JPH05322764A - 光沢度測定装置 - Google Patents

光沢度測定装置

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JPH05322764A
JPH05322764A JP13258892A JP13258892A JPH05322764A JP H05322764 A JPH05322764 A JP H05322764A JP 13258892 A JP13258892 A JP 13258892A JP 13258892 A JP13258892 A JP 13258892A JP H05322764 A JPH05322764 A JP H05322764A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 人間の目視感と一致する光沢度を得ることが
できる光沢度測定装置を提供すること。 【構成】 コリメート光源22により試料18に照射さ
れたレーザービームの反射光量を光検出器38が検出し
ロックインアンプ70へ出力する。スポット光源24に
よる皺の溝より小さな径の光スポットの反射光は、光検
出器50が検出してロックインアンプ70へ出力する。
ロックインアンプ70は、光検出器38、50の各出力
であるを周波数f1 、f2 の信号を所定時間毎に増幅
し、マイクロコンピュータ72へ出力する。次に光検出
器38の出力の平均値を求めることにより表面粗さを求
め、光検出器50の出力の標準偏差を出力の平均値で除
算することによりシボ深さを求める。次に表面粗さとシ
ボ深さのデータを、官能値と相関のある基準マップを参
照することによって、光沢度を求める。従って、求めた
光沢度は、人間の官能評価に一致する値として得られ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光沢度測定装置にかか
り、特に、表面に形成された凹凸模様のようなシボを有
する物体の光沢度を測定できる光沢度測定装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、物体表面の光沢を測定する方法と
しては、唯一、光を表面に投射した正反射方向で反射光
量を測定して光沢度を求める方法(60°鏡面光沢度
(JIS−Z8741−1893))がある。
【0003】ところで、車両の内装等に多く用いられる
部材としては、金型等から成形された凹凸模様(いわゆ
る皺模様の面、以下、シボ面という)を有した部材があ
り、このような部材は、その光沢を品質管理上の項目の
一つとして用いることがある。
【0004】このシボ面は、基本要素を決めたあと、金
型に樹脂を流しこんで形成される。この基本要素には、
樹脂の材料、色、模様、シボ面の皺模様のしわの深さ
(以下、シボ深さという)、皺模様の刻まれた下地の表
面の粗さ(以下、表面粗さという)がある。このように
形成されたシボ面は、一般に、材料、色、模様の要素が
同一のものを比較することによって評価を行っている。
【0005】しかしながら、このシボ面の光沢について
測定を行うと、上記JIS規格の光沢計の測定値(以
下、光沢値という)によるシボ面光沢の順位と、人間が
目視(官能評価)によって付したシボ面光沢の順位とが
逆転する場合があり、上記成形品の品質管理が定量的な
測定値に基づいて行うことができない、という問題があ
る。
【0006】このような測定値の食い違いから、人間が
目視によってシボ面の光沢の度合いを判断する要素と、
従来の光沢計で測定する要素とが異なることが予想され
るが、従来の光沢計では、目視による評価に一致する測
定値(以下、光沢度という)が得られるものはない。
【0007】ここで、詳細は後述するが、シボ面の凹凸
による皺の深さは人間の感覚に大きく影響を与えてい
る。この深さの測定は可能であり、この物体表面の凹凸
の形状を測定する方法が報告されている(特開昭57−
113310号、特開昭63−191011号公報)。
【0008】この方法によれば、物体表面にレーザービ
ームを当てて、物体をスキャンしたときに、表面の凹凸
によるレーザービームの反射方向の振れ量を、反射光に
対向して置いた光センサーアレーで測定することによっ
て断面形状を求めている。また、他の方法は、物体表面
にレーザービームを投射し、その表面のスポットを結像
し、結像位置から三角測量法を用いて断面形状を測定す
るものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように表面の凹凸によるレーザービームの反射方向の振
