JPH0532419A - 塩化物水溶液の製造方法 - Google Patents
塩化物水溶液の製造方法Info
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- JPH0532419A JPH0532419A JP21038191A JP21038191A JPH0532419A JP H0532419 A JPH0532419 A JP H0532419A JP 21038191 A JP21038191 A JP 21038191A JP 21038191 A JP21038191 A JP 21038191A JP H0532419 A JPH0532419 A JP H0532419A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 塩素ガスの発生を抑制することができ、か
つ、マンガン源として比較的安価な酸化マンガンの使用
を可能とする方法を提供することにある。 【構成】 酸化マンガンの塩酸を含む水溶液への溶解
を、溶解させる酸化マンガン当量以上の２価の鉄塩の共
存下で行う。
つ、マンガン源として比較的安価な酸化マンガンの使用
を可能とする方法を提供することにある。 【構成】 酸化マンガンの塩酸を含む水溶液への溶解
を、溶解させる酸化マンガン当量以上の２価の鉄塩の共
存下で行う。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、マンガンを主成分とす
るフェライトの原料として使用可能な塩化物水溶液を製
造する方法に関する。
るフェライトの原料として使用可能な塩化物水溶液を製
造する方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】従来より、塩化物水溶液の噴霧焙焼によ
り製造された酸化物がフェライト原料として用いられて
いる。ソフトフェライトの原料用の酸化鉄の大半は噴霧
焙焼法により製造されており、また、マンガン−鉄、マ
ンガン−亜鉛−鉄等の噴霧焙焼法により製造される複合
酸化物もマンガン−亜鉛系のフェライト原料として使用
可能である。マンガンを主成分として含むフェライトの
原料として使用されるマンガンを含む酸化物を塩化物水
溶液の噴霧焙焼により製造する場合、このマンガンを含
む塩化物水溶液は、塩化マンガンを水溶液に溶解する
か、または、金属マンガンあるいはフェロマンガンを塩
酸を含む水溶液に溶解して調整するのが一般的である。
り製造された酸化物がフェライト原料として用いられて
いる。ソフトフェライトの原料用の酸化鉄の大半は噴霧
焙焼法により製造されており、また、マンガン−鉄、マ
ンガン−亜鉛−鉄等の噴霧焙焼法により製造される複合
酸化物もマンガン−亜鉛系のフェライト原料として使用
可能である。マンガンを主成分として含むフェライトの
原料として使用されるマンガンを含む酸化物を塩化物水
溶液の噴霧焙焼により製造する場合、このマンガンを含
む塩化物水溶液は、塩化マンガンを水溶液に溶解する
か、または、金属マンガンあるいはフェロマンガンを塩
酸を含む水溶液に溶解して調整するのが一般的である。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】酸化マンガンを塩酸を
含む水溶液に溶解すると有毒な塩素ガスを発生するた
め、塩素ガスの処理装置が必要となり、工業的には酸化
マンガンは比較的安価であるが、設備上のデメリットが
あり、マンガン源としては、酸化マンガンより、塩化マ
ンガン、金属マンガン、フェロマンガンが使用される。
本発明の課題は、塩素ガスの発生を抑制することがで
き、かつ、マンガン源として比較的安価な酸化マンガン
の使用を可能とする方法を提供することにある。
含む水溶液に溶解すると有毒な塩素ガスを発生するた
め、塩素ガスの処理装置が必要となり、工業的には酸化
マンガンは比較的安価であるが、設備上のデメリットが
あり、マンガン源としては、酸化マンガンより、塩化マ
ンガン、金属マンガン、フェロマンガンが使用される。
本発明の課題は、塩素ガスの発生を抑制することがで
き、かつ、マンガン源として比較的安価な酸化マンガン
の使用を可能とする方法を提供することにある。
【０００４】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、酸化マ
ンガンの塩酸を含む水溶液への溶解を、溶解させる酸化
マンガン当量以上の２価の鉄塩の共存下で行うことを特
徴とするフェライト原料用の塩化物水溶液の製造方法が
得られる。
ンガンの塩酸を含む水溶液への溶解を、溶解させる酸化
マンガン当量以上の２価の鉄塩の共存下で行うことを特
徴とするフェライト原料用の塩化物水溶液の製造方法が
得られる。
【０００５】
【実施例】酸化マンガンを塩酸に溶解する際に塩素ガス
が発生するのは水溶液中では２価のマンガンが安定であ
