本発明では、更に起泡剤としての界
面活性剤の存在下で起泡させることにより、一層吸油性
と共に冷感を増強することができる。

【００１４】ここで用いられる界面活性剤としては、ア
ニオン性活性剤、非イオン性活性剤、天然系活性剤など
であれば良く、具体的には例えばアルキル硫酸ナトリウ
ム、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポ
リグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、
アシルアミノ酸エステルなどが挙げられ、１〜１０重量
％、好ましくは２〜５重量％の範囲で用いられる。

【００１５】また、起泡の方法自体は常法に従って行な
えば良く、例えば空気等の不活性ガスを吹込みながら混
合撹拌を行なうか、空気を巻込むような撹拌羽根を有す
るミキサーを用いて混合撹拌する。

【００１６】この際に、ゲル状パック料中に内包される
気泡量としては、泡内包率として全体に対して５〜３０
体積％、好ましくは１５〜２５体積％の範囲が好適であ
り、この時の見かけ比重としては０．８〜１．０の範囲
のものとなる。５体積％より小さい内包率では冷感の増
強作用は殆んど感じられず、反対に３０体積％より大き
い内包率では閉塞性が低下して好ましいものとはいえな
い。

【００１７】本発明のゲル状パック料では、前記の必須
成分である水溶性高分子、無水ケイ酸、ソルビトール、
更には界面活性剤に加えて、更に必要に応じて有機・無
機の粉体、多価アルコール類、防腐剤、多糖類、ビタミ
ン類、香料などを配合することができる。具体的には、
１，３−ブチレングリコールやグリセリン等の多価アル
コール類については感触面の向上を狙いとして、一方、
カオリン、酸化チタン、アクリル粉体、微結晶セルロー
ス等の有機・無機粉体についてはゲル状態の安定性、吸
油性または閉鎖性などの向上を狙いとして凡そ０．５〜
２５重量％の範囲で用いられる。

【００１８】ここで、本発明の特徴について述べるなら
ば、従来のゲル状パック料を含むパック量において、パ
ック効果を高めるためには吸油性や閉鎖性を高める必要
があったところ、一方、結果として使用感として暑苦し
さや温熱感を感じるという弊害があったのに対し、本発
明では前記特定の３成分を併用することにより、更には
これを起泡化することによりパック効果を損なうことな
く使用感の改善を行なった点にある。

【００１９】

【実施例】以下に、実施例により本発明を更に詳細に説
明する。尚、配合割合は重量％である。

【００２０】実施例１．ゲル状パックポリアクリル酸ナトリウム０．１カルボキシビニルポリマー０．２カルボキシメチルセルロース０．３無水ケイ酸５ソルビトール２５サイクロデキストリン０．１ヒアルロン酸ナトリウム０．０１微結晶セルロース１グリセリン１５１，３−ブチレングリコール８メチルパラベン０．２精製水４５．０９

【００２１】実施例２．起泡型ゲル状パック（泡内包率
２０ｖｏｌ％）ポリアクリル酸ナトリウム０．１カルボキシビニルポリマー０．２カルボキシメチルセルロース０．５無水ケイ酸６ソルビトール３０サイクロデキストリン０．１エラスチン加水分解物０．１微結晶セルロース２酸化チタン１アクリル粉体５グリセリン２０１，３−ブチレングリコール８ショ糖脂肪酸エステル４メチルパラベン０．２精製水２２．８

【００２２】実施例３．起泡型ゲル状パック（泡内包率
１０ｖｏｌ％）ポリアクリル酸ナトリウム０．３カルボキシビニルポリマー０．６ポリビニルアルコール２キサンタンガム０．１無水ケイ酸１０ソルビトール２０微結晶セルロース３酸化チタン１グリセリン１５１，３−ブチレングリコール５Ｎ−ラウロイルグルタミン酸トリエタノールアミン２メチルパラベン０．２香料０．２精製水４０．６

【００２３】（比較実験）本発明により得られたゲル状
パック料と従来のパック料とを吸油性測定、皮膚温度測
定ならびに官能評価により比較した。

【００２４】＜吸油性測定＞サンプル（ア）本発明の実施例１のゲル状パック（イ）本発明の実施例２の起泡型ゲル状パック（ウ）下記の組成（重量％）を有する従来のクレイパッ
ク〔処方〕カオリン１０ステアリン酸５セタノール１流動パラフィン７モノステアリン酸ポリエチレングリコール０．３モノステアリン酸グリセリン０．２タルク２メチルパラベン０．２１，３−ブチレングリコール８精製水６６．３