れ量に基づいて断面形状を求める方法は凹凸のある下地
表面が鏡面に近いことが必要で、プラスチック成形部品
であるシボ面には適用できない。また、上記三角測量法
によって断面形状を求める方法ではシボ面上の皺のよう
に幅が狭くかつ深い溝には適用できない。
【0010】従って、物体表面の凹凸の形状を測る方法
のみでは光沢を測定することができずかつ、シボ面の凹
凸測定にも適応できない。
【0011】本発明は、上記事実を考慮して成されたも
ので、人間の目視感と一致する光沢度を得ることができ
る光沢度測定装置を提供することが目的である。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、測定対象物表面に形成された凹凸模様のシ
ボの凹部の大きさより小さい径の光ビームを射出する第
1の光源と、該第1の光源から射出された光ビームの反
射光量を検出する第1の検出手段と、を備え、前記測定
対象物と相対的に移動可能にされた第1の測定手段と、
前記第1の検出手段によって検出された反射光量のばら
つきを求める演算手段と、前記凹凸模様のシボの凹部の
大きさより大きな径の光ビームを射出する第2の光源
と、該第2の光源から射出される光ビームの反射光量を
検出する第2の検出手段と、を備えた第2の測定手段
と、前記演算手段の演算結果及び第2の検出手段によっ
て検出された検出値に基づいて光沢度を求める光沢度演
算手段と、を備えたことを特徴としている。
【0013】
【作用】先ず、本発明の基となる原理について説明す
る。
【0014】シボ面には、皺模様のような凹凸のシボが
形成されている。そこで、本発明者は、上記成形品のシ
ボ深さ及び表面粗さの基本要素を対象として、各々を測
定すると共に、シボ深さ及び表面粗さが人間の目視評価
に対してどのように影響するかの実験を行った。
【0015】先ず本発明者は、シボ深さ4水準(30、
50、70、100、単位μm)、表面粗さが3水準
(50、70、100、単位%ケシ)である12種類の
試料について一対比較法により官能評価を行い、各試料
の目視光沢度の数値化(官能値)を行った。なお、この
官能値は、−2〜+2までの数値が用いられ、+方向が
光沢が良い方向とされる。この官能値に用いた−2〜+
2までの数値は、任意の値であってもよい。図3は、上
記のようにして求めた官能値とシボ深さの値との関係
を、上記3水準の表面粗さの試料について、打点したも
のである。なお、50、70、100%ケシの数字は下
地表面のツヤ消し処理の度合いを示すものである。この
ツヤ消し処理とは、表面をサンドブラスト処理すること
をいう。また、ツヤ消し処理の度合いを示す数字は、砂
及びガラスの粒の割合を示すものである。例えば70%
ケシとは、砂70%、ガラス30%の各粒の割合でサン
ドブラスト処理した表面の状態をいう。従って、この数
字が大きいほど表面粗さが粗いことを表している。
【0016】このように、人間の目視評価(官能値)に
対する成形品のシボ深さ及び表面粗さの関係は、基本要
素として樹脂の材料、色、及び模様が、同一であって
も、表面粗さが粗いほうが(ツヤ消しの度合いが大き
いほど)官能値は低くなる、シボ深さが深いほうが官
能値は高くなる、表面粗さ及びシボ深さによる効果の
組合せで官能値が特定できる、ことが理解される。
【0017】すなわち、官能値は、試料の表面粗さ及び
シボ深さが大きく起因していることが理解でき、人間
は、下地の表面粗さとシボ深さの両方の影響を受けて、
シボ面の評価を行っていることが理解される。従って、
表面粗さ及びシボ深さを測定した値に基づく光沢度を求
めることによって、官能値と相関のある光沢度を求める
ことができる。
【0018】ここで、上記表面粗さ及びシボ深さの測定
方法について説明する。従来の光沢計による測定では、
皺模様より大きな光スポットを照射し、シボ面からの反
射光量を測定している。この場合、反射光量は、シボ深
さが変わってもあまり変化はなく、表面粗さを反映する
ことになる。すなわち、表面粗さが粗くなる(ツヤ消し
の度合いが大きくなる)にしたがって光沢値は低くな
る。この表面粗さと光沢計の測定値との関係を図4に示
した。このように、光沢計で測定した光沢値と表面粗さ
とは相関のあることが理解される。従って、光沢計と同
じ原理で、すなわちシボ面上の皺模様の間隔より大きな
光スポットを用い反射光量測定を行えば、表面粗さの違
いを判別することができる。
【0019】図5(1)、(2)には、試料のシボ面の