るのに対して、酸化マンガンの場合は４価又は３価マン
ガンを含むため、次の化学式１又は化学式２のように水
溶液中の塩素イオンを酸化するためと説明されている。
が発生するのは水溶液中では２価のマンガンが安定であ
るのに対して、酸化マンガンの場合は４価又は３価マン
ガンを含むため、次の化学式１又は化学式２のように水
溶液中の塩素イオンを酸化するためと説明されている。
【０００６】
【化１】
【０００７】
【化２】
【０００８】従って、塩酸に溶解する際のマンガンの価
数が２以下であれば良いと考えられるが、単に酸化マン
ガンと金属マンガンの混合物の場合は一方が優先的に溶
解されるため塩素ガスの発生を抑制するのは困難であ
る。しかしながら、水溶液中に溶解させる酸化マンガン
の当量以上の２価の鉄塩を共存させて酸化マンガンの溶
解を行うと塩素ガスの発生が抑制された。この場合溶解
させる酸化マンガンをＭｎＯx と組成式で表わし、溶解
させる酸化マンガンの量をＡモルとした場合、共存させ
る必要のある２価の鉄塩の当量は２Ａ・（ｘ−１）モル
に相当すると考えている。２価の鉄塩を共存させて酸化
マンガンの溶解を行うと塩素ガスの発生が抑制されるの
は、溶解後の水溶液中の３価の鉄イオンが増加している
ことより２価の鉄塩が塩素イオンより優先的に酸化され
るためと考えられる。このことから考えて、２価の鉄塩
より強力な還元剤を共存させることにより、塩素ガスの
発生は抑制可能であるが、フェライト用の原料として使
用可能なためには、他の金属塩はフェライトの特性の面
で難点があり、その他の還元剤もコストの面で不利であ
り、２価の鉄塩が最も適当と考えられる。
数が２以下であれば良いと考えられるが、単に酸化マン
ガンと金属マンガンの混合物の場合は一方が優先的に溶
解されるため塩素ガスの発生を抑制するのは困難であ
る。しかしながら、水溶液中に溶解させる酸化マンガン
の当量以上の２価の鉄塩を共存させて酸化マンガンの溶
解を行うと塩素ガスの発生が抑制された。この場合溶解
させる酸化マンガンをＭｎＯx と組成式で表わし、溶解
させる酸化マンガンの量をＡモルとした場合、共存させ
る必要のある２価の鉄塩の当量は２Ａ・（ｘ−１）モル
に相当すると考えている。２価の鉄塩を共存させて酸化
マンガンの溶解を行うと塩素ガスの発生が抑制されるの
は、溶解後の水溶液中の３価の鉄イオンが増加している
ことより２価の鉄塩が塩素イオンより優先的に酸化され
るためと考えられる。このことから考えて、２価の鉄塩
より強力な還元剤を共存させることにより、塩素ガスの
発生は抑制可能であるが、フェライト用の原料として使
用可能なためには、他の金属塩はフェライトの特性の面
で難点があり、その他の還元剤もコストの面で不利であ
り、２価の鉄塩が最も適当と考えられる。
【０００９】（実施例１）９Ｎの塩酸５００mlと塩化第
１鉄（ＦｅＣｌ2 ）を各々０．２モル、０．４モル、
０．６モル、０．８モル、１モルと純水により総量を１
ｌに調整した水溶液と、９Ｎの塩酸５００mlと純水によ
り総量を１ｌに調整した水溶液の、６種類の塩酸を含む
水溶液を作製した。次いでこれらの水溶液各々に酸化マ
ンガン（ＭｎＯ2 ）０．４モルを添加して、８０℃に加
温して２時間保持したところ、酸化マンガンをすべて溶
解することができた。この際水溶液上の発生ガスをヨウ
化カリウムの澱粉溶液に導き、塩素ガスの発生の有無を
調べた。次の表１に示すように、塩化第１鉄を加えない
場合、及び０．２モル、０．４モル、０．６モル加えた
場合は塩素ガスが大量に発生するのが確認された。これ
に対し、１モル加えた場合は塩素ガスの発生が認められ
ず、０．８モル加えた場合は微量の塩素ガスの発生が認
められた。
１鉄（ＦｅＣｌ2 ）を各々０．２モル、０．４モル、
０．６モル、０．８モル、１モルと純水により総量を１
ｌに調整した水溶液と、９Ｎの塩酸５００mlと純水によ
り総量を１ｌに調整した水溶液の、６種類の塩酸を含む
水溶液を作製した。次いでこれらの水溶液各々に酸化マ
ンガン（ＭｎＯ2 ）０．４モルを添加して、８０℃に加
温して２時間保持したところ、酸化マンガンをすべて溶
解することができた。この際水溶液上の発生ガスをヨウ
化カリウムの澱粉溶液に導き、塩素ガスの発生の有無を
調べた。次の表１に示すように、塩化第１鉄を加えない
場合、及び０．２モル、０．４モル、０．６モル加えた
場合は塩素ガスが大量に発生するのが確認された。これ
に対し、１モル加えた場合は塩素ガスの発生が認められ
ず、０．８モル加えた場合は微量の塩素ガスの発生が認
められた。
【００１０】
【表１】
【００１１】（実施例２）実施例１と同様な６種類の塩
酸を含む水溶液を各々１ｌ調整し、これらの水溶液各々
に０．４モルの三酸化二マンガン（Ｍｎ2 Ｏ3 ）を加
え、実施例１と同様な方法で酸化マンガンを溶解し塩素
ガスの発生の有無を調べた。次の表２に示すように、塩
化第１鉄無添加及び０．２モル、０．４モル、０．６モ