【００２５】実験方法女性パネル５人を被験者とし、顔面頬部の皮脂量をシー
バムメーター（SCHWARTZ HAUPT社製）で計測した。すな
わち、予めサンプル塗布前に皮脂量（コントロール）を
計測した。次に、サンプルを顔面に塗布して１０分間放
置した後、洗浄して拭き取り後、再度皮脂量を計測し、
更に３０分後及び６０分後に皮脂量を計測した。結果に
ついては、５人の平均値について、コントロールの皮脂
量値に対する１０分後、３０分後及び６０分後の皮脂量
値の比として図１に示した。

【００２６】図１の結果に見られる如く、本発明品であ
るゲル状パック（ア）及び起泡型ゲル状パック（イ）を
塗布した場合の皮脂量の低下は、従来品であるクレイパ
ック（ウ）を塗布した場合に比べて著しく大きく、吸油
性に優れていることが実証された。

【００２７】＜皮膚温度測定＞サンプル吸油性測定に用いた本発明品のゲル状パック（ア）及び
（イ）と従来品のクレイパック（ウ）とを用いた。

【００２８】実験方法女性パネル５人を被験者として、顔面頬部の皮膚温度を
サーモグラフィーＴＵＳ−５５００（日本アビオニクス
社製）を用いて測定した。すなわち、予めサンプル塗布
前に皮膚温度（コントロール）を測定した。次に、サン
プルを顔面に塗布して５分間放置した時点で皮膚温度を
測定し、洗浄して拭き取り後、再度皮膚温度を測定し、
更に２５分後及び３５分後に皮膚温度を測定した。結果
については、５人の平均値について、コントロールの皮
膚温度に対する各時間における皮膚温度の差として図２
に示した。

【００２９】図２の結果に示された様に、本発明品であ
るゲル状パック（ア）及び起泡型ゲル状パック（イ）は
従来品であるクレイパック（ウ）に比べ、格段に皮膚温
度の低下が大きく、冷感に優れていることが明らかとな
った。特に起泡型ゲル状パックとした場合には無起泡の
ゲル状パックに対しても倍近い皮膚温度低下、すなわち
冷感を与え得ることも併せて実証された。

【００３０】＜官能評価＞サンプル吸油性測定に用いた本発明品のゲル状パック（ア）及び
（イ）と従来品のクレイパック（ウ）とを用いた。

【００３１】実験方法邦人女性６０人を、それぞれ２０人づつ無作為に３群
（Ａ〜Ｃ群）に分け、Ａ群には本発明品のゲル状パック
（ア）を、Ｂ群には本発明品の起泡型ゲル状パック
（イ）を、Ｃ群には従来品のクレイパック（ウ）を、そ
れぞれ顔面に塗布してもらい、塗布後１０分後に洗浄し
てもらった時の使用感について群間比較を行なった。評
価項目としては塗布中の冷感と洗浄後のさっぱり感につ
いて実施した。その結果を表１に示す。

【００３２】

【表１】

【００３３】表１の結果に示された如く、本発明品であ
るゲル状パック（ア）及び起泡型ゲル状パック（イ）は
従来品であるクレイパック（ウ）に比し、格段に使用中
の冷感と吸油性に基づく使用後のさっぱり感に優れ、特
に起泡型の場合はこの効果が顕著であることが実証され
た。

【００３４】

【発明の効果】本発明によれば、従来から知られている
パック料などと比べて、吸油性や閉塞性などの効果を損
なうことなく、冷感などの使用感に優れていることは勿
論のこと、塗布性や洗浄性などの弊害もなく使用するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】時間と皮脂量比との関係を示す図

【図２】時間と皮膚温度との関係を示す図

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】ポリアクリル酸ナトリウム及び／又はカ
ルボキシビニルポリマーを少なくとも含む水溶性高分子
と無水ケイ酸とソルビトールとを含有してなるゲル状パ
ック料。
【請求項２】水溶性高分子の含有量が０．１〜２０重
量％、無水ケイ酸の含有量が１〜３０重量％、およびソ
ルビトールの含有量が５〜５０重量％である請求項１に
記載のゲル状パック料。
【請求項３】界面活性剤の存在下で起泡化したもので
ある請求項１または２の何れかに記載のゲル状パック
料。
【請求項４】起泡化率が泡内包率として全体の５〜３
０体積％である請求項３に記載のゲル状パック料。