断面形状の例を示した。シボ面の皺の斜面はシボ深さに
より傾斜角度が異なり、平均すればシボ深さの深い皺ほ
ど傾斜角度は大きくなる(図7(1)、(2)参照)。
従って、皺の溝幅より小さな光スポットをシボ表面に照
射しシボ面上をスキャンすると、シボ面の反射光の方向
は皺の傾斜により変化する。このシボ面の反射光量を測
定することにより、シボ深さを求めることができる。こ
のシボ面は、表面が鏡面でなく表面粗さを有している。
このため、シボ面による反射光は正反射方向を中心とし
て広がった反射パターンを持つことになる。
【0020】そこで、図6に示した構成で試料のシボ面
による反射光を測定する。すなわち光源91の光ビーム
を集光レンズ92で試料18上に集光する。試料18を
レーザー1に対する位置及び方向(図6矢印A方向)を
変えないように移動させながら、試料18の反射光を正
反射方向に設置した開口93を介して集光レンズ94で
光検出器95に集光する。この光検出器95の出力を記
録計96に記録することによって反射光量を記録する。
【0021】図7(3)、(4)には、記録計96の出
力による、シボ深さの浅い試料及び深い試料の反射光量
の移動特性を示した。このように記録計96の出力は、
試料のシボ深さに応じた振幅を有する出力特性となる。
すなわち、シボ深さの深い試料では、レーザービームが
皺の斜面にきたとき、反射光は開口93のある方向から
大きくはずれた方向に反射される。従って、集光レンズ
94に入射する反射光の強度の強い部分は開口93で遮
られるため記録計96に記録される光検出器95の出力
は弱いものとなる。一方、皺以外のところでは強い反射
光量が検出され、記録される。従って、試料の移動に対
する記録の出力の強弱の幅は、シボ深さの浅い試料に対
して深い試料の方が大きくなる。
【0022】従って、上記のようにして求めた反射光量
の標準偏差を求めることによって、反射光量の変動の度
合いが求められ、この標準偏差の値が反射光量の振幅、
すなわちシボ深さに対応することになる。また、求めた
標準偏差の値を、反射光量の平均値で除算することによ
って、主要反射光量とその変動とに対する規格化された
度合いとしての規格値を求めることができる。このよう
にして求めた、シボ深さと規格値との関係を、図8に示
した。このように、反射光量の振幅の幅の標準偏差を比
較することで、シボ深さを判別することができる。
【0023】このようにすることによって表面粗さ及び
シボ深さの各値を求めることができ、この求めた各値は
官能値と相関があるため、官能値と対応を付けることが
できる。その一例として、表面粗さ及びシボ深さの各値
から官能値を得るための方法について説明する。
【0024】試料として、色、材質、シボ模様を一定と
しシボ深さ、表面粗さの異なる試料を用意して標準試料
とする。この各試料について官能検査を行い、試料の光
沢の官能値を求める。官能値は図3に示したように表面
粗さとシボ深さで決定できるので、各試料について表面
粗さ及びシボ深さを測定する。次に、これらの測定値に
基づいて、横軸に表面粗さ、縦軸にシボ深さとする座標
系に官能値毎に分類された試料毎にプロットし基準マッ
プを作成する。この基準マップを図9に示した。これに
よって、表面粗さ及びシボ深さの測定値は官能値に変換
できる。
【0025】本発明の光沢度測定装置は上記に説明した
原理に基づいてなされたものであり、第1の測定手段
は、測定対象物表面に形成された凹凸模様のシボの凹部
の大きさより小さい径の光ビームを射出する第1の光源
と、該第1の光源から射出された光ビームの反射光量を
検出する第1の検出手段と、を備え、測定対象物と相対
的に移動可能にされている。この凹凸模様のシボは、そ
の皺模様のような凹部の深さに応じて傾斜角度が変化す
る。従って、測定対象物と相対的に移動することによっ
て測定対象物表面で反射される光ビームの反射光量は、
凹凸模様の深さに応じて変化する。この反射光量のばら
つきは、凹凸模様の深さに相関のある値となる。演算手
段は、この第1の検出手段により検出された反射光量の
ばらつきを、例えば標準偏差によって求める。
【0026】第2の測定手段は、凹凸模様のシボの凹部
の大きさより大きな径の光ビームを射出する第2の光源
と、該第2の光源から射出される光ビームの反射光量を
検出する第2の検出手段と、を備えている。このよう
に、凹凸模様の大きさより大きな径の光ビームを測定対
象物表面に照射することにより、その反射光は測定対象
物表面で平均化され、表面粗さと相関のある値となる。
【0027】従って、光沢度演算手段が、演算手段の演