ル添加の場合は塩素ガスが大量に発生するのが確認され
た。これに対し、塩化第１鉄１モルを加えた場合は塩素
ガスの発生が認められず、塩化第１鉄０．８モルを加え
た場合は微量の塩素ガスの発生が認められた。
酸を含む水溶液を各々１ｌ調整し、これらの水溶液各々
に０．４モルの三酸化二マンガン（Ｍｎ2 Ｏ3 ）を加
え、実施例１と同様な方法で酸化マンガンを溶解し塩素
ガスの発生の有無を調べた。次の表２に示すように、塩
化第１鉄無添加及び０．２モル、０．４モル、０．６モ
ル添加の場合は塩素ガスが大量に発生するのが確認され
た。これに対し、塩化第１鉄１モルを加えた場合は塩素
ガスの発生が認められず、塩化第１鉄０．８モルを加え
た場合は微量の塩素ガスの発生が認められた。
【００１２】
【表２】
【００１３】これらの実施例に認められるように、溶解
される酸化マンガン当量以上の２価の鉄塩が共存する場
合は塩素ガスの発生が抑制されていることがわかる。し
かしながら、塩素ガスの発生を完全に抑えるためのに
は、当量より多めに２価の鉄塩を共存させることが望ま
しい。なお、２価の鉄塩は溶解させる酸化マンガン当量
以上を溶解開始の時点より共存させる必要はなく、溶解
途上に常時２価の鉄塩が共存するように調整して行なう
ことも本発明と等価であることは容易に推察可能であ
る。
される酸化マンガン当量以上の２価の鉄塩が共存する場
合は塩素ガスの発生が抑制されていることがわかる。し
かしながら、塩素ガスの発生を完全に抑えるためのに
は、当量より多めに２価の鉄塩を共存させることが望ま
しい。なお、２価の鉄塩は溶解させる酸化マンガン当量
以上を溶解開始の時点より共存させる必要はなく、溶解
途上に常時２価の鉄塩が共存するように調整して行なう
ことも本発明と等価であることは容易に推察可能であ
る。
【００１４】
【発明の効果】本発明によれば、比較的安価な酸化マン
ガンを用いて、塩素ガスの発生を抑制することができ、
かつ、フェライト原料として使用可能な塩化物水溶液の
製造が可能である。
ガンを用いて、塩素ガスの発生を抑制することができ、
かつ、フェライト原料として使用可能な塩化物水溶液の
製造が可能である。
フロントページの続き (72)発明者 長谷川 一雄 千葉県市川市高谷新町７番地の１ 日新製 鋼株式会社新材料研究所内 (72)発明者 原 勝成 千葉県市川市高谷新町７番地の１ 日新製 鋼株式会社新材料研究所内
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項１】 酸化マンガンの塩酸を含む水溶液への溶
解を、溶解させる酸化マンガン当量以上の２価の鉄塩の
共存下で行うことを特徴とする塩化物水溶液の製造方
法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP21038191A JPH0532419A (ja) | 1991-07-29 | 1991-07-29 | 塩化物水溶液の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP21038191A JPH0532419A (ja) | 1991-07-29 | 1991-07-29 | 塩化物水溶液の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0532419A true JPH0532419A (ja) | 1993-02-09 |
Family
ID=16588402
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP21038191A Withdrawn JPH0532419A (ja) | 1991-07-29 | 1991-07-29 | 塩化物水溶液の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0532419A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2008513345A (ja) * | 2004-09-23 | 2008-05-01 | 昭和電工株式会社 | 四フッ化マンガンの製造法 |
-
1991
- 1991-07-29 JP JP21038191A patent/JPH0532419A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2008513345A (ja) * | 2004-09-23 | 2008-05-01 | 昭和電工株式会社 | 四フッ化マンガンの製造法 |
| JP4842272B2 (ja) * | 2004-09-23 | 2011-12-21 | 昭和電工株式会社 | マンガン化合物のフッ素化方法 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 19981008 |