算結果及び第2の検出手段によって検出された検出値に
基づいて光沢度を求めることにより、求めた光沢度は、
官能値と相関のある値となる。
【0028】
【実施例】以下、本発明の実施例を詳細に説明する。
【0029】図1に示すように、本発明の実施例である
光沢度測定装置10は、光学部12、駆動部14、及び
制御部16を有している。この光沢度測定装置10は、
ベース52を備えており、ベース52は図示しない光沢
度測定装置10の本体に固定されている。
【0030】ベース52には、サブベース54及びモー
タ56から構成される駆動部14が配設されている。こ
のサブベース54はベース52に対して摺動可能に配設
されており、モータ56の回転によってベース52に対
してサブベース54が移動するようになっている。ベー
ス52及びサブベース54の各々には、矩形孔52A、
54Aが穿設され(図2参照)、かつこの矩形孔52A
の穿設位置に対応して図示しない取付手段によって試料
18がベース52へ取付可能にされている。従って、駆
動部14の上方向(図2矢印A方向)から試料18の表
面を測定することができる。
【0031】このサブベース54には、支柱20の一端
が固定されており、この支柱20の他端には光学部12
が配設されている。光学部12は、コリメート光源2
2、スポット光源24、スポット受光器26、及びコリ
メート受光器28から構成され、この各々が十字状に形
成されたアーム21の先端に固定されている(図2参
照)。
【0032】コリメート光源22は、半導体レーザー3
2及びビームエキスパンダー34を備えており、半導体
レーザー32から射出されたレーザービームはビームエ
キスパンダー34によってコリメートされかつビーム径
が2〜5mmに成形される。コリメート光源22から射
出されるレーザービームの正反射方向には、コリメート
受光器28が配設されている。このコリメート受光器2
8はレンズ36及び光検出器38を備えており、試料1
8によって反射されたコリメート光源22のレーザービ
ームがレンズ36を介して光検出器38に照射される。
この光検出器38は、制御部16の電流電圧変換器64
に接続されている。
【0033】スポット光源24は、半導体レーザー42
及びレンズ44を備えており、半導体レーザー42から
射出されたレーザービームがレンズ44によって試料1
8上に集光される。スポット光源24から射出されるレ
ーザービームの正反射方向には、スポット受光器26が
配設されている。このスポット受光器26は開口部材4
6、レンズ48及び光検出器50を備えている。試料1
8によって反射されたスポット光源24のレーザービー
ムがレンズ48を介して光検出器50に照射される。こ
の光検出器50は、制御部16の電流電圧変換器62に
接続されている。なお、このレンズ48に入射されるレ
ーザービームは外乱光等を除去するために開口46Aに
よって制限される。
【0034】本実施例では、コリメート光源22及びス
ポット光源24から射出されるレーザービームは試料1
8の同一部位を照射するように各々がアーム21に固定
され、かつコリメート光源22とコリメート受光器28
とは、試料18に対して、50〜60°の入射角及び受
光角になるようにアーム21に固定される。また、スポ
ット光源24とスポット受光器26とは、試料18に対
して、10〜20°の入射角及び受光角になるようにア
ーム21に固定される。
【0035】従って、モータ56の回転によって、サブ
ベース54の移動と共に、コリメート光源22、スポッ
ト光源24による試料18への照射位置及びスポット受
光器26、コリメート受光器28による試料18におけ
る受光範囲の各状態を保持しつつ光学部12が移動す
る。
【0036】制御部16は、発振器68を有している。
発振器68は所定の周波数f1 、f 2 を発振する発振子
68A、68Bから構成され、発振器68はドライバー
66に接続されている。ドライバー66は入力される周
波数f1 、f2 の信号に応じて半導体レーザー32、4
2を変調駆動するためのものである。また、発振器68
はロックインアンプ70に接続されており、所定の周波
数f1 、f2 の信号がロックインアンプ70に参照信号
として入力される。また、ロックインアンプ70には、
電流電圧変換器62、電流電圧変換器64を介して光検
出器38、光検出器50に接続されており、光検出器3
8、50からの信号が電流電圧変換されて入力される。
ロックインアンプ70にはCPU(中央演算処理装置)
を含むマイクロコンピュータ72が接続されており、ロ
ックインアンプ70の出力信号がマイクロコンピュータ
72に入力される。このマイクロコンピュータ72に
は、後述する光沢度を算出するための光沢度算出ルーチ
ンを含む制御プログラムが記憶されている。
【0037】次に、本実施例の作用を図11に示す光沢
度算出ルーチンと共に説明する。まず、試料18は、試
料18表面の皺模様の方向が、サブベース54の移動方
向(図2矢印Bと平行方向)、すなわちスポット光源2
4の光スポットの移動方向に対し直交する方向に、図示
しない取付手段によって設置される。
【0038】図11に示すように、本ルーチンが実行さ
れると、ステップ120へ進み、上記のようにして予め
求められた基準マップ(図9参照)を読み取る。基準マ
ップの読み取りが終了すると、ステップ130へ進み、
試料18による光源である半導体レーザからの反射光量
の測定を開始する。
【0039】この反射光量の測定は、モータ56を所定
の回転数で回転させることによってサブベース54とベ
ース52との相対速度が一定になるように制御し、サブ
ベース54を移動しながら行われる。
【0040】従って、コリメート光源22から射出され
るレーザービームは試料18に照射される。これにより
表面粗さに対応する光量の光が反射される。その反射光
をコリメート受光器28が受光することによって、光検
出器38は、反射光量に応じた信号を電流電圧変換器6
4を介してロックインアンプ70へ出力する。
【0041】一方、スポット光源24から試料18へ集
光される光スポットは、サブベース54の移動と共に試
料18上の照射位置が移動する。この光スポットの反射
光は、開口46A、レンズ48を介して光検出器50へ
照射される。このとき、光スポットの反射光は、シボ面
上の皺の溝によりその反射方向が変化する。従って、光
検出器50が受光する光量は、シボ面上の皺の溝の深さ
に応じて変化する(図7(3)、(4)参照)。この光
検出器50は、反射光量に応じた信号を電流電圧変換器
64を介してロックインアンプ70へ出力する。
【0042】ロックインアンプ70は、光検出器38、
50の各々の出力を所定時間毎にマイクロコンピュータ
72へ出力する。また、ロックインアンプ70は、所定
周波数の信号を増幅出力するものであり、コリメート光
源22及びスポット光源24によって照射された試料1
8の反射光による光検出器38、50の信号を増幅す
る。すなわち、コリメート光源22から射出されるレー
ザービームは周波数f1により、スポット光源24から
射出されるレーザービームは周波数f2 により変調され
ている。従って、光検出器38、50の出力信号のう
ち、周波数f1 、f 2 の成分は、コリメート光源22及
びスポット光源24による試料18の反射光成分とな
る。このため、ロックインアンプ70は、各々の光源を
変調するときに用いた周波数f1 、f2 と同期をとるこ
とによって、コリメート光源22及びスポット光源24
によって照射された試料18の反射光のみの信号を出力
するできる。また、このロックインアンプ70の入力周
波数f1 、f2 は異なるため、同時に複数の光量測定が
可能となり、その周波数を蛍光灯等の測定外の照明光源
周波数と異ならせることによって外乱光をも除去するこ
とができる。。
【0043】次のステップ140では、マイクロコンピ
ュータ72に入力された測定データに基づいて表面粗さ
及びシボ深さを演算する。すなわち、先ず、光検出器3
8の出力の平均値を求めることによってコリメート光源
22による試料面の反射光量の平均値を求め、この平均
値を表面粗さとする。このように、反射光量の平均値を
求めることによって誤差の少ない値を得ることができ
る。次に、光検出器50の出力の平均値、及び光検出器
50の出力の標準偏差を求める。この光検出器50の出
力の標準偏差は、上記説明したように反射光量の変動の
度合い、すなわちシボ面の凹凸による反射方向の変動の
度合いを示しているため、この求めた標準偏差を平均値
で除算し規格化した値をシボ深さとする。
【0044】この表面粗さ及びシボ深さの演算が終了す
るとステップ150へ進み、光沢度を求める。すなわ
ち、ステップ140で求めた表面粗さとシボ深さの演算
値を、上記説明した標準試料を用いて作成した官能値を
求める基準マップを参照することによって、光沢度を求
める。
【0045】従って、求めた光沢度は、人間の官能評価
に一致する値として得られ、従来のように求めたシボ面
光沢の順位と、官能評価による順位とが逆転することは
ない。このため、シボ面を有した成形品の品質管理が定
量的な測定値に基づいて行うことができる。
【0046】なお、本発明者は、本実施例において用い
た基準マップ(図9参照)として、大量の官能値を対応
させることなく、図10に示した簡易的なマップを用意
して、官能値の異なる4種類の試料を用いて表面粗さ及
びシボ深さの測定値を官能値に変換することにより、良
好なデータを得ることができることを確認している(表
1参照)。この簡易的なマップを用いたときには、予め
人間の官能評価による官能値を細かく求める必要がな
く、簡単な測定で、マップを求めることができ、少ない
マップのデータを用いた変換処理で官能値に相関のある
値としての光沢度を容易に求めることができる。従っ
て、光沢度測定装置において所有しなければならないデ
ータ量を少なくでき、組み込みが容易である。
【0047】
【表1】
【0048】このように、簡易的なマップであっても、
上記説明したように、シボ深さ及び表面粗さに基づいて
光沢度を求めた値で試料を評価することによって、人間
の官能評価に一致する順位で試料を評価することができ
る。
【0049】また、上記実施例では、基準マップを読み
取って表面粗さ及びシボ深さの測定値を官能値に変換す
るようにしたが、予め求めた基準マップを複数記憶して
おき、これを選択するようにしてもよく、また、予め基
準マップを記憶してこの基準マップとの偏差、補正量を
読み取るようにしてもよい。
【0050】また、本実施例では、コリメート光源及び
スポット光源を用いて、試料を照射した場合の例につい
て説明したが、本実施例は、これに限定されるものでは
なく、1つの光源をハーフミラー等によって分割し、コ
リメート光及びスポット光を形成してもよい。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、シ
ボ深さ、及び表面粗さに基づいて光沢度を求めるため、
人間の目視と一致した光沢の測定を行うことができる、
という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る光沢度測定装置の概略構
成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施例に係る光沢度測定装置の光学部
の外観を示す斜視図である。
【図3】シボ深さと官能値との関係を示した線図であ
る。
【図4】表面粗さと従来の光沢計の測定値との関係を示
した線図である。
【図5】試料の表面状態(シボ深さ)を示す断面図であ
る。
【図6】シボ深さ測定に利用した測定器の構成を示した
ブロック図である。
【図7】(1)は、シボ深さの浅い試料の光の反射状態
を示すイメージ図である。(2)は、シボ深さの深い試
料の光の反射状態を示すイメージ図である。(3)は、
(1)の試料の光検出器の出力信号を示す特性曲線であ
る。(4)は、(2)の試料の光検出器の出力信号を示
す特性曲線である。
【図8】シボ深さと反射光量の演算値との関係を示す線
図である。
【図9】表面粗さとシボ深さとの関係を示す線図であ
る。
【図10】基準マップの1例を示す変換図である。
【図11】本実施例の光沢度算出ルーチンを示すフロー
チャートである。
【符号の説明】
10 光沢度測定装置 12 光学部 14 駆動部 16 制御部 18 試料 22 コリメート光源(第2の光源) 24 スポット光源(第1の光源) 26 スポット受光器(第1の検出手段) 28 コリメート受光器(第2の検出手段)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 測定対象物表面に形成された凹凸模様の
    シボの凹部の大きさより小さい径の光ビームを射出する
    第1の光源と、該第1の光源から射出された光ビームの
    反射光量を検出する第1の検出手段と、を備え、前記測
    定対象物と相対的に移動可能にされた第1の測定手段
    と、 前記第1の検出手段によって検出された反射光量のばら
    つきを求める演算手段と、 前記凹凸模様のシボの凹部の大きさより大きな径の光ビ
    ームを射出する第2の光源と、該第2の光源から射出さ
    れる光ビームの反射光量を検出する第2の検出手段と、
    を備えた第2の測定手段と、 前記演算手段の演算結果及び第2の検出手段によって検
    出された検出値に基づいて光沢度を求める光沢度演算手
    段と、 を備えたことを特徴とする光沢度測定装置。
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